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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
1週間の終わりの息抜きに聞いてください。
今回は、母音の音に注目した短歌をご紹介します。
母音がアの言葉と母音がウの言葉は、どんな違いがあると思いますか?
一緒に声に出してみながら、違いを味わってみましょう。
今日は、藤原隆一郎さんの、「ああ夕日、明日の情の明日さえ、既に春劇、昨日とならば。」をご紹介します。
いつもご紹介する短歌を選ぶときは、
なんとなくネットとか自分で読んだ本の中から、その時いいなと思ったものをご紹介しているんですけど、
今回は、こういう言葉が入った短歌をご紹介したいなと思って、意識的に探してみました。
どこが今回選んだ短歌のポイントかと言いますと、
明日っていう言葉と、昨日っていう言葉が一つの歌の中に入っています。
ああ夕日、明日の情の明日さえ、既に春劇、昨日とならば。
明日が2回入っていて、昨日という言葉が一つ入っている短歌になります。
で、なんで明日と昨日が入っている短歌を選ぼうと思ったかというと、
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この間ね、漫画を読んだんですよ。
田村由美さんのミステリーという流れっていう漫画なんですけど、結構面白くて、
で、その中で主人公が言ったセリフの中ですね、主人公がすごい白色なんですけど、
あの、夕で終わる名前はネクラらしいですっていう話を何度かしてたんですね。
で、主人公自身が名前の最後の音、最後の母音が夕で終わる名前なんですよ。
トトのウっていう名前なんですけど、ウだから夕で終わりますよね。
で、夕で終わる名前はネクラらしいですよっていうのを漫画の中で何度も言ってるんですけど、
ああ、そうなのかと思って、その話を読んだ時に。
で、私の筆名、筆名っていうのはあれですね、タンカのペンネームですね。
ペンネームは、えっと、北爪板ルなので、夕で終わるんですよね。
ルなので母音が夕ですよね。
なので、確かにタンカを作るときはネクラな気持ちでやってるかなって思いました。
なんかあの、創作の元になる意欲って、私の場合はネクラな気持ちなんですよね。
ネクラな気持ちとかマイナスな感情?
嫌だとか不快だとか寂しいとか辛いとか、
なんかそういった感情って結構その創作の糧になるというか。
で、作ってるうちに癒されていくっていうこともありますし、
だからなんかあの、この筆名、ペンネームは意外とこう自分の創作と合ってるかなって思いました。
だけど本名はAで終わるんですよね。
Aの母音って、アとかアカサタナですけど、Aの母音で終わる音って。
Aの母音って、タンカって結構なんか母音の音を気にするんですよね。
人の批評とかを読んでても、結構この歌は母音で終わるんですよね。
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人の批評とかを読んでても、結構この歌は母音がAが、
Aの音が多くてとかなんか書いてあったりすることが多くて。
Aの音っていうのは明るくて伸びやかな感じなんですよ。
Aって声に出して言ってみると、胸が開いてちょっとこう上向き。
顔もちょっと上向きになって、明るくてちょっと楽しい響き。
広がりがあるような感じがしますよね。
Aの音がたくさん入っていると、なんかそういう雰囲気の歌。
明るくて健やかな感じ、伸びやかな感じのタンカっていうのがすごく多いんですね。
で、その音の、母音の音によって気分が変わるんですね。
母音の音によって気分が変わってくるっていうのは確かにあって、
タンカの世界では母音の音って結構気にしますけど、
確かにそれが名前に対してもあるんじゃないかなって思ったんですよ。
だからその漫画の主人公は、
ユーで終わるとネクララシーリスっていうのは、
ウーの音は結構何ですかね、もうちょっと詰まった感じ。
ウーって発音するとちょっと胸がキュッとなって、口もウーってすぼむし、
上向きな言葉じゃないですよね。割と下に向かって吐く言葉のイメージがあるので、
だからウーの母音の音を毎日その名前で呼ばれるわけじゃないですか。
トトノウって呼ばれるわけですよね。
で、そういうウーの母音の音を毎日毎日聞いてると、
確かにそういうふうに引っ張られていく人もいるかもしれないなって思いました。
私はアの音なんで、どっちかっていうと明るい感じにずっと呼ばれてきたのかなって思うんですけど、
意外と名前で呼ばれることがなくて、あだ名が多いんでね。
そういう違いもあるのかなって思いますけど。
母音の響きって気持ちとか印象に影響しますよねっていうお話でした。
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で、アとかウの母音のことを考えたときに、どんな言葉があるかなって考えてたんですね。
で、そしたらアとかウの母音のことを考えたときに、
どんな言葉があるかなって考えてたんですね。
で、そしたらアシタっていう言葉ってアだけど、最後の母音がアだけど、
キノウって最後の母音がウだなって思って、
で、アシタとキノウとかでも確かに母音がアとウで、
母音に引っ張られるイメージがあるなって思ったんですよ。
