荒政さんに出会っちゃって、やっぱ酒造りを目指されたという感じなんでしょうか? そうですね。日本酒で生きていくというふうに決めて、その中でいろんな日本酒を
飲んでいる中で出会ったのが荒政だったという、そんな流れですね。
ちょうど僕も2009年に居酒屋を創業しまして、 2011年、12年ぐらいからしっかりと日本酒を扱うようになって、
ちょうどその頃にナンバーシックスとかも出始めてた頃な気がするので、 荒政歴も同じくらいかもしれませんね。
岡澄さんはですね、この間私が神田で開催されていたイベントでお会いしたことがきっかけで、今回お越しいただきました。 本当にありがとうございます。ありがとうございます。
クラフト酒ブルーワリー協会というのも作られて、会長になさっていると。 そうですね。
岡澄さん本当に多くのメディアにご出演されておりますので、 酒の道では他メディアではちょっとまだ発信されていないようなこともいろいろ聞いていけたらなと思っております。
ということで、今目の前にいねえとあがべさんのお酒。 いねえとホップというお酒ですね。
ということで、これはまずみんなで乾杯したいと思います。 では、乾杯! いいですね。こうやってお酒を飲みながら収録ができる。
イヤホンの向こう、スピーカーの向こうの皆さんもぜひね、 日本酒があれば一緒に飲みながら聞いていただきたいんですけれども。
まず、クラフト酒って何かよくわからない方が実は多いと思うので、簡単にご説明していただいてもいいですかね。
そうですね。我々が作るクラフト酒っていうものはですね、 日本酒技術をベースに、そこにフルーツとかハーブとかを一緒に発酵させて作ったお酒を指しますね。
例えば、ここにあるお酒のようにホップみたいなものを原料にして、 お米と麹とホップで醸して、日本酒とクラフトビールを融合させたようなものを作ったり、
あるいは、ブドウなんかを一緒に発酵させて、 ワインと日本酒を融合させたようなものを作ったりっていうことをやらせていただいてます。
面白くないですか。日本酒とブドウ、ワイン、 どんな味なのか全く想像がつかないんですけれども、特徴としてはどんな味わいになってるんですか。
そうですね。フルーツとかハーブとか入ってるってことはリキュールなの?っていうふうに言われることもあるんですけど、
リキュールっていうのは基本的に出来上がったお酒に対して、 フルーツとかハーブとかを漬け込んで出来ていくお酒かなと思っております。
僕たちは一緒に発酵させるっていうところが特徴なので、 例えばブドウを入れていたとしても、ブドウフレーバーの日本酒を作りたいわけじゃなくて、
タンクの中で一緒にお米と麹が発酵しながら、ブドウも一緒に発酵するみたいなことをやってるんですね。
なので、タンクの中でワインの発酵と日本酒の発酵が同時並行で行われると。
日本酒って、並行複発酵でむちゃくちゃ複雑な発酵だということなんですけど、それよりももっと1要素、2要素を加わって複雑に発酵させたものが、我々が作るクラフト酒かなと思ってます。
日本酒のいいところって、並行複発酵で甘いお酒も作れるし、辛いお酒も作れるし、小酒用の白麹なんかを使えば酸を加えることもできるっていうのが、日本酒の多様性ですよね。
ブドウがワインになるときって、誤答する場合もあるんですけど、基本的には果実がそのままお酒になっていくと。
言ったら、ブドウのポテンシャルがワインのポテンシャルになるわけですよね。
だけど、そこに対して並行複発酵的な要素を加えることで、このブドウ単体じゃいけないようなアルコール度数にいったりとか、あるいは作り手の目線で辛いものを作れるし、甘いものを作れるっていうのが、醸造家として非常にワクワクしながら作っているお酒ですね。
もちろん素材由来の味わいみたいなものもあるんですけど、醸造家としてどういうスタンスでどういうふうに発酵させるかによって、多様な味わいができるので、同じ素材を使っても醸造家のスタンスによって多様な味わいができるのが、クラフト酒の一つの魅力かなと思ってますね。
なるほど。初めてこんなクラフト酒について、私は詳しく聞いたので、そういうところが魅力の一つというか、なんだと思いながら。どうですか?平田さんってクラフト酒って普段飲まれますか?
