内田寛崇の出家の経緯
飛鳥山の窓から、TOKYO NORTH MOVEMENT
東京都北区飛鳥山。暖炉のある小篠三宏さんの部屋には、未来を思う様々な人たちが遊びに来ます。情熱とアイデアが交錯した素敵なおしゃべり。さあ、今夜はどんな話が飛び出すのでしょうか。
飛鳥山の窓から、TOKYO NORTH MOVEMENT
パーソナリティーを務めます小篠三宏です。今、私がいる場所は、大寺飛鳥山にある邸宅の談話室。
こちらに、北区内外の多彩な企業家、経営者をお招きして、グラスを傾けながらじっくり楽しくお話しする。そんな雰囲気でお送りしたいと思います。
今月17日はなんと、この番組ももう2周年ということでございまして、先日100話配信を迎えたばかりということで、もうなんか節目、節目ということなんですけれども、この2周年もですね、楽しくお送りをしていきたいというふうに思います。
さて、今月お迎えしておりますのは、大万寺副住職内田寛収さん、そしてですね、クリエイターとしては内田裕高さんですね。ということでございまして、昨年の渋沢フェスタぶり2回目のご出演ということになります。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。こんな2回もお呼びいただきまして、ありがとうございます。嬉しいです。
こちらこそ、その他でもね、いろんなところで地域のことでご活躍なんでお会いしてるんですけれども、今日も楽しくいろいろお話を伺ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。よろしくお願いいたします。
さてですね、内田さん、内田さんにとっては普通のことなのかもしれませんけれども、僧侶、お坊さんという人は僕らと違う世界を生きているのかなというふうに思ったりして、ルーツみたいなものも含めてですね、すごい興味深いわけですよね。
以前ご出演いただいたときは、ただいま修行中みたいな話だったんですけれども、いよいよ今年の5月に正式にお寺に入られたということなんですが、この正式というのは何が正式なんですか?
今まではですね、従職になる資格を得る前だったんですね。修行をずっと十何年とか続けてきておりまして、やっとひと段落世に放たれるというかですね、お坊さんとして従職になっても大丈夫だよという資格を一旦いただいたという、そのタイミングが今年の5月だったんですね。
やっぱりある資格制度みたいなものに合格をしないとなれないということなわけ。
そうなりますね。
例えば、修行というと、我々イメージするのは滝に打たれるとか、ごま与えて火燃やしてなんとかやるとか、そういう激しいものを想像するんですけど、どういうことを修行としてやるんですか?
滝とかですね、ごまの修行もあるんですけれども、あとはひたすら読経をし続けるというのが、私、神言宗の僧侶でございますので、ずっと神言をですね、唱え続ける。仏様の名前を唱え続けるっていう。
なるほど。いろんなシチュエーションにおける神言を唱え続けると。
そうですね。それがもう基本のメインになってきますね。
そうすると、なんとか祖和歌とかがあるじゃないですか。
そうですね。
そうすると、このケースの時はこうだっていうのは全部叩き込まれるわけ。
そうですね。
なるほど。我々はこういうふうに唱えてくださいってカタカナが書いてあるのを読んだりするんだけども、もう内田さんはあらゆる、このあれだったらこの神言を唱えるとかっていうのがあるわけね。
ありますね。私たちも暗記をすればいいというものではなくてですね、やはりそのお釈迦様の教えをしっかりと間違いなく伝えるために教本というものを持って、手に持ってしっかり読むというのが原則になっていますね。
だからでもちゃんと頭にも入ってるし、心にも入ってるんだけれども、それをあえて教本を持つということなんですかね。
はい。もう体と口と心が一体にならないと意味がないとされています。
やっぱりさ、ご修行中ってさ、正座を何時間も続けるっていうのが、我々の想像を絶する時間、そこに座ってるでしょ。
そうですね。3、4時間とかは座りますね。
考えられないよね。しかも板沼みたいなところに座ってるじゃないですか。
そうですね。畳があったとしても薄かったりして。
それさ、内田さんスリムでさ、なんかいいけどさ、やっぱりこう太ってる人もいるじゃない。
本当にね、そういう人なんかもう足首とかも。
すごいですよ。あと筋肉質の人とかは特にきついんですよね、正座っていうのは。
そう、体が硬いとかね、足首が硬いとかね。
それでもやっぱり自分で耐えないといけないのは変わりはないので。
やっぱり若いうちじゃないと、なかなかご修行を続けられないっていうことだよね。
いや、そうですね。それはありますね。
どうなんですか。内田さんは大学まで出られて、あれなんですけど。
だいたい皆さんそのぐらいからそういう本格的な修行に入るって感じですか?
