会議の現状と課題
FeelWorks代表前川孝雄の著書「若手社員が化ける会議のしかけ」
会議に参加するメンバーがいきいきと発言し、育て合う、生産的な会議に変えるにはどうすべきなのでしょうか。
受け身で無口だったり思いつきしか言わなかったメンバーから いいアイディア、ポジティブな提言がどんどん飛び出し
大きな成果につながる最強のチーム会議術を公開します。今日ははじめにを抜粋してご紹介します。
はじめに 「何を喋っているのかわからない上司の言葉をダラダラと聞かされることがあります。
何とか止めたいんですが止め方がわからないんです。」 「やたら会議の回数が多いのですが結局何も決まらないことが多いです。
何のためにやっているのかなぁと悶々としながら参加しています。」 「 部長がひょっこり現れて言いたいことだけ言い残していくのでよく会議が
頓挫します。残りの時間はどうやって部長を説得するかという話し合いになってしまいます。」
この本を書くにあたって20代の若手社員たちに片っ端から会議について思うことを 聞きまくりました。
ちょっと刺激が強すぎるかもしれませんが直属の上司部下のしがらみがない中からは、本音が出るは出るわ。
しかも彼らはこういった不平や不満を直接上司に訴えることはあまりありません。自分の評価が下がることを気にするからです。
決められた仕事は素直にやろうとするものの他人の仕事にはあまり関心がない。会議で組織全体の話をしてもよそよそしい。
若手社員の間には、どこか他人事、遠慮、シラケの空気が蔓延しているようです。
また会議運営側の上司の皆さんはといえば、プレイングマネージャーとして多忙の中上からはスピードと短期成果ばかりを求められるため、
つい拙速に物事を進めてしまう。一人ひとりと接する時間を確保しようにもなかなか余裕を持てない。
若手の頃に受けてきたマネジメント手法で会議も運営しようとするもののどうにも通用しない。男性の正社員中心だった組織が派遣や契約社員など
雇用形態が多様化している上、女性社員も増えているからです。またセクハラやパワハラなども問題視され
上司としての一言一言にとても気を遣わなければいけなくなってきたため、言葉選びにも一苦労する始末。
盛り上がらず煙たがられていることがわかると、上司自身も憂鬱になっていく。この悪循環から会議はどんどん非生産的になる一方です。
私は、人材育成コンサルティングのFeelWorksを営む中で、様々な企業で こういった会議の仕掛けに悩む管理職の方々に日々出会います。
生産的な会議への変革
上司の仕事は組織として成果を出すことであり、会議は組織運営の要といえます。これだけ変化が激しい時代においては強いリーダーが自分の経験値や感性だけで勝負するには、
無理があります。部下一人ひとりの衆知を集めて、組織として高い目標に挑戦し続けるチームを作ることが、現場の
リーダーにはより欠かせなくなってきています。従来は飲みニケーションなどインフォーマルコミュニケーションの場を設けてチームの絆作りが
できました。ところが部下側のワークライフバランス意識の高まりや
上司側の多忙さと経費が使えない懐事情もあいまって、そうそう飲みにもいけません。結果フォーマルコミュニケーションの場である会議の仕掛けが重要になってきているのです。
部下たちが高い当事者意識を持って会議に参加し積極的に発言し合うようにするにはどうすればいいのか、
会議を互いに切磋琢磨し合い育て合う 生産的な場へ変貌させるにはどうすればいいのか、
この本では前職のリクルート編集長時代に数々の失敗や挫折を経て体系化し、現在FeelWorksの経営に活かし、様々な企業の組織活性化コンサルティングや研修でも提供さ
せていただいている 若手社員が化ける会議のしかけを初公開しています。
現場上司の皆さんの奮闘で、成果の出ない互いに無関心な形式だけの会議が減り、成果の出る、育て合う仕組み化された会議が、この国中に増えることを祈念します。