1. 心理師わたるんのカウンセラジオ
  2. #27.いじめと集団心理のはなし
2025-06-27 13:36

#27.いじめと集団心理のはなし

spotify apple_podcasts youtube

一人でいることの方が好きな心理士(笑)が、お便りを通していじめと集団心理についてお話ししてみました!


政府広報オンライン:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201505/2.html


この番組で取り上げてほしいこと、心理士にきいてみたいこと、その他お問い合わせなどあれば、こちらのお便りフォームまでメッセージをお願いします!

https://forms.gle/sCeHYKuZZvqn8hKM8

X(旧Twitter)でつぶやいたり、noteで記事投稿なんかもしてます。生息地一覧はこちら!

リットリンク:https://lit.link/watalune

サマリー

今回のエピソードでは、いじめや集団心理について深く考察しています。特に、日本とアメリカのいじめに対する意識の違いや、集団の同調圧力がいじめを引き起こす理由について語られています。また、いじめの構造には受ける側に原因がないことが強調されており、集団内でメタ認知を持つことによって、どのように行動すればよいかを見極めることができると提案されています。

いじめの現状と考察
みなさん、今週も1週間お疲れ様でした。公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困りごとの解決に役立つような心理学・カウンセリングの豆知識を見るとお伝えしています。
今回もお便りにお返しする回なんですが、ちょっといつもと経路が違うお話をします。
みなさん、いじめは何で起こるのかということを考えたことがありますでしょうか。 いじめはもちろん起こってはいけないことで、なくさなければなりません。
日本でも、昔と比べるとすごく敏感にいじめだったり、大人の世界だとハラスメントのことについて考えるようになりましたよね。
ただ、それでもいじめやハラスメントはなくなっていないというのが現状です。 じゃあ、いじめってそもそも何なのか、我々はどうすればいいのかということについて考えていけたらと思います。
では、カウンセラジオを始めていきましょう。 では早速お便りを読み上げていきます。
ZOさんという方からいただきました。ありがとうございます。 日本だといじめられた側が心の闇を抱えているとなり、より悲しいんですけど、
ミステリーという流れの中で、アメリカではいじめた側に問題があるように言っていたような。
取り上げてほしいのは、日本ではいじめた側にも問題があるとなぜならないのか。 いじめた方にいじめはダメよというだけなのはなぜなのか。
ということでした。 今回はZOさん個人のお悩みというよりも、もっと大きな話について聞きたいという感じのようですね。
もちろんZOさんご自身がいじめに関して釈然としない気持ちや、日本がいじめについてしっかり真剣に考えて対処していない不満というのを強く抱えているからこそ、お便りをくださったということもあるかもしれないなぁと思っています。
アメリカと日本の違い
もしそういう思いをお持ちでしたら、素晴らしいことだと僕は思います。 人の痛みに寄り添う力をお持ちなんだろうなと思います。
そうですね、今回はカウンセリングというよりは社会学、社会心理学的な話になるかなと思います。 そして僕は厳密にはその分野の専門家ではないので、ごく一般的な知識と試験を交えながらのお答えになってしまうかと思います。
すみませんがそちらだけご了承いただければと思います。 じゃあお便りの文章に対して都度コメントを入れながら考えを進めていきます。
まず、いじめに対する僕の見解からお話ししようと思います。 ゾウさんの文章、「いじめられた方が心の闇を抱えているとなり、より悲しいんですけど。」という部分ですね。
ここ、「いじめられる方が悪いと言われるのは違うんじゃないか。」というニュアンスで書かれているのであれば、めっちゃ賛成です。ということをお伝えしたいです。
あの、やっぱり中にはいじめられた方が悪いみたいな空気になっている社会があったり、そう思っている大人も結構いると思うんですけど、
僕が思うにいじめられるような闇の部分というか、あまり周囲からは受け入れられない要素なんてものは誰でもいくつかは持っているもので、