修行と自由について
そうですね。18ぐらいから皆さん本格的な修行に入られる方が多くて。
それまでに小さい時に出家して、いろんなお寺で修行の準備じゃないですけど、教養を学んでいってみたい方が多いですね。
ファンシーダンスっていう、スウォー監督の作品ってあなた知ってる?
見てないの?
モック君が主演して、鈴木穂波ちゃんが相手役。
これはちょっとエアポケットだったな。これ絶対見たほうが面白いよ。
後でお話ししますけど、クリエイター内田博高の作品作りにも絶対いい影響があると思う。
スウォー監督のファンシーダンスをご覧いただきたいと思います。
これは面白い。お勧めしますね。
さて、幼少期から大満寺という赤羽随一の名札でお育ちになったんですけども、
おじさんとかお父さんから言われたお寺を継ぐ中での家訓というか、そういうのってあるんですか?
あまり家訓というものはいろいろ考えてみたんですけどなくてですね。
一つ言われていたのは、寺に入るまでは好きなことをやりなよと住職から言っていただきまして、
その言葉のおかげで今映像をやりながらという二足のわらじで来ているところがありまして、
その自由なというか、大体皆さんお寺さんのご家庭で矯正されるというか方が結構多いんですけど、
私も7歳で出家はしたんですけれども、そこから仏道については興味は持っていたので、
なんていうんですかね、その中で自由にやってきた感じはありますね。
だからのびのびやらせていただいています。
逆にそれで自由にさせられていると、そういう7歳の時の出家はともかくとして、
本当に自分が大満寺さんを継いでいくんだと思ったのはいつ頃なんですか?
ずっと葛藤はあったんですよ。やっぱりお寺を本当に自分が継ぐのかどうか。
家も出たいという時も何回もありましたし、最近ですね、本当に覚悟を決めたっていうのは。
それも今27歳なんですけど、7年前の20歳の時に2ヶ月山に籠って火を焚き続ける修行があったんですよ。
その時にやっぱ2ヶ月誰とも喋れないので、自分自身について深く考える時間なんですよ。
その時に自分のルーツを改めて考えて、誰のおかげで今ここにいるんだろうとか、
誰が繋いできたこの命なんだろうって考えた時に、やっぱり自分でしかできないことがあるなと。
このお寺に生まれたから、お坊さんと仏と仏縁があったからこそできることの使命感を感じまして。
日々の修行と掃除の重要性
確かにね。僕はそんな立派なことで自分の会社を継いだというか、路線に入っていったわけじゃないけど、
今から考えると、確かに自分でなければできないことはあったのかなという気はしますね。
やっぱりそこを継ぐ段階で自分にもその手前で向き合って、その継ぐ段階でも自分でとらまえてるっていうのはやっぱり
これはやっぱり宗教家というか、お坊さんの偉いところだね。
なんかなんとなくふわふわっと入ったところがあるんですけど。
そこで仏教の教えとか世界観に助けられたというか、救われたっていう感じですね。
大事なことですよね。今は副住職というお立場だということなんですけど、毎日日々欠かさず行っているっていうのはどんなことなんですか?
欠かさずっていうのはやっぱり掃除ですね。境内の掃除と朝のお勤めはもう欠かさずやっておりまして、やっぱりその時間って
今ヨガとか流行ってるじゃないですか。なんかいろいろエクササリーとかジム行くとか、あのような感覚で一日をリセットした状態で始められるんですよね。
掃除っていうのも仏教の中では一つの修行だとされていて、心の掃除もできるということで、やっぱり一日一回どこかをきれいにしていると、いろんなこと考えるんですよね。
今日あれしようかなこれしようかなって整理もつくし、心が自然ときれいになっていくので欠かさずやっております。
朝は何時頃起きるんですか?
