<トークテーマ>

・よく言われるアレコレ、本当に正しい?

・反省させると再犯が増える⁉︎

・「〜すべき論」ではなく根拠に基づくべし

・根拠の信頼性にはレベルがある

・スケアードストレイトとは

・心に訴える更生プログラムは効果があったのか

・加害者にも背景がある

『死刑になりたかった』と言う人が大きな事件を起こす前にできること


<犯罪学の視点から語るエンタメ作品>

『時計じかけのオレンジ』

監督 : スタンリー・キューブリック


<イベント情報>

“丸ちゃん教授のツミナハナシ課外授業”

第2回「ツミナハナシ×絵本」

日時:11月26日(日)

場所:本の長屋(東京都杉並区高円寺北3-8-13)

参加費:500円(「無罪トートバッグ」がついてきます!)

申込方法:saitoh@genjin.jpまでご連絡ください。


<刑事司法未来>

https://cjf.jp/


<Xハッシュタグ>

#ツミナハナシ


<メッセージフォーム>

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サマリー

犯罪学の専門家は、科学的根拠に基づく刑事政策の在り方について話し合っています。エビデンスのレベルによって効果のある政策やプログラムを実施することが世界中で広まっています。映画『時計仕掛けのオレンジ』では、治療法の適用による社会復帰と、エビデンスを基にした刑事政策の矛盾が描かれており、人間の生き方について考えさせられます。このエピソードでは、再犯率がどれほど反省させることで上がってしまうのか、また被害者が犯人に反省を求める目的について考えられます。