杉玉さんに半年ぐらい前に、九州のリブロムさんとお付き合いが深いということで、ちょっと飲ませていただいたぐらい。あとこないだ高輪ゲートウェイのイベントに行った時も、クラフト酒協会さんのブースがあったので、そこでいくつか試飲させていただいたりだとか。
今後どういうスタンスとか料理に合わせるとか、例えばこのリネとホップに関しても、旨味と酸味と、あと最後のホップの苦味をうまく消してるなって思ってるんですけど、綺麗になってるような気がしてて。だからそういったところの複雑なお酒と合うようなお料理も合わせながら、クラフト酒って今後すごく重要になっていくんだろうなっていうふうに思っております。
ありがとうございます。本当に作り手によって多様なお酒が作れるのが特徴なので、日本酒の中でも洋食に合うものもあれば和食に合うものもあるわけで、クラフト酒も一緒だと思っていて、いろんな多様なお酒が今後もどんどん出てくるのを楽しみにしていただけるといいかなっていうふうに思ってますね。
いねとあがべさんは酒作り以外にもたくさんいろんな授業をされていて、例えばですけど、食品加工所でしたりとか、レストラン、あとラーメン屋さんもなんとあるということで。やってますね。これはどういうことですか?岡津さんが全部やってるんですか?
全部やるのは物理的に不可能なんで、うちのメンバーにおまかせしながらやってるわけなんですけど、例えば食品加工所っていうのは何やってるかっていうと、われわれの業界必ず出るのが酒かすなんですね。酒かすって昔はね、本当に食卓にのぼってたわけなんですけど、今なかなか使われなくなってきていてですね、少しずつ排気問題みたいなことも出てきてます。
例えば秋田県内だけでも年間400トンぐらい排気されてるんですね。酒かすってめっちゃ栄養素たっぷりでいいものなのに、捨てられてるって非常にもったいないじゃないですか。なので酒かすを活用した食品加工施設、主にですね、発酵マヨっていうマヨネーズ風調味料を作ってるんですけど、そういったものを自社で作る食品加工所を作ることによって酒かすの排気問題みたいなことに向き合っていたり。
あるいはラーメン屋、なぜやってるかって言うとですね、街にラーメン屋がないんですよ。
そうなんですか?
そもそもの思いとしては、このまま行くと街がなくなるんですね。いわゆる消滅可能性都市っていうところのトップランカーみたいな街が他なので、お酒作りだけやっててもやったら街がなくなっちゃうわけですよ。
街がなくなっちゃったら、せっかく作った醸造所もいつかゴミになっちゃうわけじゃないですか。
自分が命として頑張って作った醸造所がいつかゴミになっちゃうなんて、そんな悲しい人生ないと思っていまして。
なので、街を未来に残すために、やれることは全部やろうって決めて、いろんな取り組みをやっていて、その一環がラーメン屋がないからラーメン屋作ろうぜみたいな。
あとお酒作りだけだと、なかなか会社の事業も考えるところが終わりでしょうから。
ただいっぱいやる方が大変なんですけど。
作れば作る。その人も入れなきゃいけないからね。
今はなかなか人が来る場所ではないので、サービス業を展開したとしても、もう買えるかというとなかなか難しくて、どちらかというとお酒の方が好調でしてですね。
お酒の出した利益で、なんとか街を盛り上げる活動をしているという、そんな立ち位置ですかね。
素敵です。
地域活性、地域振興。
そうですね。その話についても、ちょっとどんどん本編でたくさん聞いていこうかなと思いますが、まずは岡住さん、大学卒業後にすぐに荒政指導さんにご入社されてますけど、もともと日本酒だったりとかお酒はよく飲まれてたんですか?
