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2021-06-25 13:36

短歌のセカイの歩き方 107【北詰至】雨水の味が恋しいあるカフェの花びんでひとり死を待つわたし

◆二週連続企画!先週紹介した短歌の改作を発表します

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北詰至:脱力系サウナー/エッセイスト/小説家/歌人

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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
今回は、2週連続企画の第2回目の配信です。
先週ご紹介した短歌の改作を、今回発表いたします。
先週ご紹介した短歌がどんな風に変わったのか、楽しみにお聞きください。
短歌がもっと楽しくなる15分です。
雨水の味が恋しいあるカフェの 花瓶で一人死を待つ私
今回は、私、北詰至自作の短歌で、
雨水の味が恋しいあるカフェの 花瓶で一人死を待つ私
という短歌をご紹介します。
冒頭にもお伝えした通り、前回ご紹介した短歌の改作になります。
前回ご紹介した短歌が、天からの雨水恋しいあるカフェの 花瓶で一人死を待つ私という短歌でした。
そして改作後が、雨水の味が恋しいあるカフェの 花瓶で一人死を待つ私です。
指紋の句は変更してなくて、髪の句の 天からの雨水恋しいというところを
雨水の味が恋しいに変更しました。
いかがでしょうか?
どっちの方が好きですかね?
前回作った天からの雨水恋しいあるカフェの 花瓶で一人死を待つ私という短歌なんですけど、
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この歌をもって歌会に参加したんですね。
その時にやっぱり人によって思い描く情景が全然違っていて、
私はこの短歌を読んだ時に、もう二度と雨水は飲めないっていう思いを込めて、
天からの雨水恋しいっていう風に作ったんですけど、
人によっては天からの雨水恋しいっていうフレーズから、
もしかしたらその花瓶がカフェのテラスがどこか外に置いてあって、
また雨を受けるのを心待ちにしている?
また雨水を受けられるっていう状況なのかなって思ったっていう意見があって、
それはそれで短歌として別に成立してないわけではないので、
そういう読み方もいいと思いましたし、
短歌って人によってどういう風に捉えるかって変わってくるので、
そこの捉え方の違いっていうのもすごく面白いんですけれども、
私は個人的にはもう雨水は二度と飲めないっていう方が、
下野区の一人死を待つ私っていう状況が際立つかなって思ったんですね。
そこを際立たせるんだったら、やっぱりもう一回雨水飲めるかもみたいな風に
読み取っちゃうような誤解を与える表現は消したかったので、
そこをどういう風に変えようかなっていうところを中心に解策をしました。
で、天からの雨水恋しいという上野区のフレーズを
雨水の味が恋しいっていう風にしました。
雨水の味が恋しいっていう、その雨水の味を恋こがれてるところが出てるといいなっていう風に思います。
あとは下野区で、あるカフェの花瓶でっていう風にカフェっていう言葉が出てくるので、
雨水の味っていう風な表現をすると、
途中のそのカフェっていう場所の設定も生きてくるかなっていう風に思いました。
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なんかこう味っていう言葉がない、解策前のやつだと、
いきなりカフェっていう言葉が出てくるとちょっと唐突感があって、
なんか情景を思い浮かべるのに苦労するかなって思ったんですね。
なので、上野区であちっていう単語を出すことで、
すんなりその後のあるカフェっていう情景が思い浮かびやすくなるかなと思って、
雨水の味という言葉に変えてみました。
あとはね、解策前のなんかの場合だと、
天からの雨水って言葉を使ってたんですけど、
これね、最初に自分で作った時も違和感があって、
天からの雨水ってなんか重複してるなって思ったんですね。
雨水って天から降るものじゃないですか。
なんかだからその、わざわざ天からのって言わなくてもいいかなっていうのは、
最初に作ってた時も感じていて、ちょっとくどいかなって思ってたんですね。
雨水をわざわざ天からのって言うっていうのは。
ただなんか最終的に天からの雨水で疑いに出したのは、
その後にこう死を待つ私っていうのが出てくるので、
なんかその最初に天っていう言葉を出すことで、
なんかそのカフェの花瓶に刺さっているこのタンカの主体、
このタンカの主人公が、
なんですかね、イケバナとかだと思うんですけど、
それがこう空を見上げて、
雨水が恋しい。
でも私、もうすぐあの天に行っちゃうんだなっていう、
なんかその物語性が出るからいいかなって思ったんですね。
で、それで天からの雨水っていう風にしてたんですけど、
まあでもそこまで言わなくても、
なんかやっぱり天からの雨水ってちょっとくどいなっていう気がして、
あとなんだろうな、なんかね結構解釈ポイントいろいろあったんですよ。
あとはね、その最初の解釈前の天からの雨水恋しい、
あるカフェの花瓶で一人死を待つ私って、
声に出すと読みづらいんですよね。
なんか忙しいというか。
で、文字の使い方を私なるべく柔らかくしてて、
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一人とか私とか花瓶とかをなるべくひらがなを多めに入れてるんですね。
で、それはなんかそのカフェの優しい雰囲気を出したかったっていうのと、
そうだな。
なんかその文字の、目で見た時もふんわりした感じを出したいなって思ったんですけど、
なんかそのやっぱり髪の毛の天からの雨水恋しいっていうのが、
その天っていう立ち捨てとから始まるってなんかねちょっと固くなっちゃうなって思ったんです。
なのでなんかそこも声に出した時も、
なんかこのカフェの柔らかさとか、
この主体、なんかの主体がお花たちが柔らかく死を受け入れてるような雰囲気が出たら、
もうちょっと良くなるのかなっていう風に考えて、
天からのっていう固い言葉をとって、
で、雨水の味が恋しいあるカフェの花瓶で一人死を待つ私っていう風にしました。
で、なんかこの方がなんかなんだろうな、
そのさっき言ったような柔らかい雰囲気が出るかなって思っています。
そんなポイントで自分で作った短歌を1週間かけて改作してみたんですけど、いかがでしたでしょうか。
なんかやっぱり短歌作る時見直すのって大事ですね。
私結構その改作前の短歌は特巻で作ったので、あんまり見直さなかったんですよ。
1日2日ぐらいでバッって、あ、そんなにかかってないか。
うん、そうですね。
場面設定思いついた後は1日もかからず作っちゃって、
で、なんかちょっと違和感あるなって思ったけど、
どこを直していいかうまく思い浮かばなくて、
で、もういいやと思ってそれで出しちゃったんですね。
なんですけど、意見を聞いて、
あ、この部分がちょっと自分の意図してたところと違う風に伝わりやすいから、
もうちょっと自分の意図の方に寄せたいなと思って、
で、それで改作をしてみました。
やっぱり自分で作って自分で改作するのって1人だけでは難しくて、
その客観的にこの歌を見てくれる人の意見をもらえるっていうのはすごく貴重な機会ですね。
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私歌書いて怖くて苦手なんで結構避けてたんですけど、
でもなんか優しくいろんな意見を聞けたのですごく良かったです。
やっぱり人の意見を聞くって大事だなって思いました。
来週はまた自作の短歌ではなくて、
何か歌人の方とかの素敵な短歌をご紹介できたらいいなと思っています。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回は北爪至る自作の短歌で、
雨水の味が恋しい春カフェの花瓶で一人死を待つ私をご紹介しました。
短歌の世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。
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