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2024-03-06 19:02

S01E10 // 海外移住で「変わるもの・変わらないもの」

越境家族 - 国境を超えて暮らす家族のドキュメンタリー


海外で暮らす ”家族” を主人公に「将来どの国に住むのか?」答えを探していく番組

経験者が通った究極の選択肢と我が家の実体験を通して、キャリア選択から子育て、介護から資産運用まで、家族で向き合う海外移住のリアルをお伝えします。


▶︎▶︎ リリース情報

シーズン1 全10話 2週間に1話ずつ 配信


▶︎▶︎ Hosted by

Rina Arai / 新井 里菜(Podcast Director)

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Koyomi Matsushima / 松嶋 こよみ(Graphic Designer)

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越境家族 – 国境を越えて暮らす家族のドキュメンタリー
この番組は、海外で暮らす家族を主人公に、将来どの国に住むのか、
経験者が通った究極の選択肢と、我が家の実体験を通して、この問いの答えを探していきます。
10年前、日本から香港に移住した時、
私は仕事を辞めて、銀行口座も閉めて、友達にもさよならを言ってきました。
きっと全てが変わる。そう思って、海外移住という人生の一大決心をした当時。
あれから10年、結婚して出産して、ライフステージの転換期を迎えて、確かに大きく変わったこともある。
でも、本当に全てが変わったのか。
もし家族で別の国に行けば、人数分全部捨てて、全部一から始めなきゃいけないのか。
越境家族シーズン1最終回は、海外移住で変わること、変わらないこと。
これが今日向き合う究極の選択肢。
毎年春先になると、転勤が決まった同僚や、転職を決意した同期を囲む送別会が増えてきます。
進展地でも頑張って、こう声をかける側の気持ちは、
自分は今のまま変わらなくてよかった、という時もあれば、自分はこのまま変わらなくていいんだろうか、そう思うこともある。
変わることに対する不安もあれば、変わらないことに対するつまらなさも感じるものです。
10年前、私が海外移住を決意した時は、変わらないことに対するつまらなさの方が大きかったタイミング。
もちろんやりがいもあった当時の職場。
でも、これからまた10年、同じ場所にいる自分が想像できなかった。
だから変化を求めて国を変えた。
ただ、移住してからの10年を今振り返って、すべてが変わったのか、というとそうではありません。
海外でのキャリアを求めて香港に来たけど、結局今、日本に向けて日本語で仕事をしている。
子どもの教育、海外ならではの教育が受けれる環境なのに、これから娘が進むのは日本人学校。
これまで我が家が選んだ選択肢というのは、越境しなかった時の選択肢と一緒なのかもしれません。
場所が変わればすべて変わるのか。
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そうじゃないから面白い。
そう教えてくれたのは、現在日本に住む河村さん。
ご夫婦ともに海外在住経験があるお二人。
現在はご両親の近くにいようと京都にお住まいです。
例えば今京都住んでいますけど、京都の前は東北の被災地に住んで働いてたんですけど、
未だにそこからのお仕事だったりとかで繋がっているし、
基本オンラインで仕事をして、たまにその出張で東北の方に行くとかですね。
そういうこととかもやっぱりちょっとずつ増えてきているのを見ると、
なるほど、キャリアっていうのは場所を変えるとまたゼロ化になるっていうわけではなくて、
やっぱり繋がっていて、その繋がりが面白いなって最近思うようになりました。
河村さんはこうもおっしゃっていました。
場所を変えることは、一から関係性や仕事を作っていかなきゃいけないと思っていたけど、
実際は過去に住んでいたところ、働いていたところと今も繋がっている。
この感覚、海外という遠い場所だからこそ感じるものではなく、案外身近にあるものかもしれません。
例えば同じ社内での移動。仮に営業から事業開発に部署が変わったとしても、
実際はすべてが一からではなく、これまでの経験があるから新店地で行かせることも多い。
こうした感覚は、部署が変わる、会社が変わる、国が変わる。
移動の範囲は違いど共通する考え方。
彼の話を聞いて自分も気づかされました。
でもそれって移動しなかったらわからなかったことというか、
実際、例えば東京で働いていたのをやめて海外に行くとか東北に行くとか京都に行くっていう、
移動を伴わないと実感できなかったことなので、
住む場所を変えるっていうことって、私の人生において大事なことなのかなと思っているので、
今京都にちょっと長くなっちゃいましたけど、
ここでも基本的に暮らすっていうことが私の中ではあまり想像できてなくて、
じゃあ次どこ住もうかなっていうのを常に考えている感じではありますね。
最近では、移動距離は○○に比例するという言葉をよく耳にします。
ここの空白に入るのは発想力、経験値、成長だったりいろいろあります。
