1. 心理師わたるんのカウンセラジオ
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2024-08-09 10:15

#4.「傾聴して共感する」ってどういうこと?

巷でよくきく「傾聴」と「共感」。「コミュニケーションのコツ」とか、「聞き上手になるために必要なスキル」とかと紹介されることが多いですが、実際はどういうことなんでしょう?少しふかぼった話をします。


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みなさん、今週も1週間お疲れ様でした。 公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
この番組、カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困りごとの解決に役立ちそうな心理学・カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
今回はタイトルの通りなんですが、みなさん、人の話を聞くときのコツとして、「傾聴しましょう。」とか、「共感的に話を聞きましょう。」とかって言葉を聞いたことありますでしょうか。
傾聴というのは、漢字で書くと傾くという漢字と聞く、聴力の聴という漢字で傾聴と言います。
意味は、熱心に聞くことですね。 ちなみに、共感というのは、相手の意見や経験に対して、「ああ、それはそうだよな。」と感じることという意味です。
聞いたことあるよという方では、それが具体的にどういうことか、どんなふうに話を聞くことなのか、何かイメージはありますか?
もしかしたら、優しそうな表情をした白衣のカウンセラーが、すごくゆっくりうなずきながら、「うんうん、それは辛かったですね。」と言葉掛けをしている
という感じをイメージした方多いかもしれません。 それですね、だいたいあってます。間違ってはいないんですが、その
「うんうん、それは辛かったですね。」という言葉に行き着くまでの過程が、実は割と大事だったりするんです。
この、傾聴だとか、共感だとかっていうのは、ただただ、うんうんと話を聞くとか、大変だったねってとりあえず優しい言葉をかけるとか、
そういうのだけではなくて、もうちょっと奥の深い難しいことを言っているんです。 難しいんですが、もう少し深くこの傾聴とか共感というものを理解できると、結構人間関係で使えるスキルになるんじゃないかなと思います。
例えば、そうですね、いわゆる聞き上手になれて、パートナーの話を傾聴するスキルが身について関係が良くなったり、
あとは後輩育成とかもうまくなるんじゃないかな。 なので、今回はその辺について心理的な視点から解説していきますね。
では、関西ラジオやっていきましょう。 じゃあ、本題に入りますが、共感して傾聴するって言葉って、割と巷でもよく聞くようになった気もしているんですが、
ただ僕としては、さっきも言いましたが、なんとなくその巷で言われている共感だとか傾聴だとかっていうのが、ただただうんうんと話を聞くとか、大変だったねってとりあえず優しい言葉をかけるとか、
そういう意味として使われているような気がしているんです。 それは微妙に違うところがあってですね。
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で、じゃあどういうところが違うと思っているのかっていうのを例に沿って説明していきますね。
例えば、一緒に住んでいるパートナーが家に帰るなり、「いやー、今日大変だったよ。」と言い出したというシチュエーションを考えてみましょう。
今から2つ会話の例を挙げてみますね。
1つ目。
いやー、今日大変だったよ。
そっか、大変だったのね。
話の長い人に捕まっちゃってさ、全然仕事ができなかったよ。
うーん、それは仕事ができなくて大変だったね。
じゃあ、2つ目。
いやー、今日大変だったよ。
大変だったんだね。どうしたの?
話の長い人に捕まっちゃってさ、全然仕事ができなかったんだよ。
あー、それは災難だったね。思うように進まないと焦るよね。
実は1時間くらい時間取られちゃって、その分を巻き返すのにめっちゃ集中したんだよね。
残業してなんとか終わらせてきたから、なんか今すごい疲れたわ。
あー、それは本当に大変だったんだね。
はい、というわけで、2つ簡単に例を挙げてみました。
これですね、どちらの例も形状と共感を使っていて、
で、多分皆さんが形状、共感についてなんとなくイメージしているものに近いのは、
最初の1つ目の例、「うんうんと聞きつつ、大変だったねとねぎらうような聞き方に近いんじゃないかなと思います。」
でもですね、この2つの例を比較してみて、
よりしっかり相手の話を聞いてた、相手の話により共感していたのはどちらかというと、
どちらかというと、2番目の方がより形状して共感して聞いていたように聞こえた方の方が多いんじゃないかなと思います。
どうでしょうか。
もう少し言うとですね、
皆さんの中には、もしかすると1つ目のただ優しく聞いて、うんうんと頷くような聞き方をする例に対して、
