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◆「あの夏」を思い出す短歌/夏休みの恋のはなし

夏の短歌をご紹介します。短歌のセカイを歩きながら、あなたにもある「あの夏」のエピソードを一緒に思い出してみませんか。

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北詰至:脱力系サウナー/エッセイスト/小説家/歌人

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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
今回は、夏の短歌をご紹介します。
短歌のセカイを歩きながら、あなたにもあるあの夏のエピソードを一緒に思い出してみませんか?
短歌がもっと楽しくなる15分です。
あの夏の数限りなき、そしてまた、たった一つの表情をせよ。
あの夏の数限りなき、そしてまた、たった一つの表情をせよという短歌をご紹介します。
ちょうど8月、夏なので、夏にまつわる短歌をご紹介します。
実はこの小野しげきさんのあの夏の数限りなき、そしてまた、たった一つの表情をせよという短歌は、以前にもご紹介したことがあります。
それが、自分の配信を遡ってみたらですね、かなり初期の頃ですね、第12回の配信でご紹介していました。
第12回配信はですね、まだポッドキャストを始めたばかりで、音がね、すっごい酷かったです。
もうなんか換気扇なのか、なんかそういう雑音もすごいし、自分の音声もかなり悪いし、挙句の果てに音声が途中で切れちゃったりしててですね、かなり酷い音質でした。
ただ私この小野さんの短歌が夏の短歌ですごく好きなので、今日改めてまたご紹介させていただきます。
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ちょうどですね、今私が入って参加している短歌部のお題が、夏休みっていうお題なんですね。
で、ちょうど今夏休みにまつわる短歌を自分でも作ってるんですけど、夏休みとか夏って聞くと、私が一番に思い出すのがこの小野しげきさんの短歌なんですね。
あの夏の数限りなき、そしてまた、たった一つの表情をせよ。
短歌って歌なので、歌を思わず何かの場面で口ずさんじゃうことってありますよね。
そういう感じで短歌もある思い出深い場面に遭遇したり、夏がやってきたなーって思った時に思い出す短歌っていうのがいくつかあります。
なので、短歌に馴染みのない方は、普通のJポップとかね、そういう歌と同じような感じなんだっていう風に捉えていただければ、もっと短歌が身近になるんじゃないかなと思います。
で、夏が来ると私が思い出す短歌が、あの夏の数限りなき、そしてまた、たった一つの表情をせよ、という短歌です。
前回このポッドキャストでこの短歌をご紹介した時、この歌の解釈はこういう風に解釈してました。
まず、あの夏っていうのは子供時代の場面なんじゃないかっていうのと、
あと表情っていうのは、子供同士でわちゃわちゃ笑い合ってる、遊んでる、そういう楽しい夏休みの思い出みたいな、そういった場面のことを読んだ短歌なんじゃないかなっていう風に解釈して、この歌をご紹介しました。
で、私今回ご紹介するにあたって、もう一度この短歌と向き合ってみたんですけど、今回はですね、またちょっと違った解釈をご紹介したいと思います。
前回から2年ぐらい経ってるんですけど、改めてこの歌を見た時にすごく気になる言葉が、最後のせよっていう言葉だったんですね。
あの夏の数限りなき、そしてまたたった一つの表情をせよ。
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命令形になってるのがすごく気になりますよね。
で、これって誰に向かって言ってるのかなって考えたんですね。
で、いろいろなんかこの歌と向き合って、この歌の世界をうろうろと歩いてみた結果ですね。
もしかしたら自分に向かって言ってるのかなっていう風に感じました。
で、またそのたった一つの表情っていうのは、どんな表情なんだろうって想像した時に、自分に向かって表情をせよって命令口調で言ってるっていうことは、
なんか笑顔とかそういうことではなくて、なんとなく決意の表情みたいな強い感情を伴った表情なんじゃないかなっていう風に思いました。
で、なんかそう考えるとね、もうここからは私の完全な妄想ですけど、高校給仕の世界みたいなものが見えてきたんですね。
で、高校給仕って夏の講師園がやっぱりメインの舞台で、みんなそのために普段の練習を頑張ってますよね。
で、その夏、勝負の夏が来た時にね、この夏を逃せないっていう本当に一度きりの夏だと思うんですよ。
で、そうした時の強い決意というか、この夏を絶対いい夏にするっていう、絶対にこうベストを尽くしてやるんだっていうような強い表情、
それがあの夏の数限りなき、そしてまたたった一つの表情をせよっていうことなのかなっていう風に思いました。