そんなことを理由にいじめが起きるのであれば、誰がいじめのターゲットになってもおかしくないと思うんですよね。
つまり完璧な人間なんていないんだから、いじめられる側が悪いなんていうロジックは通じないわけで、やっぱりいじめを起こしたその集団が悪になると思うんです。
それで今回のお便り、「アメリカではいじめた側に問題があると言われるが、日本はそうではないのは何でか?」というご質問でしたね。
それを受けて少し調べたんですけど、やっぱりアメリカの方が日本よりもいじめに対する問題意識が強くて、
いじめた側への指導も入念に行うそうです。
それがどのくらいのものか、どのくらい機能しているかについては、すみません僕アメリカ本土に行ったことがなくて、ちょっと想像もつかないんですね。
なので日米の差についてはこれといった説明ができないんですけど、もしかしたらアメリカは日本よりも被害者だけでなく加害者に対するサポートも充実してて、
そこはやっぱりいじめに対する問題意識の深さの違いが影響しているのかもしれませんね。
個人的にはその加害者のサポートって視点大事だなと思っていて、やっぱりいじめをするということは加害者側が何か抱えているものを発散させるために行っているという部分もあると思うんです。
つまりは自身の葛藤の発散のさせ方が人の道を外れているということなので、それはその人の抱える闇を含めしっかり大人が向き合っていく必要があるわけです。
もちろんそれでも被害者の心のケアが最優先ですが、
何と言いますか、被害者の心のケアが最優先という前提が当たり前のものとしてあるからこそ、加害者のサポートという視点が生まれるんじゃないかなと思うわけです。
日本は被害者へのサポートに躍起になっている段階だと思うので、そういう点でやっぱりアメリカは一歩進んでいると言ってもいいのかななんて思ったりもします。
集団心理の影響
まあでもちょっとここは実際に諸外国で生活している方からお話を聞かないとわからないですね。
ただ一方で、そういういじめに対する意識の強い国でいじめが起きないかというと、それはまた別問題だと思います。
多分どの国でも、そしてどの年齢層のコミュニティでも大なり小なりいじめやハラスメントが起きていると考えた方がいいかなと思っています。
人間が作る集団の傾向として、どうしても同じ特徴だったり同じ境遇だったりすることを良しとする力が働きます。
集団力度と言うんですけど、そうなるとその集団にそぐわない特徴を持っている人が排除されやすくなったり、
その集団に適応するために自分を無理やりその集団に合うように振る舞おうとしたりする動きが生じます。
これはいじめが発生する要因の一つになり得るわけですが、別の言い方をするとその人が別に悪いわけじゃないのに、
その人の特徴がたまたま所属する集団に合ってなくていじめが起きちゃうということになるわけです。
これはいじめから民族の迫害までいろんな人間の負の営みに通じるところがありますよね。
いじめはダメよ、だけでは収まらない、人間のさがみたいなものでしょうか。
人って集団になると力は強くなるんですが、その分いろんなリスクも生まれます。
さっき話したように同じであれというような同調圧力も生じるし、
あと他には意思決定が極端になりがちだったりもするんです。
集団極制化って言うんですが、人一人の物事の決定よりグループで決めた物事の決定の方が極端な安定、
もしくは極端なリスクを取る方に働くんだよなんて現象です。
人一人より集団の方が判断が雑になるとも言えるかもしれません。
ちょっと面白いですよね。
人は何かしらの集団の中にいないと生きていけないと思いますが、
その集団の考えや価値観が正しいかというとそうではないようです。
でもその集団の中にいる人はそれが見えづらくなっています。
台風の中にいる人はその台風がどんな形をしているかとか分からないし、分かろうとする余裕もないですよね。
集団の中で生きるのに必死です。
そこから浮いてしまうといじめられて、自分が価値のない人間であるかのように思ってしまうこともあるだろうし、
それ以上の心の傷を負うこともあるかと思います。
ただ今まで話したように、いじめの被害者は何ら悪いわけではないし、
何だったらいじめを起こす側や起こる集団側に闇があるわけです。
今いじめを受けている方、いじめを受けていなくてもちょっと今いるコミュニティからの当たりの強さを感じている方が、
もしこのエピソードを聞いていたらお伝えしたいことがあります。
まずご自身が全部悪いなんてことはないことを念頭においてください。
誰しも何パーセントは悪い部分があるので、その自分の何パーセントかを周囲の人がめっちゃ広げてきていると思ってください。
