濃い!
そうですね。
濃い。
確かに濃い。
そして甘い気がします、私は。
生酒でロット的には少し熟成してるので、生熟の濃さみたいなところもあれば、あとは僕たち基本的にはあまり磨いてないんですね、お米を。
90%。
生米は90%なんで、10%しか磨いてない。
実質玄米から食べる白米ぐらいってことですね。
そうですね。食べる白米ぐらいのものしか使わないっていうのが一つポリシーなので、そういったお米由来の濃さみたいなものもありますし。
これ酒造工的米ですか?普通米ですか?
これは僕たち3種類の米を使っていて、笹錦という半米と、あとは坂米か半米か微妙なところなんですけど、亀納という米と、あとは海霊進行という米ですね。
海霊進行はそうですね。
はい。
あらまささんでも90%の商品ありますよね。
はい、そうですね。
紫のラベルかな。
今、ニルガメっていう名前ですね。
そうですね、ニルガメですね。
昔、僕たちの時はニルガメはなくて、90%とか92%とか、いろいろ90%代の酒を作ってたんですけど、当時のあらまささんとはまた違った考えで、これは作ってますね。
なるほど。じゃあ平田さん、早速本編に行きたいと思います。
はい、以前私も喋ったんですけど、邪魔させていただいた神田のイベントで、今も信仰がある倉本さんがいらっしゃるとお話されてましたけれども、ちょっとお名前お伺いしても。
その時ね、一緒にイベントやってたのが土田首相の星野さんだったと思うんですけど、星野さんとの出会いは実はあらまさ時代ですね。
あらまさんで、僕が工事の担当者やってた時に修行に来られてたんですね。2週間ぐらいだったかな。
で、全工程もちろん体験されてたんで、その中で僕が責任者やってたのが工事だったんで、土田首相の星野さんに、僕よりも残念ながらキャリアもあって腕もあるんですけど、そういった方に工事作りみたいなことを教えたっていうのが経緯としてはありますね。
今もものすごく仲良くさせてもらっていて、実はイネとアガベを作る前に、委託醸造。僕ももちろん土田首相に行ってですね、日本酒を作ったっていうのが一番最初にあるんですけど、その時も星野さんにお願いして、土田社長をつなげていただいて。
で、OEMで作らせて欲しいっていう話をしたら、二つせんじでOKって言ってくれてですね。
で、イネとアガベをOEMで作って、そのお酒がしっかり売れたもんですから、その流れで自分の会社を無事立ち上げることができたという。
僕にとっては土田社長も星野さんも恩人なんですけど、星野さんは僕のことを工事の師匠って呼んでくれてますね。
素敵な関係です。今も続くっていうのがまたいいですね。ずっと続いているっていうのは。
基本的に僕は土田さんところは足向けて寝れないんですけど、土田さんと星野さんは二人してイネとアガベには足向けて寝れないっていうんで、お互い持ちつ持たれつでやってるかなと思います。
素敵な関係です。
先ほど岡澄さんおっしゃっておりましたけれども、荒正修道さんでは工事のポジションを担当されていたということで、工事ってどういうふうに作るっていうか、どんな工程があるんですか。私ちょっとあんまり詳しくわからなくて。
聞きづけし。
ちょっとそこは。
ラジオの方にも。
リスナーに向けてね。
まずその前に工事は一般的に何種類ありますか。
工事、3?
よかった。教科書上はね。
教科書上3種類ですかね。
教科書上は3種類。
何と何と何。
黒、黄色、白。
素晴らしい。
オリゼ。
もうここまで言えば。
聞きづけし出してきましたね。
よかった。
もちろんですよ。
わかんないんですけど、ぜひその続きをお願いします。
ありがとうございます。
そうですね、工事っていうのはだいたい2日から3日にかけて作っていくんですけど、最初お米を蒸すとこからスタートしますね。
蒸し上がったお米にですね、麹菌というカビの仲間の菌をですね、ヒマオリゼって言ってもらったんですけど、菌を振りかける作業があって、それを混ぜ合わせるみたいなのが最初のスタートとしてあります。
その後はどんな形で包むかは各お蔵さんの考え方次第ではあるんですけど、それを包んで一晩ぬくぬくと生活してもらいまして、そこから翌日にだいたい切り返しという作業をやりましてですね、
だいたいお米を集めて寝かしておくとですね、ちょっと塊になってるんですね。
少しだけ麹の菌糸が伸びてる状態。
そこに対してお米一粒一粒バラバラにするという作業があります。
細かい作業はいろいろそれぞれのお蔵さんの考え方であるんですけど、その後森という作業がございましてですね、それも道具がいろいろあるんですけど、
麹豚というものがあったり、麹みたいなものがあったり、箱みたいなもの。それも各お蔵さんでバラバラいろんな考え方があってですね、その箱に一つ一つちょっと小分けに持っていくという作業ですかね。
