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2026-02-15 05:48

聴く!クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第5回

クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第5回の会議メモから生成したふりかえり用Podcastです

サマリー

本エピソードでは、建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した「サブシンメトリー」の概念を探求します。これは、私たちが無意識に心地よさを感じる空間や物に見られる、部分に宿る対照性の繰り返し構造のことです。さらに、デザインを「人の複数の傾向の衝突を形で解決する行為」と定義し、この構造的な調和を体験に意図的に生み出すことが良いデザインであると結論づけています。

美の感覚の探求とアレグザンダーの実験
さて、今回は建築家クリストファー・アレグザンダーの思考をたどっていきます。彼が引用したある読書会の記録があるんですけど、これをもとに美しさとか良いデザインに隠されたルール、その革新に迫っていこうと思います。
面白そうですね。
あなたが普段、なんとなく心地いいなって感じる空間とか物ってありますよね?
ええ、ありますね。
もしそこに何か共通の秘密があるとしたら、一体何だと思いますか?
まさにそれが今回の探求の出発点なんですよ。
ほう。
アレグザンダーは、個人の主観だと思われがちな美の感覚にですね、実は誰もが共有できる客観的な構造があるはずだと考えたんです。
なるほど。
その構造探しの旅が、最終的にはデザインそのものを定義し直すことにつながっていくんです。
では早速その旅を覗いてみましょうか。まず、アレグザンダーが行った実験がすごく面白いんですよ。
はい。
被験者に図形をいくつか見せて、言葉を使わずに似ているものをグループ分けしてもらうっていう。
シンプルな実験ですね。
ええ。すると驚くことにほとんどの人が全く同じ分け方をしたそうなんです。
でもここからが面白いんですよね。
そうなんです。なぜそう分けたんですかって言葉で理由を尋ねた途端、答えがもうバラバラになったと。
象徴的なのが、12歳の少女の例ですよね。
ありましたね。
彼女は3枚の絵の中から、画風が似ているベネツヤ派の絵を2枚ちゃんと直感で選んだんですよ。
おお、すごい。
でも理由を聞かれると、どっちの絵にも船が描いてあるからって、全く別の後付けの基準を答えたんです。
うわあ、それめちゃくちゃ面白いですね。
てことは僕らの脳って、なんかこう高度なパターン認識を無意識にやってるけど、
そうですそうです。
それを説明する言葉を持ってないみたいなことですか。
まさに。じゃあ、人が説明すらできない感覚をどうやってデザインに落とし込むんだって話になりますよね。
いや、本当に。どうするんですか。
サブシンメトリーの発見
そこで、アレグザンダーは人が直感的に良い形だと感じるものに共通する構造を探し始めるんです。
そして見つけたのが、サブシンメトリーという概念。
サブシンメトリー。
例えば、シダの葉とか雪の結晶を思い浮かべてみてください。
全体が対照的なだけじゃなくて、その一部分を拡大しても、またそこに対照的な形が繰り返し現れますよね。
確かにそうなってますね。
この部分に宿る対照性がいくつにも重なっている状態、これがサブシンメトリーです。
なるほど。
私たちの脳はこの構造的な調和を無意識に心地良さとか全体性として感じ取っているんじゃないかと彼は考えたんです。
面白いな。でも、意図的に非対称に作られた美しいアートとか建築もありますよね。
そういうのはどうなるんですか。
いい指摘ですね。重要なのは、全体が完璧な左右対照であることじゃないんです。
内部にそういう局所的な対照性が豊かに含まれていること。
その構造が持つ落ち着きとか静かさが彼を次の問いへと導いたんです。
デザインにおける落ち着きとは何かって。
デザインの再定義:傾向の衝突の解決
デザインにおける落ち着き。
それは人の内なる葛藤がない状態だと。
葛藤ですか。デザインが葛藤なくす?
そうです。ここからデザインの定義がガラッと変わります。
アレグザンダーはデザインを、人の持つ複数の傾向が衝突、コンフリクトする状況を形で解決する行為だと定義しました。
傾向の衝突を解決する。面白いのはニーズを傾向と言い換えた点ですね。
そうなんですよ。
景色が見たいっていうニーズが景色を見ようとするっていう傾向になる。
なぜこの言い換えが重要なんですか。
観察できる客観的な行動だからです。
なるほど。
だからデザイナーはその行動同士のぶつかり合いを解決できる。
例えば太張りの椅子。そこには本を読みながら座り続けたいという傾向と、体が痛くなるから立ち上がりたいという傾向両方がある。
ああ、そのコンフリクトめちゃくちゃわかります。ホテルのロビーにある見た目は豪華だけどすぐお尻が痛くなる椅子みたいな。
まさにそれです。見栄えを良くしたいっていう傾向は満たしてるけど、座る人の傾向は完全に無視してるわけですよね。
良い椅子っていうのはあなたが意識しなくてもそのコンフリクトを自然に解消してくれる。
つまりサブシメトリーが持つ構造的な調和を人の体験の中に作り出すのが良いデザインだと。
なるほど、繋がりましたね。アレクザンダーの思考の軌跡がはっきり見えてきました。
人が無意識に感じる美の構造、つまりサブシメトリーを発見して、それを今度は人の体験の中で意図的に生み出す方法、つまりコンフリクトの解消を突き詰めていったと。
AIと人間の直感・想像性の未来
そういうことです。コンフリクトのない調和の取れた状態こそが美の本質ではないか。それが彼の一つの答えだったんですね。
なるほどな。資料の最後にちょっと気になる指摘があったんです。
人間が説明できない形の類似性をAIは理論的に説明できるかもしれないと。
ええ、ありましたね。
そこであなたにも一つ考えてみてほしい問いがあるんです。
もしAIが私たちが感じる心地良さとか美しさを完全に数学モデル化して完璧に再現できるようになったとしたら、
はい。
その時、人間の直感とか創造性の役割って何になるんでしょう。
私たちのひらめきって実はまだ解明されてないだけでものすごく複雑な計算に過ぎないんでしょうか。
うーん。
それともその先にも機械には決して到達できない何かがあると思いますか。
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