刑事政策・犯罪学を専門とする大学教員で一般社団法人刑事司法未来の丸山泰弘と、刑事司法未来の南口芙美が「刑務所と社会復帰」についてお話しします。
<トークテーマ>
・刑務所を訪問する理由
・刑事政策と社会政策
・保安施設と社会復帰施設としての役割
・アメリカの刑務所での驚きの体験
・受刑者に優しい北欧の刑務所
・ノルウェーの刑務所が休暇制度を設ける意図
・日本の刑務所と改善更生
・エビデンスと刑事政策
・社会復帰と受け入れる社会の在り方

<犯罪学の視点から語るエンタメ作品>
・『BOY A』
・『ヤクザと家族 The Family』

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ところで、南口さんは刑務所にどんなイメージを持っていますか?
同じ服を着て、規則正しい生活をして、仕事、作業とかしながら、社会に出る準備をしているという感じですかね。
そうですね。そのイメージが正しいかどうか、日本全国の、いや、もう何なら世界中の刑務所を訪問している私、丸山が、刑務所と社会復帰をテーマにお話ししていきます。
丸ちゃん教授の罪な話、市民のための犯罪学
刑事政策・犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の南口文です。この番組は、一般社団法人刑事司法未来がお届けします。
ニュースでは聞けない、犯罪学刑事政策の話について、わかりやすく解説していきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。
私たち刑事司法未来は、皆さんが犯罪報道に触れたときに、被害者の支援はもちろんのことですが、そこで得られる情報だけでなく、事件の背景や別の情報にも意識や視点が向けられるようになり、多角的に犯罪の現象を考えることができるようになるといいなと考えています。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
丸山さん、先ほど日本中の、何なら世界中の刑務所を訪問されているということだったんですけど、それはどういったことで、あちらこちら回っておられるんですか?
回る理由ですか?
あまり当たり前のことじゃないですよね。
確かに今、自分で覚えればそうですよね。
でも、思い出せないんですが、最初に言ったのは多分、学生時代、学部生時代のゼミの時に刑事説を参観するっていうのに一緒に行ったっていうのがスタートだと思うんですけど、
今何で言ってるかっていうとですね、犯罪学者、刑事政策学者から考えると、これは社会の宿図だとよく犯罪学者は言うんですけど、
これ元々ですね、この宿図だっていうこととイコールではないんですけど、社会学者、刑事政策学者のフランス・ホンリストっていう方がいらっしゃるんですね。
これ有名な方なんですけど、全く同性同盟に音楽家のフランス・ホンリストっていう方がいらっしゃるんですけど、これどうやらいとこのようで、全く同性同盟のフランス・ホンリストさんが、
最良の社会政策は最良の刑事政策だとおっしゃってるんですけど、刑事政策がうまくいってる国ほど、社会政策がうまくいってるんだっていうことを言うんですね。
ここからもう考えられるんですけど、基本的には刑務所がうまくいってるかどうかっていうのが、もしくはこの刑事政策がうまくいってるかどうかっていうのが、そこの国の社会政策がうまくいってるかどうかをよく見れるということを言われていて、
僕が世界中の刑務所を回っていくのは、この国、この社会がどういったふうに社会的弱者の方であるとか、もしくは犯罪をやった人に対して対応するかってところを見ていくってところが面白くて、
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例えば、日本では刑務所にいる人の中で、皆さんどんなイメージを持つかわからないですけども、一定数の知的障害の方がいらっしゃるとか、高齢者の方がいらっしゃるとか、いろんな問題があるんですね。
これはもういろんな社会のサービスからこぼれ落ちた方が、例えば食べ物がなくてコンビニでおにぎりとってしまったとか、お金がないのに無線飲食してしまったっていうような方が、本来なら社会福祉的なサービスを受ける方かもしれないんですけども、そういったところでうまくサービスに乗れないまま刑務所に来てしまうっていうことがあって、こういった人たちを刑務所でどう対応してるかっていうのが日本の刑務所の内面になってきてます、最近は。
さっき言ったんですけど、犯罪学者はその国の社会政策がうまくいってるかどうかっていうのを刑務所を見ればよくわかると言っていて、基本的には世界中の犯罪学者は日本の刑務所を見て、こういった、例えば知的障害のある方とか高齢者の方々を社会でうまくサポートができない場合があって、そういう人たちが刑務所にまで来てしまってるっていうふうに、世界の犯罪学者は日本を見ているっていうことになります。
そうするとですよ、丸山さんの目から見ると、日本の刑務所はちょっとうまくいってないような感じっていうことですか?
