オカリナの魅力
飛鳥山の窓から、TOKYO NORTH MOVEMENT。
東京都北区飛鳥山。暖炉のある小篠光洋さんの部屋には、未来を思う様々な人たちが遊びに来ます。
情熱とアイディアが交錯した素敵なおしゃべり。さあ、今夜はどんな話が飛び出すんでしょうか。
こんばんは、小篠光洋です。
今月のゲストは、株式会社大塚楽器製作所代表取締役社長、大塚太郎さん。
そして、今週からもう一方をお迎えしております、オカリナ講師の内山佐知子さんでいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
内山さん、合流していただいたんですけれども。
内山さん、今、オカリナ講師ということでご紹介したんですが、
普段どんな活動をされておられるんですか。
サークル活動や、個人レッスンの指導以外にも、大塚楽器の所属アーティストとしての演奏活動をさせていただいております。
なるほど。じゃあもう本当に、大塚さんの楽器を演奏しながら、
いってみれば商品開発などにもフィードバックしたりとか、そういう役割にも担われているってことでしょうかね。
はい。少しは多分、役に立てればいいんですけど。
社長が隣で大きくうなずいておられました。もう間違いないというふうに思いますけれども。
それではですね、ここで早速なんで、内山さんの演奏を聞かせていただきたいと思います。
曲名は何でしょう。
あいみょんさんの「愛の花」という曲です。
これ朝ドラの主題かな。
はい、そうです。
じゃあ早速聞きましょう。よろしくお願いします。
はい、ありがとうございました。
ありがとうございます。
この曲は放送で流れている時にはオカリナも使われていたんですか。
オカリナは使われていないと思うんですけれども。
そうすると、歌の部分のところを今演奏されたみたいな。
そうです。
なるほど。スタッフも本当に歌聴いているみたいだっていうね。
これ社長あれですよね。オカリナのある種特徴っていうか。
そうですね、吹奏楽器の中でもやっぱりオカリナは奏者の息遣いを感じられる。
そういうような楽器なんじゃないかなと思います。
そうですね。
どうですか。演奏されていて、何かこの曲に気持ちを込めるという時に何か自分が大切にされていることってございます。
私はこういう歌手の方の歌詞がある曲を演奏する時は、やる前にかなり聴き込むんですよ。
なるほど。
で、一緒に歌えるぐらいになって。
で、あとはその歌詞の主人公になりきって吹いております。
じゃあもう本当に歌手が自分の世界を作っていくのと同じようにしてから演奏に臨むみたいなことですね。
演奏のコツ
そうかもしれないですね。
内山さんの歌も聴いてみたいな感じがしますね。
歌も上手いですよ。
そうですか、やっぱりね。どうなんだ。
で、これちょっと遡りますけど、内山さんがオカリナ演奏を始められたきっかけっていうのは何ですか。
私の場合は、幼少期からピアノとか吹奏楽部でフルートをやったりしていたので、音楽が大好きだったんですけど、
フルートを使ってボランティア演奏を結構長い間していて、
その時に友人がオカリナやってみない?っていうことで声をかけてくれたんです。
で、みんなでオカリナを使ってボランティア演奏をしたりしていて、そのうち先生やってみない?っていうことで。
なるほど。もうじゃあその時には結構オカリナが前半いろいろ社長にも伺ってきたんですけども、
オカリナはブームになって当たり前に手に取る楽器っていう感じだったですか。
まだまだこれから普及していくって感じだった?
そうですね。でも今に比べるとやっぱりまだそんなには普及していなかった気がするんですけど。
じゃあ内山さんご自身がそういうオカリナの魅力を広げてこられたお一人だと思うんですけど、
ご自身が感じられているそのオカリナの魅力って何ですか?
そうですね。先ほど社長が言っていたオカリナの吹き手によっての違いっていうのがかなり大きいというか、
一つの例えば大塚楽器で作っている別のブランドというか違う名前の楽器だと、
それで全然音色が違ったり音量が違ったりするんですよ。
それをまたさらに吹く人によっても全然吹き方が違ったり、
あとは私の場合は曲によっても吹き方を変えるので、本当に千差万別というか。
なるほど。そういう意味では先ほどフルートに習ったということもありましたけども、
そういうものと比べても演奏家の個性が出しやすいというか出やすいってことでしょ?
そうです。
それはなかなかメコラフロコというか、なるほどなって感じますね。
そうですね。演奏者の息遣いがそのまま音に乗っかってくるというか表現されるので、
表現が一言で言っちゃうと豊かになると言いますかね。そういった意味はあると思います。
なるほどね。トツトツとして吹いていればそういう雰囲気で伝わるし、さあ聴いてくださいといえばこういう感じみたいなね。
なるほどね。生徒さんというか、演奏を学ばれている方って大体年齢層とか、それはどういう方多いですか?
