1. 酒の道〜日本酒の聖地から〜
  2. #18-2:稲とアガベ創業の第一歩..
2025-09-10 31:50

#18-2:稲とアガベ創業の第一歩とは?|ゲスト 稲とアガベ株式会社 代表取締役岡住修兵さん

トークテーマ:新政酒造での学び/稲とアガベ創業の第一歩とは? 

コーナー:さきの今日のひとこと 

 

ゲスト:岡住修兵さん 

1988年、福岡県北九州市のお生まれで、神戸大学経営学部をご卒業。この大学時代に秋田県の日本酒『新政』との出会いに感銘を受け、2014年に秋田県の新政酒造にご入社され4年半にわたり日本酒づくりを学ばれます。 

その後浅草にある木花之醸造所の初代醸造長を。そして2021年に秋田県男鹿市にクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」を創業されました。 

醸造所だけでなく、レストランや宿泊施設など多角的な事業を展開され、「男鹿を酒の聖地」として地域活性化を目指していらっしゃいます。 


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サマリー

今回は、稲とアガベ株式会社の岡住修兵氏が、クラフト酒の普及活動や会社の創業について語ります。特に、日本酒の製造工程やアガベから作った新しいお酒の特徴が詳しく紹介されています。岡住氏は、酒造りにおける自然栽培米の重要性や自身の酒づくりの過程についても話します。彼は自然栽培の手法を通じて、磨かずに美味しい日本酒を作るための技術を追求し、歴史的な酒造りのスタイルに挑んでいる姿が描かれます。また、稲とアガベの創業や製品に使われる低温発酵の特徴についても深掘りしたエピソードです。岡住氏の経験を通して、酒造りにおける挑戦と成功が語られます。

クラフト酒の普及
酒の道 日本酒の聖地から
こんにちは。パーソナリティの平田勝です。この番組はお酒にまつわるゲストをお招きし、お酒の道を歩むストーリー、お酒のあれこれを深掘りしていく番組です。
アシスタントの佐紀さんと共に。聞き下げ師になったんだね。と共にお送りいたします。
佐紀です。お願いしまーす。今週末9月12から14日にニューマン高縄が本格開業とのことで、クラフト酒の宿縁、
賞状宴が開催されます。なんと、そこでも稲とアガベさんご出展とのことで、ちょっとお話聞かせてください。
はい、ありがとうございます。賞状宴っていうのはですね、我々そのクラフト酒っていうものを作っている団体で、クラフト酒ブリアリー協会っていうのを2022年の6月に立ち上げたんですけど、その立ち上げメンバーで、クラフト酒って名前をつけて定義を決めて、
協会作ったんですけど、それだけじゃ広まらないじゃないですか。なので、少しでもいろんな人に飲んでもらおうということで、2022年の8月からですね、毎年秋田と東京都で行ったり来たりしながらですね、クラフト酒を広める活動をしてますと。
今年はですね、ありがたいことに一昨年ぐらいからですね、ルミネさん系列のニューマンという商業施設さんがクラフト酒の応援をしてくださっていてですね、昨年と一昨年はニューマンの横浜っていう商業施設でクラフト酒のイベントをさせてもらってたんですね。
それが好評ということで、今年、なんとですね、ニューマンの高輪ゲートウェイという、ニューマンの中でも最大の施設がオープンするんですけど、そのオープニングイベントの目玉の一つとして、クラフト酒のイベントを開催、協催させていただくことになってますね。
なるほど。ここではどんなお酒を持っていくとか、もう決まってるんですか?
