番組紹介とリスナーからの便り
湧き水のほとり。
FM八ヶ岳をお聴きのみなさん。各種インターネットからお聴きのみなさん。
ごきげんいかがですか。開運小天です。
ここからの15分間は、聞く読書の番組、湧き水のほとりの時間です。
児童文学や、昔懐かしい物語、さまざまな文豪の短編などを、少しずつ読ませていただきます。
おいしいお水を召し上がりながら、ひと息ついてくださいね。
それでは、物語を読み始める前に、京都亀岡市からお聞きいただいています。
ラジオネーム、長野テイスト常州.ノムさんからのお便りをご紹介します。
番組名、湧き水のほとり。
開運小天ちゃん、はじめまして。
開湖起きて、桑をはむ。
季節うつろいに流されながら、日々楽しみながら、きょうも、渡辺音著、バラの女、聞いていました。
女は長いまつげ。
レンゲソウのうた。
素敵な歌詞ですね。
次回、楽しみます。
お体たいせつに、じゃ、ぽっとまほうびん、というメッセージをいただきました。
長野テイスト常州.ノムさん、どうもありがとうございます。
「ヘンゼルとグレーテル」読み聞かせ開始
今週から4回に分けて、グリム兄弟作、ヘンゼルとグレーテルを読んでいきます。
子供のころに読んだことがある方もいらっしゃるでしょうか。
またお便りお待ちしています。
それでは、さっさく読みはじめましょう。
グリム兄弟作
楠山雅雄訳
ヘンゼルとグレーテル
1.貧しい木こりの男が大きな森の近くに小屋を持って、
おかみさんと二人の子供とで暮らしていました。
二人の子供のうち、男の子がヘンゼル、女の子がグレーテルといいました。
しがなく暮らして、ろくろく歯にあたる食べ物をこれまでも食べずにきたのですが、
ある年、国中が大飢饉で、それこそ日々のパンが口にはいらなくなりました。
木こりは、ばん寝床にはいったものの、この後どうして暮らすか考えると、
心配で心配で、ごろごろ寝返りばかりしてため息ましりにおかみさんに話しかけました。
「俺たちこれからどうなるというんだ。かわいそうに。子供らをどうやって食わしていくか。
何しろ肝心養ってやっている、俺たち二人の食うものがない始末だ。
お前さ、いっそこうしようじゃないか。」と、おかみさんが答えました。
明日の朝、のっけに子供たちを連れ出して、森の奥の奥の小深いところまで行くのだよ。
そこで焚火をしてやって、めいめい一かけずつパンをあてがっておいて、
それなり私たち仕事の方へすっぽ抜けて行って、
二人はそっくり森の中に置いてくるのさ。子供らに帰り道が見つかりっこないから。
それで厄介が抜けようじゃないか。」
木こりの葛藤と妻の説得
そりゃおめえいけねえよ。」と木こりが言いました。
そんなことは俺にはできねえよ。
子供らを森の中に置き去りにするなんて、どうしたってそんな考えになれるものかな。
そんなことをしたら、子供らすぐと森のけだものが出てきて、
ズタズタにひっついてしまうに決まってるがな。
あれやれ、おまえさんいいバカだよ。」と、おかみさんは言いました。
そんなことを言っていたら、私たち四人が四人、かつえじにに死んでしまって、
あとは館桶の板を削ってもらうだけが仕事になるよ。」
こうおかみさんは言ってそれからものべつまくしたてて、
いやおなしに邸主をうんと言わせてしまいました。
どうもやはり子供たちがかわいそうだなあ。
と邸主はまだ言っていました。
子供たちの会話とヘンゼルの計画
二人の子供たちもおなかがすいてよくねつけませんでしたから、
ママ母がおとっさんに向って言っていることをそっくり聞いていました。
妹のグレーテルは涙をだしてしくんしくんやりながら、
兄さんのヘンゼルに向って、
どうしましょう。私たちもうだめね。」
と言いました。
グレーテル。
とヘンゼルは言いました。
おさわぎでない。
大丈夫。ぼくきっとよくやってみせるから。
こう妹をなだめておいてやがて親たちがねじずまると、
ヘンゼルはそろそろ起きだして上着をかぶりました。
そして表の戸の下だけあけてこっそり外へ出ました。
