1. 丸ちゃん教授のツミナハナシ-市民のための犯罪学-
  2. #030 犯罪の背景にある “問題”..

【トークテーマ】

・裁判って何に時間がかかるのか? “事実を決める” ということ

・DV問題に裁判所は何ができるのか?

・カリフォルニアにも2つしかない飲酒運転専門の裁判所!

・裁判官や検察官主導はもう古い?チームアプローチとは

・リスペクトされるソーシャルワーカーの存在感

・トライ&エラーが許される社会

・お便り紹介


【キーワード】

薬物問題、ドラッグコート、問題解決型裁判所、逸脱行為、伝統的刑事裁判、ギャンブル依存、DV、アルコール、酩酊運転専門裁判所、DUI /DWI


【犯罪学の視点から語るエンタメ作品】

『シュガーラッシュ』(2013年公開/アメリカ)

原題:Wreck-It Ralph

配給:ディズニー


<過去のエンタメ一覧>

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サマリー

#030 犯罪の背景にある “問題” に取り組むソーシャルワーカー: 今日は、ペナルティを与えても解決しないということや、我慢させるだけでなく、いろんな方法で問題を解決することを目指す問題解決型裁判所についてお話しします。 アルコールや危害関係の問題を解決するソーシャルワーカーがチームアプローチを取りながら問題解決に取り組んでいます。 日本では犯罪の背景を考慮して福祉を提供する取り組みが進んでいますが、裁判所の制度を変えることは難しいです。しかし、個々の関係者の意識や知識を変えていくことは可能であり、問題解決型裁判所の理念や治療的指法の考え方を広める必要があります。 ソーシャルワーカーが犯罪の背景にある問題に取り組んでいる様子を紹介します。

