この番組は、人生において大切な場面での話し方、伝え方に関して、ちょっとしたコツをお伝えしていきます。
元局穴で話し方講師、早坂まき子と申します。よろしくお願いいたします。
今回の【しゃべりの相談室】は、「フィラーが多いと面接でお見送りされるのか?」というタイトルをつけました。
お見送りというのは、つまり、内定できない、合格できないということですね。
今回のテーマ、元ネタがあります。Xからです。
先週あたり、1月の中旬に、とある男性のXでのポストが、結構話題だったんですよ。
転職エージェントとして、転職活動する方を支援するという男性のポストなんですけどね。
それをきっかけに、結構多くの方が、フィラーについて、あれやこれやと意見を述べていたので、面白いなぁと思いましたし、
早坂は大学生の、新卒ですけどね。中途採用とか転職ではなく、新卒向けではありますが、
就職活動におけるアドバイスなどをしている立場としては、ちょっと触れておきたいなぁと思いまして、今回のテーマに取り上げました。
実は早坂のポッドキャストでも、何度かフィラーについては言及してるんですよね。
特にシャープ92でも、フィラーは絶対ダメではないんだよ、というのを解説しています。
今もその意見は変わらないです。ゼロにしなきゃダメ、というものじゃないんですよね。
ただ今回は、転職活動の面接という限定的な場面でのお話なんですよ。
ちょっとね、元ネタとなったX読み上げますね。
フィラーとは何ぞや、ということも丁寧に書いていらっしゃいますから、ちょっと長いんですけれども、聞いてください。
面接のお見送り理由で意外と多いのが、フィラーが多いという理由。
フィラーというのは、会話における意味を持たないつなぎ言葉のことで、
あの、その、なんか、まあ、ちょっと、のような言葉を指します。
先日、担当している求職者の模擬面接を録音して聞いてみたら、たった15分の会話の中で、
まあ、が92回出てきた、約10秒に1回のペース。
本人に伝えると、え、そんなに言ってました?と、完全に無自覚。
面接している側からすると、まあが口癖になっていることが気になりすぎて、話の内容が頭に入ってこない。
フィラーが多いイコール頭の中で考えながら話しているイコール準備不足、自信がなさそうなと見られやすい。
特に営業やコンサルなど、言葉で信頼を作る職種では致命的です。
改善のコツはシンプルで、①自分の模擬面接を録音して聞く。
②まあ、なんか、を使いたくなったら、一呼吸を置く。
この2つを意識するだけで印象は激変します。
無意識の口癖は自分では気づけない、でも面接では確実に見られている。
言葉は中身よりも先にあなたの印象を作ります。
というのが元になりました。転職エージェントの男性のポストです。
新卒でも中途でも、企業の面接というのを経験した方だったら、
ああ、そうかもなーとか、いやー、それはどうだろうって、あれやこれやと考えるのではないでしょうか。
このポストに対して、さまざまな方が意見を述べていらっしゃいましたけど、X状でね。
ゆる言語学ラジオという有名なユーチューバーであり、ポッドキャスターである水野大輝さんが触れるだろうなぁと思っていたら、やっぱり触れていらっしゃいましたね。
こんなふうにおっしゃっていました。
フィラーを出す人間を評価しないという流れには、一言語学徒として全力で抗っていかねばならない。
という引用ポストを皮切りに、持論を展開されていました。
全部紹介していると長くなっちゃうので、ぜひ皆さんXでご覧ください。
もうどれもこれもね、そうだよね、そうだよねってうなずける内容でした。
あと水野さんといえば、もうご存知の方も多いと思いますが、会話の0.2秒を言語学するという本を出版されたんですね。
わりと最近、去年だったかな?2025年、夏ごろに。
で、今回のそのフィラーのね、話題もそうですけど、水野さんって面白いなぁと思ったのが、
その著書も、しゃべりが苦手な人に読んでほしいのではなくて、しゃべりが得意な人に読んでほしいというふうに、とある動画でおっしゃってたんですよ。
それを聞いた時、私もはっとして、そっか、たまたましゃべる、言語学するというのが得意な人がいたけれども、
その人が偉いとか、優秀なわけじゃないんじゃないかっていう、その水野さんのご意見が、面白いなぁと思ってね。
で、早坂はもう20年前、2002年の氷垣時代就職活動をしましてね、新卒の頃、本当にフィラーが多いし、まあ緊張しだったりね、面接ずたぼろだったんですよ。