そうですね、僕たちのお酒はまだまだちょっとこれから検討っていう感じなんですけど、まだ世に出てない商品とかを持っていきたいと思ってますし、クラフト酒もですね、3年前当初はですね、まだまだ僕たちも模索しながら、おいしいものもあれば、なかなかうーんっていうものも、もしかしたらあったかもしれないんですけど、
教会メンバーみんな創育風のもとですね、年々おいしくなっておりまして、教会メンバー全員のお酒がその場所で飲めますので、ぜひ楽しみにしていただけるとありがたいなと思ってます。
アガベに関する話
贅沢ですね。ぜひ皆さんも行ってみてください。
そんな今回のゲストは、エネットアガベ株式会社代表取締役、岡積修平さんです。本日もよろしくお願いします。
今もうだいたい喋ってまいっちゃったから、これ先にご紹介した方が良かったんじゃないかな。台本をぐっと戻してます。
順番間違えたなと思ってた。ということでですね、前回はですね、岡積さんの学生時代についていろいろとお話を伺ってきたんですけれども、今回は荒正修造さんで働いていた時代から、エネットアガベ創業までの話をお伺いしたいと思うんですけれども。
じゃあその前にまずは乾杯からいきましょうか。
毎週乾杯するのね、すごいね。
ということで、今回は何のお酒ですかね。
今回はですね、会社名がついたエネットアガベというお酒です。
お米と麹に加えてですね、そもそもアガベって何かっていうとですね、アガベってテキーラの原料なんですけど。
流絶乱ってやつですね。
流絶乱ってやつです。
このテキーラの原料から生成されるシロップで、アガベシロップってものがあるんですね。
このアガベシロップをお酒に使いながら仕込んだお酒です。
ただですね、アガベシロップっていうのは基本的にそんな香りが強かったりとかするわけではなくて、甘いだけなんで、甘いものって酵母って菌が食べちゃうんですよね。
なので、シロップは大体基本的にはアルコールに分解されてますんで、そこまで日本酒とは遜色ない味に仕上がってるかなと思いますね。
じゃあ早速乾杯いっちゃいますか。
乾杯!
酒造工程の詳細
濃い!
そうですね。
濃い。
確かに濃い。
そして甘い気がします、私は。
生酒でロット的には少し熟成してるので、生熟の濃さみたいなところもあれば、あとは僕たち基本的にはあまり磨いてないんですね、お米を。
90%。
生米は90%なんで、10%しか磨いてない。
実質玄米から食べる白米ぐらいってことですね。
そうですね。食べる白米ぐらいのものしか使わないっていうのが一つポリシーなので、そういったお米由来の濃さみたいなものもありますし。
これ酒造工的米ですか?普通米ですか?
これは僕たち3種類の米を使っていて、笹錦という半米と、あとは坂米か半米か微妙なところなんですけど、亀納という米と、あとは海霊進行という米ですね。
海霊進行はそうですね。
はい。
あらまささんでも90%の商品ありますよね。
はい、そうですね。
紫のラベルかな。
今、ニルガメっていう名前ですね。
そうですね、ニルガメですね。
昔、僕たちの時はニルガメはなくて、90%とか92%とか、いろいろ90%代の酒を作ってたんですけど、当時のあらまささんとはまた違った考えで、これは作ってますね。
なるほど。じゃあ平田さん、早速本編に行きたいと思います。
はい、以前私も喋ったんですけど、邪魔させていただいた神田のイベントで、今も信仰がある倉本さんがいらっしゃるとお話されてましたけれども、ちょっとお名前お伺いしても。
その時ね、一緒にイベントやってたのが土田首相の星野さんだったと思うんですけど、星野さんとの出会いは実はあらまさ時代ですね。
あらまさんで、僕が工事の担当者やってた時に修行に来られてたんですね。2週間ぐらいだったかな。
で、全工程もちろん体験されてたんで、その中で僕が責任者やってたのが工事だったんで、土田首相の星野さんに、僕よりも残念ながらキャリアもあって腕もあるんですけど、そういった方に工事作りみたいなことを教えたっていうのが経緯としてはありますね。
今もものすごく仲良くさせてもらっていて、実はイネとアガベを作る前に、委託醸造。僕ももちろん土田首相に行ってですね、日本酒を作ったっていうのが一番最初にあるんですけど、その時も星野さんにお願いして、土田社長をつなげていただいて。
で、OEMで作らせて欲しいっていう話をしたら、二つせんじでOKって言ってくれてですね。
で、イネとアガベをOEMで作って、そのお酒がしっかり売れたもんですから、その流れで自分の会社を無事立ち上げることができたという。
僕にとっては土田社長も星野さんも恩人なんですけど、星野さんは僕のことを工事の師匠って呼んでくれてますね。
素敵な関係です。今も続くっていうのがまたいいですね。ずっと続いているっていうのは。
基本的に僕は土田さんところは足向けて寝れないんですけど、土田さんと星野さんは二人してイネとアガベには足向けて寝れないっていうんで、お互い持ちつ持たれつでやってるかなと思います。
素敵な関係です。
先ほど岡澄さんおっしゃっておりましたけれども、荒正修道さんでは工事のポジションを担当されていたということで、工事ってどういうふうに作るっていうか、どんな工程があるんですか。私ちょっとあんまり詳しくわからなくて。
聞きづけし。
ちょっとそこは。
ラジオの方にも。
リスナーに向けてね。
まずその前に工事は一般的に何種類ありますか。
工事、3?
