NinjaSatの打ち上げと研究目的
僕も所属していた理化学研究所から打ち上がった小型の人工衛星NinjaSatが、天文学の可能性を新たに切り開いていっている、そんな研究結果をお話ししていきたいと思います。
今回は、1研究室が小型の衛星を打ち上げて、そのフットワークの軽さを利用することで、なんと他の衛星には実現できない、大きな科学的な成果を残すことに成功したという、そんな研究内容ですね。お話ししていこうと思っております。
ぜひ最後までお付き合いください。
改めまして始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに天文学で白紙語を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
今日でエピソードが1704話目を迎えておりますね。基本的には1話完結でお話ししてますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひぜひ聞いていただけたら嬉しいなと思っております。
本日6月11日は、6月の満月の日となっております。今日が、一応正確には今日の夕方ですね、16時ぐらいが満月のタイミングにはなっているんですが、
今日の夜、綺麗に夜空が見えているところでは綺麗な満月が見えてくるんじゃないかなと思うので、ぜひぜひポッドキャストを聞きながら夜空見上げてみるっていうそんな時間を過ごしていただけたら嬉しいなと思っております。
ということでじゃあ一つコメント紹介していきましょうかね。リスナーネームこちら、亮さんからいただきました。同じ名前ですね。
1700達成おめでとうございます。会社まで30分くらい電車に乗るので、超詳細に30分喋り倒していただいて構わないです。
でも10分だと3話聞けてお得です。内容によっては特に物理の説明が加わるような内容とか難しくて10分だと理解しきれない場合があります。ということでありがとうございます。
ポッドキャスト最近短めの10分くらいで喋れるようにっていうのを目指して原点会見ですよね。やってるんですけど、実際15分くらいとどっちがいいって聞いたら、この亮さん曰く30分でもいいよと。
確かに30分喋りきろうと思ったら意外と喋れちゃったりもしそうな気はするんですけど、そうすると毎日30分更新する番組超怖くないですか。
一人で運営してるのに。そういうのもあるんで、わかりました。内容によっては昨日とかみたいにちょっと長くなりますけど、ベーシックには10分くらいで攻めるのがいいのかもしれないですね。
いろんな意見みんなからもらってるんで、これからもちょっと意見を伺いつつですね、自分なりにベストな形でポッドキャストをお届けしていけたらいいかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
観測の開始と天体爆発
ということで、じゃあ早速本題いきましょうか。
今回お話しするのは理科学研究所の研究室から打ち上がった小型の人工衛星NINJASATが天文学の可能性を切り開く研究結果を出した、そんなお話をしていきたいと思います。
今回紹介するのは、理科学研究所の多摩川高エネルギー宇宙物理学研究室から打ち上がったX線衛星NINJASATですね。
打ち上げのタイミングで、Xのスペースをこの研究室のメンバーとして、実際にNASAの施設から打ち上がったんですけど、
NASAの施設からメンバー何人かに喋ってもらったり、あとは日本にいるメンバーに参加してもらったりして、打ち上げのライブ配信とかも実はやらせてもらったんですよね。
っていうのも、この理研の研究室、僕が博士課程の間にジュニアリサーチアソシエイトとして雇用していただいていた研究室だったりもするんですよ。
僕がこうやってポッドキャストの配信やってるっていうのも知ってくれているので、こういう何か一つイベントがあるとかそういう時には結構声かけてくれたりするんですよね。
そういうなんかフルスから声がかかるっていうのはすごい嬉しいことで、そんななんかこう2023年の11月に打ち上がったんですよ。
だから今からいくと大体1年半前ぐらいですね。そこから打ち上がってなんだかんだ初期の立ち上げが順調に進んで、2024年の2月の23日に観測を開始したというような、そんな状態でした。
で、この面白いことがありまして、2024年の2月の24日から観測が開始できるよっていう状態になる時にですね、なんと忍者サットにとっては非常に朗報というか素晴らしいニュースが入ってまいりました。
これ何かっていうと、宇宙のある場所である天体の爆発が起きたというようなところがいきなり報告されたわけですね。で、こういった爆発現象っていうのは大体宇宙の中でそうやっていきなり明るくなる。
で、今回はX線でバースト、爆発を起こしたっていうので、こうX線バーストって呼ばれる現象ですね。こちらがまあその観測を開始するちょっと前、2024年の2月の24日から観測開始に対して、
2月の19日とか、そのぐらいのタイミングなんならものすごく明るくなった、一番明るくなったタイミングっていうのが23日とか22日とか、そんなタイミングに当たったわけですね。
で、X線でバーっと明るくなる。そしてNINJA SATっていうこれは、僕が所属させていただいてた研究室もX線で天体を見るっていう研究をしているところなので、天体から飛んでくるX線を観測する能力を持っている人工衛星でした。
で、まあ簡単に言うとそのちっちゃいその研究室を中心にしたチームで運営しているので、そのメンバーが達成したい科学課題とか天体に対して観測時間を自由に使っていこうというので計画が組まれていたわけなんですよ。
