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越境家族 国境を越えて暮らす家族のドキュメンタリー
この番組は、海外で暮らす家族を主人公に、将来どの国に住むのか、経験者が通った究極の選択肢と、我が家の実体験を通して、この問いの答えを探していきます。
人生で一番大きな買い物 マイホーム
ローンを組むために、真剣に数字と睨み合う一方で、一戸建てにするか、マンションにするか、新しい暮らしを想像する楽しさもある。
ただ、海外で暮らす家族のマイホームとなると、一体どこで買えばいいのか。
どれぐらいその国に住むつもりか。 いずれ日本に帰るなら、ここでは買わざるべきか。
そもそも外国人としてローンが組めるのか、いろんな疑問があふれてきます。
持ち家は資産になる一方、リスクともなりうる。 じゃあ、マイホームはどの国で買うか。
これが今日の越境家族が向き合う究極の選択肢。 去年、家族で日本に帰った時、物件をいくつか見てきました。
将来、もし日本に住むとしたら、 家、どれくらいかかるんだろう。
予算観、それからローンの組み方と返し方。 将来どの国に住むのか。
まだ決まっていない我が家も、もしもに備えて情報収集をしたかったからです。 帰国前、ネットで見つけた良さそうな中古マンション。
メールで問い合わせをして数日後、 無事、東京滞在期間中に内見できることになりました。
当日何件か見た後、一番知りたかったローンの組み方について担当者に聞いてみました。
すると、購入シミュレーションというA4用紙1枚がサッと出てきて、 担当者がサクサクと値段を書いていきます。
物件価格に消費用が加わって、頭金がこれぐらい。 となると月々の返済額がこれくらいになりますねーと。
これなら毎月払えそうだなぁと思ったものの、 これはあくまでもシュミレーション。
ローンが組めるかどうかは最終銀行が判断しますと釘を刺す担当者。 じゃあ銀行は私たちの何を見ているのかというと、
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ちゃんと返済能力があるかどうか。 担当者から今の私たちの収入、主な銀行どこにあるかなど質問されました。
現在香港に住む我が家。夫はフルタイムで安定した仕事、 貯蓄もある。けど場所は香港です。
一方私は日本と取引が多いけどフリーランス。 年収にも浮き沈みがあります。
日本の銀行目線で言えば、日本にある会社で一定期間 正社員で働いているということが返済能力ありのプラスポイントとなるそうです。
私も10年前までは日本の上場企業で働いていた。 けどそれも過去の話。
ここで欲しい返済能力の足しにはなりません。 今の状況だとローンを組むのはちょっと難しいですね。
と担当者。 じゃあ海外に住む私たちが越境でマイホームを買う。
残された方法は何かというと 現金一括払いだそうです。
先週も現金払いで外国人の方が買っていかれましたよという担当者。 日本で働いていない私たちは外国人と一緒なのかと思ったその日。
もちろんこれは我が家の場合です。 他にも一旦日本に帰って就職して数年そこで安定したお給料がもらえることが証明できれば
銀行の良い利率でローンを組むことができる。 そんな別の方法も担当者の方が教えてくれました。
私は今39歳。 ローンを組むために仕事を探して就職してそして数年そこで頑張る。
日本の銀行に信用してもらうにはそんなに時間がかかるのか 家を買うのは誰にでも勇気がいること。
ただ海外に暮らす家族が越境でマイホームを手に入れるには 現金で一括お金で解決するか数年かけて信用を取り戻すか
想像以上の究極の選択肢でした。 マイホームの買い時誰しも悩みます。
ただもし海外転勤とパンデミック予測不可能な事態が掛け合わさったら そんな経験を話してくださった方がいらっしゃいます。
アメリカ東海岸に住む朝倉さんご家族 以前のエピソードでは現地で感じた危険
アジア人というマイノリティとしての体験をお話しくださいました。 もともと海外転勤を希望していたという彼
