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2025-11-09 06:11

聴く!クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第1回

クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第1回の会議メモから生成したふりかえり用Podcastです

サマリー

建築家クリストファー・アレグザンダーのデザイン思考を探る中で、彼の目指した生き生きとした場所や、デザインプロセスに影響を与える数学的思考について考察しています。また、彼が捉えたコンテクストの広がりや、現実世界におけるデザインの適合性についても議論されています。

アレグザンダーのデザイン思考
こんにちは。今回はですね、建築家クリストファー・アレグザンダーのデザイン思考、これをある読書会の記録を手掛かりに深掘りしていきたいと思います。
はい。
アレグザンダーって単なる建築家じゃなくて、数学のバックグラウンドも持つちょっと異色の思想家なんですよね。
そうなんです。彼が目指した生き生きとした場所っていうのがまあキーワードになりますね。
その確信にこう迫っていきましょう。
アレグザンダーのデザイン感っていうのは、その当時のモダン建築というか、そういうものへのまあ鋭い批判から始まってるんですよね。
ふむふむ。
彼が追求したのは、人々が本当に生きるに値する暮らしを送れるような、心から心地よいと感じる環境、つまりその生き生きとした場所をどう作るかということだったんです。
なるほど。
その根っこにはやっぱり数学的な思考に裏打ちされた客観的な美しさとか調和みたいなものへの探求があったんですね。
デザインの中心にはまずニーズがあると。ここからが非常に興味深いところなんですけど、アレグザンダーはデザインを求める形、これ単なる見た目の形状だけじゃなくて構造とか機能とかそういうのも全部含めての形と。
はい。広い意味での形ですね。
それを取り巻く状況であるコンテクスト、この2つの間の適合性を見つけ出すプロセスなんだと考えたと。
その適合性ですね。そして注目すべきはそのコンテクストの捉え方。これが実に広い。
と言いますと?
読書界の記録なんかを読むとですね、物理的な場所はもちろんのこと、使う人、社会、経済、もっと言えば材料の供給元とか、廃棄場所のことまで考える。
えっと、廃棄まで?
そういう可能性まで含めてコンテクストだと捉えていたんじゃないかと。
アレクザンダーはこう、磁石これがコンテクストだとすると、その周りに砂鉄、つまり形が自然にこうパターンを作りますよね。
あーはいはい、砂鉄が模様を描くように。
ええ、あんな風に形がコンテクストにピタッと適合する状態、それを理想としてそれを実現するための努力がデザインなんだと、そういう考え方ですね。
なるほど、普通に我々が考えるデザインの範囲を、なんか遥かに超えてる感じがしますね。
そうですね。
その適合性を見つけるプロセスについても、彼は面白い見方をしてるんですよね。
人間の認知がどう発達するか、あの心理学者のジェローム・ブルーナーの影響があるみたいですけど、それに似た3つの段階を経てデザインプロセスも発展すると考えたわけですか。
そうなんです。まず第一が現実世界の段階。
現実世界の段階。
これは例えば職人さんが道具を実際に使いながら試行錯誤して改良していくような、そういう直接的なアプローチですね。
形とコンテクストを現実世界で直接触れ合わせながら一番いい形を探っていく。直感的ではあるんですが。
デザインプロセスの進化
でも時間もコストもかかりますし、そのノウハウを他の人と共有するのもなかなか難しいと。
その通りです。そこで次の段階が出てくるわけですね。
はい。
それがイメージの段階。
イメージ。スケッチとか図面とかですか。
まさに頭の中のイメージ、つまりスケッチとか図面とかを使ってデザインを進める。
これだと変更も容易ですし、コストも抑えられます。
ただ。
ただ。
やはり現実との間にズレが生じるリスクも出てくるわけです。イメージ通りにいかないとか。
なるほど。そして最後の段階が。
形式操作の段階ですね。
形式操作。これはどういうものでしょう。ちょっと抽象的な非力がありますけど。
例えばもっと複雑な都市計画とか、あるいは大きばのソフトウェア設計とかですね。
はい。
そういうもはや手で触ったり単純な絵に描いたりするだけでは扱い切れないような非常に複雑な情報や問題を扱う段階です。
ふむ。
そのためにデータとか数式モデルとか、そういう抽象的な記号や数学的なアプローチを用いて、より分析的に解決しようとする。
なるほど、なるほど。
アレグザンダーはデザインする対象が複雑になっていくにつれて、デザインのやり方自体もこのように進化してきたと考えたんですね。
ブリューナーの理論と重なるんですね。具体的な行動、心の中のイメージ、そして抽象的な記号っていう。
ええ、そこが見事に重なるのが非常に興味深い点ですね。
ただその読書会の記録を拝見すると、いくつか疑問というか議論もあったみたいですね。
そうなんです。やはりいくつか論点が残るわけです。
例えばそのコンテキストは具体的にどこまで含むべきなのかという問い。
さっきの材料の供給元とか、廃棄場所までっていうのは。
ええ、それがどこまでアレグザンダー自身の考えで、どこからが解説者の解釈なのか。
その辺りを見極めるのは難しいんじゃないかという指摘がありましたね。
なるほど。
それに加えて、もっと根本的な問いとして、彼が追求した客観的な美みたいなもの、それが本当に存在するのかどうか。
それとも、やっぱり分派とか個人の主観に大きく左右されるものなんじゃないかとか。
うーん、それは深い問いですね。
ええ。アレグザンダーが理想として掲げたものと、実際のデザインの実践との間には、まだ考え続けるべき点がたくさんあるということだと思います。
いやー、深いですね。単に良いデザインって何だろうっていう話だけじゃなくて、そのデザインが存在する世界全体とどう調和していくのかみたいな、そういう問いを突きつけられている気がします。
まさに。
さて、まあこれらの議論を踏まえて、これを聞いているあなたにとっては何が見えてきたでしょうか。
最後にですね、こんな問いかけをしてみたいと思うんです。
はい。
もし、デザインというものが単にものの形や機能を作るだけじゃなくて、それを取り巻く社会的あるいは環境的な側面まで全部含めたその広大なコンテクストとの深い適合性を追求するものなんだとしたら。
ええ。
あなたの身の回りの世界の見方、あるいはあなた自身の何かを作り出す活動に対する考え方は、それによってどのように変わる可能性があるでしょうか。
うーん。
ぜひちょっと考えてみていただけたらと思います。
06:11

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