でも河村さんの話を聞いて感じたのは、移動距離は面白さに比例する。
場所は変わってもすべては変わらない。
でも移動すればするほどつながる面白さが感じられる。
そんな変わること、変わらないこと、どちらも楽しめるのは、
いつでもどこでもつながれる今の時代だからこそかもしれません。
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家族での海外移住に伴う変化。
これまでのエピソードでも、キャリアの変化、子育て環境の変化、マイホームの買い時の変化、
人生における大きな転換点とつながっているのが海外移住でした。
ではこうした様々な変化にどう向き合うか。
中には変化へのリスクヘッジを事前にしたという人もいます。
今は日本に住んでいるけれど、いずれ家族で海外に行く可能性が高い。
だからこれまで勤めていた日系企業から外資系企業に転職。
将来行くだろう国にも支社がある会社に今から勤めて、海外住に伴う変化を分散させるという手立です。
これも変化に向き合う方法の一つ。
そして今から話をしてくださるご家族が取った方法は、
移住に伴う数多くの変化の中でも変わらないものを決めて向き合ったという方のお話です。
野上ひねみと申します。デジタルメディアの編集機器をやっています。
ニュースコネクトというポッドキャストで1年ほどご一緒している野上さん。
社費留学でアメリカ、海外赴任でインドネシア、そして自費留学で再びアメリカと、これまで3回の海外在住経験があります。
奥様ともうすぐ高校生になる息子さんとの3人家族。
最初の留学は息子さんが小学生の時だったそうです。
もともと希望していた社内の留学制度。
当時新聞社に勤められていた野上さんは、記者としての実績を積み努力を重ねた上でやっと選ばれたそう。
その期間なんと15年。
ただここで立ちはだかるのが、一人で行くか家族で行くかという選択肢。
野上家はどう判断したのか。
私のパートナーは、当初は一人で行ってきたらっていう、なんか突き放す意味じゃなくて、一人で行った方が集中してできるからいいんじゃないかという風にポジティブな意味で言っていた記憶があります。
一方で私はその尊敬する人というかメンターの何人かにこう推薦書を書いてもらったんですけども、
その中の一人で吉越校長さんという下着メーカーのトリンプインターナショナルジャパンの元CEOの方。
10年以上お付き合いがあって、その方に必ず家族と一緒に行くようにと。
それはなぜだったんですか。
やっぱりその見てる景色がずれると色々と価値観のずれが生まれるので、多少の大変な壁を乗り越えないといけない局面ではあると思うんですけども、
海外の経験も含めて家族で同じ景色を見た方がいいと、同じ経験をした方がいいということで、
09:00
私すごく尊敬してたので、逆にその吉越さんの話も受けて、家族というか妻をやっぱり一緒に行った方がいいんじゃないかということで誘って行ったということですね。
家族で同じ景色を見る。
こうした尊敬する人の一言をきっかけに、過去3回の海外中全てにご家族が帯同されてきました。
実際、奥様はキャリアを一時中断したり、息子さんは幼稚園を2校、小学校は5校通ったそうです。
他にもたくさんの変化がご家族にはあったはず。
でも一つ変わらない指針がそこにはありました。
何度も転挙を繰り返している野上さん一家。
インドネシアへの赴任の際は、こんな方法で息子さんに行き先を伝えたそうです。
どう伝えようかなっていうのをちょっと考えて、クイズ形式にしようと思ったんですよね。
見開きで世界地図になっているやつを渡して、ちょっと海外赴任になるのでっていうことを言って、
どこでしょうっていうクイズを出して、最終的にインドネシアっていうことが本人に伝わるんですけど、
第一世がインドネシアって何語やねんって言われたんで、インドネシア語やっていうふうに伝えたのは覚えてます、当時。
こうしたコロコロ変わる変化に、ご家族もある意味なれっ子になっているとおっしゃっていた彼。
クイズ形式で移住先を知った息子さん。
え?という驚きではなく、何語やねんという返しが、これから自分たちに起こる変化をどこか受け止めているように感じました。
そんな変化にいつでも適応してきたご一家。
今後ももし海外に行く機会があればどうするか聞いてみたところ、即答で受けますとおっしゃっていました。
ただ一方で、こうした変化に慣れすぎた分、執着心がない、環境が変わってもけろっとしているところがあるとも言われていた。
もうすぐ高校生になる息子さん、そして帰国して仕事も本格的に再開された奥様。
今はそれぞれ家族のメンバーが腰を落ち着けて、友人関係を築いたり、勉強したり、仕事ができる環境のため、今は全員がここ日本にいる。
海外でも日本でも同じ景色を見ている家族。
いろんな変化を伴う中でも変わらないものを持っておく。
これも海外住民に伴う変化に向き合う一つの方法なのかもしれません。
香港に移住して10年、今でも覚えている日本との違いにショックを受けた出来事があります。
それはコンビニ。
12:00
まだ右も左もわからない移住1週間目、近所にセブンイレブンを見つけ、ここなら懐かしいものが食べられると思って買った焼きうどん。
レンジでチンをしてもらって食べた時、愕然としました。
焼きうどんってこんなんだったっけ?