その後、だんだんコントロールしながら、自分たちの目指す出質に向けてですね、麹を育てていくような、そんなお仕事ですかね。
なるほど、麹ってあれですよね、1麹2もっと3作りの重要なポジションのところですよね。
そうですね、そういうふうに一般的には言われている仕事かなと思いますね。
それを荒正師僧さんで任されているってすごくないですか平田さん。
荒正さんの商品だと天猫とかね、あれ白麹ですね。
やっぱ麹さんが比較的出過ぎないようにやっぱりしたりもするんですか、逆にその発酵始まった後だとか。
基本的には味わいの構成としては酸が欲しいので、酸はどちらかというと当時からの要望としてはあればあれだけって言われていましたね。
ただ長く麹を作って、製菊時間、麹を作る時間ですね。
平均48時間とか52時間やる方もいるし、もっと短い方もいると思うんですけど。
製菊時間が長ければ長いほど、白麹の場合は酸は基本的に出るんです。
だけど酸だけじゃなくていろんな麹としても進んでいくんで、麹以外の味わいも強くなっていくんですね。
どんどん糖化するわけですからね。
そうですね。なので言ったら、長くはあんま作ってほしくないと。
だけど酸が欲しいっていう要望なんですね。
わがままみたいな。
短い期間の中でいかに酸が出るものをできるか。
これは実は焼酎用の教科書ってもちろんあるわけですよ。
米麹で白麹の温度経過とかも教科書には載ってるんですけど、焼酎用の麹って基本的に磨いてないですよ、米。
そうですね。何十年か前はタイ米を使ったりとかそういう時代もあったから。
そうですね。米はあんまり磨かないっていうのが基本の教科書になってるんで、その通りにやったとしてもうまくいかないんですね。
なので、阿良先生の場合は当時40%まで磨いてたんで、全然世界が違うんですよ。
これをいかに教科書を見つつ、物を見つつ、教科書とは違うことをやりつつ、
オーダーとしては時間は短く、でも酸は欲しいなんで、本当に試行錯誤しながらですね、いろんなことチャレンジしてたので、
当時から白麹は阿良正の岡積みに聞くといいらしいみたいなのが一部業界の中であって、結構いろんな人たちが聞きに来たり見に来たりしてましたね。
そうです。そっから白麹のお酒もパラパラといろんなお蔵さんでチャレンジ。
そうですね。
逆に夏にこの時期に飲むようにはすごい飲みやすいお酒がいろんなところであるなってサッパリもするし。
もうかなり増えましたよね。
そうですよね。
当時珍しかったんで。
なるほど。この阿良正酒造さんで働かれる期間が当初は3年間というふうに決めていたそうなんですけれども、
酒造に惹かれて4年半に延長されたというふうに記事で拝見して、特にどんな部分が惹かれたとかってありますか?
この荒政酒造さんで働かれた後は、次のステップとして、お米作りの方も学ばれたっていうのを見かけたんですけれども、
これはどういった経緯だったんですかね。
そうですね。荒政辞めて、目標設定としては3年後に自分の常住所持とうって思ったんですよ。
とにかく楽しかったんで、自分の仕事にするとしたら酒造りだなと思いました。
で、自分で作ってみたいってなったんですね。
自分で作るステップとして、お酒造りのことはある程度、もちろん工事だけじゃなくて全ての部署も学んだんで、
いろいろ教わって、なんとなくはつかめてきた。
だけど、原料のお米について何も知らないなっていうふうに思ったんですね。
なので、まずお米作ってみようと。
で、お米を作る人の思い出だったりとか、あるいはできる様子。
その年どういう気候だかによって、できてくるお米って違うわけですよ。
暑い年だったら硬い米になるし、年によってはお米、同じ品種でも柔らかい米が来たりするんですね。
その様子一つ一つが先にわかってたら、お酒造り、先に対処できるじゃないですか。考えられるじゃないですか。
なので、将来的に、いわゆる栽培醸造具だみたいなことにも当時憧れてたみたいなものもあったんですけど、
とにかくお米のことはわかんなかったんで、お米についてまず知ってみようみたいな。
そんな思いで、米農家を探してたんですよ。
そしたらハローワークに出てたっていう。
ハローワークですか。
もともと石山さんって超有名な農家さんで、
農業法人さんってことですね。
そうです。農業法人なんですけど、なんで有名かと言うと、
自然栽培っていう栽培方法のパイオニア農家なんですね。お米において。
自然栽培。
自然栽培ってそもそも何かって言うとですね、
有機栽培とか、観光栽培とか、なんとなく聞いたこと皆さんあると思うんですけど、
自然栽培って何かって言うとですね、いわゆる農薬ですね。
これは使わないことはもちろんなんですけど、肥料も一切入れないような栽培方法のことを、実は自然栽培って言います。
肥料入れなくて作物育つのかみたいな、若干オカルトみたいなものもあるんですけど、
でもですね、土地のことであったり、植物のことであったりとか、
