1. 短歌のセカイの歩き方
  2. 短歌でおしゃべり 05【鳥居】..
2019-06-01 11:08

短歌でおしゃべり 05【鳥居】あおぞらが、妙に、乾いて、紫陽花が、路に、あざやか なんで死んだの

今回は、深い苦しみを冷静な視線で描いた短歌をご紹介します【鳥居】あおぞらが、妙に、乾いて、紫陽花が、路に、あざやか なんで死んだの
00:09
短歌でおしゃべり
このポッドキャストは、好きな歌人の方の短歌や、自分で作った短歌について、勝手にあれこれ想像しながらおしゃべりしています。
今回は、心の叫びが冷静な視線で淡々と描かれる短歌をご紹介します。
それでは、今回の短歌をご紹介します。
青空が妙に乾いて、紫陽花が道に鮮やか、何で死んだの?
今回の短歌は、セーラー服の歌人として知られるトリーさんの短歌です。
すごくこれを聞いた時にドキッとされた方もいると思うんですけれども、私もこの短歌を初めてネットで目にした時にすごく苦しくなりました。
多分、短歌を好きな方はご存知の方もいるかもしれないんですけれども、
このトリーさんという方は、いろいろ辛い目に子供の時から慌れていて、
ご両親を早くに亡くしたり、学校にちゃんと通えなかったり、施設で辛い目に遭ったりとかですね、
そういう思いをされてきた方なんですけれども、きっとご自身のそういう大変だった体験っていうのが、
トリーさんの短歌にはすごく含まれていると思うんですね。
なんですけど、そういうバックグラウンドを知って、後期の目では見てほしくないなっていうふうに私は思いました。
だからご紹介する時は、あえてトリーさんが経験されたすごく壮絶な過去を、はっきりした言葉ではお伝えするのはやめようと思って、
もし興味のある方はインターネットを調べればいろいろ出てくるので、ご自身で見ていただければなと思うんですけれども、
03:09
そういったことなしにこの歌に込められた苦しい思いっていうのは、
多分そこまで辛い経験をされてこなかった方でもすごく響くものがあると思いました。
この歌って本当になんか不思議な歌で、前半は梅雨の綺麗な風景を読んだ歌のように思えるんですね。
読み進めていく時に。
青空が妙に乾いて、紫陽花が道に鮮やか。
っていうところまでは、なんか梅雨なのにこんなに妙にカラッとしてて、
でも梅雨の雨ですくすく育った紫陽花が道に鮮やかに生えて、
とっても良い日のある梅雨の晴れ間、つかの間の晴れ間のとっても良い日に気分よく読んだような歌に思えるんですけど、
そこで急に最後の7文字が、「なんで死んだの?」っていう亡くなってしまった身近な人に対する、
なんでしょうね、これって怒りなのかな、怒りとか悲しみとか鳥居さんの苦しみとかですよね、きっと。
なんかそういう言葉が出てきて、
なんかこの歌を読んでるとなんか涙が出そうになりますね。
とっても胸に迫るものがあります。
この歌って多分そういったすごく苦しい出来事を歌った歌だと思うんですけど、
本当に苦しい時ってすごく単純に考えると、
辛い辛い辛い苦しい、なんで死んだの?っていう気持ちになりそうな気がするじゃないですか。
そういう時に読む歌ってそういう単価になっちゃうのかなってすごく単純に考えるとそういう風に思うんですけど、
きっとあの実際はそうじゃなくて、
その事実が受け止めきれないぐらいとっても辛くて、
壮絶であればあるほど、
なんか人間って自分を守るためなのか、
少し変に冷静になるというか、変になんか理性的になるというか、
苦しみをなんかこう無理して抑えて、
青空とか紫陽花とか、
前向きななんか綺麗なもの、美しいもの、
06:04
見ようとか考えようとかって思うんだけど、
自分は理性的だって思ってる時に、
急に心の底から現れてくる、
自分の心の底から現れてくる、
本当の自分の苦しみみたいなのが、
急に出てくるんだと思うんですよね。
青空が妙に乾いて、紫陽花が道に鮮やか。
なんで死んだの?
道に鮮やかって読むところまで、
だけど、殺し切れなくって、
急に本音が出てきちゃったというか、
理性で抑えられなくなる瞬間みたいな、
なんか自分でもそういう状況なんだけど、
自分の心を抑える、
自分の心を抑える、
自分の心を抑える、
抑えられなくなる瞬間みたいな
なんか自分でもびっくりしてそうな気がしました
道に鮮やかっていうところまでは
いつもの私だわって無理して思ってて
そこで急になんか口をついで無意識で
なんで死んだのって出てきてしまって
言った党の本人が驚いてるみたいな
なんかそういう
あれ私何を言っちゃったんだろうみたいな
なんかそういう戸惑い
直視できない自分の心の苦しみみたいなものが
私はすごく感じて
ここまで自分に正直な歌
自分の気持ちをすごく冷静に正直に見てる歌だなと思って
なんかこの歌に向き合う時って
きっと苦しかったんじゃないかなって思うんですけど
多分書いてる時きっと苦しいと思うんですよね
こういう歌って
冷静な理性的な自分と
理性では抑えきれなかった苦しい自分が
同居してるっていう歌なので
それを客観視して歌にするっていうのは
すごく苦しい作業だと思うんですけど
なんかその苦しみを超えてすごく淡々として
そういう苦しみが伝わってくる歌にするっていうのは
きっと歌にすることで
09:00
救われる部分もあるだろうし
この歌を作って他の方が
読んだ方が何か救われてくれればいいなみたいな
気持ちもあるかもしれないし
複雑ですね
作ってる時はきっとすごく苦しいんだろうし
なんか何て言ったらいいかわからないです
なんとも言えない気持ちになりました
でもなんかこういった歌
私はすごく好きなので
なんか私はちょっとうまく言葉にできないですけど
これを見た皆さんが
このポッドキャストを聞いてくれてる皆さんが
この歌を読んで何か綿綿に感じることがあれば
いいなと思います
それが決して何か苦しさを
無理に思い出させるようなことではなくて
苦しかった過去を
救ってくれるような気持ちに
この歌を読むことで
そういう気持ちになってくれたら
嬉しいなと思います
苦しい歌なんですけど
なんかそういうちょっと救いもあるような
歌だと思ったので
ご紹介しました
いかがでしたでしょうか
今回は
鳥居さんの
青空が
妙に乾いて
紫陽花が
道に鮮やか
なんで死んだの
をご紹介しました
単歌でおしゃべり
今回はこの辺で終わりにしたいと思います
また聞いてくださいね
ばいばーい
11:08

コメント

スクロール