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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌の世界の楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
1週間の終わりの息吹に聞いてください。
今回は、2007年に東京都写真美術館に展示された、小村ひろしさんの短歌をご紹介します。
雑談コーナーでは、短歌の表現方法について、理想の短歌バーについてお話しいたします。
美が虫に見えるのことを、ゆみちゃんとみなこの前ではいってはだめね。
今回は、小村ひろしさんの美が虫に見えるのことを、ゆみちゃんとみなこの前でいってはだめね。
という短歌をご紹介します。
この短歌は、10年くらい前になるんですけど、
2007年から2008年にかけてですね、東京都写真美術館っていうところで、
文学の触覚というビル図展が開催されていたそうなんですね。
そこで展示されていた短歌になります。
展示の方法がすごく面白くて、
こういうのなんていうんでしたっけ、インスタレーションって言うんですかね。
ただ単に短歌が飾ってあるだけではなくて、体験できるような美術作品になっているんですね。
作品のタイトルが、火を触れるのっていうタイトルなんですけど、
その展示場所にですね、手のひらをかざすと、手のひらの上に文字が落ちてくるんですね。
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落ちてくるっていうのは、物体が落ちてくるわけではなくて、
手のひらに文字が投影されるんですけど、
あたかも落ちてきたかのように投影されて、
スクロールして、短歌を手のひらで読めるっていう作品なんです。
それがすごく実験的で面白いなと思って、
そういう実験的な作品が10年以上前にあったっていうのに、結構今回驚きました。
さらに手のひらに短歌が投影されるだけじゃなくて、
その短歌を象徴する漢字一文字が動くんですね。
例えば今回ご紹介する短歌だと、美の文字、美っていう文字が象徴的な漢字一文字になるんですけど、
美の文字を見ていると虫に見えるっていうのが今回の短歌の内容で、
その内容に合わせて美っていう文字がもぞもぞと手のひらで動くような仕掛けがあったそうなんです。
手のひらで美っていう文字が虫みたいにもぞもぞ動くのを見て、
さらにリアルに短歌の世界が体験できるっていうすごく面白いインスタレーションがやっていたということで、
それがとっても面白いなと思って今回ご紹介しようと思いました。
今回ね、ポッドキャストで紹介するにあたって、
そのインスタレーションの動画とかYouTubeとかに上がってたらいいなって思ったんですけど、
多分ね、昔過ぎてまだそういう動画メディアみたいのが発達してなかった頃だと思うんで、10年前って。
なんか動画は残念ながら残ってなくてですね、
なんか唯一見つけたのが、白黒の学会誌みたいな、
日本バーチャルリアリティ学会誌第15号っていうのに、
白黒で唯一写真が載ってるのを見つけたぐらいでですね。
一応その学会誌のリンクを、このポッドキャストの説明欄のところにURLを貼っておこうと思うので、
もし興味のある方は見ていただけたらいいかなと思っています。
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けど白黒なんで、なんかあんまりよくわかんないかもしれないです。
今回の短歌の感想、短歌の世界なんですけど、
すごくわかりやすい短歌かなと思いました。
そしてとっても小村さんっぽい短歌だなっていうふうに思いました。
美っていう美しいっていう文字が、
これ自体は美しいっていうとってもいい意味の漢字だなと思いました。
美しいっていうとってもいい意味の漢字なんだけど、
じっと見てるとゲスタルト崩壊を起こすというかですね、
線がこう左右にいっぱいあってちょっとゲジゲジとかムカデっぽい感じに見えてくるっていう。
その美っていう漢字が虫に見えることを、
由美ちゃんや美奈子の前では言ってはダメねって言ってるんで、
由美ちゃんも美奈子ちゃんも美っていう漢字が名前に入ってるんですよね。
だから美って虫みたいだなって思ってるんだけど、
一応相手のことを考えて言わないでおいているっていう。
