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今回はですね、共有していただいた講義の音声とか、記事、教科書の抜粋なんかをもとにして、
日本国憲法の核心ともいえる国民主権と象徴天皇制、この関係性についてちょっと深く見ていきたいと思います。
一見するとこれ両立するのかなって思う部分もあるじゃないですか。
そうですね。
戦後の日本でこの2つがどう共存してきたのか、そのあたりポイントを探っていきましょうか。
お願いします。やはり大きなポイントは、明治憲法の天皇主権から日本国憲法の国民主権へのこの大転換ですよね。
うーん、まさに。
このプロセスでGHQ草案、いわゆるマッカーサー草案が非常に大きな影響を与えたわけです。
はいはい。
これについては今でもその押し付け憲法じゃないかという批判も根強くありますし、一方で民主化を進めたんだと。
特に人権規定の充実、これを評価する声も資料にはしっかり書かれていましたね。
ええ、ありましたね。
その草案作りでGHQにいたベアーテ・シロタ・ゴードンさん。
彼女が当初の日本側の案にはなかった男女平等を定める憲法24条ですね。
これの導入に強く関わったというエピソードは、なんだか印象的でした。
ええ、本当に歴史の転換点を感じさせますよね。
そして憲法第1条で定められたのが象徴天皇制ですね。
はい。
天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であつて、この地位は主権の損する日本国民の総意に基くと。
なるほど。
つまり主権者である国民、その国民の意思によって初めて天皇の地位が成り立つんだと。
ああ、戦前の神聖不可品とされた天皇とはもう根本的に違うわけですね。
全く違いますね。
その象徴っていうのは具体的にどういうことなのか。
資料にあった援遊会の様子、例えばソフトボールのうつきさんが陛下にノックをみたいな発言をされたりとか。
ああ、ありましたね。
あと漫画家の千葉哲也さんと気さくにお話しされてる姿とか見ると、すごく人間的な交流に見えるんですけど。
ただ一方で資料では沖縄と本土でこういう報道のされ方にちょっと温度差があるかもしれないという指摘もありましたよね。
ええ、その点は非常に重要だと思います。
単に人気があるとか親しみやすいっていうのとはまた違う憲法上の象徴としての役割の難しさを示唆しているのかもしれないですね。
うーん、なるほど。
国民の意識っていう点で言うと、NHKの2019年の調査では若い世代ほど公室への関心が低いという結果が出てましたけど、
でも今回いただいた資料、抗議の中のアンケートだと逆に関心が高いっていう結果も出てて、これはちょっと面白いなと思ったんですが。
そうなんですよ。これは興味深いですよね。何がこの違いを生んでいるのか考えてみたくなりますね。
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ですよね。歴史を遡るとその象徴としての役割のある種の曖昧さがより深刻な形で現れたのが1947年の沖縄メッセージの問題。これはちょっと避けて通れない論点かなと。
まさにそうですね。昭和天皇が側近だった寺崎英政を通じてアメリカ側に沖縄の長期軍事占領を望む意向を伝えたとされる文書ですね。
はい。
背景には当時その共産主義への危機感があったというふうに言われていますけれども、やはり象徴であるはずの天皇が政治的なことに関与したんじゃないかと。
そして本土の国体誤児、つまり戦前の体制を維持するために沖縄を犠牲にしたんじゃないかという、これはかなり厳しい批判が資料でも紹介されていました。
もちろん潜在的な主権だけでも確保しようとしたんだという要頃もあるわけですけどね。
ありますね。
この一件が当時のGHQとかアメリカの国務省にどう影響したのかとか、あと天皇の意向をちょっと危惧したとされる初代宮内町長官の田島光治によって寺崎さんが肯定されたという経緯も含めて非常に複雑な問題をはらんでますよね。
そうですね。象徴とは何かという問いを改めて突きつけられるような出来事だと思います。
そしてもう一つ現代につながる視点として、資料にもあったキャロル・グラック教授の問いかけ、なぜ世界で日本だけ戦後が続いているのか。これは考えさせられます。
考えさせられますね。日本人にとっては戦後というと平和で豊かになった時代という、まあ皇帝的なイメージが強いかもしれないけれど。
それか逆に戦争の記憶とか責任といった問題から、ある意味目をそけさせてきた側面もあるんじゃないかという指摘ですよね。
なるほど。一方で、ほかほか篠内教授のように、もう戦後80年なんだから、謝罪っていうよりはもっと未来思考の関係を築くべきだっていう意見もある。
この戦後という枠組み自体を我々はどう捉え直していくべきなのかっていう。
まさにそこですよね。日本国憲法というのは、敗戦という本当に大きな歴史の転換点から生まれて、国民に主権を置きつつ、天皇を国民統合の象徴とする、世界的に見てもかなりユニークな体制を築き上げてきたわけです。
でも、その成立過程におけるGHQの影響とか、沖縄メッセージに見られるようなその運用の難しさ、そして戦後という時代の捉え方。
これらすべてが今なお議論が続く複雑な背景を形作っているんだと思いますね。
うーん、こうした歴史的な背景と、今まさに進行中の議論、例えば象徴としての公的な活動の在り方とか、あるいは行為継承に関する公室転搬の問題とか、そういうことも考えた上で、
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皆さんは、この国民主権と象徴天皇制という日本の形を、これからどう評価し考えていきますか?