よかった。教科書上はね。
教科書上3種類ですかね。
教科書上は3種類。
何と何と何。
黒、黄色、白。
素晴らしい。
オリゼ。
もうここまで言えば。
聞きづけし出してきましたね。
よかった。
もちろんですよ。
わかんないんですけど、ぜひその続きをお願いします。
ありがとうございます。
そうですね、工事っていうのはだいたい2日から3日にかけて作っていくんですけど、最初お米を蒸すとこからスタートしますね。
蒸し上がったお米にですね、麹菌というカビの仲間の菌をですね、ヒマオリゼって言ってもらったんですけど、菌を振りかける作業があって、それを混ぜ合わせるみたいなのが最初のスタートとしてあります。
その後はどんな形で包むかは各お蔵さんの考え方次第ではあるんですけど、それを包んで一晩ぬくぬくと生活してもらいまして、そこから翌日にだいたい切り返しという作業をやりましてですね、
だいたいお米を集めて寝かしておくとですね、ちょっと塊になってるんですね。
少しだけ麹の菌糸が伸びてる状態。
そこに対してお米一粒一粒バラバラにするという作業があります。
細かい作業はいろいろそれぞれのお蔵さんの考え方であるんですけど、その後森という作業がございましてですね、それも道具がいろいろあるんですけど、
麹豚というものがあったり、麹みたいなものがあったり、箱みたいなもの。それも各お蔵さんでバラバラいろんな考え方があってですね、その箱に一つ一つちょっと小分けに持っていくという作業ですかね。
その後、だんだんコントロールしながら、自分たちの目指す出質に向けてですね、麹を育てていくような、そんなお仕事ですかね。
なるほど、麹ってあれですよね、1麹2もっと3作りの重要なポジションのところですよね。
そうですね、そういうふうに一般的には言われている仕事かなと思いますね。
それを荒正師僧さんで任されているってすごくないですか平田さん。
荒正さんの商品だと天猫とかね、あれ白麹ですね。
やっぱ麹さんが比較的出過ぎないようにやっぱりしたりもするんですか、逆にその発酵始まった後だとか。
基本的には味わいの構成としては酸が欲しいので、酸はどちらかというと当時からの要望としてはあればあれだけって言われていましたね。
ただ長く麹を作って、製菊時間、麹を作る時間ですね。
平均48時間とか52時間やる方もいるし、もっと短い方もいると思うんですけど。
製菊時間が長ければ長いほど、白麹の場合は酸は基本的に出るんです。
だけど酸だけじゃなくていろんな麹としても進んでいくんで、麹以外の味わいも強くなっていくんですね。
どんどん糖化するわけですからね。
そうですね。なので言ったら、長くはあんま作ってほしくないと。
だけど酸が欲しいっていう要望なんですね。
わがままみたいな。
短い期間の中でいかに酸が出るものをできるか。
これは実は焼酎用の教科書ってもちろんあるわけですよ。
米麹で白麹の温度経過とかも教科書には載ってるんですけど、焼酎用の麹って基本的に磨いてないですよ、米。
そうですね。何十年か前はタイ米を使ったりとかそういう時代もあったから。
そうですね。米はあんまり磨かないっていうのが基本の教科書になってるんで、その通りにやったとしてもうまくいかないんですね。
なので、阿良先生の場合は当時40%まで磨いてたんで、全然世界が違うんですよ。
これをいかに教科書を見つつ、物を見つつ、教科書とは違うことをやりつつ、
オーダーとしては時間は短く、でも酸は欲しいなんで、本当に試行錯誤しながらですね、いろんなことチャレンジしてたので、
当時から白麹は阿良正の岡積みに聞くといいらしいみたいなのが一部業界の中であって、結構いろんな人たちが聞きに来たり見に来たりしてましたね。
そうです。そっから白麹のお酒もパラパラといろんなお蔵さんでチャレンジ。
そうですね。
逆に夏にこの時期に飲むようにはすごい飲みやすいお酒がいろんなところであるなってサッパリもするし。
もうかなり増えましたよね。
そうですよね。
当時珍しかったんで。
なるほど。この阿良正酒造さんで働かれる期間が当初は3年間というふうに決めていたそうなんですけれども、
酒造に惹かれて4年半に延長されたというふうに記事で拝見して、特にどんな部分が惹かれたとかってありますか?