ちょうどお月さまが昼のように明るくてっていて、
うちの前に敷いてある白い小砂利が、
それこそ銀貨のようにきらきらしていました。
ヘンゼルはかがんでその砂利を上着のかくしいっぱい
つめるだけつめました。
それからそっとまた戻っていって、
グレーテルにいいから安心してゆっくりおやすみ。
神さまがついていてくださるよ。
と言い聞かせて自分もまた床にもぐりこみました。
森への出発と道しるべ
夜があけると、まだお日さまのあがらないうちから、
もうさっそくおかみさんが起きてきて、
二人をおこしました。
「さあ、起きないか。のらくらものだよ。
起きて森へ行ってたきみをひろってくるのだよ。」
こう言っておかみさんは子どもたちめいめいに
ひとかけずつパンをわたして、
「さあ、これがお昼だよ。
お昼にならないうち食べてしまうのではないぞ。
もうあとはなんにももらえないからよ。」
と言いました。
グレーテルはパンを二つともそっくりまえかけの下にしまいました。
ヘンゼルはかくしにいっぱい小石をいれていましたからね。
そのあとで親子よにんそろって森へでかけました。
しばらくいくとヘンゼルがふとたちどまって
くびをのばしてうちのほうをふりかえりました。
しかも、そんなことをなんべんもなんべんもやりました。
おとつさんがそこでいいました。
「おい、ヘンゼル。
なにをそんなにたちどまってみているんだ。
うっかりしないで、あしもとにきをつけろよ。」
「なに、おとつさん。」とヘンゼルはいいました。
「ぼくのみているのはね、あれさ。
ほら、あすこのやねのうえにぼくのしろねこがあがっていて
あばよしているから。」
「あれがおまえのこねこなもんか。
あれはけむだしにひがあたっているんじゃないか。」
といいました。
でもヘンゼルはこねこなんかみているのではありません。
ほんとうはそのまに、れいのしろいこじゃりを
せっせとかくしからだしてはみちにおとしおとししていたのです。
森での焚火と別れ
もりのまんなかごろまできたとき、おとつさんがいいました。
「さあ、こどもたち、たきつけのきをひろっておいで。
みんなさむいといけない。
おとつさんたきびをしてやろうよ。」
ヘンゼルとグレーテルトでそだをはこんできて、そこにやまとつみあげました。
そだのやまにひがついて、ぱーっとたかくほのおがもえあがると、
おかみさんがいいました。
「さあ、こどもたち、ふたりはたきびのそばであったまって、
わたしたちもりできをきってくるあいだ、おとなしくまってるんだよ。
しごとがすめばもどってきていっしょにつれてかえるからね。」
ヘンゼルとグレーテルトはそこでたきびにあたっていました。
おひるになるとめいめいあてがわれたパンのちいさなかけらをだしてたべました。
さて、そのあいだもしじゅうきをきるおののおとがしていましたから、
おとつさんはすぐとちかくでしごとをしていることとばかりおもっていました。
でもそれはおののおとではなくて、
おとつさんがいっぽんのかれきにえだをいわいつけておいたのが、
かぜでゆすられてあっちへぶつかりこっちへぶつかりしていたのです。
こんなふうにしてふたりはいつまでもおとなしくすわってまっているうち、
ついくたびれてりょうほうのめがとろんとしてきて、
それなりぐっすりねてしまいました。
夜になり目が覚める
それでやっとめがさめてみると、もうすっかりくれてよるになっていました。
グレーテルはなきだしてしまいました。
というところでおじかんとなりました。
番組の締め
本日はグリム兄弟作「ヘンゼルとグレーテル」を途中までよんできました。
つづきはまた来週です。おたのしみに。
おききいただきありがとうございました。
番組ではみなさまからのリクエストやかんそうをおまちしております。
FM八ヶ岳のホームページの問い合わせフォームまたはスマートフォンアプリレディモのメッセージ欄からおよせいただけます。
おおくりしましたのは、開運商店でした。このあともFM八ヶ岳でおたのしみください。
本日もいいあんばいにすごせますように。またおあいしましょう。