刑事裁判の目的
ところで、南口さん、学生時代に、そのルールって絶対意味ないやん、とか、意味わからんやん、って思ったことありますか?
いろいろあるんですけど、そう言われて印象的なのは、小学校の時に、給食の時に、全部食べるまで、そこに座ってないといけなくて、
あー、時代ですね。
遊びに行けない、とか、そう、周りで掃除とか始まっても、あの子食べられへんもん、今日あったら座ってなあかん、みたいな、あったんですよ。
で、あれって、あそこで座らせてたからって、食べれるようにはならんよな、ってずっと思ってました。
根性論ではないですしね、なんか、どうしても食べれないものもあるし、なんなら、掃除始まったら食べたくないですもんね。
そこに残ったからってね、食べれるわけでもないしね。
そうなんですよ。そもそも、最初から出す量を減らすとかね、例えば。
それとか、温め直すとか、あとなんやろ、食べやすくちっちゃくするとか、
あと、ほんまに無理なもんは無理とか、あそこに居残りさせるみたいなことよりも、もうちょっと違う工夫っていろいろあり得たんじゃないかなって思うんですよね。
さすがミナミグさんぽいですね、なんか、ただ食べれないんだからいいじゃないかってスパンって切るんじゃなくて、
食べれる方法をまず検討してみるわけですね、量を減らすとか温め直すとかね、いや、さすがですよ。
やっぱね、食べれませんっていうのをさ、言うために、ただ黙って限界まで待つみたいな、
よりもいろいろ考える方がね、あり得るんじゃないかなって思うんですよね。
というわけでですね、今日はそういうペナルティを与えても解決しないとか、ただ我慢させるってことだけじゃなくて、
いろんな方法の解決を目指すっていう問題解決型裁判所についてお話しします。
丸ちゃん教授の罪な話、市民のための犯罪学。
刑事政策犯罪学を専門とする理事長大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の南口文です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、これまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話について、分かりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ペナルティを与えて解決するっていうのを罪な話でやるとすると、
今の刑事裁判というのがまさにそうなんだと思うんですよね。
そのため、まずは刑事裁判の方の目的とか、そういうところから教えてもらっていいですか。
刑事裁判の目的か。
一応裁判は何をしているかというと、
基本的にはそういう事実があったかどうかを法律的に決めていくんですね。
みなさん想像してもらって、例えば2時間もののサスペンスドラマとか刑事門のドラマって、
そういう犯行するシーンが描かれてたりするじゃないですか。
なので、視聴者は誰が犯人でどうやってやったかわかるし、
もしくはそれが解明されてて最後にこうだったんだとか言いますよね。
けど、世の中で起きてることって、まず目の前で起きてないものを事件として取り扱っていくわけだから、
こういうことが起きたって事実を決めないと法律判断ってできないんですよ。
そうすると、こういうことが起きましたよっていうことをまず明らかにするのが刑事裁判ですね。
それを警察とか検察とかの捜査機関が証拠を集めてきまして、
物的証拠とか証人で人に来てもらって発言してもらってとか、
こういうことがありましたって一応法律上事実はこうでしたよっていうことを決めていって、
その後法律判断をする。
本当の本当の真実で何が起きたかってそれは神様でしかわからないし、
その現場でいた人しかわからないし、
何なら現場にいてもその人の内心が例えば殺害の行為があったかなかったかとか、
それは現場にいてもわからんようなものですけど、
一応こういうことが起きましたってことを法律判断をするためにまず明らかにしていって、
その後それに法解釈を当てはめてって、これは何罪ですよってのを決めていくわけです。
問題解決型裁判所の課題
それが決まった後にその人に適した罰は何かってことを考える。
これが刑事裁判でやってることですね。
なるほど。
で、その罰の部分が要はペナルティーですよね。
で、ペナルティーでは解決しないことで問題解決型裁判所の話をしてくださるということなんですけど、
今の刑事裁判のどこに課題がありましたか?
これはもちろんそれで解決する次元もあるんでしょうけど、
多くはそこの場に現れてきた逸脱行動とか犯罪と呼ばれる行為、
