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2025-12-22 05:41

聴く!クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第4回

クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡会読会 第4回の会議メモから生成したふりかえり用Podcastです

サマリー

クリストファー・アレグザンダーの思考を探求する会議では、都市の構造としてのツリー構造とセミラティス構造の違いが議論されており、典型的な近代都市と自然に発展した都市の特性が比較されています。また、アレグザンダーの美しさの根源に関する考え方についても深く掘り下げられています。

都市構造の違い
こんにちは。今回はですね、建築家のクリストファー・アレグザンダー、彼の思考をたどった読書会の記録を、あなたと一緒に深く見ていきたいなと思っています。
はい。 彼が投げかけた問いが、大きく2つありまして、まず都市はツリー構造ではいけない。
これどういうことなのか。 そしてもう一つが、そもそも人が美しいと感じる形って何なのか。
この確信に迫っていきましょう。 ではまず最初の問いからですね、
ツリー構造とセミラティス構造、この言葉だけ聞くとちょっと難しそうですけど、 要は都市をどう整理するかっていう、そういう話なんですよね。
ええ、まさにその通りです。 ツリー構造っていうのは、まあコンピューターのフォルダ整理を思い浮かべてもらうと一番わかりやすいかなと。
ああなるほど。 部署の下に課があってチームがあるみたいな。 階層的で要素同士が重ならない。
人間の脳って複雑なものを単純化して理解しようとするんで、こういうスッキリした形を、まあ好みやすいんですね。
ブラジリアみたいなゼロから計画された近代都市がその典型例ですね。 なるほど。
それに対してセミラティス構造、これはもっとなんていうか、ごちゃっとしてるというか。 そうですね。
古い欧州の街、例えばケンブリッジとか、自然に発展した都市のイメージですよね。 カフェが待ち合わせ場所で仕事場でもあり、近所の人との交流の場でもあるみたいな。
まさに。 一つのものがいろんな役割を重ね持っている。フォルダ分けというよりタグ付けに近い感じですかね。
その通りです。私たちの実際の生活って、仕事とプライベートと趣味が複雑に絡み合って、まさにセミラティス的じゃないですか。
確かにそうですね。 アレクザンダーが指摘したのは、計画する側が頭で考えたそのスッキリしたツリー構造の都市と、
そこで生活する人々のセミラティス的な現実、この間に大きなズレがあるということなんです。
美しさの根源
この気づきが、彼が初期に提唱した数学的な設計アプローチを自ら否定するきっかけにさえなったんですね。
生活の実態に合ってるのがセミラティスだっていうのはすごくよくわかりました。
でもそれって一歩間違えると、ただの混沌、カオスにもなりそうですよね。
なりますよね。アレクザンダーはその美しいセミラティスと、ただのごちゃごちゃしたカオスの違いをどう説明したんでしょうか。
そこが次のポイントになります。彼は美しさの根源を秩序に見出したんです。
秩序ですか。
はい。有名な黄金比を例にとっても、彼のアプローチはすごく独特で、黄金比が美しい理由ってよく言われるじゃないですか。
自然界のひぼなっち数列と関係があるとか、無理数だから神秘的だとか。
聞きますね。
そういう話を単なる偶然の一致だとバッサリ行くんですよ。
面白いですね。じゃあ本当の理由は何だと。
答えは驚くほどシンプルで、秩序だっているから。ただそれだけだと。
ほう。
そしてじゃあ、なぜ人は秩序を好むのかというと、単的に言えば、私たちの脳がラマ獣だからという説明なんです。
脳がラマ獣。
つまり美しいと感じるものって、実は脳がこれはわかりやすいぞ楽ができるって喜んでるサインみたいなことですか。
そういうことです。ゲシュタルト心理学に同型性の原理っていう考え方がありまして。
同型性の原理。
脳の知覚システムはできるだけエネルギーを使いたくないので、処理しやすい、つまり秩序だった形を心地よいと感じるんです。
なるほど。
そしてアレグザンダーは、その秩序を過方について閉じているっていう数学的な性質で定義しました。
過方について閉じている。また少し専門的な言葉が。
これは簡単に言うとレゴブロックみたいなものです。
レゴブロック。
どのブロックをどう組み合わせても、あのトツボコのグリッド、システム全体から外れることなく綺麗に収まりますよね。
ああ、確かに。
部分を足し合わせても全体が破綻しない。この予測できる感じ、一貫性が脳にとっての心地よさなんです。
なるほど。レゴの例えはすごくわかりやすいです。建築で言うとルコルビュジエのモジューロル。これがまさにそれにあたると?
ええ。モジューロルは人体の寸法とか黄金比が元になってますけど、その本質はどの寸法同士を足し合わせてもシステム全体と調和が取れる。
つまり、下方について閉じているという秩序。そこにあるんです。
だから、統一感のある美しい空間が生まれるわけですね。ということは、今回の話をまとめると、まず理想の都市っていうのは、頭で考えた綺麗なツリーじゃなくて、生活の実態に根差した柔軟なセミラティスであるべきだと。
そうですね。
そして、デザインにおける美しさの正体は何か神秘的なものではなくて、レゴブロックみたいに予測可能。で、私たちの怠け者の脳が処理しやすい、ある種の数学的な秩序から生まれると。
ええ、そういうことになりそうです。
いや、腑に落ちました。
それでですね、最後にあなたに一つ考えてみてほしいことがあるんです。
はい。
そのルコル・ビョジエのモジューロルですが、これは身長183センチのヨーロッパ人男性を基準に作られていました。
ああ。
この事実って、多様性が重視される現代において、私たちに問いを投げかけると思うんです。
たった一つの基準から生まれる秩序ではなくて、あらゆる人々にとって快適で美しいと感じられるような秩序。これを私たちはこれからどうやって見つけていけばいいんでしょうか。
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