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おはようございます、ゼロトピックです。
今日は、OKADOという会社について、ちょっと扱いたいなと思っています。
OKADOは、我々10Xがホワイトペーパーも出しているんですけども、
ネットスーパー専業の会社で、フルフィルメントセンターへの投資と、
あとはたくさんの配送盤をリースでレンタルしたりして、
それを使って巨大な物流網を作って、
それによって生鮮食品のオンライン化率を上げるという、
そこのトップリーダーと言っても過言ではないような会社です。
創業はすごく、今から20年ぐらい前になって古いんですけど、
そこから本当に着々と事業を伸ばしてきていて、
やっぱり特徴は、ガチャガチャ動くフルフィルメントセンター、
マテハンというんですけど、
マテハンの中の自動化の仕組みに投資をしていて、
それによってマテハンが自動化できるから、
たくさんのSKUといって商品が扱えたり、
あとはそのシステム、ソフトウェアの部分も自社で全部作っているので、
非常にユーザーフレンドリーですというのが彼らの売りですと。
売上げの規模としてもネットスーパー専業としては
多分世界で一番大きいんじゃないかなっていうぐらいのサイズ感で、
イギリスの中でも確かネットスーパーのマーケットの中の
15%とか市場のシェアを占めていて、
かなり大きい会社です。
他の会社は日本で言うとイオンとかイトヨカドみたいな会社の
ネットスーパー事業というところが結構メインなわけですよ。
それと対比してオカドは専業でやっていて、
届くのが早かったり欠品を起こさなかったりというところで、
すごくサービスの品質がいいというのがこれまでユーザーに、
お客様に支持されてきた背景なのかなという風に思っています。
オカドの2020年のアニュアルレポートみたいなものが出てまして、
その中で売上成長率が35%だったという数字がクリアに出ているんですよね。
この数字がどうだったんだっけみたいな話を
ちょっとしたいなと思っています。
結論から先に言ってしまうと、
これは市場の成長率に対して大きくビハインドしているというのが
実態です。
実はこれまでオカドの成長率というのは、
多分、創業から今まで一貫して市場の成長率以下になったことはないんです。
なんですけど、昨年まさにコロナウイルスの影響もあって、
イギリスの国家自体は実は世界で一番ネットスーパーと言われる
e-グローサリーと言われるような領域がもともと進んでいた
国の一つだったんですけど、
その市場の成長率が昨年1年間で大体100%かな、
要は倍になったんですよね。
それに対してオカドは35%成長で、
これ例年と比べると決して低い数値ではないんですけども、
市場の変化の速度には全くついていけなかったというのが
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オカドの実態になっています。
じゃあオカドってどういう会社なんだっけというと、
フリー、フリーじゃない、
オカドはどういう会社かというと、
フルフィルメントセンターと言われるような商品を
ピッキングしたり、あとは詰めたりするというセンター倉庫と、
あとはハブ&スポークスという、
お客様に配送する前にある中継地点に運んで、
そこからラストオンマイル運ぶというスポークスをたくさん持っていて、
かつそのスポークスからお客様のところに
ラストオンマイルするためのバンをたくさんリースしているという、
そういうアセットヘビーな会社です。
サプライチェーンの構築にものすごい投資をずっとしてきていて、
それが強みとなってソフトウェアからサプライチェーンという
ハードまで一貫した仕組みでサービスを提供しているというのが
彼らの強みだったわけです。
商品については専業なので、ほとんどは仕入れのモデルなんですよね。
自社で生産地を開拓したりとかするわけではなくて、
他社のものを仕入れてスタートする。
たくさんのSKU、今だと6万近いSKUを扱っていて、
この数値自体はものすごい大きいです。
中でもPB比率を高めていくというので、
すごく顕著な成長をするためのしっかりとした投資をやってきた会社なんですよね。
創業者も実はゴールドマンサックス出身の方3名で創業していたりして、
すごい金融的にこの小売っていうモデルを捉えて、
先行投資して回収するという、
そういった形で事業を作ってきた会社です。
なので、オカドは簡単に言うとセンター配送型のネットスーパーなんです。
なんですけど、このセンター発送型であるっていうのが、
ものすごいあだになってギアを変えることができなかったんじゃないかというふうに個人的には思っています。
これについてロイターの記事の中でも指摘されてたりしているので、