そこに罰してこれをやめさせよっていうことがずっと伝統的な裁判で行われているものなんですけど、
その逸脱行動として現れてきた背景を解決しないとどうしようもないじゃないかっていう問題もやっぱりあるわけですよね。
で、例えばですけど、窃盗する人がポケットに所持金が全然なくてする窃盗の人と、
借金をいくつか持っていて、今日食べるお金は、例えばポケットに入ってます、1000円ぐらい。
で、今食べるものがないから取るんじゃないんだけど、その借金の返済の日が今日なんで、
窃盗してこないとその借金を返せないからっていう窃盗する人もいますよね。
そうですね。
ってなると、今までの伝統的な裁判って、もちろん上場借料とか、いろんな汲むべき事情とかっていうのはもちろんやるんですけど、
ただ、窃盗をしたっていう逸脱行動に光が当たって、それに対する罰を与えるっていうのが伝統的な裁判なんですけど、
ただ、今言った所持金がずっとなくて、働く家がなくて、住むとこなくてって3日食べてなかったです、窃盗しましたっていう人が、
じゃあ刑務所そのまま出てきた時に、仕事あって住むとこあって食べ物あるかってないわけじゃないですか。
とすると、根本に窃盗した原因が解決してないわけだから、これまた窃盗されるリスクはあるわけですよね。
で、例えばさっきの借金重ねてっていう人が、例えばギャンブルでしたとなると、ギャンブルで借金重ねてたんだとしたら、
別に刑務所から出てきても、ギャンブルやりたいなと思って出てきて、借金重ねられたら、また窃盗するリスクが高くなるわけじゃないですか。
で、今までのその表面に現れた窃盗行為に対して、窃盗って事実がありました。で、この人は犯人でした。
こういう罰を与えましょうっていうのが刑事裁判でやってたことなんですけど、そうじゃなくて、その背景にある根本にある問題にも着目して、
じゃあ次はそういう犯罪がないようにどういったアプローチができるかってことを考えていったのが問題解決型裁判所って言われるやつなんですよ。
なるほど。そうすると今のようなお話だと、今までお話ししてきた中で言うと第3回で話されてたような薬物の使用のところが一番の典型って感じですよね。
すごい鋭いですね。この問題解決型裁判所の概念自体は、そもそも3回目で話したドラッグコートから発生してきてるんですね。
ドラッグコートの応用
じゃあちょっと問題解決型裁判所を理解してもらうためにまずドラッグコートがどんなんかっていうところからちょっと話していきたいなと思うんですけど、
お願いします。
もう1回この第3回目を聞き直してもらいたいんですが、特にこの薬物問題って同じドラマが繰り広げられてるんです。
これ日本の薬物裁判見に行ってもらってもそうだし、大体海外のやつを見てもらってもそうなんですけど、もうしませんねって裁判官が言って、もうしません。
上場のために家族とかお友達が来て、見守りますか?見守ります。とか言って、これが最後ですよ。わかりました。とか言って、
じゃあ日本で言えば、1年6月、執行猶3年とか、これ覚醒剤だったんですけど、決まったようなルーティーンのようなものが繰り返されて、
またこれ出てこられて、もしか執行猶中にまた処置されたとか、使用があったっていうので、また逮捕されて裁判に来るんです。
で、ここでじゃあ何するかっていうと、もうしませんね、もうしません。とか、こういうことをずっとやってたわけなんですけど、
それがアメリカで行くと、70年代から80年代にかけて、結構大量のクラフト国会員が南米から渡ってきたんですね。
で、ボーダーになってる州が、いろいろ大変な状態になってってて、89年にフロリダで裁判官が、これもう全く同じドラマがずっと繰り返されてて、
今言ったやつですね、もうしませんね、もうしません、これが最後ですよ、わかりました、また来たん、じゃこれが最後ですよ、わかりました、また来たん、
ってこう何回も繰り返されてるこれが、もうただただ回転ドアがぐるぐる回ってるだけじゃないかと。
で、これ薬物がダメだよってそれに対して刑罰って言ってるんだけど、薬物を知ってしまうこの原因の解決して薬物を止めていくってことにアプローチしないと、
この回転ドアずっと止まらないじゃないかと考えてたわけです。
ので、そこでこのドラッグ仕様の根本にある問題同時に解決していこうっていうようなのがスタートした。これがドラッグコートなんですね、第3回目で話したやつ。
で、これがどんどん薬物の問題だけど、薬物に関わる問題としてはこういろいろ、また他にも応用可能なんじゃないかってなっていくんですね。