酒造りの魅力と学び
そうですね。なんで伸びたかって本当にいろんな理由はあるんですけど、
ただやっぱり働くメンバーが楽しかったりとか、まだまだ当時に学びたいことがあったりとか、
あとは尊敬する社長に少しでも貢献したいとか、多分複合的な思いに至ったのかなっていうふうに思いますね。
ただ酒造やっぱり面白いですよ。終わりがないし、毎年1年生だし、
その年々のお米によってやっぱり仕事を変えてあげないと美味しいお酒作れないですしね。
何か少しずつ磨かれていくというか、自分の感覚も。
福田入り当初よりだんだんだんだん冬過ぎて春になってくると、何か研ぎ澄まされていくような気もするし、
それは普通の通常の生活の中では味わえない感覚だなと思いますしね。
あとちょっと、そうですね、どんな部分に惹かれたかっていうと、
頭も使うし体も使うんですよね。
そうなんですね。
このバランスが何か僕にとってはちょうどよかったかなと思いますね。
普通の仕事って頭使うか体使うかのバランスって、もうちょっとどっちかによっちゃうかなと思っていて、
酒造りの場合は何かどっちも大事っていうところ。
それがやっぱり楽しかったですね。
そこが魅力の一つだったっていうことですかね。
自然栽培の探求
この荒政酒造さんで働かれた後は、次のステップとして、お米作りの方も学ばれたっていうのを見かけたんですけれども、
これはどういった経緯だったんですかね。
そうですね。荒政辞めて、目標設定としては3年後に自分の常住所持とうって思ったんですよ。
とにかく楽しかったんで、自分の仕事にするとしたら酒造りだなと思いました。
で、自分で作ってみたいってなったんですね。
自分で作るステップとして、お酒造りのことはある程度、もちろん工事だけじゃなくて全ての部署も学んだんで、
いろいろ教わって、なんとなくはつかめてきた。
だけど、原料のお米について何も知らないなっていうふうに思ったんですね。
なので、まずお米作ってみようと。
で、お米を作る人の思い出だったりとか、あるいはできる様子。
その年どういう気候だかによって、できてくるお米って違うわけですよ。
暑い年だったら硬い米になるし、年によってはお米、同じ品種でも柔らかい米が来たりするんですね。
その様子一つ一つが先にわかってたら、お酒造り、先に対処できるじゃないですか。考えられるじゃないですか。
なので、将来的に、いわゆる栽培醸造具だみたいなことにも当時憧れてたみたいなものもあったんですけど、
とにかくお米のことはわかんなかったんで、お米についてまず知ってみようみたいな。
そんな思いで、米農家を探してたんですよ。
そしたらハローワークに出てたっていう。
ハローワークですか。
もともと石山さんって超有名な農家さんで、
農業法人さんってことですね。
そうです。農業法人なんですけど、なんで有名かと言うと、
自然栽培っていう栽培方法のパイオニア農家なんですね。お米において。
自然栽培。
自然栽培ってそもそも何かって言うとですね、
有機栽培とか、観光栽培とか、なんとなく聞いたこと皆さんあると思うんですけど、
自然栽培って何かって言うとですね、いわゆる農薬ですね。
これは使わないことはもちろんなんですけど、肥料も一切入れないような栽培方法のことを、実は自然栽培って言います。
肥料入れなくて作物育つのかみたいな、若干オカルトみたいなものもあるんですけど、
でもですね、土地のことであったり、植物のことであったりとか、
いろんな自然のメカニズムみたいなことを学んでいくとですね、
肥料入れなくてもしっかり育つみたいな技術がですね、いろんな流れで徐々に確立されていってですね、
福山さんはですね、本当に肥料一切入れずに米を育てている農家さんだったんですよね。