キャベツもかけらしかなく、お肉も申し訳程度しか入ってなくって、日本のコンビニが美味しくなりました。
自分の知っているセブンイレブンじゃない。
コンビニに対する概念が変わった瞬間でした。
今では日本に戻るとまず空港内のコンビニへ。
美味しいおにぎりからお惣菜、アジの南蛮漬けからなめこやもずく、ゆで卵も半熟で美味しい。
まるでデパ地下のお惣菜コーナーを見ているかのような品揃えで、
我が家にとってのコンビニというのは帰省する時の楽しみの一つです。
海外に住んで変わったのは、日本に対する感動、これも結構大きいもの。
一方で変わらないこと。
これは海外に来て自分が外国人になってみて分かったこと。
国や地域、場所や環境によっていろんな習わしや常識、そこの当たり前に数々出会いました。
例えば香港では、出産した後1ヶ月間は、
女性は体を休ませるために外に出ない、髪も洗わないという昔の習わしがあったり、
旧正月の期間に新しい靴を買ったら縁起が悪いとも言われています。
他にも、土地柄1年の4分の3が夏という香港にもかかわらず、結構子供には厚着をさせる習慣がある。
私も知らない人から、あんた子供にもっと着せなさいと真夏に声をかけられたことがよくあります。
こうした現地の当たり前、実際自分の当たり前とは違います。
たまたまその国に引っ越して暮らしているだけで、自分の当たり前も現地のものにすべて変えなきゃいけないのか。
もし、これが自分が生まれ育った日本で、日本の当たり前と違うと周りから声をかけられたら、気にするかもしれないし直すかもしれない。
でも、自分がここ香港では外国人だから、人と違っていい、そう思うようになりました。
外国人として自分の当たり前を続ける。
それはもちろん、日本の当たり前かもしれないし、夫が生まれ育ったカナダの当たり前、
はたまた日本人とカナダ人とその子供が香港で暮らしてできた、どこにもない当たり前かもしれません。
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でもこれは、わが家が海外で外国人という立場になって気づかされた、いちいち変わらなくていいこと。
今でもわが家では、どこでもご飯を食べるときには、「いただきます。」と手を合わせます。
それを横目で見ている香港人は、「ああ、日本人か。」と思う人もいれば、「何をしてるんだ。」という目で見てくることもある。
されに、新しい靴を買ったら縁起が悪いと言われる旧正月期間。
お店は逆にセールをするので、わが家にとっては買い時です。
また、もし皆さんが日本でコンビニでおにぎりやお惣菜を買っている家族を見かけたら、
今日はご飯作れなくてごめん、じゃなくて、もしかしたらコンビニに行くのを待ちに待っていたわが家かもしれません。
じゃあ、こうしたわが家の変わらない当たり前を手に、将来どの国に住むのか。
すべてが変わらないから、それを楽しんでいるという河村さん一家。
向き合う変化の中にも変わらない自信を持っている野上さん一家。
そして、これまで出会った数々のご家族のお話を通じて、わが家が出す答え。
今は、ここにとどまるべき。
一周回って場所が変わらなかったというのが、今の答えです。
でも、一周回って、もし変わるときに何を指針とするのかというのは見えてきました。
この番組、10のエピソードで向き合った10の選択肢。
振り返ってみると、将来どの国に住むのか、これを見極める診断テストのようなものだったのかもしれません。
でも、それぞれの質問に対する答えは、2択でもなく3択でもなく、家族の数だけあった。
だから、これから海外以上を考える家族にとっても、今海外に住んでいる家族にとっても、選択肢は一つじゃない。
これが伝われば嬉しいです。
越境家族。国境を越えて暮らす家族のドキュメンタリー。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。
これまでお送りしてきた越境家族、シーズン1は今回が最終回です。
今シーズンでは、将来どの国に住むのかという問いをテーマに、
海外に住む日本人家族の皆さんの経験をお伺いしながら、それぞれが通った選択肢をお伝えしていきました。
今回取材に応じてくださったご家族の皆さんに、改めてお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
そして、この番組は今後も続きます。
シーズン2では、日本に住む外国人家族を主人公に、越境家族をお届けしていきたいと思います。
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この番組は取材をもとに、経験者の生の声をお届けしていく音声ドキュメンタリーです。
制作過程には時間もかかりますが、今後の更新をお待ちいただけると嬉しいです。
この番組、越境家族では、感想やコメントを引き続きお待ちしております。
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この番組、サムネイルデザインは松島こよみ、そして企画編集、ナレーションは新井里菜がお送りしました。
それでは、次回の越境家族、お楽しみに。
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