で、これ何が応用可能かって、例えば今言ってたのってもともとスタートは成人用のドラッグコートだったんですけど、これ少年のコートでもできるじゃないかとかね、例えば。
とか、あとは退役軍人の人のための薬物使用している問題を抱えている人の特別な裁判があっていいんじゃないかとか。
あとはですね、ファミリーコートとかで身権を争うとか取り戻したいとか、失いかけているとかいうときに、あなた薬物の問題抱えているから、親としてこの子を育てるためには身権を確保したいならば薬物のプログラムちゃんと受けてくださいねとか、薬物の問題としてこういろいろ派生するやつにドラッグコートっていうのが広まってたんですよ。
最初ね、第一段階。で、これがこう発展していくんですけど、その後にこれドラッグだけに限らず、そういうふうに逸脱行動として現れている背景にある問題にアプローチして、で、こういう逸脱行動に出てるのの解決をしたらいいんじゃないかと考えになっていくんです。
問題解決型裁判所の成り立ち
これが言語で言うとプロブレームソルビングコートって言われてて、これを訳したのが問題解決型裁判所って言ってるんですけど、なので最初に南口さんおっしゃったように、これ3回目で話したやつに近い、ドラッグコートに近いですね。その通りで、もともとスタートはドラッグコートの概念がスタートして、で、このアプローチが他の犯罪にもできるじゃんっていうふうになってたのが問題解決型裁判所です。
今のお話でいくと、確かに広げれる感じもするし、例えばですけど、ギャンブルとかアルコールとか、そういう要はやめられなくなるものについて、とりわけなんか影響がありそうというかな気がするんですけど、なんか具体的にこういうところに広がってますよみたいなの教えていただけますか?
めっちゃ広がっていくんですけど、有名なやつでいくと、ギャンブルコートとかですね、さっきのギャンブル依存の何とかその問題を解決しようってやつもあれば、あとDVコートっていうドメスティックバイオレンスですね。これも例えばさっきのやつの延長から言えば、障害罪でこれまでの通り、暴力を振るったっていうことに対して、障害罪で罰、刑務所って言うんじゃなくて、
DV関係だから起きうる問題、その2人の関係だからこそ起きうる問題を解決しないと、特殊な普通の街で殴り合う障害とはまた別の原因なので、そうするとその問題特有のやつを解決しようぜ。もうちょっとDVの話していくと、例えばですけど、もちろんね、よく家族に戻すとか、もう1回夫婦間とかパートナーの間を取り戻すって、
できればこうしたことないのかもしれないですけど、ほぼほぼそんな元の通りに戻るっていうのは難しいんですよ。ってなると、基本的にはDV関係を解決させていくには、例えばですけど、経済的にハラスメント受けてるとか依存してるっていうときに、自分だけ我慢すればいいんだっていうね、パートナーの方がいらっしゃるわけです。
例えば、自分は殴り受けるされてひどいこと言われてるけど、子供の学校卒業するまでは、自分今シングルになっちゃうと、この子が卒業するまでお金が続かないから、自分は殴り受けるされてもこれだけ我慢してればこの生活は維持できるんで、とかなってくると、これってただDV受けるなら別れればいいじゃんとか、そんな簡単な話ではなくて、もちろんね、命を左右するようなところはシェルターがあって逃げるっていうのはあるんですけど、
ただ、そういうケースにならないのも圧倒的に多いわけですよね。最終的には最悪な真の結果じゃないDVもいっぱいあるわけじゃないですか。ってなってくると、じゃあこのDV関係を解消して生活が進むって、例えばシングルでも生活できるような土台を整えないといけないし、
シェルターとしてまず第一に命を守るとこも重要だし、シェルターに行ったからといって2週間3週間でやっぱりこう自立するような生活サポートしないといけないし、それだからこそサポートする必要を整えていくっていうのがいっぱいあるんですね。ただそのパートナー関係を戻すっていうこと以外に解決方法としては。
で、そういうのを整えていってこの解消をしていくっていうのに取り組んでいくソーシャルワーカーとか。っていうのがDVコートですね。とか、もっと言っていいですか。
いいですよ、お願いします。
あともっと行くと、飲酒運転、名庭運転専門の裁判所ってあるんですよ。
あったほうがいい。
これもDUIコートとかDWIコートって言われるんですけど、DUIって何かっていうと、ドライビングアンダーザインフルエンスの略なんですね。何かの影響を受けている中で、アルコールだけに限らないんですけど、何かの命定するようなものの物質的なものの影響下にあったドライビングを何回も繰り返してしまう人。この人の専門の裁判所とかあったりします。