これは刑務所だけの話じゃなくて、日本社会全体の話になってくるんですけど、特に刑務所だけの話をすると、基本的に大変だなって僕から見て思うのは、現場の人間じゃないので簡単なことは言えないんですけど、刑務所で大変だなと思うのは、やっぱり保安施設として逃がさないとか、中で亡くならないようにとか、基本的には犯罪をした人なので、
そこで刑罰を受けている人を、どうやってその施設の中で安全に生活してもらうか、逃がさないようにするかっていう保安施設としての役割が求められるのと同時に、多分多くの人々はですね、社会復帰というか、ここで構成していただいて、社会復帰してもらいたいっていう思いがあると思うんですけど、実はこの保安施設としての役割と社会復帰としての役割っていうのは、両局面で違うことがあって、もう少し具体例を言うと、
完全に保安施設として管理するならですね、人の名前を呼ばないで番号で呼ぶとか、無機質に管理だけするっていうのが保安施設としてはもう最高というか、そっちの方に向かえばいい話なんですけど、逆に人と人との繋がりから社会復帰って出てくると思うので、そうすると名前を呼び合って、アットホームな笑い声が飛び交うような、人と人との繋がりっていうのが社会復帰を重視するとそういうふうになってきて、
刑務所って多分両方求められていて、どっちかに重心を置くっていうのは難しくて、ってなると多分保安施設としての役割がやっぱり重視されがちで、そういう意味では刑務所だけで全てをまかないっていうのは多分大変だろうなというふうには思っています。
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なるほど。そういう視点で見たときに、世界の刑務所も見ておられるっていうことなんですけれど、例えばあそこの刑務所は割とうまくいってるんじゃないかなとか、あの国はあまりうまくいってないようだとか、何かあれば教えていただけますか?
これもまたいろいろなんですけど、例えばですね、世界の受刑者としてトップにいくのはロシアとアメリカが受刑者というか被収容者の人口が多い国なんですけども、アメリカなんかこの80年代とか80万人ぐらいだったと言われた受刑者が2000年これと200万人とか230万人とかって言われてるんですね。
ここってやっぱりなかなか管理体制が強かったりとか、日本よりもいろんなプログラムが充実してるとかいろいろあるんですけど、やはりここは犯罪者に対して厳しい国として有名で、僕実際何度もいろんな州のアメリカの州の刑務所行ったりするんですけど、南口さんアメリカの刑務所行ったことあります?
ないですね。
ないですか。
ないです。
これなかなかいろんなところありましてですね、例えば入るときにいろいろ同意書にサインしないといけないんですけど、同意書のところにどんなことが書かれてるのかなってよく読んだら、中の人に人質のようにとられたときは一緒に打ち殺しても文句を言わないとかっていうのにサインするんですよ。
それはサインしたんですか。
サインしないと入れないんで、こういうぐらいなんで、よっぽど中の人と訪問するときって全然離れて中を歩くのかなと思ったら、ものすごく近くいらっしゃるんですね、皆さんが。
これサインしたもんで、そういう人たちとちょっと離れて歩くのかなと思ったら、むちゃむちゃ近く歩いてるやんっていうのがありましたね。
日本はそんな近くは歩かない?
日本は基本的には参加に来る人っていうのを、時間を結構厳しく見ているので、なるべく中の被使用者の方々とは会わないようなルートに行く。
会えるとしても作業している工場に入っていくときとか、こういうときにはすごく身近に通ったりはしますけど、それも刑務官の方がぴったりくっついてるっていうイメージなんですけど、
さっきのアメリカは本当にその辺をみんなウロウロしてる中を、もちろん刑務官の人はついてるんですけど、みんなウロウロしてる中に入っていくっていうようなイメージですね。
これアメリカですね。一方でうまくいってるというか、よくいろんな人に言われてるのが、例えば北欧なんか福祉の国として有名なんですけど、
刑務所もですね、徹底したサポートをしていて、僕が行ったのはスウェーデンなんですけど、ただ北欧の国々っていうのは、受刑者とか被使用者に優しい国と言われていて、優しいっていうのはですね、人と人として接していくっていうのが、
再犯防止にうまくいくんじゃないかっていうような理念の下やってるんですけど、例えばこの北欧の刑務所行ったときは普通に食事もですね、皆さんと一緒に、参観で行った僕でも一緒に食べさせてもらえるとか、そういった環境になっていて、
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ノルウェーでよく言われているのが、世界一犯罪者に優しい国が世界で一番再犯が少ないと言われているように、まず機械的に管理するのではなくて、社会に近づけて、
社会生活にどうせ戻っていくので、その戻っていくのを前提に、社会の中でどうやって生きていくかみたいなことを一緒に考えて向き合っているというような感じでした。
ノルウェーの刑務所って、確かにテレビとかでも取り上げられていると思うんですけど、ここが違うぞみたいなことって、もうちょっと教えてもらえますか?
