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ひとし
ということで、前回の続きなので、もしまだ聞いてない方は前回の回から聞いていただきたいんですが、ご褒美の設計について。
はるか
これなのよ。どうしたらいいの?っていう、よく効果ないとかっていう主張もあるんだよね、ご褒美が。
だけど「どういうふうにご褒美設計したらいいの?」とか「何をご褒美にしたらいいの?」みたいなことが、具体的にわかると、明日からのアクションに起こしやすいと思うから、
いま困ってらっしゃるよね、夏休みで、しかも宿題もなくなり。
ひとし
自分で4年生の子がやらなきゃいけない。
はるか
やらなきゃいけない。自由っていうのが、かなりハードルの高い自由になってるから、どう設計するのかみたいなことを今日お話できれば、相当有益な回になるんじゃないかと思っております。
問題です、皆さん。テストでいい点を取ったらご褒美をあげるパターンと、読書や参考書を1ページとかしたらご褒美をあげるパターン。
つまり、結果にご褒美をあげるのか、それとも過程にご褒美をあげるのか、どっちの方が学業にいい影響を及ぼしたのか。
ひとし
はあ、むず。結果に注目するならテストでいい点を取ったらご褒美っていうのを繰り返した方が成績は良くなりそうだけど。
はるか
結果が全てみたいなこと言うよね。
ひとし
さっきの算数ドリルの話、はるかの話で言うと、参考書1ページでご褒美があるみたいな感じやん。参考書1回やったらご褒美みたいな。
後者のあれじゃない?読書参考書1ページでご褒美がある方が力つけそう。
はるか
はいはいはいはい。すごいね。
ひとし
本当?
はるか
いやあのなんか、さっき言った情報をすぐ活用する力があるよね。
ひとし
あっと。久しぶりにコンプリメントが来た。
はるか
いや本当にそう思った。いやすごいわ。
最近いろんな人から、やっぱりひとしすごいなって言われるわ。
ひとし
うれしいよ。
それはうれしいわ本当に。
はるか
っていうのが、本当にそうでひとしがそう言ってくれたのが、結論から言うと過程、どういう作業をしたかにご褒美をあげた方が成績にいい影響を及ぼした。
ひとし
はいはいはい。そうなんだ。
はるか
これハーバード大学のフライヤー教授っていう方が94億円を使って250校、3万6千人の方に実験したっていう。超大規模実験ね。
その時に何点以上取ったらいいよとか、通知表でこういう成績取れたらご褒美あげるねって言った方と、
本を1ページ読んだらとか、宿題を1ページ終えたらとか、出席したら制服を着たらとかいう風に、この過程にこのご褒美をあげるっていう設計をした方が全然成績が上がったという結果が得られた。
これに関してはなぜっていうのまで分析されている。
でも思うのは、行動をしたことでご褒美が得られる。それで力がつくっていうサイクルがめっちゃ早そう。
ひとし
家庭にご褒美があった方が。
はるか
なるほどね。それ1個あるかもしれない。即時効果っていって、やったらすぐに報酬が得られるっていうのが学習科学としてはあるよね。
学びやすいっていうのがあるっていうのが一つで、それも一つの要因かもしれないんだけど、この実験の中では、カギはそのご褒美の設計を聞いて子どもたちがどう行動したかっていうのを観察したんだって。
その時に分かったのが、1ページしたらいいよとかっていう風に言われた場合は、子どもが何をするべきかが明確。だから行動に移せるんだよね。
行動に移した結果、それがもうその分やってるんだから。テストにも反映されたっていうのがあるんだけど、100点取ったらいいよって言われたら、どうしたらいいんだっけっていうのが分からない。
ひとし
そっか、そこもそうやね。アクションが分からんっていうのはそうやね。
はるか
結局自信を失うよ。「100点取れたらご褒美もらえたのに何もできんかった」とかっていう風に。
学習方法を知ってる子だったら結果に対してでもいいかもしれないんだけど、分からない子にとっては結局、何をしたらいいのか分からないという状態が生まれる。
だから1ページで1ポイントとか、1ページでこういう報酬とかっていう風にした方がアクション起こしやすいっていうのが一つあった。