ちなみにですけど、僕アメリカに2年住んでたんですね。カリフォルニアに。なかなか民貧なと思ったんですけど、結構問題解決型裁判所の研究って僕20年ぐらいやってるんですけど、噂とか本では見るんですよね。このDUIコートあるぞって言って。カリフォルニア州で全然民貧なと思って、どこにあるんですかって。カリフォルニア州に2つしかないって。あんなに大きい州で2つしかないんですかって。それは見つからんわってなったんですね。
ただ、この辺僕また幸運の持ち主だなって自分でも思うんですけど、自分が留学してたっていうか客員研究で行ってたのはバークレーだったんですけど、そこの研究会に来てるカリフォルニアの州立大学の先生がいたんですよ。この人はソノマっていうカリフォルニアワインの聖地で授業を持たれてたんですね。
で、そこで授業行ってみたらいいよいいよって言われたんで、僕結構半年間かけて、あれすごかったんですよ。1時ぐらいから午後の9時ぐらいまで授業があるっていう。何個かですよ。もちろん1個の授業だけじゃなくて何個かあるんだけど1日にそんだけ授業があって、それを毎週行くっていうのをやってたんですよ。
で、これはこれでいずれどっかでお話する機会があればお話したいですけど、今なんでこの話してるかというと、そこで遠足あったんですよ遠足。みんなでフィールドトリップ行こうぜって言って、フィールドトリップ行ったのがソノマの保護観察所に行ったんです。で、そこはなんか卒業生たちもいて、で、そのソノマっていうカリフォルニアワインの聖地の街でフィールドトリップして、保護観察所に行ったら、なんか話聞いてるとここにDUIコートあるよって言ったんですよ、その人が。
何?カリフォルニアに2つしかないって聞いたけど、1個あんのここにってなったんですよ。あるよそこにとか言って、え、ちょっとむっちゃ行きたいんですけどって言ったら、いいよ研修で来るとか言って、僕1ヶ月カリフォルニアに2つしかないやつの1個の近くに勉強に行ってたから、ここにあるからおいでよって言って、マジですかって言って行けた。1ヶ月DUIコート行く。すごくないですかこれ。
すごい。
でしょ。
費給がすごい。
でしょ。これでも勉強のために通うわけじゃないですか、それも週1回朝から通ってたんですけど、結構胸の痛むやり取りが繰り返されるんですよ、これ南口さんもね、結構心が痛むんじゃないかと思うんですけど、例えばね、初めて参加する人たちにアルコールの歴史とかを聞くんですね、その人の、いつから飲み始めたのとかって裁判官が聞いたりとか、主に何を飲んでるのとかって聞いていくときに、
そこに来てた被告のね、そのDUIコートに来てる方は、14歳からですとか、ビールなんですとか、恥ずかしそうに答えていくんですね、そこに来てるクライアントの人たちは、すげえ申し訳なさそうに答えてるんですけど、まあ時代が時代からかもしらんけど、14歳で飲むってそんなむちゃくちゃ異質で珍しいことではないなと聞いてて思ったし、
そうですね。
で、なんで3杯も飲むんだとか、なんで4杯も飲むんだとかって怒られてる人たちを見て、
これはちょっと僕も胸に手を当てたけど、これ聞いてる方もですね、いや、4杯を飲むだろうとか思われてる方もいらっしゃると思うんですね、もちろんね、今アルコールを絶ってるって人はちょっとあれですけど、
全然アルコール絶つってことされてない方は、別に4杯ぐらい飲むのじゃないかって胸に手を当ててみたいとか、っていうのがあると思うんですけど、そういうのがあって、
ただ、その彼らはそれでも運転を繰り返してしまうので、で、名店運転場の運転が止まらないから、そういう裁判にかかってくるんですね、っていうDIコートを見たりとかもしました。もっといっぱいありますけど。
そうですね、あのすごくいろいろなお話を伺いたいんですけど、今聞いてると本当すごくいいなって思うんですよね、で、私の知ってる範囲でいう今の日本の刑事裁判っていうのとかなり違うと思うんですけど、
違う点を、具体的にこういう点が大きく違うよねとか、制度的にはここが違うんだよね、みたいなことはありますか?
問題解決型裁判所と日本の刑事裁判との違いですか?むちゃくちゃたくさんあるんですけど、
ですよね。
例えば見た目でわかるやつでいくと、法廷に入ってすぐ気になるのは、対立構造のように検察官と弁護人が向き合って座ってない、向かい合って座ってなくて、同じテーブルに横並びで座ってたりします。
なるほど、日本って対立ですもんね。
でしょ、で、ただアメリカでも刑事裁判でも向かい合ってるというよりは、離れて横並びで座ってるイメージ。
あ、そもそも。
