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2025-12-20 04:50

聴く!クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第2回

クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第1回の会議メモから生成したふりかえり用Podcastです

サマリー

このエピソードでは、建築家クリストファー・アレグザンダーの思想に焦点を当て、モダニズム建築の核心となる「形態は機能に従う」という言葉の本質を探ります。議論を通じて、デザインの目的や機能に関する深い洞察が得られ、アレグザンダーのアプローチの重要性が浮き彫りになります。

モダニズム建築の核心
今回は、建築家クリストファー・アレグザンダーの思想をめぐる、ある読書会の記録を一緒に読み解いていきたいと思っています。
手元にその要約と文字起こしがあるんですけど、モダニズム建築を支えたあの有名な言葉、 「形態は機能に従う」
この言葉が実はある種の爆弾を抱えていたということらしいんです。 そうなんです。この読書会の記録を読むと、まさにその点が議論の核心になってるんですよね。
一見するともう絶対的に正しく聞こえるスローガンが、いかにデザイナーたちを思考の迷路に追い込んでしまったかと。
なるほど。というわけで今回は、その爆弾の正体とアレグザンダーがなぜ全く違う道を探すことになったのか、その知的な冒険の軌跡を追ってみましょう。
では早速ですが、その形態は機能に従うという言葉から。 これモダニズムの象徴ですよね。すごく科学的で客観的な真理みたいな聞こえます。
ええ、聞こえますよね。ただこの言葉は暗黙のうちにあるとんでもない前提を置いてしまっていると。
読書会でもそこが鋭く指摘されていました。 つまりですね、機能は形態よりも先に独立して存在しているという前提なんです。
あ、待ってください。 形態に先立つ機能ですか。資料にあるキリンの首の例えがわかりやすいですが、科学者がキリンの首の機能を語れるのって、先に首が長いという形態を観察しているからですよね。
まさに。 順序が逆な気がします。建築家が何かをデザインするとき、その機能って一体どこから持ってくるんだろうと。まだ形がないのに。
素晴らしい指摘です。そこが問題の出発点なんですよ。 そこで議論は、機能という言葉が持つ2つの意味を解き明かしていくんです。
2つの意味。 はい、1つは目的としての機能です。 扇風機で言えば、人を涼しくするというゴールですね。
ならぼ、目的。そしてもう1つは? もう1つが実際の動作としての機能。扇風機なら羽が回転して風を起こすという物理的な動きそのものです。
でも、携帯は実際の動作に従うだとちょっと意味が通りませんよね。 確かに。動作するにはもう何かしらの形が必要ですもんね。
そうなんです。ということは、あの言葉は結局、携帯は目的に従うと解釈すべきだということになるわけです。
うーん、なるほど。携帯は目的に従う。これならスッキリします。 でも、それで全て解決とはならなかったんでしたよね。
ええ、そこからがモダニストたちを苦しめた大きな罠だったんです。 もしその目的というのがデザイナー個人の頭の中にあるアイディアとか好みに過ぎないとしたらどうでしょう。
ああ、なるほど。あの鉄則みたいに聞こえた携帯は機能に従うが、突き詰めると携帯はデザイナーである私の個人的な目的に従うっていう話になってしまう。
そういうことです。 それの客観性の欠片もないですね。
その通りなんです。科学的であろう客観的であろうとしたのに、その土台がデザイナーの主観だったというジレンマに陥ってしまった。
デザインの目的とアプローチ
例えば、あのルーコルビュージエの美しい住宅。携帯は革命的でしたが雨漏りがひどかったり住みにくかったりしたなんて話もありますよね。
はいはい。純粋な機能を追求したはずが実際にはデザイナーの美学という主観的な目的が優先されていたわけです。
うわー、それはきついですね。自分たちの拠り所が実は左上の廊下だったみたいな。
そうなんです。そこでアレクサンダーは視点をガラッと変えるんですね。目的はデザイナーがひねり出すものじゃないと。
建物が置かれる場所、使う人々の生活、その文化、そういったものの中にもうあるべき姿、つまり目的が存在しているんだと。
デザイナーの仕事はそれを謙虚に見つけ出すことだと考えた。それが彼の言う事故と世界が一体となる究極の調和の道筋なんです。
いやー、系定は機能に従うというたった一つの言葉から科学と主観、そして事故と世界の関係までこんな壮大な話に繋がると思いませんでした。
そうですね。モダニズムが採用した物事を分解して理解するアプローチは非常に強力です。
でもそれだけではアレクザンダーが言うところの生き生きとしたものは生み出せないという壁に突きあった。
彼の探求はその壁をどう乗り越えるかという現代の私たちにとっても大きなヒントを与えてくれると思いますね。
最後にあなたにも一つ考えてみてほしい問いがあります。
読書会の資料に自然とそうなる形を作るという考え方が紹介されていました。
あなたの仕事や生活の中で何かを無理やり機能させようとコントロールするんじゃなくて、自然と望ましい形が生まれるような環境をデザインするとしたら、それは一体どんなものになるでしょうか。
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