00:08
こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
1週間の終わりの息抜きに聴いてください。
今回は、梅の季節にぴったりの短歌をご紹介いたします。
今週の雑談のテーマは、伝えたいことをあえて書かない特殊な短歌のセカイのお話をいたします。
梅じんたんはめば、2月に拾ったあなたの濡れ髪の味がする。
今回は、私北詰至自作の短歌で、梅じんたんはめば、2月に拾ったあなたの濡れ髪の味がするという短歌をご紹介いたします。
今回の短歌、音のリズムが独特で、区切れが10、12、9とかになるのかなと思っています。
梅じんたんはめば、2月に拾ったあなたの濡れ髪の味がする。
57577にはちょっとうまくはまっていないんですけれども、一応トータルの文字数は31文字に収まっております。
今ちょうど2月でですね、桜はまだまだもうちょっとかかりそうですけれども、梅の花がすごくいろんなところで咲いて、いい香りを漂わせていますよね。
私桜も好きなんですけど、梅の方が実は好きかな。
花の色もピンクが濃くて、白い梅とか黄色い梅とかピンクの梅とか色々ありますけど、ピンクの梅の場合だとピンク色がすごく濃くて綺麗だし、
03:16
梅の木の横を通り過ぎる時にですね、ふっと香ってくる何とも言えない甘い香りがすごくいい香りだなぁと思っています。
金木犀ほど主張が強すぎなくて、すごく奥ゆかしい香りがしますよね。
そういうところがとても好きなので、2月くらいですね、この時期に梅の花が咲いてくると、いい季節になってきたなっていうふうに思っております。
特に晴れた日よりも、やっぱり雨が降った日の方がすごく情緒があるんですよね、梅の木って。
梅の木が雨ですごく黒く濡れて、梅の花の桃色と木の真っ黒の感じとのコントラストっていうのが本当に美しいし、
あと梅の香りもね、雨で香りの成分が周りに方向が飛ぶのかな、すごくね、晴れた日よりももっと濃厚に梅の香りっていうのが漂っていて、何とも言えない風情があるんですね。
だから梅はね、雨の日に楽しむのってとっても素敵な楽しみ方だと思っています。
今回ですね、雨の日にお散歩をしながらですね、そういった梅の香りを嗅ぎながら、頭に浮かんだ炭化を自分なりにまとめて一種作ってみました。
それが梅じん炭はめば、2月に拾ったあなたの濡れ髪の味がする、という炭化になります。
ちょっとこう、恋愛の要素もありつつ、ちょっとこうなんだろう、しめっぽいセクシーな要素もありつつの歌になったんですけれども、
炭化ってやっぱり、事実をそのまま言葉にするんじゃなくって、言いたいことは言わないっていうのが鉄則なんですね。
06:07
それがね、すごく炭化の難しいところでもあり、うまく言いたいことは言わないで、言いたいことを伝えるっていうことができた時に、大きな喜びとなる部分でもあるんですけど、
私、もともとそんなこう、散歩中に梅の香りを嗅いでですね、こういうセクシーなことを思ったわけではなくて、
私はただ単純に梅のこの香り、このすごい何とも言えない濃厚な香りが本当に素敵だなっていうことを言いたいと思って炭化を作り始めました。
で、その時に梅の香りがとかって言っちゃうと、それ炭化としてはちょっとイマイチなんですね。
言いたいことを直接言葉で言うっていうのはイマイチなんですね。
なのでちょっと今回はそこを意識して炭化を作りました。
で、梅の香りがいい香りだよ、何とも言えないすごく素敵な香りなんだよっていうのを、
そこを言わないで匂わせる炭化の中に忍び込ませて匂わせるにはどうしたらいいかなって考えて思いついたのが、
梅じん炭はめば2月に拾ったあなたのぬれがめの味がするという炭化になります。
梅じん炭ってあれかな、最近の若い人はあんまり見たことないですかね。
あのじん炭ってつぶつぶのお菓子、タブレットみたいなお菓子で梅の味がする駄菓子みたいなやつですね。