むっちゃたくさんあるんですけど、例えば、さっき社会生活に近いような生活をするって言ってたんですけど、これって例えば当たり前のことで、出所後は社会の中で生活していくわけじゃないですか。
ってなると、例えば日本の刑務所だと、経理婦さんとか水地の方々がですね、ご飯作って運んできてくれるっていうのがあって、なので部屋でただ朝起きて座っててもご飯は運ばれてくるんですけど、ただ社会生活の中ではただ朝起きて座っていればご飯運ばれてくるなんてないわけじゃないですか。
あったらいいですけどね。
なので、この時点でも実は違くて、さっき言ったノルウェーの例えば刑務所だと、水地場というか料理できるキッチンにいつでも行けて、冷蔵庫に食べ物入ってて、自分で料理しないといけないですね。
いけないというか、社会の中では自分で料理するわけなんで、ここでいろんな調理器具を使って自分で料理して、ご飯食べると。
これも社会で生きていくのに必要な力ですよね。ですし、他に言うと、多分皆さん驚かれるものでいくと、例えばですね、もちろん仲の行いがいい人とかって縛り、誰にでもそうじゃないんですけど、ノルウェーで面白いのは休暇制度っていうのがあって、休暇制度って休みって思われるかもしれないですけど、その通りで、
例えば、僕が見た人でいくと、殺人に関わったような方でも、3日間休み取ったんで家帰りまーす、家帰っていくんです。3日後ちゃんと戻ってこられるんですよ、これが。
普通の休暇ってことですよね。
そうです。たまに帰りまーすって。もちろん休暇が取れたら、お家帰りますっていうふうに家帰っていくんですよね。
日本の刑務所にないですよね。
さっき言ったノルウェーの特徴なんですけど、これでも実はすごく合理的な制度で、何でかというと、いろいろ言われているのが、再犯を繰り返す人、もしくはすぐに戻ってくる人とか、何度も戻ってくる人っていうのは、出所後に帰る場所がないって言われてるんですね。
もちろん、いろいろ家族に問題があって、何でも家族が受け入れろっていう話ではないんですけど、ただ、うまくいくならば、修復が可能ならば、家族関係を崩さないっていうことが、実は社会で変える場所が作れるわけなので、家族関係を壊さないっていうのがすごく大事で、
この休暇制度っていうのも、こうやって頻繁に変えられるっていうのがあると、例えばですよ、いなみぎさん、18年とか20年経った人が、パパだよって帰ってきたときに、あんた誰?ってなるわけじゃないですか。
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ありますよね。
でしょ?ってなると、でもたまに帰ってくる人が、パパ帰ってきたよっていうのが何回もあって、出所してきたときにパパおかえりっていうふうな、家族の受け入れ態勢を維持させるというか、家族を崩壊させないように持っていく。
もちろんこれ、加害者家族の支援も同時にしないといけないんですけど、被使用者の人にはこうやって休暇制度っていうのを取って、家族関係を壊さないっていうようなことが行われたりするんですよね。
やっぱりたとえ1年でも3年でも、子どもって大きくなっていったりするし、家族とか友達とか、職場とかってそうですよね。つながりって大事ですよね。
そうですよね。
今の話で、ノルウェーだと社会で暮らすことに向けての準備をしているって感じがすごいするんですけど、日本は作業をしているイメージなんですけどね、作業以外にどういうことをやっているんですか?
一番確かにメインは作業をされているんですけども、同時に勧告法改正された時に改善指導っていうのが始まりまして、特にこの改善指導っていうのが条文上行くと、例えば自警者の方々に対して犯罪の責任を自覚してもらったりとかですね、健康な心身を培ってもらったりとか、
社会生活に適応するのに必要な知識とか生活態度を習得してもらうっていうものがあるんですけど、特にこの改善指導の中に特別改善指導っていうのがあって、これいろんな犯罪類型に合わせた特別なプログラムをしようよっていうのが始まっているんですね。
例えばどんな類型かっていくと、薬物依存があったりとか、暴力団員にあるとかいろんな事情があって、改善行政とか円滑な社会復帰に支障があるっていうふうになった時ですね、そういう自警者の方々に対してその事情を改善しようっていうのにいろんなプログラムがあって、6種類あると言われてるんですけど、
その一つが薬物依存離脱指導、暴力団離脱指導ですね、あと性犯罪の再犯防止指導、被害者の視点を取り入れた教育っていうのもありますし、あと2つですね、交通安全指導と1つは就労支援指導っていうのがありました。これがR1からR6とリハビリテーションのRだと言われているんです。
リハビリテーションってことはですよ、私さっきあの日本の刑務所うまくいってますかって聞いたんですけど、うまくいくって何かってした時に、やっぱり出てきた方がまた入らないで暮らしていかれることがうまくいくってことなのかなって思うんですけれど、
今のプログラムなんかが、そういう社会で暮らすことに役立っていってるっていうことになっていますか?