言ったら、僕がすごくナチュラリストで、農薬ダメみたいな、そんな人間かって言うと全然そんなことはなくて、
とにかく僕は美味しいお酒を作りたかったんですね。
美味しいにもいろんなベクトルがあるんで、一概にこれっていうことは言えないんですけど、
僕は磨かなくて、美味しいお酒を作ろうって思ってたんですよ。
お米を磨かなくてですね。
それをどうやったらいいかっていうことを考えたときに、
そもそもお米って何で磨くのかっていうと、お米の外側にタンパク質っていうのがあるんですね。
このタンパク質っていうのが雑味につながっていく。
このタンパク質って、じゃあそもそもどこからくるかっていうと、田んぼの肥料からくるんですよ。
肥料を入れれば、そもそもタンパク質の多い米ができて、磨かないと雑味が多いお酒になる。
そもそも肥料を入れない米を作れば、タンパク質がそもそも少ないんで、
磨かなくてもきれいなお酒が作れるんじゃないかっていう仮説を立てたんですよ。
肥料を極力減らしたものとかはあるんですけど、一切入れないものっていうのがどうもあるらしいと。
それが自然栽培ってものだったんですね。
この自然栽培米を使えば、磨かなくてもきれいなお酒ができるんじゃないかっていう仮説のもと、
自然栽培のことを調べてたら、石山さんっていう人がいるらしいって噂を聞いたんですよ。秋田県内で。
それで、石山さんって人いるんだって思って、農家の求人探してみようって思って、
ハードワーク行って見てたら、石山さんいんじゃんって。
すぐ連絡して。石山さんとしては何年も働いてくれるような人を募集してたんだけど、
僕はどちらかというと短期で、ちょっと見せてほしいぐらいな感じだったんで、ちょっと会わなかったんですよ。
だけど、石山さんが作ったお米をお酒にしたら、絶対きれいでうまいお酒できると思うんですよって言ったら、
なんか乗ってきて、絶対これもそうだと思うんだみたいなことを言ってて、
僕、そこで酒にするから、バイトでいいんで雇ってくださいよって言ったら、じゃあいいよって言って入れてくれて。
そうだったんですか。
そんな流れで、石山さんのところで働きましたね。
どうですか平田さん、この自然栽培っていうのを。
私、あんまり聞いたことなかったんですけど、その自然栽培米が酒づくりに与えるメリットだったりとかもあるとおっしゃってましたけど、どうですか平田さん。
今おっしゃられた、タンパク質を邪魔するから磨くってことは磨かなくてもっていう仮説を想像した時点で勝ちな気がしてて。
そう、そういったことを発想する、他にもたぶん醸造家の方いたんだと思うんだけれども、たぶんその先にクラフト酒のような酒蔵を、もうこの頃にはお考えでしたもんね。
そうですね、どちらかというと当時は日本酒を作りたいって思いでスタートはしてたんですけど。
なかなか難しいと思う、たぶん情報とはお持ちだったと思うので、それが一個やっぱりフックになってるっていうのがお話がかかってて思いましたね。
で、その後。
こっちはイネとアガメドン、ブランドの酒づくりの第一歩にどんどん入っていくと思うんですけれども、その第一歩を教えてください。どのように始まったんですか。
そうですね、実は会社を立ち上げる前に、さっきも少しお話させていただいたんですけど、土田酒道さんで、OEMでお酒を作るってところでスタートをしてます。
この時は日本酒だったんですね。
で、さっき言った石山さんのお米を磨かずに土田さんのところでお酒を作ったら、もしかしたらきれいなお酒できるんじゃねえかと。90%。
ここも結構実はエピソードが面白いのがあって。
基本的にはそういう仮説で、どちらかというと僕は阿多摩沙時代に90%できれいなお酒そもそも作れてたんで、その技術でもって、技術とお米を組み合わせてもっときれいなお酒作っちゃおうと思ってたんですよ。