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仕事でも海外関連のプロジェクトをアサインしてもらったり、ことあるごとに社内でアピールを していたと言います。
そしてとある飲み会で上司が次に海外行きたい人と部下に呼びかけた。 それに井野一番に手を挙げたのも朝倉さんだったそうです。
その飲み会の時はまだ確信はなかったですけど、実際にその正式な内状情緒から4、5ヶ月後にもらった時は
コロナ禍で内勤してたんで、なんか家にいたんですよね妻も。すぐその場で言いましたね。 行けることになったわ。鳥肌立ったの覚えてますね。
ついに夢が叶った瞬間でした。 ただ事例が出たのが2020年の5月。
そう、新型コロナウイルスが発生。 WHOがパンデミック宣言を出したすぐ2ヶ月後のことでした。
渡航制限が各国出される中での海外転勤の事例。 朝倉さんご自身も早く行きたいという気持ちもある一方で、本当に行けるのか
不安や不満が募っていったと言います。
いやもう、全然プランが立たないじゃんっていうのが一つですよね。
例えばマンション買おうかなって悩んでみたりしても、今買ってもなーって思い直したりとか。
ご家族とかはどうでしたか?そのいつ行くの?みたいな話って。
内事をもらった時点では、妻も働いてたので職場に言うじゃないですか。
私もいついつからついていくつもりですって言わなきゃいけないから行ったけれども、コロナでんきコロナでんきコロナでんきで
いつ行くのいつ行くのっていうのは妻も言われてたし、僕もいつなのっていうのは自分も思ってたし、周りからも思われてました。
結局事例が出てから2年以上経って、会社からアメリカ現地への赴任が決定したそうです。
実はこの待っている2年の間にマンション購入したという朝倉さん。
コロナでんきコロナでんきを何度も経験し、本当に赴任がいつになるのかもわからない。
だったらせっかく見つけた素敵なマンション買おうと言ってご家族で引っ越されたそうです。
ただ実際に住み始めてからすぐ、人事からあと2ヶ月ぐらいでアメリカ行けるよという連絡。
住み始めたばかりのマンションを人に貸すことになります。
それは海外からの管理ってどうですか?
全然もう1月で任せてるので、アパマンに。
その管理会社に管理費みたいなのを朝倉さんの方は払って、それで賃貸収入が入ってくるって。
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そうですね。管理費分転引されて入ってきます。
じゃあその2年の任期、その間を今、賃貸で。
そうなんです。2年の定期借屋で出してるので、2年だってあんまり借り手がつかないんで、かなり金額下げて出しましたね、相場より。
こうして海外から賃貸収入を得るという、計らずも資産運用が始まった朝倉さん。
ただ、不妊期間が終われば日本に帰国される予定。いずれまたマイホームに戻ってこれる。
本来は自分たちが住もうと思って買った家だけど、海外にいる数年のブランクは、長い目で見るとちょっとした寄り道。
賃貸収入という選択肢を選ばれた朝倉さんは、将来どの国に住むのか分からないとマイホームは買えないと思っていた私にとって、とてもフットワークが軽く聞こえました。
朝倉さんは日本にマイホームを買った。でも一方で、海外でマイホームを買ったというご家族もいらっしゃいます。
オランダに住むお母さんご家族。2人のお子さんは現地講に通い、オランダ語で会話をし始めているというあのご家族です。
海外でのマイホーム購入に踏み切った理由を聞いてみました。
お家を買ったそもそもの理由って何だったんですか?
家賃の高騰がありてると毎月それを払ってるだけっていうのと、ヨーロッパのお家っていうのは地震とかもないので、日本みたいに買ったら価値が下がっていくみたいなところはないので、むしろ上がっていくことが多い。
これは一回頑張って買って、自分のものにした方がいいんじゃないかと。
購入されたのはいつ頃ですか?
2年半前ぐらいですかね。
差し支えなければいいんですけど、賃貸でいくら払われてたんですか?