そう、だけど、これはチームアプローチを取るんで問題解決型裁判所っていうのは、なので横並びでやるんですけど、
ただ、一応裁判なので、検察は起訴して、弁護人は弁護するっていうのは、最低限度のルールはあるんですけど、
ただ、裁判官も検察官も弁護人も、そこに後で出てくるソーシャルワーカーも含め、みんなこの今目の前で問題を抱えてるクライアントの問題を解決するってことがゴールなんですね。
なのでチームアプローチを取って、この人が、例えばドラッグで言えば薬物を使用しないでも生活できるってどういうふうにすればいいだろうかってことをみんなで考えて、
じゃあ一番いい方法はなんだろうってことを同時に同じゴールに向かってやってったりとか、プログラムにかかって1ヶ月覚醒剤使わずに止まったんですよとかって被告人が言ったら、
裁判官とかもうマジ降りてきてハグして、すげーなーとかって、超こんな大変な奴頑張ってるなーとか、俺なら大変かもーとかって言ってハグして褒めたたえるっていうのは、これはなんかもう見た目上全然日本の裁判と違いますよね。
全然違いますね。なんかチーム、裁判官と検察官と弁護人がチームで、この人の抱える課題を変えていくのを支えようみたいなのっていうのは日本の刑事裁判とは全然違いますね。
ですよね。たぶんこの1ヶ月覚醒剤使いませんでしたって言ったら、検察も裁判官も当たり前だーとかって怒ると思うんですよ。
だからどうしたとは言わないけど、そういう雰囲気になりますよね。そりゃそうでしょうよみたいな。
でもよくこんな辛い状況でここまで頑張ったなーとかって褒めたたえるんですよね。
前のお話の時に、ソーシャルワーカーの方もそのチームに入ってされてるってことだったんですけど、その手前でそもそも違うんですね。
そうね。さらにだからこの人たちのすごいのは、自分たちがやる仕事とできることとできないことはやっぱりちゃんと分けて、自分が持ってない専門性に対してはものすごくリスペクトされるわけです。
日本での福祉の進歩
例えば、さっきの1ヶ月止まりましたって成功事例だけど、毎週陽性反応が出る人もいるんですよね、中には。
で、なってきたら裁判官とかちょっとイライラしてきて、じゃあもう通常の裁判にかかって刑務所行くかとかって言うと、じゃあなんか被告人の方もイライラしてきて、早々に刑務所送ってもらって速攻刑罰が終わるやんか、そっちの方が楽じゃーとかでわーってなってくるんですけど、
で、まあまあまあって止める人がいるわけですね。
なるほど。
これがソーシャルワーカーで裁判官、この時期はこういうふうになるんですと。
で、被告人に対してもあなたも売り言葉に買い言葉みたいにしないって言って、今から裁判官と新しいプログラム考えて推薦するから、それ頑張りなさいよって言って。
で、被告人にはそう言うし、裁判官とか検察官には、いやこういう回復が始まる時期ってうまくいかないときこうなるんですからとか言ったことに、
ソーシャルワーカーが言うのはそれ自体すごいんだけど、さらに僕が言ってここですごいと思っているのは、裁判官がまああなたが言うならっつって、専門性のある方が言うならって止まるわけですよ。
そこが。
ここですね、リスペクトし合う。
そこがすごいですね。
そのことは、私よりあなたが専門だよねっていうのって、日本の裁判官って、私も少ししか知りませんけど、
やっぱり専門家の方の鑑定書だったりとか、それこそ刑務所についてよく知ってる方の意見を、そんなふうに聞いてるイメージはないんですよね。
ですよね。
すごいなって思いますね。
それって日本で同じようなことできますかね?
同じことがですか?
少しずつ、それこそ数十年前とか二十年前とか十年前から比べれば、ちょっとずつ実は進歩してるんじゃないかなって思わないこともないです。
この厳格な中でも、例えば知的に障害がある方とか、社会の生きづらさを抱えている方に対してソーシャルワーカーっていう、これは弁護人側に公正支援計画書を作ってもらうことが少しずつ広まってるとか、
検察庁の中にソーシャルワーカーが入るようになって、基準先の確保が難しいから、そういうサポートをしないといけないよって考えるようになってきてるとか、
刑務所にも各刑務所にソーシャルワーカーが配備されて、特別調整のいる方にはこうしないとねっていうようなのが、かなり昔から見れば社会で生きづらさを抱えてる人が、社会で生活するためにはどういうサポートができるかっていうのは進んだはずです。
それは進んでます。が、今言ったような裁判の中でその人の抱えている背景を見据えて、十分なサポートをして福祉を提供して、じゃあ再犯を防ぎましょうっていうところまではまだ言ってないけど、