これもまた難しいところなんですけど、プログラムっていうのが、かつて言われてたのが内面に訴えかけるものだったんですよね、例えば反省しろとか悔い改めろとか、内面に訴えかけていくやつっていうのが、実はちょっと犯罪学上はエビデンスいい結果が出てなくて、そうじゃなくて生活パターンを変えるとか行動パターンを変えるっていうのがうまくいくんじゃないかって言われるようになってて、
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よく僕も学生に聞くんですけど、ものすごく心がピュアな人が真っ白な心が綺麗になった人が涙を流しながらごめんねって言って人を刺す人と、もう一つはすれ違う人全員お前ら殴ったのかと思いながら何もしない人とどっちがいいですかって聞くんですけど、
結局何が聞きたいかっていうと、心の問題なんか、もしくは行動として出ないのがいいって考えるのか、どっちなのかって。多くの人は多分行動として再犯というか逸脱行動でない人のことを社会復帰というか改善攻勢って言うと思うんですけど、
だからね、やっぱり刑務所って悔い改めてほしいし、反省してほしいじゃないですか。特に被害者の方々とか、もしくは他の一般的な感覚から言うと刑務所っていうのは反省すべきところだし、もちろんそういう面も追ってるはいるんですけど、ただ内面だけ訴えていくとあまり良い効果が出てないっていうのが犯罪学では言われてたりしますね。
反省って確かにイメージとしては、やっぱり反省してほしいなって思うと思うんですけど、今のエビデンスがないっていうのは、反省したけどあまりそういう再犯しないとかには意味ないってことなんですか?
むずかしいのが、心に訴えるだけのやつだと実はあまり良い結果が出てないって言われていて、例えばそのものを問うようなものはなかなかないんですけど、犯罪学の場面でエビデンスをとっていくようなものを見ていくと、例えばスケアドストレートっていうのがちょっと日本でも有名だったりするんですけど、スケアドストレートって、まだそんな犯罪傾向は進んでない少年をハイセキュリティの刑務所とかに連れてって、
刑務所みたいにさせるんですよ。そこでこのまま君みたいな飛行みたいなのを続けていくと、やんちゃしているとこういう怖いおじさんたちのようになってしまうよってショックを与えるっていうようなのがあって、このショックを与えることで、反省というか、もう自分は辞めないといけないって本人に自覚させて、飛行をやめさせて犯罪者にさせないぞみたいなプログラムってのがスケアドストレートっていうのがあるんですけど、
実はこれはたまに日本で紹介されたりするんですけど、実はこれエビデンスを取ると実は再犯増えるって出るんですよね。プラマイゼロじゃないですよ。やってもやらなくても同じなんじゃなくて、むしろ再犯増えるって出たんですよね。
今の話だと、なんとなく刑務所行って、こんな風になったらダメだなって思って、何か効果ありそうに思うんですけど、スケアドストレートの話ですね。何か効果ありそうとかじゃなくて、それが実際に調べたら、むしろ再犯増えるってなれば、エビデンスっていうのがすごい大事っていうのはすごくわかるんですけど、その辺はどんな風に思われますか?