大きく外れてはないんじゃないかなというふうに思っています。
それどういうことかというと、
フルフィルメントセンターって設立に大体3年ぐらいかかるんですよね。
土地を買って借りて建屋を建てて、中に機材入れて検証で動かして、
一通り動いたら本番ねって言ってサービスを開始して、
そのエリアの人たちにアナウンスしてユーザーを集めて、
実際物流を開始するとか、
今配っていた別のセンターから配っていた人たちをより効率がいい新しいリッチなセンターから切り替えていくっていう、
そういった形で物流網っていうのは切り替えていくんですけど、
どんなに短くても3年ぐらいのスパンは絶対にかかります。
というので、コロナって去年の2月ぐらいからすごく盛り上がって、
市場の環境が変わって人々が非接触であることを求めるっていう、
そういう非連続な変化が急速に起きた中で、
このフルフィルメントセンターでは結局このキャパを上げるということはできないので、
対応が全然できなかったんですよね。
なので例年並みの顕著な成長に留まらざるを得なかったっていうのが、
岡田の痛いところで、これまで岡田は20年間世界でのベストケースというか、
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最も成功したオンライングローサリーのケースとして、
ある種称えられてきた存在だったんですけど、
これがガラッと変わって、今はどちらかというとレガシーだって言われていた店舗。
店舗を持っているような会社がいかに、すごく分かりやすく言うとDXして、
ネットスーパー事業に振り切れるかっていうのが本当勝負の分かれ目だし、
それができた会社が実はイギリスがものすごく多くて、
ここが市場の成長率を牽引したというふうに、個人的に見てて思ってます。
じゃあ、岡田と対照的だった会社ってどこっていうと、
セインズベリーズっていう、本当にスーパーさんがあります。
本当にローカルの地域に店舗を構えているスーパーで、
我々が岡田のホワイトペーパーの中でも軽く触れているんですけど、
そこのスーパーはもともとネットスーパーをやっていて、
だいたい2019年までは売上全体の8%がネットスーパーの売上だっていう状態でした。
この数値自体はグローバルで見てもかなり高い方です。
なので、ものすごくネットスーパーの成功事例、
店舗から発送するようなネットスーパーの成功事例としては、
セインズベリーとかテスコって言われるイギリスのスーパーっていうのは、
よく取り上げられる事例でありました。
このテスコが去年どのくらい伸びたかというと、
117%なんで、だいたい2.2倍ぐらい。
2.2倍ぐらいにネットスーパーの売上がバツンと伸びたっていうことがあります。
2.2倍ってちょっとありえないなっていう。
要はこういうものが鮮度が高くて、物流がサプライチェーンがものすごい難しい事業において、
2倍長に成長するっていうのはなかなかないんですけど、
それがセインズベリーと成し遂げられたっていう感じですね。
内訳を見ると、全売上げに占めるネットスーパーの割合っていうのは、
8%から15%に7%上がってるんですけど、
半分がクリックアンドコレクトっていう店舗にお客さんが取りに来るモデル。
半分がいわゆるデリバリーのいわゆるネットスーパーですと。
プラススマートショップっていっていわゆるレジ号みたいな、
お客様が自分でアプリで店内で商品をピックしてクレジットカードで決済して買えるっていうモデルも
12%くらいから31%くらいまでバコンと伸びてるっていう形で、
本当に去年1年間で非連続に店舗のデジタル化が一気に進んだっていう会社です。
もう一つこの会社はセイキョーみたいなカタログで食品を売るような事業も持っていて、
食品だけじゃないですね、洋服とかも扱ってるんですけど、
そこの売上げに占めるカタログの比率が40%、
オンラインの比率が60%っていう割合だったんですけど、
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これもオンライン比率が90%までガツンと上がってるっていうので、
この背景はもう少し調べないとわかんないんですけど、
本当に彼らがやってる事業全体のチャンネルがオンラインにググって寄ったっていうのが
去年1年間で非連続に起きたことでした。
じゃあなんでこれができるかっていうと、
セインズベリーの場合は先ほど店舗型だっていう話をしたんですけど、
柔軟なピッキングリソースの増加とかスペースが比較的お店の中にしっかりあったっていう、
そういうお店のリソースが使えるっていう予見を生かして、
うまく供給のボトネックを外したっていうのが彼らがやったことです。
日本においても実は大きいネットスーパーをやっている会社、
例えばイオンとか楽天声優っていうのは今センター型になってます。