00:00
ところで、南道さん、これって世間でよく言われてるけど、それほんまかいなと思うことあります?
南道さん 私あるんですよ。ネギと玉ねぎをしっかり食べると血がサラサラになるって言うじゃないですか。あれほんまかなってずっと思ってるんですけど。
ネギ嫌いですもんね。なんかあれですよね。いつもラーメン行ったらネギ抜きで言うから、なんかほぼ真っ黒なラーメン出てきますよね。
南道さん おネギ抜くと緑みないからね。
そうですね。チャーシューとかもやしとつゆですもんね。
南道さん 2回に1回は、あ、うっかり入れちゃったわって言われて、あ、いいですよってなるんですけど。
今日はそういうよく言われてるけどそれほんまにみたいなところから話をしていきたいと思ってるんですけど。
南道さん 罪の話のテーマ大丈夫ですか?ネギについてっていうことですか?
ネギではないですね。
南道さん あ、違うね。
なので、よく言われてるけどそれほんまっていうものを、僕らの分野では科学的根拠に基づく刑事政策の在り方みたいなことが議論された時代があったんですけど、今日はそういうお話をしたいと思います。
エビデンスに基づく刑事政策
丸ちゃん教授の罪な話 市民のための犯罪学
刑事政策・犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の南口文です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送るこれまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学・刑事政策の話について、わかりやすく解説をしていきます。
誤解テーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先ほど一般的にはよく言われているけど、おネギを食べたら小さなバージョンで、犯罪学的にはちょっとそうじゃないっていうことがあるっていうお話だったんですけど、例えばどういうことがあるんですか?
いろいろトピック的にはあるんですけど、例えば一般的によくお話したり、学生に言ったらびっくりするのが、反省させると罪犯増えるって言われたりするんですよね。
一般的にはやっぱり何かしてはいけないことをしたら、しっかり反省して次しないようにしようって思いますよね。逆ってことですか?
例えば法学とか一般的に考えられているものってべき論で考えたら、犯罪した人は反省するべきだし、悔い改めるべきじゃないですか。
そうですね。
べき論ってそういう倫理的に正しいべき論で言うと、すべきっていうのがやっぱり世間の中では強いんですけど、
と言って科学的根拠を取って実証データを取っていくと、必ずしも罪犯するのを防ぐのに反省がそんなに大事かっていうところって実はいろいろ議論がなされていて、
データを取っていくと、むしろ罪犯が増えるんじゃないかっていうことが指摘されたときもあるんですよね。
なので一般的にこうだと信じられてるやつをちゃんとエビデンス取るっていうのは大事な話で、
例えばですよ、熱下げるのに首にネギ巻いたら下がるよとか、これおばあちゃんの知識みたいに言われたりするわけじゃないですか。
でもそれってほんまなんかいなってみんな思いますよね。
でもこういうみんなほんまなんかいなってやつを、本当に下がるのか実験しないと本当に下がるかどうかってわかんないですよね。
だから批判するにしても信じるにしても、データを取って実際効果があるかっていうところをやっていく意味があって、
なのでそれほんまかいなっていう実験も大事なんですよ、実は。
- その犯罪の分野でそういう実験ってやってあるんですか?
- 当然人間相手にしたり社会実験のようなものになってしまうので、できる範囲とできない範囲っていうのはもちろんあるんですけど、
ただ結構世界中で2000年代ぐらいから、そういう科学的根拠に基づいてちゃんと政策決定すべきだっていうムーブメントがあって、
特に刑事政策の分野では専門家の思い込みじゃなくて、ちゃんとデータが取れて、これが効果があるぞっていうのをやるべきだっていうムーブメントが起きたんですね。
- 何か分かりやすい、こういうのがあるぞっていうのってありますか?
- あるんですけど、その前に、そもそもさっきから繰り返しているエビデンスに基づくって、エビデンスってなんやねんっていうところからちょっと説明していきたいなと思うんですね。