いろんな自然のメカニズムみたいなことを学んでいくとですね、
肥料入れなくてもしっかり育つみたいな技術がですね、いろんな流れで徐々に確立されていってですね、
福山さんはですね、本当に肥料一切入れずに米を育てている農家さんだったんですよね。
言ったら、僕がすごくナチュラリストで、農薬ダメみたいな、そんな人間かって言うと全然そんなことはなくて、
とにかく僕は美味しいお酒を作りたかったんですね。
美味しいにもいろんなベクトルがあるんで、一概にこれっていうことは言えないんですけど、
僕は磨かなくて、美味しいお酒を作ろうって思ってたんですよ。
お米を磨かなくてですね。
それをどうやったらいいかっていうことを考えたときに、
そもそもお米って何で磨くのかっていうと、お米の外側にタンパク質っていうのがあるんですね。
このタンパク質っていうのが雑味につながっていく。
このタンパク質って、じゃあそもそもどこからくるかっていうと、田んぼの肥料からくるんですよ。
肥料を入れれば、そもそもタンパク質の多い米ができて、磨かないと雑味が多いお酒になる。
そもそも肥料を入れない米を作れば、タンパク質がそもそも少ないんで、
磨かなくてもきれいなお酒が作れるんじゃないかっていう仮説を立てたんですよ。
肥料を極力減らしたものとかはあるんですけど、一切入れないものっていうのがどうもあるらしいと。
それが自然栽培ってものだったんですね。
この自然栽培米を使えば、磨かなくてもきれいなお酒ができるんじゃないかっていう仮説のもと、
自然栽培のことを調べてたら、石山さんっていう人がいるらしいって噂を聞いたんですよ。秋田県内で。
それで、石山さんって人いるんだって思って、農家の求人探してみようって思って、
ハードワーク行って見てたら、石山さんいんじゃんって。
すぐ連絡して。石山さんとしては何年も働いてくれるような人を募集してたんだけど、
僕はどちらかというと短期で、ちょっと見せてほしいぐらいな感じだったんで、ちょっと会わなかったんですよ。
だけど、石山さんが作ったお米をお酒にしたら、絶対きれいでうまいお酒できると思うんですよって言ったら、
なんか乗ってきて、絶対これもそうだと思うんだみたいなことを言ってて、
僕、そこで酒にするから、バイトでいいんで雇ってくださいよって言ったら、じゃあいいよって言って入れてくれて。
そうだったんですか。
そんな流れで、石山さんのところで働きましたね。
どうですか平田さん、この自然栽培っていうのを。
私、あんまり聞いたことなかったんですけど、その自然栽培米が酒づくりに与えるメリットだったりとかもあるとおっしゃってましたけど、どうですか平田さん。
今おっしゃられた、タンパク質を邪魔するから磨くってことは磨かなくてもっていう仮説を想像した時点で勝ちな気がしてて。
そう、そういったことを発想する、他にもたぶん醸造家の方いたんだと思うんだけれども、たぶんその先にクラフト酒のような酒蔵を、もうこの頃にはお考えでしたもんね。
そうですね、どちらかというと当時は日本酒を作りたいって思いでスタートはしてたんですけど。
なかなか難しいと思う、たぶん情報とはお持ちだったと思うので、それが一個やっぱりフックになってるっていうのがお話がかかってて思いましたね。
で、その後。
こっちはイネとアガメドン、ブランドの酒づくりの第一歩にどんどん入っていくと思うんですけれども、その第一歩を教えてください。どのように始まったんですか。
そうですね、実は会社を立ち上げる前に、さっきも少しお話させていただいたんですけど、土田酒道さんで、OEMでお酒を作るってところでスタートをしてます。
この時は日本酒だったんですね。
で、さっき言った石山さんのお米を磨かずに土田さんのところでお酒を作ったら、もしかしたらきれいなお酒できるんじゃねえかと。90%。
ここも結構実はエピソードが面白いのがあって。
基本的にはそういう仮説で、どちらかというと僕は阿多摩沙時代に90%できれいなお酒そもそも作れてたんで、その技術でもって、技術とお米を組み合わせてもっときれいなお酒作っちゃおうと思ってたんですよ。
それで持って話して、いいよって言ってくれて、実際土田に行ったんですね。
土田さんに行ったときに、実は磨かないお米、これは観光栽培だと。
かつ木元作りで、交互無添加で、お酒作ってみたんだと。
これ飲んでほしいと。
それがむちゃくちゃおいしかったんですよ。
このお酒、当時イニシャルMって言ってたんですけど、今新土田っていうお酒になってる。
新土田の前身の最初のロットのお酒だったんです、それが。
話聞くと、交互無添加で、野生交互なんで、普通の日本酒の発酵温度だと発酵しないわけですよ。
なので本当に15℃とか20℃の温度帯で、短期間で10日とか15日ぐらいでガッと発酵させて。
シュボーですよね?
シュボーじゃないです。
モロミ期間ですね。