ひとし
いやめっちゃ純粋に気になるので、誰かぜひ一度お話しさせてもらいたいのは、会社の中の評価とかもこういう感じになってんのかな。
はるか
よくでも結果が。
ひとし
やっぱり結果が大事で、結果出したら評価っていうのもあるけど、新卒の子たちがビジネスパーソンとして成長していくためにこういう風に過程を細かく評価基準にしてるとかもあるんじゃないかなと思って。
これは普通に詳しい方とお話ししたいです。ただの趣味です。
はるか
確かに聞きたいね。だから会社の売り上げとかを求めるんだったら多分結果を見ていく必要はあると思うんだけど、
その新人の子たちを育てるという意味では、こういうインプット、この過程に対して見える化するというのは一つ有効な手段じゃないかっていうのはこの研究が示唆してるところかなと思う。
でもね大人が別だなと思ったのは、何をどうしたらいいかが分かってる人にとっては、結果の方がやっぱりモチベーションになるっていうのがある。
ひとし
そういうことか。
はるか
これも研究で示してて。
ひとし
なんでやろそれは。
はるか
これはセットで、例えばテストで90点以上取ったらご褒美がありますっていう設計するじゃん。それだけだったら全く変わらなかった子が、そこにプラスで学習指導者をつけたんだって。
学習のやり方とか、どのように頑張るのかを具体的に教えてくれる、例えば塾みたいな存在、塾の先生みたいな存在がいる場合は、このアウトプット、結果に対してのご褒美が効果高かったんだって。
ひとし
何をどうしたらいいかが分かれば、自分でやった方がいいのか。
はるか
そこが鍵。そこが鍵だと僕は思いました。
ひとし
なるほどね。
はるか
だからあまりにも何をどうしたらいいか分からないまま、成果を求められるっていうことが、多い場合自信を失うし効果がない。
だけど何をどうするかっていう、補助輪がやっぱり最初大事で、補助輪ができてしまったらどんどん結果で見ていくみたいなことも有効になっていくということが。
ひとし
なるほどね。
はるか
おもしろい。
ひとし
おもしろい。
はるか
おもしろいね、これが。
ひとし
ああ。
はるか
いや、そうね。どう、ひとし自分の勉強を振り返ってみて、何て言ったかな、受験でひとつは自己実現できたわけやん。
ひとし
うん。
はるか
なんか自分の勉強法を振り返ってみてどう?
ひとし
ああ、なるほどね。
でもそれで言うとやっぱり最初は日々の宿題とかをちゃんとやって褒められるとかのサイクルだった気がしてきた。
はるか
うんうん。
ひとし
その後定期テストで頑張って嬉しいって思いをして。で、徐々に受験っていうものに向き合ってきた感じなんかな。
はるか
そっかそっか。最初は目の前の作業っていうものをしたら喜びが得られるという設計だった。
ひとし
かな。
はるか
で、それが
ひとし
徐々にここの大学行きたいみたいなのが見えてきたときにつながってがんばったのか。
はるか
つながってたんだ。これがやっぱり大人のできる。先生って先に生きるって書くじゃん。
ひとし
うん。
はるか
で、大人ができることってやっぱり子供が見えてない先のことが一応見えてる部分があるじゃん。
ひとし
うん。
はるか
で、そのときに今目の前のこと頑張ったら長期的にも子供の自己実現になるんじゃないかというところを、それは各ご家庭の価値観で違うと思うんだけど、
そこを設計するとすごく親子でハッピーになるのではないかとは思うよね。
ひとし
なるほどね。
はるか
よく最近その子供ファースト、子供ファーストっていう言葉がすごくあって、そこにすごく大好きだしそういう考え方。めちゃくちゃ重要だと思う一方で、
この人間の性質、特に子供はそうよね。前頭葉が未発達で短期的なメリットの方が動きやすい状態。
短期的なメリットで動き続けた結果、高校生になってこれしたいと思った時にできないみたいな状態があったりとか。
ひとし
もうあれか、選択肢的にもなくなっちゃってるみたいな。
はるか
だったら自分がしたいって思った時に選択肢が広がってる状態を作るためには、こういう短期的なメリットを設計するのも一つ手なのかなというのは思ったね。