よくほら、いろんな人がそれってエビデンスあるんですかとか、ネット上で言われたりするやつあるじゃないですか。
世の中にエビデンスは絶対あるんです。
が、そのレベルが果てしなく低いやつとむちゃむちゃいいやつとの差の問題であって、エビデンスがないことなんかほぼないわけですね、世の中に。
- 根拠ってことですよね。
- そうですね。それエビデンスあるんですかって全部にエビデンスはあるんです。
が、そのレベルが著しく違くて、いろんな分け方あるんですけど、よく言われているのがエビデンスって6種類に分けるんですね。
レベル6からレベル1まであって、レベル1の方が高いんですけど、レベルって言われると数字が上がっていく方が高そうですけど、
レベル6が一番低くて、レベル1が一番高いって言われてるんですけど、これちょっと順にお話ししていきますね。
エビデンスのレベル
まず一番低いって言われているレベル6っていうのは世の中でよく言われてたり、専門家の先生とか名高い先生が言う意見、これがレベル6です。
- 名高い先生の意見も世間と一緒なんですね。
- そうですね。だからその人がデータを取って言うんじゃなくて、こうなはずだとか、こう考えるとかって言ってる専門家の先生が言うやつがレベル6ですね。
その次にレベル5って言われるやつが事例研究とか言われるやつなんですけど、実際こういう事例がありました。
なので例えば監視カメラで一つの犯罪が防げましたとか、こういう事例がありました。
ただそれ事例があっただけなんで、何なら防げなかった事例の方がもしかしたら圧倒的に多いかもしれないわけじゃないですか。
- あーなるほど。
- 例えばこの通りでカメラを映したことにより、窃盗が防げましたとか言ったら防げてない件数が999個あって、防げたやつが1個あって、
じゃあ1000件のうち999個防げてなかったら効果があるとは言いにくいですよね。
- 効果があったよっていう事例があったぞっていうのがレベル5ってことですね。
- こういうことが実際にありました。これがレベル5です。
レベル4が多分ここから急激にエビデンスとしてのレベル上がってるって感じると思うんですけど、
これ広報と研究って言われたりとか、広報とって前向きも後ろ向きもあるんですけど、
このレベル4で言ってるのはいわゆる後ろ向き研究って言われるやつで、
既に起きたことを後から検証するってやつですね。
ここもうちょっとわかりやすく言うと、例えば実際この研究があって具体的な数字を言うんじゃなくて、
犯罪の経験がある100人と全くしたことない100人、これ起きた後の話ですよね。
今からこの100人100人に子供の頃に虐待経験ありますか?聞いてみる。
その数字として適当に言いますけど、犯罪をやった100人の方は82人が虐待経験があります、子供の頃に。
犯罪をしたことのない人の100人に聞いたら28人でしたとか。
ここからわかるのは虐待経験があった人が犯罪をする傾向が可能性があるっていうことをデータとして言ったりできると思うんですけど、
これ後ろ向き研究って言われるやつで、既に起きたことを後から振り返って調査する。これがレベル4です。
レベル3は今のでなんとなくピンと来られてると思うんですけど、前向き研究って言って、
これからこのプログラムをやる人、やらない人2つに分けて、じゃあこの効果を1年後に見ましょうかとか、3年後に見ましょうかとか。
そのプログラムが効果があるかどうかこれから実証研究というかデータを取って検証する。これがレベル3です。
だいぶ最初の専門家がこうじゃとか言ってるやつからレベル上がってると思うでしょ。レベル3です今これが。
レベル3まで来たらほぼ完璧やんと思うかもしれないですけど、さらにレベル上がこれをランダマイズでやるとレベル2に上がるんですよ。
今ちょっと頭の中で混乱されてると思うんですけど、目の前でそういう表情されてるんで、おそらくこれ聞いてる人も派手ながらいっぱい飛んでると思うんですけど、
例えばレベル3ってちょっと具体例を挙げていきますね。僕がアメリカ生活を経験したことにより、みんな英語がペラペラになんでっていうワークブック作ったとするでしょ。
でこれ目の前の例えば100人参加してる公演で、前半分の人には僕がこのペラペラになるぜブックあげますと。後ろ半分の人はペラペラになるぜブックあげませんと。
で半年ごと1年後にTOEICとかTOEFLとか点数がどんだけ上がるかを検証してみましょうと。これレベル3なんです。