それで持って話して、いいよって言ってくれて、実際土田に行ったんですね。
土田さんに行ったときに、実は磨かないお米、これは観光栽培だと。
かつ木元作りで、交互無添加で、お酒作ってみたんだと。
これ飲んでほしいと。
それがむちゃくちゃおいしかったんですよ。
このお酒、当時イニシャルMって言ってたんですけど、今新土田っていうお酒になってる。
新土田の前身の最初のロットのお酒だったんです、それが。
話聞くと、交互無添加で、野生交互なんで、普通の日本酒の発酵温度だと発酵しないわけですよ。
なので本当に15℃とか20℃の温度帯で、短期間で10日とか15日ぐらいでガッと発酵させて。
シュボーですよね?
シュボーじゃないです。
モロミ期間ですね。
美味しいお酒の作成
モロミ期間ね。
モロミ期間。
モロミってのは基本的に銀条作りで、低温で長く発酵させるのが基本なんですけど、
短い期間でガッと発酵させて、数値的にもアミノ酸も酸もむっちゃ高いみたいな。
通常そういうお酒って、新酒でなかなか飲めないですよ。
熟成前提のお酒というか、かなり濃くて飲めないんじゃないかって思って飲んだら、
軽くて美味しいんですよ。
すごく感動して、これを僕は全然違う技術でお酒にしようと思ってたと。
だけど、この新築茶の前身のこの酒がむっちゃ美味しいから、
これがもし自然栽培前に切り替わったら、
要するに磨かない木元作り、交互無添加って、これ江戸時代のほぼ作りなわけですね。
だけど米が違うんですよ。
ただ今は観光栽培になってるから、肥料も農薬も当時なかったものなんですよね。
江戸時代って肥料の環境って今ほど良くないんで、自然栽培みたいなものなわけですよ。
そういうお米に切り替わった時に、日本酒が最も飲まれていたっていうと、
もうちょっと後の方が飲まれていたと思うんですけど、統計的には。
原始の酒作り。
それしかなかったものもあるかもしれないけど、
もっとも多分豊かに楽しまれてる時代の一つが江戸時代だと思っていて、
その当時のお酒って僕は絶対美味かったと思うんですよ。
だけど結構当時の酒作り真似してみました。
みたいなものって結構濃かったりとか甘かったりとか酸っぱかったりとかで、
本当にこれ飲んでたのかなって思う部分もあったんですね。
いろんな酒蔵さんが再現しましたみたいな。
だけど新土田の前身のMってお酒の延長線上に自然栽培米が絡んでくると、
もしかしたら江戸時代のお酒そのままのお酒なんじゃないかって思ったんですね。
だから僕の培ってきた技術がどうでもいいから、
一緒にこの新土田の自然栽培米バージョンを作りましょうって話になって、
酒作ったんですよ。
そしたら酵母無添加で作ったんですよ。
ちゃんと野生酵母来てるんですよ。
だけどいろいろ調べてみたら、
どうも75とか95とかの酵母みたいなやつもいるんですよ。
木元作りで木元作った時に。
もう土田さんの倉付きにいちゃってるってことですよね。
倉付きにいるんですけど、
今まで酵母無添加で作ったら全部野生酵母だったんですね。
だけどこの自然栽培米で作った木元は、
謎にいろんな種類の酵母がいたんですよ。
オカルトみたいなものかもしれないけど、
米の倍値が違うことによって、
全く同じ作りしていても来る酵母が違ったんですね。
かつ境界…
Nの方の…
Mと僕らが作ったやつ。
同じ酵母で作っても分析したら…
全然違う酵母。
酵母の遺伝子系統が違ったと。
しかもすごくいろんな種類のやつが、
酒造りの挑戦
自然栽培の場合がいたんですね。
かつ境界系が来てるってことは、
境界系って言っても境界酵母ではないんですよ。
野生酵母なんですよ。
だからこれ実は低温で発酵するかっていうと、
