1. tantotの時々読書日記
  2. #11 サン=テグジュペリ『夜間..
2024-12-27 08:11

#11 サン=テグジュペリ『夜間飛行』

spotify

大好きな作家、サン=テグジュペリの『夜間飛行』と、ロマンチストな作家のよさについて語りました。

堀口大學訳の新潮文庫版は絶版のようです

https://amzn.to/4gvo0WZ

光文社古典新訳文庫版

https://amzn.to/3BJVv8O

 

サマリー

サン=テグジュペリの『夜間飛行』は、郵便飛行士ファビアンが夜空を飛んで思索にふける物語です。作品は、郵便飛行の危険な時代背景を持ちながら、空を飛ぶことへの憧れや人生の哲学を探求しています。

サン=テグジュペリの魅力
tantotの時々読書日記第11回です。
今日はですね、またちょっとこれまでの趣向を変えて、
サンテグジュペリの夜間飛行について話します。
こちら手元にあるのは、新潮文庫版で、すごいですね。
昭和31年に初版が出ていて、私が手に入れた平成12年は78ズリ。
すごい。
こちらは堀内大学さんの翻訳のものですね。
非常に拡張高い文章、翻訳文でもあるというところで。
ちなみにこの文庫版カバーソーガは、宮崎駿さんが複葉機を描いている。
宮崎さんも飛行機大好きですからね。
そんな感じです。
サンテグジュペリは僕すごく、高校大学生ぐらいの時からめちゃくちゃ好きな作家で、
本当に夜間飛行じゃなくて、人間の土地っていうも同じく、新潮文庫から出ている。
あの本が本当に好きすぎて、何の読んだかわからないという感じです。
サンテグジュペリは何がいいって、めちゃくちゃロマンティストなんですよね、この人。
夢見る少年がそのまま大人になったみたいな、そんなような雰囲気をこの人の小説だとかエッセイみたいな、
そういったものからすごく感じるところで、目がキラキラ光ってるんじゃないかなっていう、
そういう感じがすごく心にグッとくる作家です。
実際行きざまとしても、飛行機乗りとしてやっていて、
第二次大戦の時にも飛行機乗りとして実際戦争にも参加してるんですが、
その当時では飛行機乗りとしてはずいぶん年をとっていて、
でもそれでもやはり自分は乗りたいんだっていうような形で、あえて前線の方で飛行機に乗るみたいな。
結果、44年に、あの本の略歴にも書いてるんですけど、
コルシカ島の基地を発信したまま帰還せず亡くなったと。
どこで亡くなったのかもっとおそらく明確にはわかってないというような感じで、
そういう行きざまも含めてすごく最後までロマンを追い求めた、
軽裕な人なんじゃないかなと思っています。
この夜間飛行っていうのは、郵便飛行、郵便飛行機で郵便を運ぶって、
郵便飛行がまだ危険だった時代の、
ブエノス・アイレスに向けて、
南米の郵便飛行で夜空を飛んでいる、
その操縦士が主人公で、
話としては、ひたすら夜空を飛びながら周りの景色を見たりとか、
なんとなく回想をしたりとかっていう、
ずっと空を飛びながら、
なんとなく最近のことを回想したりとか、
恋人のことを思ったりとか、そんなような感じ。
めちゃくちゃものすごい事件が起きるとか、そういう感じではなく、
ちょっと哲学的な瞑想みたいな、
夜間飛行の内容
瞑想だったり施策に吹けるみたいな、そういうのも含めて、
っていうのと、郵便事業っていうめちゃくちゃ微妙な、
郵便飛行が事業化するかどうかみたいな、そういう時代だったので、
非常に現実的な上司とのやり取りの話とか、
そういうのが行ったり来たりする、
その施策と現実ビジネスっていうのを、
その触れ幅の中で考えながら、
考えているファビアンという本人は、
ずっと静かな、夜、人々は寝静まって、
世界は寝静まっている中を、
ただ一人空を飛ぶというような、
そういう全体の空気感がすごくグッとくる作品になっています。
最初の方を読んでみると、
これ一番第一章最初ですけど、
機体の下に見える小山の群れが、
早くも暮れ方の金色の光の中に陰影の鉱石を深めつつあった。
平野が輝かしくなってきた。
しかもいつまでも衰えない輝きだ。
この国にあっては、
冬が過ぎてから雪がいつまでも平野に消え残ると同じく、
平野に夕暮れの金色がいつまでも消え残るの表しだ。
遠い極南の地から上野サイレスへ向けて、
パサゴニア線の郵便機を操縦してきた操縦士ファビアンは、
港の水面同様、あたりの静けさと平穏な雲が描き出す、
かすかな陽だの現れに夕暮れが近づいたと知るのであった。
彼は今しも、広やかな幸福な入り江に向けて進みつつあった。
こんな感じで詩的ですよね。すごいね。
こういう一節から空を飛ぶということに対して、
サンテグ・ジュペリがいかに憧れというか、
いかに夢を投影しているのかみたいな、
そんなことが感じられるんじゃないかなというふうに思います。
これ文庫本で一冊で、
表題作の夜間飛行と南方郵便機というもう一作が入っているので、
作品としては中編、ちょっと長めの短編みたいな感じで、
さらっと読めるものでもあるかなというふうに思いますし、
郵便飛行という、人類が飛行機というものを、
空を飛ぶということを日常として獲得していく、
早々期の時代の空気みたいなものを感じる意味でも面白いかなというふうに思いますし、
何よりもサンテグ・ジュペリのロマンチストの眼差し、
それを味わえる一作じゃないかなと思っています。
これが面白ければサンテグ・ジュペリ、
結構文庫で出ているのは少ないんですけど、
全集とかでいろいろ読めるものもあるので、
そういうところに広げていくと、
より一層世界がどっぷり使って楽しめるかなというふうに思っています。
これは結構、文庫で出ているやつだけでなくて、
他の全集で出ているような、
その辺のマニアックな本も昔読んで、
やっぱりグッとくる感じだったなというふうに思っています。
ということで今日は、
サンテグ・ジュペリ堀口大学役の夜間飛行について話しました。
ありがとうございました。
08:11

コメント

スクロール