あの梅の清涼剤みたいなタブレットがあるんですけど、
そうやってすごく梅の甘酸っぱい爽やかな味がしますよね。
それを口にすれば2月に拾ったあなたのぬれがめの味がする、あなたのぬれがめの味を思い出すよっていう場面を炭化にしました。
なんかこう雨でね、梅の香りがすごく芳醇になるっていうことを表現したかったので、
ぬれがめの味がするっていう、なんだろうちょっとすごくファンタジーなんですけど、
この炭化の中では2月に誰かこう、なんだろう捨てられてた、なんだろうな、なんかみすぼらしい男の子ですね。
09:04
すごく余裕のある女性が拾ってきて、で雨でずぶぬれになって、
で、お互い一目見た時にとても惹かれあって、
その子のぬれがめを口にしたっていうそのちょっとセクシーな思い出があるとして、
そのぬれがめって2月の雨に濡れてるので梅の香りをまとった雨を浴びてるから、
その子のぬれがめ自体もほんのり梅の香りと梅の味がした。
で、その子と梅じんたんを食べるたびに思い出す。
で、その時の思い出ってやっぱり香りとかってリアルに思い出せるので、
雨のその、なんだろうな、雨の中に凝縮した梅の香りとか、
その甘酸っぱい恋の思い出とか、
そういうその日の街の情景であった場所の情景とか、
そこにぬれた梅の木があったとか、
そういう思い出がすべていろいろ混ざり合って鮮明に思い出すっていうような、
そういう情景が思い浮かぶかなと思ってこの短歌を作ってみました。
やっぱりね、なんか私その短歌の言いたいことをあえて書かないっていうところって、
本当に短歌を作る上ですごく難しいんですけど、
なるべくそれを頑張ってね、今回みたいに作ると、
その言ってない言葉の裏にいろんな思いが込められて、
より歌の世界が豊かになるって思いました。
どうでしょうか。
これ自分で言ってるので、自分でうまいことできたなって思ってるんですけど、
これを聞いてくれて、この短歌を読んでくれた人も同じように思ってくれていたらとっても嬉しいです。
なんか逆にこの短歌からはそこまでのインスピレーションは感じないよって、
なるとちょっと悲しいし、もっと短歌の勉強が必要ですね。
はい、なんかそんな思いを込めて今回短歌を作ってみました。
言いたいことを言わない文章の書き方って、
12:04
すごくチャレンジングで面白いので、
ぜひ短歌を作ってみたことがない方もチャレンジしてみてほしいです。
だって文章って、言いたいことをちゃんと書くっていうのが、
学校で習う文章の基本のお作法ですよね。
特に学校の例えば作文とか、
学校の国語のテストとか、ビジネスの文章とかにおいては、
言いたいことを簡潔に書くとか、
言いたいことを相手に分かりやすくまとめるか、
相手に誤解を与えないように、
5W1Hをはっきり書くみたいなところを、
普段みんな訓練して、子供の時から訓練して書けるようになってるんですけど、
あえて言いたいことを書かないで、相手のイマジネーションに委ねるって、
誰も練習してないことなんですよね。
短歌とかそういう俳句とか、
そういう特殊な文学をたしなんでる人以外は、
みなさん経験していないことだと思うんで、
最初はね、すごく戸惑うし、
私もいまだに短歌、初めて2年ぐらい経って、
まあ私は数作らないんでね、
いまだに下手っていうのもあるんですけど、
やっぱり挑戦するたびにすごく面白いし、
普段書く文章とは全く違って、
とても感性が磨かれるなって思います。
ぜひやったことがない方は、
一度チャレンジしてみるのをおすすめです。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回は北爪至る自作の短歌で、
うめじんたんはめば、
2月に拾ったあなたのぶれ髪の味がする、
をご紹介しました。
短歌の世界の歩き方は、
毎週金曜夜8時に配信します。
それでは、おやすみなさい。