そして頼れる人、そのコミュニティの外にいる人に助けを求めましょう。
いじめとその背景
さらに本当にしんどかったらその集団から脱出しましょう。そこまでしても大丈夫です。
あなたがいじめまで受ける言われはないですから、ご自身の身と心を守ることを最優先に行動してくださいね。
いじめの相談窓口、日本にもちゃんとあります。リンクを貼っておきますね。
そしていじめられていなくても、皆さん集団の中にいるときはちょっと一歩下がってその集団の中で何が起こっているかというのを見る視点があるといいかなと思います。
今の自分の状態がどんな風になっていて周りから見るとどんな感じになっているかと一歩引いて自分を見ることをメタ認知というのですが、
集団に対してもその視点を持てるとその集団の中でどんな力動が働いているかがわかるようになります。
例えば全体的な雰囲気はどんな感じかとか、誰かがどうすると誰かがああしてこうなるとか、そういういろんな現象を冷静に見る感じですね。
そうすれば自分がどのように動けばいいかがよくわかってくるかもしれません。気が向いたらやってみてくださいね。
というわけで、ちょっと今回はまとまりがない感じになっちゃいましたが、今回の話はいじめを受ける側に原因はない。
悪いのはいじめが起こる構造であり、誰に対してもサポートが必要だ。その本質的なところに文化差は多分あんま関係ないと思うというところかなと思います。
ぞさん、みなさんいかがでしたでしょうか。僕個人としてはですね、たくさんの人の中にいることで得られる力みたいなものも大切だなぁと思ってるんですが、
僕は集団でいるより少人数や一人でいる方が圧倒的に好きな方なんですよね。
まあでもそれこそその集団との付き合い方や好き嫌いは人それぞれだと思いますので、そこはみなさん一人一人の心地良いコミュニティとの付き合い方を模索してくださればなぁと思います。
では本題はこのくらいにして投票結果を見てみようのコーナーやっていきましょう。
今回は5票をいただいていて、前回のエピソード、上司の評価と自分のキャリアの話にちなんで、上司からの評価は妥当だと思っているか、コミュニケーションはうまくいっているかについての投票を作ってみました。
投票ありがとうございます。 まだそちらのエピソードを聞いていない方は聞いてみてくださいね。
それで結果はですね、上司から妥当な評価を受けててコミュニケーションもOK1票。
妥当な評価だけどコミュニケーションはあんまり0票。 思う評価はもらってないけどコミュニケーションはOK1票。
思う評価をもらってないしコミュニケーションもあんまり3票という結果になりました。 あの投票をしてくださった方、特に上司とうまくいっていない3名の方、本当にお疲れ様です。
それこそ今回の集団の話じゃないですけど、所属する集団の中で力を持っている人とうまくいっていないっていうのはすごいストレスだろうなと思います。
やっぱりトップの意思が全体に反映されることが多いですからね。 ただそこでいい評価を受けていないことが自分そのものの価値を下げることにつながるかというと、
今回のエピソードを聞いていただいた方はそうではないと考えていただけるかなと思います。
前回のエピソードと合わせてご自身の今後について考えていただけたら嬉しいなと思います。
じゃあ今回の投票はそうですね、いじめと集団の話だったので、一人が好きかどうかと今いるコミュニティに居づらさがあるかどうかについて聞いてみようと思います。
Spotifyで投票できますので見てみてくださいね。 では最後にもしよろしければこのエピソードがいいなと思ったら番組のフォローや星5評価を
していただいたり、何か心理師に聞きたいことやお問い合わせがありましたらお便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
お便りやコメントを引き続き少しずつお返ししていきますね。 またポッドキャスト以外でもノートでの執筆やメンタルヘルスアプリでの配信も行っています。
YouTubeでは動画を差し込んだバージョンのものも少しずつ配信しています。 見てみてくださいね。
詳しくはリットリンクをご覧ください。リットリンクは概要欄とXの固定ポストからアクセスすることができます。
では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくださってありがとうございました。 また次回をお楽しみに。
13:36

コメント

スクロール