我々がサポートしている会社でもフレスタさんっていうのはセンター型のモデルでやっています。
他方で伊東洋華堂とか都内で大きなライフさんとか、
その他センターモデル以外の会社さんっていうのは基本的に全部店舗供給型です。
店舗供給型が基本的にメインで20年ぐらいの歴史があってうまくいってなかったんで、
うまくいかないっていうふうに言われてたんですけど、
去年一年でこの調整がガラッと変わったというか、
店舗型でうまくいかないからセンターに行こうっていうロジックが破綻するような一年になったのかなっていうふうに思ってます。
要は何が言いたいかというと、
こういう非連続な変化が起きたときに最も重要なのって、
散々言うんですけどアジリティだなっていうふうに思っていて、
アジリティってソフトウェアをアジャイアンに開発するっていう文脈は当然っちゃ当然。
なぜならソフトウェアって後戻りしやすいんで、
ほとんどが2wayドアなんで、
だったらどんどんやったらいいじゃんっていう性質が大きいんですよね、
基本的には。
なんですけど、
ソフトウェア以外の面も含めたサプライチェーンの構築とか、
あとは人の採用とか、
そういったボトルネック一つ一つもどれだけ早く動けるか、
土地の確保とかもね、
センターをやろうと思ったら土地の交渉からしなきゃいけないから、
っていうのがものすごい重要で、
それに見合った動きができた会社が大きく成長できるっていうのが、
本当このコロナ始まって以降の時代に求められていることなのかなって思っています。
この時にボトルネックになるのって何かっていうと、
さっき言ったみたいな色々あるんですけど、
やっぱり何だかんだ人の採用、
そしてその人が動くためのサポート、
補助線を引くようなものがプロダクトの役割で、
その2つを合わせて提供するってことが、
めちゃくちゃ外から支援している側からすると大事なことじゃないかなと思うし、
日本の基本的にこれからネットスーパーを始められる会社さんに対しては、
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これはまとめてTENXが支えていきたいなと思っているので、
すごく日本でもネットスーパーという事業とか、
新しいモデルが立ち上がるスピードっていうのは、
どんどん加速できるんじゃないかなと思って、
それに見合うようなプロダクトをステイラとして準備していっています。
個人的にはよくいろんな取材とかで、
センター型と店舗型ってどっちがいいですかとか聞かれるんですけど、
やっぱりセンター型が成立するのは、
日本だと一部のエリアに限られるのかなという風には思っています。
1つはセンターといっても、
日本だと大きい土地をガッと確保するのが難しかったり、
その周りに証券を作れるようなエリアっていうのが結構限られている。
日本ってやっぱり山が多くて、道が狭くて、
幹線道路の横のセンターを抑えるっていうのが、
すごい土地争いではものすごい重要なんですけど、
やっぱりめちゃくちゃレッドオーシャンなんですよね。
いい土地が開くと、
ほぼ必ずどっかの物理業者さんとコンペになるみたいな形になっているので、
土地を抑えるのがまずめちゃくちゃ難しいっていうのと、
そこから例えば、楽天製油ネットスーパーは、
広北センターっていう横浜の方にセンターを去年建てたんですけど、
稼働が開始したんですけど、
それは本当にいいところにあって、幹線道路沿いなんです。
そこから都心まで運ぶというのは、そこそこやっぱり距離があったりして、
このセンターの費用と物流費を賄うネットスーパーのユニットエコノミクスを作るっていうのは、
なかなか難しい。
あとはEDLPというモデルを取っていることから、
価格を上げづらいっていうところがあったり、
あらりが取りづらいっていうジレンマもあったりして、
彼らの中でどうやって利益を出していくのかっていうのは、
ネットスーパーをやっている人は、みんながかたずを飲んで見守っているような状態だったりするんですよね。
そういう意味では、ネットスーパーをセンター型に日本で広い証券を、
Amazonのように捉えてやっていくっていうのは、結構難易度が高いなと思っていて、
それよりはしっかりジバでお客様とかファンをつかんでいって、
商品力があったり、運ばなきゃいけない距離がものすごい短い、
事業モデルを作れていたりするっていうスーパーさんは、
これからネットスーパーをやってくるでもめちゃくちゃ強み、アセットだなと思っているので、
そのあたり踏まえながら、僕らも事業を展開していこうと思っています。
ということで、今日はちょっとマニアックだったんですけど、
岡田とSainsbury'sの話をしました。
ぜひ感想ある方は、ハッシュタグゼロトピーでお願いします。
それでは。