なんかその気づいてしまったことと相手への配慮の漢字が、
すごくホムラさんっぽいなって思う単歌です。
この単歌はですね、
ホムラさんの歌集の手紙ままみ夏の引っ越しうさぎ連れという歌集に掲載されています。
私一回この歌集読んだんですけど、
この単歌全然印象に残ってないんですよね。
そんなのあったかなっていう感じなんですけど、
あったんですよね。
なんかなんかやっぱり紙の本で見るのと、
こういうインスタレーションの、なんだろう、
似せ方で見るのと、
全然印象が違うなって思いました。
紙の時は印象に残らなかったけど、
インスタレーションでそういうふうに単歌を見せたって知った後だと、
この単歌すごくなんかじわじわ来るというか、
じわじわ面白さが伝わってきたので、
やっぱりそれって紙に印刷されているだけだとわからない、
インスタレーションの力というか見せ方の力があるなって思いました。
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なんか私結構このポッドキャストでも何度かお話ししてるんですけど、
単歌って紙に印字するだけが見せ方じゃないなって思ってるんですね。
紙に印字するだけっていうのは一番ベーシックな単歌の見せ方なんですけど、
こういうふうに手のひらに投影して、
しかも文字を漢字を動かす、生き物みたいに動かすとかですね。
あとは何度かご紹介したことありますけど、
鈴掛芯さんがやられてるみたいに単歌をキャンバス時に刺繍するっていう見せ方とか、
あとは私が個人的にやってるアクリル板に単歌を印字するとかですね。
なんか見せ方によってやっぱり受け取ると世界観が変わってくるので、
言葉、文学って見せ方って紙にプリントして終わりっていうことが多いんですけど、
やっぱそれにプラスアルファちょっと違った見せ方をすると、
さらに作品が際立ってくるんじゃないかなっていうふうに思ってます。
なんかすごい個人的な夢ですけど、
なんかすっごい余裕があったら単歌バーとかやりたいなって思っていて、
なんか単歌バーって言ってもみんなで単歌を議論するとかそういうのじゃなくて、
場所としてはただお酒を飲みに来てるだけなんですけど、
なんかお店のいたるところに単歌が置いてあるとか、
例えば照明を今回ご紹介したインスタレーションみたいに単歌が地面に投影されるとか、
飲んでるテーブルの上に投影されて動くとか、
あとなんだろうな、
例えばトイレに入ったらトイレットペーパーに単歌が印字してあるとか、
なんかあの居酒屋のトイレとかって結構見ませんか?
座ってるときに貼ってあるポスターとか、
よくあの世界一周の船の、なんか世界一周100万円みたいの貼ってますよね。
ああいうのとかもなんか結構見ちゃうんで、
なんかそういう感じでポッと単歌が貼ってあるとか、
あとはそうだな、
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なんかおつまみ食べたお皿、料理全部食べ終わったら、
お皿の底に単歌が出てくるとか、
あとグラスに切り子みたいな形で単歌が掘られてて、
ちょっと光の屈折で単歌が綺麗に見えるとか、
なんかそういうふうにいろんな形で単歌が散りばめられてて、
しかも行くたびに出会える単歌が違うとか、
なんかそんなのがあったらすっごい面白いなって思って。
あんまりいっぱいあると文字が情報型でつかれちゃうと思うんで、
なんかそういうのがさりげなく、
1回行くたびに2、3週ぐらい目に入るみたいな感じだと、
なんか行くたびにはって気づくことがありそうで、
なんかそういうバーがあったらいいなって思います。
私はあったら行ってみたいな。
できればお店の人あんま喋んないでほしいんですよね。
なんかあんまりほっといてほしい。
バーではほっといてほしくて、
たまに話しかけてくるぐらいがちょうどいいんで、
なんかそういういい感じの場所があったらいいなって思います。
飲みに行っちゃいますね、たぶん一人で。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回は本村ひろしさんの
美が虫に見えるのことをゆみちゃんと
みなこの前では言ってはダメね
をご紹介しました。
単価な世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。