これがもしムチで叩いてやりなさいとかだったらひどい話だけど、子供も短期的に喜んで親子関係も悪くはならないだろうし、
っていうのを設計できるのは一つ有効なんじゃないかなとは思った。
ひとし
じゃあ今回その4年生で宿題なくなって一人で勉強しなきゃいけないという状態になったっていう。
このシチュエーションだとどうなる、だから目標を一緒に決めるっていうところをやるのかな。
はるか
そうね、だから目標を決めるというよりはさっき言った何をしたら明確に
例えば計算ドリル1ページしたらポイントが1貯まるっていう風に設計するとするじゃん。
で、もし1ページやったよって言ったらカレンダーとかにポチってシール1ポイント貼っちゃって、2ページしたら2ポイント貯まってとかいう風にして。
で、それが例えば10ポイント貯まったら何かメダルとかでやってもいいし、中高生だったら自分の中で明確に欲しいものがあるんだったらそれを手に入れるように設計したりとか。
おこづかい制っていうのをここで導入することも一つ手としてある。
ひとし
なるほどね。長期的な目標をどういう風に立てるかとか難しいよね。
はるか
あ、だから勉強した方がいいよねという合意形成が取れている。
ひとし
そういうことか。そこがね。
はるか
で、そこに向かって1ページずつやっていったらそこに向かっている。
ひとし
なるほどね。
はるか
で、学校ってさ、結局は勉強をたくさんしてる時間が長いから、それがわかると楽しくなってくるし、テストで100点取れたら嬉しいっていうのがある。
もしも、その価値観、そもそもそんなのいらないよって場合はしなくていいと思うんだけど、多くの子供はできるようになりたいという思いは根っこに持ってて、自信を失ってやる気がないだけの場合も多いから、そこに対してこういう風に作業に対して1ポイントとかっていうのをつけていくとモチベーションが保たれるよね。
だから上手いご家庭とかは夏休みの宿題とかにやったらシールとかあるよね。そこをシール貼っていって何が得られるかみたいなものを各ご家庭で設計してやってるところはけっこうある。おまけとしてご褒美の内容としてどんなものが効果的かというと、
それまであるんだ。 そうそう。低学年とかちっちゃければちっちゃいほどお金じゃなくてメダルとかトロフィーの方が効果が高い。お金って別にそこまで魅力的じゃないんだって。
そうか。使い方がわかんないしね。 そうそう。だけど年齢が上がれば上がるほどお金の方が効果が高くなってくるっていうのがこれも教育経済学の研究であった。
面白いのがさ、これでお金得られるようになったら子供なんか無駄遣いするんじゃないかとかっていう心配もある。 ゲーム買ったり、お菓子いっぱい買ったり。
心配あるじゃん。だけどここまで研究してて、お金の使い方まで。このフライヤー教授さんたちの研究によるとご褒美によってお金得た方が娯楽とかお菓子とかいわゆる無駄遣いみたいなものが減って、より貯蓄とか堅実な使い方をしてる方が多くなってるっていうのが明らかになったんだって。
本当? 何もしないけどもらえるっていう自動的なシステムだったら使っちゃう、簡単に。だから自分の手で勝ち取ったお金っていうのに対して愛着が湧きやすいのかなって俺は個人として思った。これ俺個人だけど。
なるほどね。 だけどもう一個面白かったのが、お金を渡すと同時に銀行口座作ったりとか家計簿作ったりとかいう金融教育も同時に行うと、さらにお金の使い方まで学べるっていう良さもありますよっていう話があって。
そうね、そこまでできたら確かに良さもありますよやけど。 良さもありますよとかっていう話もあった。こっちの方が自分の力でもらっていくみたいな感覚が生まれて愛着が湧くんだなっていうのは面白かったことでした。
面白い。 具体的だよね。目に見えるもので測ってる学問だからこそ具体的ではある。だから一つの参考としてお力になれればなとは思ったね。
ひとし
すごい。毎回少しずつですが自分と子供たちが置かれている成長段階が異なるためたくさん学ばせていただいてますし、実施中のコンプリメントを始めてすぐに二人の子供の変化を感じております。
はるか
すごい。プレイヤーだ。
ひとし