実はそうではないかもしれない。
だけどどう考えても香りも違う。
見た目も違う。
分析してもどうも境界系っぽい作用をしそうなやつがいると。
星野さん的には野生酵母は15度以上でないと発酵しないっていうのがあったんですけど、
僕の望みだから腐ってもいいから野生酵母でも低温発酵しようって言って、
10度以下の発酵をしたんですよ。
そしたらギリギリの発酵をジャジャッとしてくれて、
また新土だと全然違う作品になったんですよ。
しかもむちゃくちゃ綺麗で、
搾りたてブドウみたいな香りして、
奇跡みたいな酒が一発目でできてですね。
そこが実は出発点としてありますね。
めちゃくちゃ聞いていいのかなみたいな話をたくさんしていただきましたけれども。
あぜんとしあって。
それがOEMとして初めて作ったお酒ってことですよね。
そうです。
温度代道が当然そうなんだけど、
僕は足立の柿沼酒屋さんに大変お世話になってて、
お酒なんでこんな違うんですかって聞いたら、
製造責任者のセンスだって柿沼量社長がおっしゃってて、
やっぱりそこの中でもプチプチギリギリまで温度下げてっていうところに
チャレンジングできたっていうのが良かったんだと思うんです。
それを反対する仲間がいたりとか、
例えばそんなことしない方がいいよって口出す人がいなかったっていうのが逆に成功の。
そうですね。
星野さんはもう絶対にやりたくないって言ってますけど。
だけどそこは作り手の同じものを見た時の性格の違いというか、
僕としてはやっぱり失敗してもいいから味わったことのないものを作りたい。
だけど星野さんとしては僕が依頼して作ったものを見たから、
失敗させたら岡崎さん首が飛ぶぞと。
そりゃそうだ。
そりゃそうだ。
だからそこの攻め際があったんですけど、最後は星野さんが割れてくれて、
で出来上がったお酒が話題になってですね。
もうすぐ完売しちゃったみたいな。
そうですね。ありがたいことにすぐ完売して、
かつメルカリで10倍とかで展売されてたお酒になって。
いやー。
すごい。
そうですね。
ということで今回はイネとアガメを立ち上げるまでに至るお話を伺いました。
工事の重要性
次回はいよいよ現在のイネとアガメについてや、
クラフト酒について聞いていきたいと思います。
岡崎さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
さっきの今日の一言。
このコーナーではさっきが気になる酒に関するワードをピックアップし、
それについて簡単にトークするコーナーです。
今日の一言は、工事。
本編で岡崎さんが荒政酒造さんで働かれていたとき、
工事作りを担当されていたとおっしゃっていましたね。
工事といえば、一工事二もと三作りという言葉があるくらい、
日本酒作りの中でも超重要な工程の一つです。
お酒の原料であるお米、つまり澱粉を糖に変える役割があって、
その糖を酵母が食べてアルコールを作っていくんです。
さらに工事はタンパク質をアミノ酸に変える働きもあるので、
日本酒の旨味やコクのもとにもなっているんです。
工事ってカビの一種なんですけれども、
その安全性をちゃんと証明したのが、
実は北区滝の側にある旧醸造試験所なんですよ。
ちなみに、アニメもやしもんで、
澱粉を糖に変えます、澱粉を糖に変えます、
って言っていたあの子たちが工事です。
以上、さっきの今日の一言でした。
さて、縁も竹縄ではございますが、
今日もこの辺りでお開きといたしましょう。
番組の感想はXでハッシュタグ酒の道で検索してください。
それではまた次回。さようなら。
31:50

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