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これ刑事政策とか犯罪学の分野でも、エビデンスベースというか科学的根拠によるエビデンスを重視した政策決定っていうのがすごく注目が浴びたんですね。エビデンスっていろいろレベルがあって、大きく分けるとレベル6まであるって言われてて、一番低いのだと有名な先生とかがこうじゃないかとかこうだろうって思って話すっていうのが一番、エビデンスとしてはレベルが低くて、
その次にうまくいった事例もありましたっていうような次のレベルになってて、いろんなレベルに分けられていくんですけど、これよりレベルが上がっていくほどランダムにですね、実験群と対象群と分けて、このプログラムがうまくいくのかいかないのかっていうようなことを、これからそれを実験する群と、プログラムをしない群とに分けて、統計としてデータを取っていくっていうようなレベルがあって、
で、もちろんこのレベルが高いもので、政策決定もしていくべきだっていうのがあるんですね。これ元々は、疫学とか医学の分野とかではこれ実は当たり前のことで、例えば南口さんが今日お腹痛いなと思った時に有名な先生がですね、これが効くはずじゃ飲みなさいとかって言われて、そんな飲みたくないでしょ。
やっぱりこの副作用とか作用を含めて効果を含めて、いろんな実験群とか対象群とかで、どれぐらいの効果があって、どういうのに効果がないのか、副作用はどんなのかって、研究されたもので医学とか疫学っていうのは進むっていうのはこれ当たり前のことなんですけど、これを政策決定の場面でもこれはうまくいくのかいかないのかっていうのを実験して、よりレベルの高いもので決めていった方がいいよっていうのが、
政策決定の場面でも言われるようになったんですね。
やっぱりどんな政策もですけど、最初におっしゃったように社会がうまくいってるかどうかがわかるっていうような刑事政策だから、ちゃんとそういう科学的な根拠があって、これは効くよっていうものをやっていってほしいですね。
なかなか社会実験にもなるようなので難しいんですけど、完全に統計を取れる、その実験をする人としない人とか、プログラムをする人としない人っていうのが刑務所で実現可能かって難しいって難しいんですけど、
ただなるべくこうやって思い込みじゃなくて、エビデンスが取れるものでやっていってほしいなっていうのはあるし、
仮に完璧なエビデンス上でいい実験というか、いいエビデンスが取れたとして、このプログラムをやったとして、本人が社会復帰の準備が整ったとしても、実は社会復帰って難しいのが、
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反省というかね、自分の生き直しとか、もう一回生活をちゃんと社会でやるぞっていうふうな、本人が変われたとしてもですけど、受け入れる社会の側がですね、この人を受け入れないっていうことが起きてしまうと、実はこれはまた再犯につながってしまうっていうのがあって、
よく言われるのが、反省は一人でできるんだけど、公正は一人でできないって言われていて、やっぱり受け入れる社会の側もどうやって受け入れていくかっていうことを考えないといけないですね。
さてここで、犯罪学をもっと身近に感じてもらうために、犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います。
はい、今日はですね、刑務所と社会復帰がテーマでした。僕のおすすめはボーイAです。
ボーイAは2008年に公開されたイギリス映画です。少年の時に大きな犯罪を犯した少年が社会に戻ってきて、一生懸命働いて仕事を得て、
友人ができ恋人ができ、社会で生活をしていく中で、あることをきっかけに過去のことが公になってしまって、という映画です。
はい、本人が頑張って、例えばいろんなプログラムがうまくいったり、本人が反省するという、反省だけじゃないですけど、プログラムがうまくいって社会に戻っていくという準備が整って、
本人がすごい努力して、もしくはいろいろ受け入れられるようになっていって、という頑張りというのがとても大事なんですけども、
ただ、さっきも本編でも言ってたんですけど、本人だけではやっぱりどうしようもないところがあって、やはり社会の側がどうやって受け入れていくかというところが結構ポイントになっていて、
この映画はそこがとても重要なポイントになっています。
例えばですね、ボーイAもおすすめなんですけど、最近の日本の映画でのおすすめでいくと、例えば、ヤクザと家族というのも似たようなテーマを扱っているので、こちらもおすすめです。
ヤクザと家族もあれですね、私たちはどうあるべきなのかみたいなのが問われている映画でしたね。
はい。
丸山さんに解説してほしいエンタメ作品がありましたら、番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください。
今日のテーマは、刑務所と社会復帰でした。
何がうまくいっている刑務所なのかっていうのって、すごく難しいと思うんですけど、
やっぱりそういう高齢者の方とか、いろいろな困難とか息づらさとか抱えた人が刑務所の中でつらい思いして、
それでまた社会に戻ってもつらくてっていうようなことじゃない方がいいと思うので、
やっぱり受け入れる社会のあり方っていうのを、私自身としては考えていかなきゃいけないなと思いました。
うん、なるほど。社会の側もそうですし、今日のテーマとしては刑務所側の話もしたんですけど、
例えば話の中でノルウェーとか北欧のような開かれた刑務所の話をしたんですが、
仮にこれが理想で、すぐできないっていう話であっても、やっぱり僕としては社会に戻る準備を、
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一番社会から隔離したところでやろうとしている限界はあって、
じゃあ刑務所自体をどう見るかとか、そこから出所してくる人をどう見るかっていうのは、
結局は私たちの問題だなというふうに考えます。
さて、この番組では感想や質問、リクエストなどお待ちしております。
番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。
Twitterではカタカナでハッシュタグ、罪な話をつけてツイートしてください。
また、私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも、犯罪学や刑事政策について発信しています。
刑事司法未来で検索してみてください。
またお会いしましょう。
お相手は丸山康博と
南口文でした。
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