生徒さんの年齢層で言うと、そうですね、私ぐらいの年齢の人も少しずつはいるんですけど、
大体やっぱり60代70代ぐらいが一番多くて、でも上は80代90代までいらっしゃいます。
あとで触れるんですけど、この間東京サウンドセレクション音楽祭ってね、私も見させていただきました。
はい、ありがとうございます。
いやいや皆さんお元気ですねっていう感じのね、たくさんの方が。それからやっぱり女性の比率が高いですかね。
そうですね。やっぱり男性もいらっしゃるけど、女性の方が圧倒的に多い気はします。
なるほど。さて皆さんね、これ初心者でいらっしゃったと思うんですけども、例えば私がこれから吹きたいって言ってした時に、
上手くなるコツっていうのかな、逆に言うとここはちょっと引っかかるんだけど、これ乗り越えると上手くなるよっていうのは何かあります?
そうですね、オカリナの場合吹けば音は鳴るんですけれども、指を塞ぐっていう点でキーがあるわけではないので、
その穴を間違いなく塞げるかっていうところが結構最初に皆さんが苦労するところなんですが、やっぱりピアノなんかと一緒で長く続けていると自然にその位置に指が降りていくようになるので、
その辺がクリアされていったりして、だから最初に結構苦労していた方でもある程度年数が経つと楽しく演奏できていると思います。
なるほどね、僕ら穴塞ぐっていうと、小学校でリコーダーやらされているんだけど、あれも要は変な力の入れ方をすると穴が上手に塞がらないっていうか、
何事もそうなんだけど、力がうまく抜けてピタッとできるようになるまでにちょっと時間がかかるから、そこまではちょっと我慢して頑張ったらいいよっていう感じですかね。
本当にその通りだと思います。力が抜けると塞げるようになります。
ナイトウンシの特徴
なるほどね。さて、大塚楽器さんのアドバイザー的なこともお務めになられているということなんですけど、
長い経験の中で、大塚楽器さんの責任ではないオカリナも吹かれたと思いますし、そういうものとも比べながらね、
大塚楽器さんの楽器の特徴っていうのがあったら教えていただけますか。
大塚楽器だけでもいろんな種類がもちろん出ているんですけれども、指の位置が必ずどのメーカー、工房さんも一緒というわけではなくて、
穴の位置が違ったりする場合があるんですね。
塞ぎづらい場所に穴があったりするものも中にはあって、それが大塚楽器のナイトウンシっていうものがあるんですけれども、とっても穴を塞ぎやすいんです。
それがだんだん普及していって、他社さんでもそのナイトウンシっていう名前で売り出したりとかしていって。
それなんですか、著作権みたいなのはないんですか。
衣装登録とか取ろうと思えばもちろんできたんですけれども、私ども多くの皆さんに一番使いやすいウンシだと自負してますので、皆さんどうぞ真似してくださいと。
そういう意気込みでやりました。
素晴らしいですね。
トヨタだとか、つい最近やられてるってことじゃないですか。
大塚さんがその吹きやすさとかそういうことを追求して作られたもの、標準化したものが、オカリナという楽器の標準化になっていってるってことですか。
そうですね、なりつつあると思います。
そうですか、やっぱり実際習いに来られる方で、それまで大塚さんの楽器を使ってないというケースもあるでしょう。
あります。
やっぱり大塚さんが使うようになると抑えやすいなとかっていう感じになるわけ。
そうですね、なかなかオカリナって一番低いラの音が難しいんですけれども、塞ぐのが。
それができなかったものはできるようになったとか、そういうことがあります。
なるほどね、そうですか。
さてですね、今大塚楽器さんでは電子オカリナっていうね、これも開発をされているということなんですけれども、これちょっと社長からお話しいただきます。
そうですね、電子オカリナ、ウィンドシンセサイザーとか言ったりしますけれども、息を入れる楽器で電子で音が鳴る楽器という分野があるんですけれども、
比較的、そうですね、モデルとしてはサックスですとかフルートを模したものが多いんですけれども、これにオカリナの形で手軽に、そして価格的にも入りやすいようなものを開発したいと思って取り組んでます。
なるほど、そこ大事ですよね。要するに結構サックスだとかそういうものだと大型になるし、あれを再現しようとすると、そういう大型のいろんなものを付けなきゃいけない。
そうですね。
オカリナであるがゆえにコンパクトにと。
そうですね。
なるほど、でもコンパクトゆえの難しさってのは当然ありますよね。
ありますね、それとオカリナの形が直線的じゃないので、その中に基盤をきちっと入れるのが難しいという夢があるみたいです。
なるほど、直線的になっても電子音なんだからいけないことはないんだけど、でもやっぱりオカリナじゃなくなっちゃう。
そうなんですよね。
どうです?なんか電子オカリナについての期待感みたいなのあります?
触らせていただいたことあるんですけれども、なかなか私にはまだ難易度が高くて、これがやりやすくいろいろ開発されてきたときには、それこそかっこいいいろんな電子楽器の曲も演奏できちゃうのかなと思って楽しみにしてるんですけど。
そうですね、その場で伴奏みたいなものも一緒にできるとかね。
そうですね。
演奏家にとってもちょっと期待が膨らむというところでしょうかね。
そうですね、アンプをつないで演奏したりとか、オカリナで。
なるほど、演奏も含めて大変興味深いお話を今回迎えました。
次週はですね、このオカリナという楽器の展望について伺いながら、また次世代へのメッセージなども伺っていきたいと思います。
また来週もどうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。