癇癪がひどかった4歳の娘は「ファンタジーマネジメント + 日常のコンプリメント」で癇癪時間がとても短くなりましたし、
今年から4年生の息子は1年生からずっと行き渋りがありましたがコンプリメントを始めてからは楽しく学校に通えておりました。
はるか
すげー。
ひとし
すごっ。母親の私自身もこの番組に出会い救われた思いです。子育ての考え方や捉え方が以前よりポジティブになったと感じています。ありがとうございます。
はるか
いやーこういうことが起きてくるのよね。
ひとし
こういうことが起きてきてるんやね。
はるか
うん。
ひとし
すごい。
はるか
これ本当に最近感じるのがさ、リスナーさんとかに会う機会が増えたやん。すごい実践が。
ひとし
そうね。
はるか
だから俺は一生懸命新しいことを学んでまとめて話してるじゃん。でもリスナーさんは日々実践されてるわけじゃん。毎日365日。
もうプレイヤーとしてめちゃくちゃ尊敬してる。本当に心から。
ひとし
確かに。
はるか
だから全然俺よりファンタジーマネジメント上手いだろうし、日常のコンプリメント上手いんだろうなと思って。やっぱり実践?本当に目の前の子供たちを笑顔にしてたりとか、目の前の子供たちの心を軽くしてる親御さんたちが一番すごい尊い存在だなっていうのは改めて感じますね。
ひとし
すごい。ね。違うのよね全然。プレイヤーとアドバイザーって全然違って、それ仕事でもやっぱりそうやん。
はるか
違う。全然違う。
ひとし
採用のお手伝いをするっていう人たちの会社が全然採用うまくいってないとかもよくある話やし、やっぱりアドバイスする人たちの力と実行する力ってだいぶ違うけんね。
はるか
うんうん。違う。本当にどっちも大事だし、なんかこうやってお礼言ってくださるやん。感謝しかありませんありがとうございますみたいな。こっちが実践してくれてありがとうございますみたいな感じよね。
ひとし
本当やね。
はるか
実践、俺ができるわけじゃないからその子に対して。だから本当にみんなで子育てしていきましょう。できることを僕たちは頑張りますので実践してくださりありがとうございます。
ひとし
ありがとうございます。あとね今まで話してきた内容がやっと書籍になるということで。
はるか
やった!
ひとし
おめでとうございます。いやーありがたい。
はるか
こんな緩やかに発表するんだね。そうなんですよ書籍化が決まりまして。ありがたいことに。
ひとし
10月頃に出ると思うのでその前にまたお話をしていきたいんですが。やっぱねテキストも大事やからね。
はるか
そうなんですよ。こうやっていっぱい聞いてもらうのと同時に、あれこんなこと言ってたよねっていうのが文字にまとまってるとちょっと辞書っぽく。
ファンタジーマネジメントこうだったねとかお守りみたいな存在になれたら嬉しいなっていうのがあります。
ひとし
法人スポンサーのすだちさんも本を出されてたね。
はるか
出されておりまして、これは不登校の9割は親が解決できる3週間で再登校に導く5つのルールという本なんですけども。
これもまさに俺自身も親御さんのお悩みに答えていく中で一つ参考書みたいな感じで、
こんなこと言ってたな、こういう理論があったなとかっていう紹介をさせてもらえてて。
やっぱり書籍でまとまっていると必要な時に引き出しから出す感覚でお話できるから、やっぱり本を読むの大事だなと思ったりしていて。
ひとし
なんかすごい重版がかかっていると。
はるか
重版何回目って言ってた?
ひとし
相当。
はるか
相当多かったね。
ひとし
ぜひ。
はるか
ぜひぜひという感じでした。
ひとし
ですね。押し入れの中で録って汗がもうダクダクダクだ。
ということで最後までお聞きいただきありがとうございました。
はるか
ありがとうございました。
ひとし
もしティーチャーティーチャー村というDiscordコミュニティに興味ある方がいましたら、
スポンサーになっていただいた方にご招待させていただいておりますので、ぜひお願いします。
はるか
お願いします。ありがとうございます。
ひとし
ハッシュタグ カタカナ ティーチャーティーチャー(#ティーチャーティーチャー)で感想もお待ちしております。
はるか
いつも励みになっています。
ひとし
それでは。
はるか
また。