アシタっていうと希望に満ち溢れてる感じ。
未来に向かってる感じ。
すごく前向きで明るい感じがしますよね。
単語からもそうだし、その影響って母音の音からも来てるんじゃないかなって思ったんですよ。
で、逆にキノウっていう言葉は、言葉からも後ろ、過去だから、
ちょっと後ろ向きな感じ、あとはノスタルジーな感じがするけど、
それは母音の影響もあるんじゃないかなって思ったんですね。
で、なんかそれがすごくその対比が面白いなと思って、
アシタとキノウも母音がアとウなんだって思ったんですよ。
アシタとキノウも母音がアとウなんだっていうのがすごく面白くて、
で、なんか一つの歌の中で、
アシタとキノウっていう言葉が入ってる歌はないかなと思って探してみました。
ちょっと前置きが長くなっちゃいましたけど、
そういう理由で、今日この藤原隆一郎さんの
ああ、夕日、明日の城の明日さえ、
既にはるけき、昨日とならば、という段階を選んでみました。
はるけきっていうのは、遠くに隔ったっている様だそうなんで、
昨日がもうすごく遠くの昨日ってことですよね。
遥か昔の昨日とならばっていう意味だと思います。
で、この歌の意味は、
たぶんね、そのまま素直に読むなら、私の読み方はですね、
夕日を見てて、こう、明日の城の明日さえ、
もう昨日、遠い昔のことなんだなっていうことなのかなと思いました。
歌の読み取り方って人によってまちまちだと思うので、
こう、解釈しなきゃいけないっていうのはないと思うんですけど、
私がこの歌を読んだ時に、こういうことかなって感じたのは、
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明日の城ってすごく昔の漫画ですよね。
で、だけどその昔の漫画、その当時、
連載してたときは、明日の城っていうタイトル通り、
主人公の城の明日、
その城がボクシングでどんどん活躍していくっていう、
その城の未来に向かっての話だったと思うんですけど、
もうその漫画もすごく昔のことになっちゃって、
もう若い人は知らないけど、
明日の城の明日なんてもうずいぶん過去の話なんですよね。
なんかそういうその時間の流れ、
なんか自分の老いとかも感じてるんですかね。
なんかそれを明日の城を読んでたあの時の明日っていうのは、
もうずいぶん昔の話なんですよね。
で、一番最初にああ夕日って出てくるんですけど、
これが本当にそのノスタルジーをさらに強調してる感覚なんですよね。
で、この映画の映像は、
映画の映像は、
映画の映像は、
映画の映像は、
映画の映像は
さらに強調してる感じがして、
夕日ってなんか、
ちょっとこう、なんだろう、
もうこんなに時間が経っちゃったっていう感じがしますよね。
一日の中でも、
もう夕日になってるって思うと、
なんかこう愕然とするっていうか、
知らないうちにね、
気づいたらあっという間に、
なんか無力感っていうか、
今日一日何も成してないのに、
もう日が沈んでしまったっていうような、
こう自分が何もやれてない感?
何も達成してないその無力感のうちに、
一日が終わってしまったっていうような、
なんかそういう気持ちにさせるんですよね。
夕日を見た時に。
なんかすごく充実して、
やりたいこと全部できたっていう日の夕日で、
見方違うと思うんですけど、
そういう日はね、
夕日っていう言葉は出てこないと思うんですよ。
なんとなく。
だから夕日っていう時は、
なんかすごく無力のうちに終わってしまったっていう、
その後悔とか、
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悲しみ、
なんか無力感みたいなのがあるんじゃないかなって思いました。
で、この短歌の中では、
その夕日って一日の終わりだけを指してるわけじゃなくて、
なんかちょっと人生の終わりも
暗示してる感じがしますね。
明日のジョーの明日。
若い時に読んでた明日のジョーの明日も、
もう遥か遠く、
昨日、
昨日ってすごく昔のことですよね。
昔になってしまって、
もう日が沈んじゃうっていうのは、
なんかその人生の日が沈んじゃうっていう、
なんか自分の人生、
ちゃんとやってこれたんだろうかっていうような、
なんかその、
そういう、
自分の人生に対しての後悔というか、
なんかそういう、
ちょっと壮大な人生の歌、
みたいな気がしましたね。
はい。
今日はちょっと長くなってしまいましたけど、
私はこの藤原隆一郎さんの短歌を、
そんな風に読んでみました。
短歌の読み方は自由なので、
ぜひ皆さんもですね、
この短歌をじーっと見つめて、
この言葉から連想されることっていうのを、
自分の中であれこれ思い出してみたりとかですね、
関連することを思い出したりとか、
何か自分の中で連想してみたりして、
自分オリジナルの、
なんかしっくりくる読み方を、
見つけてみていただければなっていう風に思います。
はい。いかがでしたでしょうか。
はい。いかがでしたでしょうか。
今回は藤原隆一郎さんの、
ああ夕日、あしたの情のあしたさえ、
すでにはるけき、きのうとならば、
をご紹介しました。
短歌の世界の歩き方は、
毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週、金曜夜にお会いしましょう。
それでは、おやすみなさい。