00:09
こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
1週間の終わりの息抜きに聴いてください。
今回は、薬師間の自然を歌った短歌をご紹介します。
短歌の楽しみ方の一つである、歌に読み込まれた言葉の意味の探り方についてお話しします。
短歌がもっと楽しくなる15分です。
今回は、松下まさきさんの紀元杉の緑の苔より育ちたる、尺投げの花、今盛りなりという短歌をご紹介します。
この短歌は、松下まさきさんの旅の調べ式を歌うという歌集に収録されています。
旅の短歌っていうのは結構多いんですよね。
やっぱり旅って創作意欲をかきたてたり、新しいものに出会って感動したりすることが多いので、
短歌を作るにはとても向いている環境だと思います。
俳句なんかだと、旅をしたり散策したりしながら俳句を作る銀行っていうのがありますよね。
短歌もそういうのってあるんですかね。
そういうこと銀行というみたいなことってあるんですかね。
旅の短歌っていうのは、短歌の中でも多い種類のものかなと思います。
03:02
松下さんのこの旅の調べ式を歌うという歌集も、旅にまつわる短歌を収録した歌集になります。
今回は薬杉を旅行した時に読んだであろう短歌をご紹介しています。
きげんすぎのみどりのこけよりそだちたる しゃくなげのはないまさかりなり
しゃくなげの花は春に咲くお花なので、4月5月ぐらいですかね。
薬島の雄大な自然の中を散策した時に読んだ短歌なんじゃないかなと思います。
今回薬島のこのきげんすぎの短歌をご紹介しようと思ったきっかけは、
ちょうど私が今薬杉の、薬杉じゃないや、薬島の旅のエッセイを執筆してるんですね。
旅行自体は去年の秋に行ったものなんですけど、
今振り返りながら旅のエッセイを執筆しています。
そのつながりで薬島の短歌ってないのかなと思って探した時に見つけたのが、
この松下さんのきげんすぎのみどりのこけよりそだちたる しゃくなげの花いまさかりなりという短歌でした。
薬島に行ったことがある方はわかると思うんですけど、
あのみどりのこけがびっしり生えてる森の中ね、
まさにもののけ姫の世界のような風景っていうのはすごく印象的ですよね。
薬杉もいろいろ呼び方があって、
縄文杉とか紀元杉とか弥生杉とか、
その杉の木の樹齢によって呼び方が変わるんですね。
今回は紀元杉のことを読んだ歌です。
紀元杉は樹齢3000年を超える薬島の薬杉の呼び名で、
薬島にある杉の木の中でも最長老朽の樹齢という風に呼ばれています。
3000年っていうのが紀元前ですよね。
今が2021年なので、
06:01
それよりも紀元よりも遥か1000年以上を昔から経っている杉の木ということになりますよね。
私は薬島に行った時に紀元杉は見に行かなくて、
縄文杉も見てなくてですね、弥生杉は見たのかな?
割と薬杉の中でも年代が新しめな杉の木しか見ていないんですけれども、
それでもものすごく迫力がありました。
だから紀元杉は見てないんだけど、
多分もう本当に神様の気配を感じるようなすごい巨大で壮音な木なんだろうなというふうに思います。
今回のなんか紀元杉の緑の苔より育ちたる
ということで、紀元杉にこべりついた緑の苔からそこに種が着草して、
芽が芽吹いて、で、薬薙の花が咲いているというすごく神秘的な光景をうたったんですけれども、
この短歌そのまま見るだけでも、
薬島の自然をうたったとっても素敵な短歌なんですけれども、
薬薙の花言葉がですね、
で、その花言葉を知ると、
この紀元杉のとっても偉大で壮音な木、
とっても神秘的な光景をうたったんですけれども、
その花言葉を知ると、
この紀元杉のとっても偉大で壮音な木、
とっても神秘的な光景をうたったんですけれども、
とっても偉大で壮音な雰囲気、
薬薙がさらにその薬杉の紀元杉の壮音さを増している、
さらに壮音さをプラスしているっていう風にも捉えられると思いました。
だからその薬薙の花が実際に咲いてたかどうかはわからないんですけど、
ただでさえ壮音な紀元杉に、
その花言葉、壮音とか威厳っていう花言葉を持つ薬薙を添えることによって、
紀元杉の偉大さ、その神秘さみたいなものが、
さらに強調されるなっていう風に感じました。
09:05
単歌って実際の風景をそのまま読むことももちろんあるんですけれども、
半分創作で自分が感じたことに、
より重みを持たせたり、その世界を膨らませたりするっていうことも行われます。
そうすることで自分が感じたこの単歌の場合だったら、
紀元杉の壮音さっていうのをもっともっと増幅して相手に届けることができるんですね。
そういうことを考えると、実際この紀元杉に薬薙の花が苔から芽吹いて、
花盛りになってたかどうかはわからないけれども、
もし仮に薬薙の花が咲いてなかったとしても、
この歌の中に薬薙の花っていういかにもありそうなことを読み込むことで、
その時作者が感じた紀元杉の壮音さっていうのが引き立つ単歌にしてるんじゃないかなって思いました。
これはあくまでも私の家庭、私の個人的な感想なので、
実際は薬薙の花が花盛りに咲き誇っていたかもしれないんですけれども、
単歌の世界っていうのはあえてそういう風に創作をすることも多々あるっていうことを今回お伝えしたいなと思いました。
だからね、私この単歌をパッと見た時に、自分が言った訳しまと重ね合わせて、
綺麗な単歌だなって思ったんですけれども、
薬薙の花ってどんな花だっけとか、いつ咲くんだっけ、花言葉はどんな意味があるんだろうって調べた時に、
威厳壮言っていう花言葉があるっていうのを知って、その瞬間に結構鳥肌が立ったんですよね。
あ、これってもしかして紀元杉の偉大さを強調したくて使ってるんじゃないかなっていう仮説が一個そこで浮かんだので、
それが私の仮説通りに意味を持たせるために薬薙の花を使ったのか、
12:04
本当にただ単純に紀元杉に薬薙の花が咲いていただけなのかはわからないけれども、
こうやってそのこの言葉の裏にはどんな意味があるんだろうっていう仮説を立てて深読みしていくっていうのは、
単歌の楽しみ方の一つだと思います。
こうやって読んでいくといろんな発見があってすごく面白いんですよね。
たった31文字しかないんですけど、
あ、シャクナゲってそういう花言葉があるんだとか、
紀元杉ってこんなに3000年も古い杉の木なんだとか、
歌に読み込まれた言葉一つ一つを調べていくと、もっと歌の世界がわかってくるっていう楽しさがあります。
これをね、単歌を楽しむ側としてはそういうのってすごく楽しい作業なんですけど、
単歌を作る側としてはそういう裏を持たせる単歌を作るっていうのはなかなか難しいですね。
もうそういう単歌を作るためにはたくさん知識を持ってないといけないし、
想像力も豊かじゃないといけない。
そこが難しいところでもありますね。
たくさんこういう単歌を読むことで、自分がいざ作り手になった時も活かせるんじゃないかなと思いました。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回は松下まさきさんの、
機嫌すぎの緑の苔より育ちたる、
シャクナゲの花、今盛り成りをご紹介しました。
単歌の世界の歩き方は、毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。