なんでかっていうと、そこに集まってるその人たちだけでやってて、例えば前半分の僕のペラペラブック使った人が平均的にやってへん方よりも平均点の上がり方が80点100点高かったとするじゃないですか。
でこれ効果があるぞと言えたとしても、例えば僕の大学でこれを実証したときに前の半分が点が上がっても、僕の大学の法学部に受かる20歳前後の子には意味があるっていうことは言えたとしても、
例えば日本全国でそれが意味があるかどうかって言えないんですね。となるとこれが日本全国で意味があるぞってするには日本中からランダマイズにとってきて、
で僕の本を読む100人と読まない100人で半年後1年後のTOEICとかTOEFLの点をやってみて、やっぱり読んで勉強した人の方がレベルが上がってるなっての方がエビデンスとしては価値が高い。
これレベル2なんです。で基本的にはエビデンスって誰がどうとっても同じような出てきた数字っていうのは同じような結果になるはずなので、
それをあらゆる各地でそういう研究されたやつとさらにメタ分析かけて統計的にレベルを上げたやつがレベル1なんです。ここまできてレベル1っていう差があると。
毎日テレビで見ているものは結構な確率でレベル6なんやなっていう気がするでしょ。あらゆるところでもちろんレベル6で話される前にレベル1の研究をされて話されてる人もいますけど、
ただそういう分野でそういう先生がやってるならいいんですけどこと刑事司法に関する場面っていうのはそういうさっきも言った通り大々的に実験できないものもありますよね。
そうなると結構あるべきだとかこうすべきだ論が先行しがちでそのすべきだ論でやってしまうと実際にはそういう結果が起きないっていうことがあってこういうのってさっきのレベルを上げていくのが大事っていうのは
液学とか医学の分野では当たり前のことだったりするんですよね。だって例えばね南宮さん今日お腹痛いなと思ったときにレベル6の先生がゴリゴリゴリって混ぜた薬をねこれは効くはずだから飲みなさいとか言われても先生それはちょっと飲めませんと。
でもこれがレベル6かレベル5に変わってですよ。効いた人もいるんだから飲みなさいとか言われても効いてない人もいますよねと。それちょっと飲むのは抵抗あると。
できたらやはりエビデンス高いやつこれからそれを飲んでお腹痛が治る人治らない人どれぐらいの確率で出ててで副作用はどれぐらいあってとか研究を積み重ねたエビデンス高いやつを薬にしていくべきだし医療としてまあべきって僕言いましたけど医療で使っていく方がいいじゃないですか。
歴史的にそういうふうに進歩してますよね。
あらゆるものがでしょ。
今の薬の話も昔は多分村のそういう屈指的な方がゴリゴリやったやつを飲んでましたよね。
でも今私が育った時代はもう多分増益学的なちゃんと研究をしてそれこそ日本は厳しいとかいろいろ言われててその ok が出てどうぞっていうものを私飲んでるじゃないですか。だからよく考えてみたら確かに当たり前っていうか。
これをもっと政策の実現の場面で使うべきだってことがやっぱり言われるようになってきてこの刑事政策の分野とかでもより効果的に裁判を防ぐのにはこういうプログラムなりこういう取り組みが減らす効果が出てるのでこういうふうにやりましょう。
べき論ではなくて効果があるやつをやりましょうって言われるような時代が来たんですよね。
高いエビデンスレベルの政策
今のお話でいくと日々聞いているのって多分6とか5とかぐらいのことが多いような気がしたんですけどもう少し高いエビデンスレベルの政策でご紹介いただける政策どんなありますか。
これがさっきのレベル2とか1とかを集めてでこういう分野でその研究結果を紹介しているってキャンベル共同計画っていうのが世界中の人たちが参加するキャンベル共同計画ってのがあるんですけど。
このキャンベル共同計画の中でこの裁判を防ぐのにこういう効果がありましたありませんでしたみたいなやつがいくつか載ってるんですね。
その中でやっぱりこれだと結構効果がありましたよとかこれ効果があまり見られませんでした。
何ならないっていうのもプラマイゼロのないのイメージされてると思うんですけど効果がないってやつね。
裁判を促進するってやつもあったんですよ。
それは間違えたら大変なことなるやつですね。
やってもやらんでも同じでしたっていうならまだしもやった方が裁判増えるって出たんですね。
それはなんかすごくそこに巻き込まれた方たちが気の毒なので。
どっちもですよね加害者も被害者もですよね。