修行と心の平穏
朝はだいたい今6時頃に起きてますね。そっからあの門を開けてという感じで。
なんか思ったほど早くないね。
そうですね。
ご修行の時はもっと早くなるでしょ。
そうですね。1時半とか2時頃に起きますね朝。
まあそりゃそうだよね。ルーティン的には6時に起きて、夕方門を閉めてみたいな形で。
やっぱ365日あるので。
そりゃそうだよな。
ちょっと体がね、もたない。
でもやっぱりそうだからこそやっぱお寺ってどこもしっかりと吐き気読められて、
なんか我々生かしてもらうと心がスッとするところがあるんですね。
そうなんですね。やっぱりあのある意味そのお参りする方の新人を生むっていうふうにも伝えられてるんですよ。
教えられてて。だからその信じる心を生むためにも操縦しなさいということを教わってます。
確かにね。建設現場もそうですよね。やっぱりまず掃除をすると色々こう、建設現場の場合には植物的ですけれども、
やっぱりこうちょっとした不適なところが見つかったりとか、ここはちゃんとこうやっておかなきゃなとか、
こんなもの落ちてるから危ないからちゃんとどけとこうとか、
やっぱりまず最初にそこをやって1日をスタートすると全体がやっぱりこう締まるというかね。
そういう感覚はありますしね。
近隣の方のその理解とかもありますもんね。建設とか特に。
そうですね。近隣の方って言えばさ、やっぱりこう本当に赤羽で昔からあるお寺だし、
お坊様ということで、まあ内田さんまだまだ若いんだけど、
相談を受けたりとか相談されたりとかってあるでしょ?
ありますね。
どんな相談が寄せられるものなんですか?
本当にたくさんの方が来られるんですけど、
この間は娘さんを自分が知らない間に亡くしてしまって、
その見た目をどうしたらいいのか分からないっていうお母さんがいらっしゃったんですよ。
その方に私も自分でそういう経験がないので、どうしたらいいものかって考えたんですけど、
やっぱり自分の年齢とか経験もあるんですけど、お伝えできることに限りがあるんですよ。
いくら仏教のことを伝えても全てを伝えきることができないので、
やはりそのお母さんに考えてもらう時間を作ろうと思って、
その場で娘さんのお写真ありますかってお聞きして、
本堂で葬儀の流れを意識やったんですよ。
そこでその場で。
ちょっとお金もないんですけどって言われたんですけども、
そんなのは関係なくて、私はその時にそのお母さんに心を落ち着けてほしくて、
おがんだんですよ。
でも自分の中でもおがむ、祈ることしかできなくて。
でも終わった後にすごく感謝をしていただいて、
なかなか生活も大変みたいで、少しのお金を置いていってくださって、
もうそれだけでも自分でもその人に救われたというか、
お坊さんとしてできることを少しでもできたのかなみたいな、
そういうのがありましたね。
相談に乗る役割
そういう方もいらっしゃいます。
やっぱり内田さん、いく歳なんだっけ?
27歳です。
僕よりも40歳も若いんだけどさ、
でも内田さんと話してると、どこか自分の心の内を聞いてもらいたいっていうかさ、
そういう感じを持たせるよね。
そうですか。ありがとうございます。
女性と話しててもそういうアプローチされない?
若い、昔とか今も言われてるけどガールフレンドと話してても、
ついついそういう感じにならない?
そうですね。でも相談に乗る機会は多いかもしれないですね。
ね。なんでそんなこと。
だいたい相談に乗りたがるやつって結構いるんだけど、
だけど相談したい人っていうのはなかなかいないよね。
内田さんはそういう長い間のご修行、
それからお寺に入られる前の集中的なご修行とかっていう中で、
やっぱり身についてるもの、
その人の心を穏やかにする、
癒す、開放する、
そういう宗教の持つ力っていうのは内田さん身につけてるんだね。
自然とついてるのかもしれないですね。
自分ではあまり実感がないんですけどね。
でもやっぱりそういう人が身近にいてくれる町っていうのはさ、
やっぱりいいよね。
トラさんにさ、午前さまっていうのがさ、
リュウチッシュさんがずっとやってたけどさ、
柴又のお寺の住職さんということで、
なんとなく歩いてて、
あ、午前さまって言ってみんながね、
そういう町のね、町中華って言うけどさ、
やっぱり町坊主って必要だと思うんだ。
それはやっぱり目指してもらいたいと思いますね。
まさに目指すところですね。
はい、そろそろお時間になってまいりましたんで、
次回は内田博多さんの映像クリエイターの側面を
考えていこうと思います。ありがとうございました。
ありがとうございました。