今だから日本でできる、抜本的にガラッと変えてしまえば一気にできるんでしょうけど、ただ全く何もしてきてないかと言われるとそうでもないんじゃないかと、ちょっとずつ何かはできるような方法は取られてるんではないかなっていうふうには見ることはできますね。
なんとなくですけど、そのことに対する社会の受け止めも変わってはきてますよね。再度してしまった人へのまなざしとか、過去に犯罪歴のある方へのまなざしとかも、すごくちょっとかもしれないけど。
現代のエンタメ作品
これはでも、かなみのみぐさんのよく話す人がそういうまなざしを持ってるだけで、結構、だからトライアンドエラーが許される社会にちょっとずつなってきてるんじゃないかって思って、希望の話でしょ、今。どうですかね、ちょっと。この番組聞いてくださってる方も、ただただ罰じゃないんだろうなってここまでね、今日でだって30回でしょ、記念すべき。
ここまで聞いてくださってる方はただただ罰じゃなくて、かといって甘やかすのでもなく、適切な刑罰や支援ってなんだろうって一生懸命考え、簡単に答えてることじゃないんで、もちろんね。一緒に学んだり悩んでくれる方が今聞いてくださってると信じてますが、そんなまなざしトライとエラー繰り返すってそんなまだ僕進んでないんじゃないかなって思いますけどね。
そうね、エラーがあった、例えば薬物だと再使用があったって時に、それ一歩目やから、じゃあ次また頑張ってよとはまだなってないですね、確かにね。
全然反省してねえなとかってすぐ言っちゃう。ネット上がね、むしろネットで書く人が本当の一部、逆にね。何も書かない人の方は別にそれはそんないうことじゃないんじゃないのとかって圧倒的に思ってくださることもあり得るから、そうするとちょっとずつは進んでるかなっては思いますよね。
さてここで犯罪学をもっと身近に感じてもらうために、犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います。
今日おすすめの映画はシュガーラッシュです。
シュガーラッシュは2013年公開のディズニー映画で、ヒーローに憧れる人気ゲームの悪役を主人公にしたものです。
アメリカで長年親しまれているアーケードゲームの悪役キャララルフは、嫌われ者の悪役を演じ続けることに嫌気がさして、自分のゲームから飛び出し、お菓子の世界で繰り広げられるレースゲーム、シュガーラッシュに出ることになりました。
そこでラルフは仲間外れにされているバネロベに出会い、孤独な二人は友情を深めていきます。
スーパーマリオのクッパやストリートファイターのベガ、ザンギエフ、ソニックシリーズのドクターエッグマンなど、日本の人気ゲームの悪役も多数登場しています。
これまた視点が普通のヒーローものとかと違って面白いところが、これはゲームの悪役になっている人たちが、ゲームセンター終了後に夜集まって、悪役だからこその悩みをみんなでミーティングで打ち明けるっていう。
切ない。
わかるわかるっていう。薬物とかいろんな、薬物だけに限らずDVとかもそうなんですけど、当事者だけのミーティングとか、経験した人が語るミーティングとか、いろんな分野で使われたりするんですね。
意味があるって言われてるんですけど、これも悪役の経験をしてるキャラが集まってきて、自分のキャラのしんどさとか、本当はそんな演じてるだけなのに子供たちからはなんかあいつ嫌いとかって言われるとかっていう辛さを語ったりするんですね。
でこれね、シュガーラッシュってこの映画の中にさらに出てくるゲームのことを言ってるんですけど、現代でいくと、映画の現代でいくとレックイットアルフって書いてあるんですよ。
でこれね、僕いろんな映画の日本語に訳す人がすごい上手だなって思うやつもある一方で、もう一個ちょっとこれは現代化してほしかったなって思うやつもいろいろあるんですけど、これがどうって言われてないんだけど、レックイットアルフってレックイットってそれを打ち壊せって意味があるんです。
でレックイット、ゲームでいくと上からこいつね、レンガ落としたりとかしよるから植木とか。なんか壊すやつなんですよ。主人公に向かって何かをぶつけてきて壊すっていうゲームの意味とこのレックイットっていうの。じゃなくて、ラルフはウジウジして自分はこんなキャラじゃん、本当やりたくないのにとかなんかこんな生き方したくないのにって言いながらもずっとウジウジしてるのを打ち破れっていう意味があって。
だからゲームの役割演じないといけないレックイットとお前自身が抱えているその悩みを打ちかぶって突き進めっていう意味がレックイットにかかっているから。だからそのゲームでやらされている役割とその役割自体を打ち破っていけっていうレックイットラルフっていうのが現代なんですよ。