いやそうなんですよ。それを聞いていいですかじゃあ。
例えばいろんなものがあるんですけど効果があるしかもさらにちょっと分かれていくのでややこしいんですけど。
例えば認知行動療法とかを取ったようなやつっていうのが効果があるってやつも出てきてるしないっていうのも出てきてるんです。
この違いちょっと後で説明しますね。
でもう一つこれに絡んでくるやつでよく日本の例えばなんか再現部位を使うような犯罪者の番組とかで紹介されてることが日本でも時々あるんですけどスケアードストレートってやつがあるんですね。
でこれも裁判増やすってキャンベルでは出たんですよ。
日本の紹介だとなんかこういうのがあって興味深い心見たみたいな紹介までしかされてないんですけどキャンベル共同計画の中では裁判増やすって出たんですけど。
じゃあスケアードストレートってなんなんっていう話ですよね次ね。
あのなんかビビらせてるやつですよね。
具体的には例えば保護観察になったりとかちょっとやんちゃしたすごい警備なやんちゃをした少年とか女子少年たちを女子少年すごいちょっと専門的な言い方しましたけど女性と男性若い子。
若い子の警備な段階ですごい最重要警備の刑務所とかに連れてってそこで終身刑事刑者たちに合わせて体験刑務所ツアーみたいなのをするんですよ。
で刑務所の中でひたすら俺みたいになったら人生終わりやぞみたいな受刑者たちがビビらせてお前今生きてるけど偉そうに口叩いてなんか警察とか親とかにもうわーって反抗するその若い感じ出してるけどそのまま突き進んでったら犯罪が積み重なってきて俺らみたいにもう刑務所から何十年と出れないとかもしかしたら終身刑事刑者になるんやぞそういう意気がった生き方すんなってやつをビビらせながら教え込むってやつがあって。
でその体験をした後に泣きながら僕はこうはならないとかもうこういう風にならない人生を選びますとかって言わせてで刑務所体験をさせることで自分のこの行動を続けることでその先にある姿を見せてビビらせるっていうプログラムがスケアドストレートってやつなんです。
なんかすごい言い方あれですけど感動的というかすごい一生懸命生きがってた若い人たちが真っ青な顔をして僕はもっと真っ当に生きるみたいなことを言っている番組を見たことがあると思います。
心に訴えるやつ vs 行動パターンの変容
もうちょっとだけ解説するとスケアドストレート自体はそういうのを想像させてこういう風になるぜってやつの総称なんで別に刑務所体験だけを指すんじゃなくて例えば小学校とかで交通事故のスタントマンが来て自転車こんな乗り方してたら車に当たったら大変だよとかっていうのスタントマンの人がゴロゴロゴロとかってああいうのもスケアドストレートとかって言われたりするんですけど
まあそういうなんかショック療法ですねショック療法で何とかしよってやつ。
そもそもあれですよね免許取る時もそういう系ですよね。
そうですね。
でこの場面では刑事司法の場面でキャンベル共同計画でこのスケアドストレートがどんな結果があるかっていうのを出したところなんとそのプログラムをやった少年とやらない少年で数年後の再犯の発生を見るとプログラムをやった方が再犯率が高かったんですね。
プラマイゼロじゃないですよ高いんですよ。
その原因の研究とかもあるんですか。
これはいろいろさらに進んでいくのでさっきのねちょっと思い出してもらいたいのは認知行動療法のうまくいってるやつといかなかったやつってあったって言ったと思うんですけど
例えば認知行動療法ってトライとエラーを繰り返しながら自分のこの行動パターンを変えていくっていうようなことをやっていく簡単に言うとですよ。
その中でそのうまくいったといかへんかったやつの差ってどこにあったかというと心に訴えてあなたの考え方が間違ってるんですとか常に被害者のことを考えて悔いを改めるべきですっていうような心に訴えてあなたの考えが間違ってますよってやってるプログラムはどっちかというとマイナス評価。
でその人の心の問題じゃなくてそこの考えてることも何とかしたいっちゃ本音でしょうけどそんなことよりもその人の生活パターン変えるとか治療協同体とかセルフヘルプグループとか生活そのものを変えたりそういう場面に出くわしたらどういうふうに回避しようかっていうソーシャルスキルとかをつけていく認知行動療法をやっているプログラムは効果が良かったんです。
つまり認知行動療法の中で良いやつと悪いやつって分かれたのって心に訴えるやつはあまり効果が良くなくて行動パターン変えるやつが結構効果が出たと。