で、まあアナウンサーというちょっとね、特殊な就活だったから、もう一生懸命、そのまあとかえっとーっていうフィラーをぐっと我慢する、こらえるっていうのを、カメラの前でしゃべるということをね、もうほぼ毎日毎日アナウンススクール通って、なんとか内定をもぎ取ったっていう感じなんですね。
でも入社後も、早坂さんはフィラーが多いね、なんでいつもまあって頭につけるのって、結構ね、怒られたんですよね。このまあが口癖で怒られたって話も、私何度かこのポッドキャストでしてますよね。長らく聞いてらっしゃる方は覚えてるかな。
で、今回の意見のやりとりでね、水野さんがXで、フィラーを意味を持たないつなぎ言葉と断じてしまうのは、言語学の知見に照らし合わせると過言だと思います。
また、フィラーを出さず、すらすら話せる人は優秀という価値観を信じると、質音、いわゆるどもりを持つ方は無能ということになってしまわないでしょうか。
言うまでもないことですが、そんなはずはありません。
ナイーブに考えると、すらすら話せる人は、頭がいいんだろうなと思ってしまいそうですが、実はこの価値観を引き伸ばしていくと、差別につながるということは、注意したいです。
というふうにおっしゃっててね、いやーすごいなというか、すごいだけじゃなくて、
20年前に出会いたかったなぁって思いました。
そう、もし私が新卒で就活している頃に、水野さんの著書とか動画に出会っていたら、もうちょっと堂々と自信を持てたんじゃないかな。
そのフィラーの数なんて気にせず、会話しようっていうふうにね、肩の力が抜けたんじゃないかなぁと思って、いいなぁって思いました。
もっともっと、この水野さんの意見ね、広がってほしいですね。
なんですが、現在ね、私大学非常勤講師として、人前で話す力を磨いていく、みたいな授業を担当していたりとか、
あと、アナウンススクールで、指導者としてね、就活支援をしているわけですよ。
その立場からすると、今回の大元である、転職エージェントの方のつぶやきは、そうだろうなぁって思いますね。
よく聞く話なんですよ、就活業界では。
残念ながらね、このフィラーが多すぎることで、相手が耳障りだなとか、好印象を抱かない、みたいなことはあるんだよと、
面接官経験者とかね、大学の就活関連の方たちから、よく聞きますね。
で、一方でね、間違ってはいけないのが、企業も、一個人、面接官に、全部、あとはよろしくって、委ねてるんじゃなくて、
ちゃんと、こういう基準で採用面接やってくださいね、とか、ものすごい分厚いマニュアルを、面接担当の人に読んでもらったり、動画を見てもらったり、っていうふうに、
今、努力はしてるんですよ、企業側も、つまり総務とか、人事の人たちね。
フィラー一つで、この子は印象が悪いな、なんだか落ち着きがない、緊張してるのかな、能力低そう、よし、落としてやろう、なんていうふうには、判断しないでね、っていうふうに、面接官に指導はしてるらしいですよ。
ただね、
じゃあ、なんで未だに、就職・転職現場では、フィラー一つが、原点ポイントになってしまう、っていう現象が起きるのかっていうと、
うーん、やっぱりね、人間の判断することですからね、もう、全面接官が、ゆる言語学ラジオの水野さんの著書を読むしかないですね、フィラー一つで判断するんだと。
で、私もだし、この転職エージェントの方もなんですけど、内定のため、合格のためのアドバイスをする立場の人間からすると、
フィラーっていうのは、自然に発するものなんだから、全然気にしなくていいよ、とは言えないんですよね、無責任になっちゃうから。
で、これを、言語学を研究している方たちからすると、なんと浅はかなテクニックって思うかもしれないけど、
現状、そうやって戦略を立ててしまうことが、合格とか、内定への武器の一つになってしまうんですよね。
で、今回のバズりの中で、いろんな方が意見を述べていたって言ったじゃないですか。
その中に、専修大学の国際コミュニケーション学部、日本語学科で教員をされている丸山竹彦先生という方も、詳しくX状で解説、説明をされていらしたんですよね。
これがまたね、面白いし、ものすっごくためになるなぁと思って。
その丸山先生が、1月18日に言語学者としてコメントしますと、要件をまとめてくださっているので、ちょっとそれを読み合いますね。
フィラーを多用するのは良くないという意見は、自然なものでしょう。