そんな中で爆発が近くで発生した。これはこの爆発がバーって明るくなって減衰していく過程っていうのをもう自分たちでずっと観測しちゃおうということで、ここから25日間この天体を観測し続けるっていうスタイルに一気にシフトしたらしいんですね。
もともとあった天体の観測計画っていうのをなしにして、そいつに全無理したというような運用上の最強の旗振りをしたというような状態で、今回の研究結果っていうのはそこから25日間そのバーストが光が減衰していく過程っていうのを見ていった、そんな研究結果なんですね。
観測の意義と他衛星との違い
で、これ何がそんなに面白いポイントなのかというとですね、普通の人工衛星とか、それこそこの番組でよく紹介するクリズムとか、あとはこの間のNASAの予算案でもしかしたら2026年に運用が終わってしまうかもしれないっていうX線衛星、チャンドラとかね。
あとはよく出てくるジェームスウェップとか、あらゆる大型の科学衛星プロジェクトっていうのがあるわけじゃないですか。
で、あれってその衛星の生涯の中で最大の科学成果を達成するためにいろんなルールみたいなのが決まってるわけで、プラス数百人規模の研究者が関わっているから、その一気の衛星の観測時間を言っちゃえばその人たちで分け合うような形っていうのを取ってるわけですよ。
つまり、宇宙全体ってものすごく広くて、いろんな天体がバーってあって、もうタイミングタイミングでものすごい面白い現象がいろんなところで起きてる。
だけど、一気の衛星に100人とかもう200人とか300人とか関わってる。何だったら何千人って関わってる。何千人はちょっと盛りすぎたか。そう、けど千人近く関わってるとかね。
そういうふうになってきた時っていうのは衛星の時間を分け合わなきゃいけないから、いくら面白い現象があったとしても、なかなかその他の人の観測を飛ばして優先してまで他のことをやるっていうのは、なかなか実現しにくい。そんな側面があったりします。
ただですね、今回このNINJA SATっていうのは一つの研究室を中心に打ち上げた超小型のプロジェクトであり、もうスピードを重視して1研究室で打ち上げることを目標とした、本当すごいスピーディーなチームだったんですね。
で、昔から一緒にやってるメンバーとかが非常に多くて、その中でその中にいるメンバーとかも運用チームに入ってる別の観測装置とかがこの現象を見つけて、ここで面白い研究結果ができそうだよっていうのが全員一致で多分解釈が揃ったんですよ。
で、なのでその爆発現象あるからいろんな計画立ててたけど、俺らのこの衛星で観測する能力っていうのをちょっと前に起きた、本当数日前に起きた、観測開始しようとしている数日前に起きた現象に全振りしてやろうっていうので、小型衛星で25日間その天体を見続けるっていう意思決定をしたんですよね。
それによって他の衛星が見ることができない時間、その忍者サットはその天体、X線でバーストした天体っていうのを常に見続けることができて、過去に例のないレベルでのそのバーストって爆発してからだんだん暗くなっていくまでに、今回の天体で言うとですね、めっちゃ明るくなったタイミングから明るさが半分になるまでに、
10日ぐらいでなんなら、もともとのその暗さ明るさの基準に戻るまでに丸々1ヶ月ぐらいかかってるんですよね。30日ぐらい。この30日ぐらいのほとんどの時間を観測することに成功して、
爆発が起きてものすごく明るくなった時から暗くなるまでで、これまでにない解像度で光の変化、そしてエネルギー、そこから放出されるエネルギーの変化っていうのまで見ることができたと。
じゃあ、これってだから、ちっちゃい衛星を打ち上げて自分たちにほぼ全ての裁量がある状態だからこそ、この結果を得るためにチーム全体の方針をギュッて小回りが効くような機動力でカバーしていったわけじゃないですか。
それが科学研究として成果を出してるっていうのがものすごくおもろいなぁと思ったんですよね。
宇宙空間での爆発現象
そんな背景の話をしていたらもう12分になってしまったので、今回の話はこれで以上にしていこうかなと思っております。
とはいえね、こんなメリットがあった上で観測した結果どんなのか気になると思うので、この続きは明日お話ししていこうと思います。
ニンジャサットが一体どんな宇宙空間での爆発現象を捉えたのか。
ブラックホールになり得なかった中性子星と呼ばれる、これまた宇宙空間でもトップクラスに重力の高い天体。
こいつが太陽みたいな星を引きずり込んでガスをギュッて引き取っていくときの中で起きた爆発現象ですね。
こいつを見ていったというので新たな研究結果出てまいりましたので明日はそちら紹介していこうと思います。
今日の話でめっちゃワクワクしたなぁと思ったらですね、明日のエピソードはぜひぜひ聞く価値ありだなと僕は思っているので楽しみにしておいてください。
ということでじゃあ今回は以上ですね。
そんな感じでフルスというかこんなチームに入れていた僕の経歴、ほんと素敵だったなと思ってますね。
しかも僕がいたときにコロナ禍にガッツリなったんですよ。
そのコロナ禍になる直前とかコロナ禍になるみたいなタイミングのときにこのプロジェクトを本格指導して、
最初の2年間ちょっととかのチームのみんながここに奮闘している姿っていうのを僕は横で見れてたので、
そういう意味での思い入れっていうところはちょっと明日のエピソードにも載せれたらいいなと思っております。
3Dプリンターとかで模型とか作ってこれが宇宙行ったらおもろいよねって話してたのがすげー懐かしいなと思って、
今日の話をさせてもらいましたね。
ちょっとおセンチな気持ちになりながら喋っております。
そんな感じで今回は以上にしていきましょう。
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さよなら。