さっきのスケアドストレートもそうなんですけどこれって行動パターンとか生活を変えるんじゃなくてお前のその考え方間違ってるから反省をするなりそういうふうにならないぞって心に決めてこの後頑張れよけーじゃないですかスケアドストレート。
心に訴えるやつはどっちかというと効果が良くなかった。
で行動を変える方が良かったってなってくるとじゃあなんで心に訴えるやつがそんな効果が出なかったんやって話になってきますよね。
これが色々そこから課説が立てられていくんですけどそもそも自尊心がむちゃむちゃ高い人たちで周りに迷惑かけたなとか思う人たちに対するプログラムだとしたらもしかしたら心に訴えるやつが良いかもしれないんですけど。
多くの犯罪をやってる刑務所まで来てるような方々ってむちゃくちゃ自尊心低い人が多いんですよ。
自分なんて生まれてこなければよかったとか親からも大事にされた経験がないとか学校とか職場でもいじめられてきたしとか社会なんてどうでもいいし自分なんてどうでもいいって思ってる人が多いんですね。
こういう人にお前が悪いとか反省せよって言ってもすごい鬱が深まっていくだけでじゃあもう社会の中なんてどうでもいいという人になってってしまってて。
心を何とかしたいと思ってもそれをさらに鬱が進むだけであってその人がじゃあどうやって生きていけばいいかということは全くその人には伝わってなくて。
ただそのお前の考えが悪いということだけを責めると再犯が増えるっていうのに出たんじゃないかとこういうふうに言われてます。
たしかに俺みたいになるなよお前今のままやったら俺みたいになるぞって言われてなりたくないってめっちゃ思うと思うんだとしてもどうしたらいいかがそこになかったらつまりさっきおっしゃったその行動変容ですよねどうしたらいいかがわからなかったらなんか今のままいってしまいますよねなんかそう思いました。
だから反省がそんなに重要かと言われると例えばですね南口さんこれを聞いてくださっている皆様もですけど小中高等親とか先生に怒られてですよ100%自分が悪かったなって思ったことあります?
なんか親が聞いてたら申し訳ないですけどあんまないかな。
でしょいやあのですねここだけ見て怒らないでくださいとか今回の事例は確かに自分がこういう日があるかもしれませんけどここに至るにはこういう経緯がありましてとか例えば喧嘩で叩いてしまったとか何叩いてんの謝りなさいってまぁ確かに叩いてこれは悪かろうとこれに対して悪いなって思いがあってもその至る理由があったりとか
いろいろ事情がね
でしょ先生に怒られた時もいやもう100で自分が100%悪くて完全に謝らせていただきますとか人生であんまりないでしょ
それはねはっきり言って先生に限定するとね1回もない
っていうのがこれは言ったらまぁ怒られる方もいるかもしれないですけど犯罪が起こる場面でももちろん100の場合もあります全く火がなく巻き込まれるって時もあるんですけどこれを別に被害者が悪いって話でもないん
その被害者との関係ではなくて全然別の理由でもその人がそうやってしまった理由っていうのがあってこれを聞いてほしいとか身勝手なこと言うなよって思いもあると思うんですけど
でも身勝手なりに事情はあるんですね
でそれを聞いて初めて理解されてからそれこそさっき言った反省とか生き直しっていうのが始まるんですけど海外の事件っていうのはもちろんそんなことを甘えてるなとか何を言ってるんだとかって言うと全部遮断されるんで
その人たちが言いたいこととか何もどこでも実は言う場面がなくて警察も裁判も何なら刑務所行っても自分の思いとかいう身勝手なやつもいますよ身勝手な人もいるけどそれを全部何かこう自分の思いとか言えて初めてそこから次の理解が進んで被害者に悪いことをしたなとかっていうのが進んでいくんですけどもっと手前で自分にも言いたいことがあるってところで止められながらもお前が悪い
だから先生に怒られながら全くいや自分だけが100じゃない気がするんだけどなと思いながら反省文をいたすら書かされているようなもんですね
ってことですよねだから心に響かせることとか反省しなさいって言われる段階って結構今の話だとかなり前の段階から言われるから実際にはその人がじゃあどんな風に自分の人生を変えていくかということには繋がってないっていうことなんですよねきっとね