えっと、まあ、なんていうか、その今回は、おーという発話は、確かに耳障りです。
一方、それぞれのフィラーには言語的な意味があり、談話の中で一定の機能を果たしているのだ、という研究があります。
言語学的に見れば、フィラーイコール悪者と一概には言えない、という立場です。
問題は、どういうフィラーがどのぐらい使われると耳障りに聞こえるか、という点でしょう。
これは、リスナビリティの問題ともいえます。少なくとも、言語学の中では、あまり研究されていない分野だと思います。
だそうです。へー、あんまり研究されてないんだ。私が今、大学生だったら、めちゃめちゃフィラー研究したいな。
この丸山先生が、日本語話し言葉コーパスという、巨大な言語学のデータを検索し、計算すると、
元ポストの15分の会話で、マーガ92回は、ちょうど2倍ぐらいの出現率なんですって。
だからやっぱり、ちょっとマーガ、フィラーが多いなぁって感じてしまうのは、うなずけるっていうふうに書いてらっしゃるんですよ。
さらにね、フィラーを使わない方が良い場面があるのは、確かっていうので、ニュースのアナウンサーとか、そうそうそうなんですよね。
アナウンサーが、今日の午後、渋谷駅で車5台が絡む事故がありまして、
その怪我人はいませんでしたが、3時間ほど全面通行止めとなりました。
みたいに、こんなふうに言う人いないと思いますよ。言わないように訓練するからね。
そう、アナウンサーはね、どんな世代の人が聞いても、分かりやすく情報を伝えるというのが仕事なので、予定なものを排除するっていうことをめちゃくちゃ訓練して身につけるんですよ。
で、そのアナウンサーの喋りを一般の人も身につけてねとは、私は絶対言わないですからね。
アナウンサー就活制は別よ。アナウンサーになりたいっていう人は、カメラテストとかありますので、そうフィラーをね、なるべく少なくするとか、それこそ瞬き一つ、口角の動きとかね、
滑舌問題とか、いろいろ審査されるので、どうしてもそこは訓練をせざるを得ないんですよ。
で、私、ポッドキャストの冒頭でも、元極穴で話し方講師って言うと、もうそれだけで、
ああ、あれでしょって、アナウンサーが綺麗で正しい喋り方をしていて、それを皆さんも身につけた方がいいですよって言いたいんでしょって思うかもしれないですけど、そうじゃないんです。
逆です。アナウンサーの喋り、真似しなくたっていいんだよって。場面によってふさわしい喋り方があるんだから、
カジュアルに喋るとき、フォーマルに喋るとき、使い分けられたらいいよねって言ってます。
で、いつも早坂が言いたいのはこれなんですよ。100%正しいとか、絶対これなら100%の人間に正しく伝わるなんていう喋り方はないんです。
現時点ではない。なぜなら、受け取り方は人それぞれだからです。
今回のフィラーも問題そこなんですよ。この専修大学の丸山先生も水野さんもね、頻度とか回数が問題でしょうね、みたいなことをおっしゃってるんですよ。
で、これって、丸山先生はね、まだ研究されていない分野だから実験する余地があるよみたいにおっしゃってますけど、
たとえ研究結果が出たとしても、じゃあそれが日本中の1億2千万人の人に当てはまるかって言うと、当てはまらないと思います。
そのぐらい、人って受け取り方が千差万別なんですよ。だって人間だもん。それこそAIじゃないからさ。
断言しすぎですかね。もちろん、研究することを否定してるんじゃないですよ。否定してるわけじゃないし、傾向は出ると思います。傾向が出て、指標にはなると思います。
それこそ、今、面接ってAI面接官が出てきているので、そういうAIの面接官に、じゃあどういう基準で合否を判断させるかみたいに、今後、未来ね、なった時、今はその作業は人間やってますけど、もしかしたらそのうちAIが受かる、受からないの判断をする時代が来るかもしれない。
って言った時に、そういう丸山先生みたいな方たちの研究結果、フィラーが耳障りではないのは何文字中何回とかね、そういう指標が出た時に、AIにそれを基準として読み込ませれば、みたいな時代にはなるかもね、とは思いました。
ただ、人間はやっぱり受け取り方、人それぞれじゃないですか?と思ってしまうんだなぁ、どうしても。
っていうようなことを、私も研究者じゃないけど、話し方講師として現場を見ていて、いろいろ考えるし、学びもあったりもするし、難しいなって思います。