ちょっと偽善っぽいっていうか、薄っぺらい感じを持たれた方もいるんじゃないかなと思います。
いや、ちょっと偽善は言い過ぎかもしれませんけれども、ちょっとした違和感の方が表現として近いかもしれませんね。
じゃあ、その感覚はどういうことなのか、この2つの例の違いがどこにあるのかというと、
実論から言うと、よりしっかり相手のことを分かろうとする態度を示しているかどうかの違いなんです。
2つ目の例では、共感や形状をしつつも、質問をして相手の状況をより分かろうとしていました。
なんとなく大変な感じが伝わってくるなということを伝え返しているのと同時に、より相手の大変さを分かろうと質問をしていましたね。
そして、相手の詳しい事情が分かった上で初めて、「ああ、それは本当に大変だったんだね。」と言っています。
こうすることで、「それは大変だったね。」と共感する重みが違ってくるんですね。
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逆に、その人の大変さを聞き切れていない段階で、「それは大変だったね。」と言っても、なんとなく軽い感じを持たれやすいし、「大変だったね。」という側も実感を持って言いづらくなります。
1つ目の例は、悪い聞き方とは言い切れないんですが、ちょっと早い段階で共感を示しているんですね。
さっきの2つの例の違いについて言い換えると、あまり事情を聞けてない段階で、「それは大変だったね。」と言ったのが1つ目の例で、
事情をより詳しく話してもらってから、「それは大変だったね。」と言ったのが2つ目の例と言えるのですが、
あまりに早く、「大変だったね。」と言われると、話した側は、「なんとなく聞いてくれる雰囲気はあるけど、本当に自分のことをわかってくれてるのか?」と少し不安になることもあります。
あと、聞く側も、「本当はそんなに大変だったんだなぁ。」と思ってはいないけど、なんとなく合わせようと共感をするという感じで伝え返すことになりやすいです。
共感というのは、そういうとりあえずの雰囲気で合わせてすることではなくて、本当に自分が相手に共感できる感覚を持てて初めて共感できるんですね。
今回の例だったら、相手の大変さについて、「本当に自分が心から大変だったんだなぁ。」と思えて初めて、「大変だったね。」と伝えることに意味があるんですね。
ここが、形状共感の深いところで難しいところなんです。
共感というのは、その人の辛さが自分の中でわかって初めて共感するもので、その共感をするためには質問を重ねたり聞いたりすることが必要なんですね。
相手の事情を知らないと共感の仕様がないですからね。
なので、形状というのは、ただ聞くことでもあるけれど、共感的に話を聞くことを目指すために、相手のことを分かろうとする姿勢で質問をしながら形状をすることが大事なんです。
もしこれができると、相手もすごく話を聞いてくれたという感覚を持ってくれるはずです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
皆さん今回はいかがでしたでしょうか。
今回の話をまとめると、形状共感の中でも相手のことを分かろうとする態度が大事ということになります。
前の番組では、コミュニケーションにおいて相手に興味を持つことがまず大事だよという話をしたり、
愚痴を聞くときは相手の感情に焦点を当てて共感するといいよという話をしたりしましたが、その話とも通ずるところがありますね。
少しややこしい話だったかもしれませんが、なんとなくわかってくれる方がいらしたら嬉しいですし、今後の皆さんのコミュニケーションのヒントになれれば嬉しいです。
でもですね、実は僕も共感だとか形状だとか正直最初はよくわかってなかったです。
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本を読んで言葉を理解しても、どうしてもやってみて体験するまでは負に落ちなかったんですよね。
いくらか心理師として経験を重ねてきて、やっとわかってきたという感じです。
でもまあ今でも話を聞いている中でいつも共感できるかというとそうではないし、うまく相手の話を聞けていないなぁって思う時もありますので、本当に難しい考え方だなぁと思ってます。
なので常にこういう態度でいないといけないわけでもないと思うので、お互いプライベートでは多少力を抜いて人と関わることも視野に入れていただければなと思います。
では最後に、もしよければこのエピソードがいいなと思ったら星5評価をしていただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたらお便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
では今回はここまで。おやすみなさい。
ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。
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