そうですね。飲んでなかったといえば語弊があるんですけど、むしろむっちゃ飲んでたし、お酒のおかげで人生成り立ってきた人生ではあるんです。
ただ、好きだから日本酒を作るみたいな、そんな流れで決めたわけでは一切なくてですね。
言ったら大学の時、就職活動とかあるじゃないですか。選択肢無限にあるんですよ。
無限にあるって、当時ある種なんか不幸なのかもしれないなと思っていて、ABCって道があった時に、Aが正しいのかBが正しいのかCが正しいのかなんてわかんないじゃないですか。やってみないと。
だけど、何かを選ばないといけないわけですよね。その選択肢が多ければ多いほど悩みって尽きないじゃないですか。悩みたくないなって思った瞬間があって。
で、この選択肢をもう一個に縮めちゃえって思った瞬間に、部屋の中に酒瓶が転がってたんで、これで生きていこうって決めたんですよ。
だから、何かそこに山があったから山を登るみたいな、登山家の言葉がありますけど、そんなイメージで、そこに酒瓶があったから日本酒で生きていこうって決めました。
で、そっからむちゃくちゃ銘柄意識して飲んだんですよ。
で、まず日本酒で生きていこうって決めた時に、まず酒蔵に入って一回作ってみようと思ったんですね。将来何をするかっていうのはまだ決めてなかったんですけど、まずは作ってみましょうと。
で、作る先の日本酒の倉本さんどこにしようかなっていうので、そっからいっぱい日本酒飲んで、好き順に50件ぐらい並べてリスト作って、上から順に電話していけばどっか入れてくれるかなって思ってたんですよ。
で、それぐらいの感じでいろいろ飲んでた時にある日出会ったのが荒正のお酒で、荒正飲んでむちゃくちゃビビッときてですね、デザインもかっこいいし、なんか調べたら日本酒業界のスティーブ・ジョブスとか言われてて文化と革新みたいなところでチャレンジされてる様も社長当時かっこよかったですね。
で、そういったものを居酒屋で見て、ここに決めましたと。明日荒正に電話してみようと思いますって話を居酒屋の店主の方に言ったんですよ。
そしたら店主の方が荒正で働きたい男の子が来たってお店のFacebookページにあげてくれて、それをたまたま荒正の社長の佐藤祐介さんが見ていて、コメントにいいっすよって入ったんで、DM送って秋田に飛んだのが今から11年半ぐらい前ですね。
いいっすよか。
いいっすよって、マジでいいっすよって書いてました。
その4文字。
こんな就活、じゃあ今聞いてる、もし就活生の日本酒好きな方がいたら、まずそういうところからね。
そうですね。今もう誰にでもDM送れる時代なので、会いたいとこあったら絶対メッセージ送った方がいいと思いますね。
経験者語るですからね。
それだけで人生変わっちゃったわけですからね。
変わっちゃった、決まっちゃったみたいなところが。
その瞬間がなければ、今の僕は全くないので。
他はもうどこにもアプローチする前で、もう第一志望合格以上みたいな。
いいの?
面接もなく。
アダマサ初めて飲んで、初めて飲んだんですよその瞬間。
その日?
その日初めて飲んで、3時間後にアダマサへ入ることが決まる。
奇跡みたいな流れで。
すごい。
どこか導かれるように本当にこの業界に入ってきたんで、何かそれ以降もずっと僕は運がいいですし、何かこの業界の中で僕がやるべきミッションみたいなものがあるのかなって思ってたりもしますね。
なるほど。
この就活関連で、学生時代にヒッチハイクで種ヶ島に行ったという記事も私見つけちゃったんですけど。
ここから見つけてきたんですよね。
これはどういった経緯で種ヶ島に、しかもヒッチハイクで行こうと思ったんですか?
そうですね。
種ヶ島って何かイメージあるものあったりします?
私は何もないかもしれないです。
こと?