でここでちょっとやっぱ大事な話をしておきたいなと思ってるんですけど当然この大きな事件があって被害が出てきてしまうと当然被害者のケアっていうのはもちろんむちゃむちゃ大事で精一杯やっていくこれはもうマストなんですけど同時に例えば死刑になりたかったとかどうでもよかったんだとかっていう発言があった時に人を巻き込まずに勝手に死刑になりたいとか言うならお前一人で死ねっていうような言説とかが出ちゃうんですけど
これだとさっきのやっぱり心に拷問を背負ってる人に対してさらに突き放す社会だとこれがちょっと繰り返されることが懸念されるのでそうは言わずに悩んでること話してみなよって一緒に生きようぜっていう社会じゃないとこういう問題が起きがちなのでってなるとそこは大きな壁があります
大きな被害が出てしまったらお前何言ってね勝手なこと言うなよっていうのは当然みんなが思う思いなんですが勝手な理由をつけんなよっていう思いもあるんですけどそれちょっと聞いてでなぜそれが起きたのか問題の真の解決ですよね被害のケアはちゃんとやるけどそういう問題が起きてしまったことは何でかっていうことをよくみんなが理解してもうそういうことが起きないようにしよっていう社会を目指したいなと思って今日のお話をしていました
エビデンスと人間の生き方
さてここで犯罪学をもっと身近に感じてもらうために犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います
今日はですね今でも根強い人気のあるスタンリーキューブリック監督の時計仕掛けのオレンジを紹介したいと思います
時計仕掛けのオレンジは1972年公開のアメリカ映画で今言われたようにスタンリーキューブリック監督作品です
アンソニーパージスの時計仕掛けのオレンジっていう同名小説を映像化したものです
飛行少年による暴力が横行する近未来のロンドンアレックスっていう少年が仲間を引き連れて喧嘩とレイプに明け暮れている日々を過ごしている
そんな日々の中女性を死なせてしまったということでアレックスが刑務所行きになるんですね
でその2年後とある治療法の被験者になることを条件に社会に戻ることを許されるんだけれどもという映画です
キューブリックといえばこの映画か2001年宇宙の旅かを思い浮かべる方も多いのではないかと思う本当に代表作になっています
今日の話っていうのは一貫してエビデンスをとってそれに基づく政策決定が大事なんじゃないかって話をしてきたんですけど
逆にこの映画で描かれてるのってこれが治療方法として仮に確立されている時代だったとして映画の空想なんですけど
じゃあそれをやることで例えばそれで再犯が防げて成功なのかどうかとかで結局なんかこの実験を受けたことで今までやってきたその暴行とか
性暴力とかこういうのができなくなるんですよねこの主人公は何個か吐き気を催してんだけど元に戻そうかとか
っていう話になって結局なんかそのエビデンスに基づいて一人の人間が国なりなんだに統治されてって
実験は成功だねとか言うんだけど何が成功なんだろうかみたいな映画なんですねってなると僕らが考えないといけないのは
エビデンスをとっていくのは大事だしそれに基づいて効果のあることをやっていくのは大事なんだけど一方で人が生きるってどういうことなんかってことも同時に考えないといけなくて
今日の映画をこれを紹介したかったのはエビデンスも大事だが人がどう生きていくかも考えるのも大事で
これの線引きというかどこまでどうやってどうするかっていうのは大事ですねっていうことを一緒に考えましょうっていうために言いました本当にこの映画って
エビデンスっていう意味ではもしかしたら効果があるって出る可能性はありますよね
何も暴力ができなくなるとかそういうので同じように考えればすごい極端に言えばめっちゃずっと死ぬまで閉じ込めとけば再犯はないですねみたいな
人が人として生きてなくてとりあえずいろんな治療をすることして暮らすかどっか閉じ込めるかしたらエビデンスはありますよって言われてもその社会で本当にいいですかって
この映画を見るとやっぱりこれが成功やとしてその社会を私は選ぶのかみたいな私もされるかもしれへんわけじゃないですか
それはすごい考えさせられるおっしゃったように効果があるっていう政策を取るのはめっちゃ大事なのも分かったけどこの映画の社会で自分は生きたいかっていうことを問われますよね
丸山さんに解説してほしいエンタメ作品がありましたら番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください
今日のお話はエビデンスに基づいた刑事政策っていうことだったんですけどやっぱり感情的に反省してほしいとか
起きた結果に対して悔いていてほしいって言うんですか後悔してほしいとかっていう気持ちを持ってしまうことがあって
反省させることの逆効果
でもそれで何のためにってよく考えたらもう次に同じような被害を受ける人が出ないとかこの人が次同じようなことをしないとか
再犯を生まないとか新たな犯罪を生まないために何かしてほしいという気持ちもあんのに
頭に思い浮かべるのは反省してほしいみたいなことやったり正直あって
でも今日の話だとそれは心にいくら訴えて悔い改めようって言ってもむしろ逆効果だったりするってなると
やっぱりじゃあ私が何ができるのか行動を変えていくその人が社会で生きていくために最後におっしゃってたね死にた奴は勝手に死ねじゃなくて
どうしたんって何かできることありますかってお話ができるようなそっちに気持ちを持っていけるようになりたいなと思いました
そうですね僕の感想としてはさっきも映画のところでも言ったんですけどエビデンスは第一なんだけど
と言ってそうだけじゃないっていうポイントを話したんですがもう一つその理由はあってエビデンスとして数字に出にくいやつもあるんですよね
例えば第7回とか第8回で触れたように保護観察って厳しく管理監督するっていう指導監督ってものと
でその人の生活を立て直してって再販しないようにするって歩道援護っていう2つがあって初めて社会復帰が可能だって言われてるんですけど
数字で出やすいのって管理監督のとこなんですよ例えば監視しました電子監視しました
尿検査をしましたこういうのって数字で測りやすいんですけど歩道援護とかってねなんか最近家族とどうなんかとか
仕事うまくいってるかとかこういうなんか人と人とのつながりの場面って数値化しにくいじゃないですか
そうですね
でエビデンスを重視しすぎると数字で出る方だけを取ってじゃあ数字で出なかったのはまあいいやんってなるんですけど
そうなるとさっき言った歩道援護結構後回しにされてしまうんだけど
でも現場の人の感覚として圧倒的にこの両方があって社会復帰してるってみんな分かってるんだけど
エビデンス重視しすぎると指導監督だけに行っちゃってでまた再犯増えるとかなっちゃうんで
これだから数字化は大事だが全く数字に出ないやつもどうやってそれを図るかっても大事っていうことが今日伝えたかったことです
それではここでまた皆様にお知らせがありますね
はい実はですねこの罪な話の対面イベントが加害事業としてやらせていただいているんですけどこれ10月は満員恩礼で大好評でしたありがとうございます
これの第2弾がですね11月の26日の日曜日本の長屋のフェスがあるんですけどもこの最終日にですねまた第2回目のイベントをさせていただけることになりましてありがとうございます
なんとそのフェス1週間ぐらいイベントがあるんですよね
本の長屋さんのね
本の長屋さんでその最終日に私たちのイベントを組んでいただくっていう大変ありがたいことになっておりますので
いつも聞いてくださっている皆様ぜひ私たちのMixをご確認いただけますと申し込み方法なんかを流していますのでどうぞよろしくお願いします
はいありがたいことに10月もマインオレになりましたので11月のイベントももし興味あるなっていう方は早めにチェックしていただいて早めに予約と予約いるのかなそもそも10月はあったからぜひチェックしてくださいということですよろしくお願いします
さてこの番組では感想や質問リクエストなどを待ちしております番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください
Xではカタカナでハッシュタグ罪な話をつけてポストしてください
配信のない火曜日毎月第1第3火曜日の夜9時半からXのスペースで罪な話で裏話を開催しています
ポッドキャストで話しきれなかった内容や参加してくださっている皆さんの質問に答えながら進めています
こちらのご参加もお待ちしています
また私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも犯罪学や刑事政策について発信しています刑事司法未来で検索してみてください
それではまたお会いしましょうお相手は丸山康博と南口文でした
31:11

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