僕ら当時はアムステルダムの中心部からトラム、電車で10分ぐらいのところに住んでいて、新しいレストランとかカフェがどんどんできるようになった。
ヒップなエリアに。平米数が60から65ぐらいだったかな?平米ぐらい。
住み始めた時、月1750ユーロぐらい。そこに結局2年ぐらい住んで、最後が1850ユーロ。
それが3年ぐらい前の話で、今の人、2000ユーロ超えてますね、1200、300。
加速度的に上がってるもんね。
家賃の高騰。3年でプラス500ユーロ。今の日本円でザクッと8万円の値上がりです。
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もともと月の家賃は27万円ぐらい。それが2年住んでいるうちに30万円になり、今では35万円。
このスピードについていけるのか。確かにそれは賃貸の大きなリスクになりうる。
もともとはいろんな国に3年ごとぐらいに住んでみたいという、ご本人の言葉を借りると放浪癖があるという旦那さんの乗行さん。
オランダの前はシンガポールにも数年住んでいらっしゃいました。
ただそんな彼に対して、お母さん一家の住宅事業部長である奥様の千尋さん。
家賃の高騰。日本とは違うマイホームの資産価値。そしてお子さんが現地の学校に行き始めたことなど総合して、ここでマイホームを買おうとプレゼンをされたそうです。
ただ外国人としてオランダでローンを組んで家を買う。
どんなハードルがあったのかも聞いてみました。
例えば外国人だからオランダ人だからっていうので何か不利な点とかありましたか?
銀行がローンを組みつける相談に乗ってくれるところは少なかったところですね。
僕らと銀行の間に住宅ローンのアドバイザーが入っていて、
もう一つ銀行と僕らとの間の調整をしてくださる。
この一行に聞いてもらえなかったらもうないんじゃないか、大きい銀行が。
最終的にはこうした条件をクリアされたというおかさん。
ただ銀行側からしたらローンを組みたいとやってきたのは外国人。
しかも主な銀行口座はオランダ国外にある。
となると何かあったらいつでも高飛びできる状態にある相手にお金を貸すのかどうか。
住宅アドバイザーの方にもこの銀行が話聞いてくれなかったら他はないと言われていたそうです。
やはり外国人としてマイホームを海外に買うとなると、
現地の人と比べてどの銀行でローンを組もうか、そうした選択肢はなく、
唯一の選択肢、この銀行を説得する、そんな道のりだったようです。
結局30年ローンで購入したというおかさん一家のマイホーム。
今では家賃の高騰の心配もなく、月々の返済はこれまで払っていた家賃よりも安い。
オランダに買ったマイホームがご家族の資産に日々なっているそうです。
では我が家が住む香港。
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ここは世界でも不動産価値は随一の高さ。
2LDKのマンション買おうと思っても軽く億を超える値段がついています。
また現地の人もマイホームを買う目的、
自分が住むためだけではなくて、投資目的も非常に大きい。
例えば最初小さなワンルームを買って、そこの価値が上がったタイミングで売る。
そして売ったお金をもとでに、またさらにちょっと大きい不動産を買う。
そんな段階的に売り買いを繰り返して、最後自分の理想のマンションを買って住む。
そんな何年越しの戦略を立てる人もいます。
じゃあ我が家はどうか。将来どの国に住むのか。
この最大の問いにまだ答えが出ていないからこそ、
一生どこにもマイホームを持てない。そんな気がしてしまうというのが正直なところです。
それに香港に住んで10年、私たちはどこまで住んでも外国人なんだから、
ここに家を買うというのは抵抗がある。そんな風にも考えていました。
ただ、日本で買った朝倉さん、オランダで買った岡さん、
それぞれ買った国、買った条件は違うけど、
人生で大きな買い物を実際にした、そうした経験者の話を聞いて、
ちょっと真剣に考えてみようか、そんな風に思えるようになった気がします。
ちなみに、今香港では不動産価格が下落中。
いわゆる買い時だそうです。
まさに今、横で夫がチラシを見ながら、よさそうな物件にペンで丸をつけています。
まずは、どこに丸をつけているのか。
私も今から一緒にチラシを見て、ちょっと将来を想像してみたいと思います。
越境家族。国境を越えて暮らす家族のドキュメンタリー。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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この番組のサムネイル・デザインは松島こよみ、そして企画・編集・ナレーションはあらいりながお送りしました。
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それでは、次回の越境家族、お楽しみに。