このシュガーラッシュっていう名前は、この映画の中に出てくる別のゲームがシュガーラッシュってゲームがあるんですけど、それに参加するっちゃ参加するんだけど、そこはそんなポイントではなくて、僕にとってはですよ。それを打ち破るっていうところがやっぱポイントだろうから。
そういう今日はちょっと全然犯罪学とエンタメの話というよりは、現代では何て言ってるんだろうかとかっていうのもちょっといろいろ意識してみてもらうと面白い映画だろうなっていうことを言いたかっただけっていう感じになりましたけど、その前の当事者のミーティングとか本人たちのミーティングっていうのがいろんな回復に向かっても使われてますよっていうのがメインなんだけど、もう1個言いたいことがあったんで言ってしまいました。
丸山さんに解説してほしいエンタメ作品がありましたら番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください。
問題解決型裁判所の課題
今日の問題解決型裁判所をやっぱり今すぐ日本のね、最後におっしゃってたようにシャーンと制度を変えて日本で導入っていうのは多分ちょっとさすがに難しいんだろうなと感じるんです。
だけどやっぱり制度は急には変えられなくても、そこに関わる一人一人の知識とか考えていることとかを少しずつ変えていくことは多分できるから、やっぱりこういう罪の話をもっと宣伝していろんな人に聞いてもらわないといけないなって今日はすごく思いました。
なるほど。いや、ありがたいですね。僕なんかもう時間だと言われて、全然まだ5分ぐらいしか話してないんじゃないかって気になってるぐらい、ちょっと今日の回に言うことってもっと僕の中ではたくさんあったはずなんですけど、全然なんかその本質に触れられてないかもしれないので、またこの計画というか問題解決型裁判所もしくはそれに関わる理念ですね。
治療的指法の考え方っていうのもちょっと皆さんに紹介できたらなと思いました。さて、この番組では感想や質問、リクエストなどをお待ちしております。番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。Xではカタカナでハッシュタグ罪な話をつけてポストしてください。
ではここでいただいたメッセージをご紹介します。Xにいただきました第13回のハームリダクションに対するコメントですね。薬物の何が問題なのか、健康への悪影響、社会への悪影響、金銭的問題、イメージだけではなく正しく知って正しく恐れる、罪な話で正しい知識を手に入れましょうとポストしてくださってます。
ありがとうございます。ハームリダクションの回の第13回に対するメッセージをいただいているんですけど、ちなみに今日の問題解決型裁判所のもとになっているドラッグコート、これもハームリダクションの一部じゃないかっていう人もいるんです。ドラッグコートの会議とかに行くとそう言っている人もいるんですけど。
ただ、害を減らすということだけを真実に見ればそういうふうに言えるかもしれないです。これでも基本的には全然違うアプローチだと考えられていて、公衆衛生とか社会保障の面からどうやって害を減らすか、それは罰を使わずにどうやって減らしていくかっていうのが基本的にはハームリダクションの考え方なので、詳しくは13回目を聞いてもらいたいんですけど。
ただ、これも害を減らすという意味ではハームリダクションだろうというような問題解決型裁判所派の人たちで、これ結構全米ドラッグコート会議とか参加するとそういうハームリダクションとは何かとか、ハームリダクション派の人たちをゲストに呼んできて議論するとか、結構これからも問題点とか研究として進んでいく分野だと思うので要チェックですね。ありがとうございました。
また、丸山さんからもお話いただきたいですね。いろいろ話すことがありそうですね。
あります。
配信のない火曜日、毎月第3火曜日の夜9時半からXのスペースで、罪な話で裏話を開催しています。
ポッドキャストで話しきれなかった内容やスペースに参加してくださった皆さんの質問に答えしています。こちらのご参加もお待ちしています。
また、私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも、犯罪学や刑事政策について発信しています。刑事司法未来で検索してみてください。
それではまたお会いしましょう。お相手は丸山康博と
南口文でした。
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