日本史でさ、鉄砲伝来とかね。
鉄砲伝来とかね。
そっか、鉄砲伝来。
ザビエルとかね。
鉄砲伝来か種ヶ島として。
種ヶ島は、宇宙センターがあるんですよ。
そうですね。
ロケットの発射台があるんですね。
H-2Aロケットとかですかね。
そうですそうですそうです。
へー。
で、僕、就職活動は一切してないに等しいんですけど、唯一面接受けた組織があって、それがいわゆるJAXAだから。
JAXA。
すげー。
小さい頃から宇宙とか好きで、大学は文系だったんですけど、文系職も募集していたので、唯一受けるとしたらここだなっていうのがJAXAさんだったんですね。
それで、じゃあ普通に応募してもあれだから、なんかエピソード作ろうって思って、大学神戸だったんですけど、神戸からヒッチハイクで種ヶ島に行って、種ヶ島の郵便局から志望届みたいなものを出したら、ちょっとインパクトあるかなって思って。
え?ちょっと待ってください。
そこで履歴書書いて送ったんですよ。種ヶ島で。
え?でも10年ちょっと前だから、この頃もネットでエントリーシートとか。
あ、そうそう。でも郵送もあったんで。
あ、そういうことですね。
郵送で種ヶ島の郵便局の寄信があったら、目立つかなって思って。
そこまでみんなが伝わったの?
わかんない。
すごい。
そうですね。でも、そのヒッチハイクも僕初めてやったんですよ。
うーん。
そしたら、すごい運良くて、最初に止めてくれたのがお坊さんで、お坊さんとなんで行くのって言われたときに、
ジャクサ行きたくて、種ヶ島から志望届出そうと思うんですよって言ったら、むっちゃ笑われて、
頑張れよって言って、最後は何も言わずに1万円札ポンって渡して、もし車が続かなかったら電車乗って行けって言って。
1万円くれたりとか。
その後乗っけてくれたのも会社の経営者の方で、運転手付きで。
運転手がたまたま大学の先輩みたいな感じで、それも盛り上がって、君面白いねって言って、
社長が言って、社長から1万円も渡されて、運転手さんから1万円も渡されたり。
その後、乗っけてくれた人も経営者で、広島高岡山の方の太陽光パネルを設置する会社の社長だったんですよ。
そこの社長が、「ちょっと仕事で寄るから、お前も来い。」って言われて、施工現場みたいに見に行ったんですね。
その時に職人さんとかに、「俺の息子だ。」とか言って紹介してくれて、すごい話、気に入ってくれて、「うちの娘の向こうに来てほしい。」って言われてて。
で、なんか、うちの娘には今までは、松井秀樹か石川良しか旦那にもらうなって言ってきたけど、第三の男が現れた。それぐらい言われて、
今、何万坪の別荘あるから、今度遊びに行こうよみたいなこと言われてて。で、よくよく、ちゃんと話聞くと、娘中二だったんですよ。
でも、それから10年ぐらい経っていれば、ちょうどね。
そんなエピソードをいっぱい積み重ねながら、ジャクサまで行ったら、ちょうどジャクサでロケットの大会みたいなのやってて、一応手紙書いておいたんですよ。
何か話聞かせてくださいみたいな。手紙書いたら、一応親率の方とかがいろいろ話聞いてくれて、何かいろいろダメ出しはされたんですけど、
種川氏は来たけど、嫌だとかどうするの?みたいな感じで言われて、全然何も考えてないんで、その辺で野宿しますって言ったら、めっちゃ優しくしてくれて。
そしたら、その辺の近所のおじさんが、ここで寝るの?って言われて、ここで寝ますよって言って、家に泊めてあげたいけど、みたいな。
今も名前思い出したっすね。黒沢さんって方で、家に泊めてあげたいけど、うちはちょっと不自由な母親がいるから、なかなか難しいと。
だけど、ご飯持ってきてあげるよって言って、晩ご飯と朝ご飯、野宿してて、僕に持ってきてくれたりとか。
すごい。むちゃくちゃですね。
でも、今思い出しました。聞いてくれたおかげで、黒沢さん元気かなって思いました。
黒沢さん、聞いてくださってたら、ぜひコメント。
大学時代から濃い話が出てきましたけれども。
そろそろ1話目終わらないと、まだまだこの後が長くなりそうなので、ということで1話目はこの辺りで。