なんかやっぱりこのせよっていう命令形がどうしても気になるんですよね。
なんか笑顔の表情だったら、せよってね、笑顔を作れってなんか命令するってちょっと合わないような気もするし、
それを増して自分ではない他人に向かってこの表情をせよっていうのも、なんかちょっとこう命令苦情というか、なんかすごい軍隊の隊長みたいな感じじゃないですか。
だからなんとなくこう命令苦情から意思の強い表情を自分に向かって、もう一度あの時の表情をせよって自分に言い聞かせてるような感じがしました。
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そうするとなんかこうあの夏の数限りなき、そしてまたたった一つの表情っていうのも、なんか高校球児の野球の世界だとなんかこう場面がすごく膨らんで見えてきて、ストーリーが見えてきたんですね。
なのでなんかこういうストーリーももしかしたらありなんじゃないかなって思いました。
なんか私思ったんですけど、このものしげきさんの単価ってね、すごくいい単価で、で私がすでに2つもね、前回と今回の2つも全く違うストーリーを考えたんですけど、
これって本当に人によって想像するストーリーってバラバラだと思うんですよ。あの夏のストーリーっていうのは多分みんなに本当に多様ないろんなストーリーがあると思うんですね。
夏ってやっぱりストーリー起こりやすいですよね。
ひと夏の恋みたいなのとかね、そういうのもありますし、夏休みもあったりしてね、普段と違う体験をするのでストーリーが起こりやすいと思うんですけど、なんかこの単価をテーマにしたオムニバスのドラマとか映画があったらすごく面白いですよね。
どうでしょうか。
なんかみんなのそのあの夏の数限りなきそしてまたたった一つの表情を背負うっていうストーリーをなんかひとつにまとめるってなんか面白そうだなーって思って、誰かやらないかなーって思ってます。
自分でやればいいのかもしれないけど、ちょっとね最近忙しくて、なかなかね、こうやって思いつきだけはたくさんあるんですけど、なかなか手をつけられないので、なんかそういうのが誰かやってみたい人がいたらやってくれたら私はなんかすごく楽しいかなって思います。
前回私はこの単価をご紹介したときに、ついでに自分のね、あの夏の思い出をご紹介したんですけど、今日ももう一個印象的な夏の思い出のエピソードをご紹介したいと思います。
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夏って言うと、思い出す出来事、大きな出来事が2つあって、そのうちの一つは前回ご紹介した子供の時にプールに行って友達とケンちゃんラーメンを食べたっていう思い出なんですね。
もう夏って聞くと私はその出来事を思い出します。
もう一個すごく印象的にいつまで経っても夏と聞くと思い出す出来事があって、それは中学校の時に夏休みがちょっと憂鬱だったっていう出来事です。
中学校の時に好きな人がいて、クラスの男の子なんだけど、学校がある時は毎日会えるんですよね。
なんだけど夏休みになると全く会えなくなるので、それが1ヶ月ちょっと会えないっていうのは本当に中学生にとってはすごく辛くて、毎日会いたいなーって顔を思い浮かべて思ってました。
1ヶ月ちょっと会えなくてすごく会いたいってあんなに強く思うっていうのは、なかなか大人になると減ってきてですね、やっぱり子供の感情ってすごく強烈だったんだなって今思うと思います。
大人になると意外と会わなくても平気になっちゃうっていうか、慣れちゃうっていうところもあってね、あそこまでのすごく鮮烈な思いっていうのはなくなりつつあるんですけど、すごく会いたいっていう強い気持ち、それをすごく鮮明に思い出しますね。
部活では学校に行ったりするので、部活の時に会えないかなーって思ったりするんですけど、同じ部活ではなかったので、たまたまその練習の日程がね、会えば会えるかもみたいな感じだったので、実際はほとんど会えなかったんですよね。
で、最後にはですね、とうとう違う人をその好きな人って見間違える、見間違えちゃったんですよ。
姿形が似てる人がいて、「あ!あの人かも!」って思ったんだけど、結局見間違いで違う人だったっていうことがあって、そこまで幻覚みたいなね、見間違えちゃうぐらいすごく会いたかったっていうことがありました。
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なんかね、その時のことがやっぱりずっと大人になっても頭に残ってて、あんなにすごく好きで会いたいって思ってたのは、本当に貴重な体験だったなって大人になって思います。
もしこれを聞いてるね、今まさに中学生とか高校生とか、その青春時代を過ごしている方は、なんかその気持ちをすごく大事にしてほしいなって思います。
大人はね、きっといろいろ言うと思うんです。そんなこと言ってとかね、今そんな好きでもね、どうせ大人になったら忘れちゃうのよとか言われるかもしれないけど、本当に今感じている気持ちっていうのはすごく大切な気持ちなので、ぜひね、大事に大事にして、自分の気持ちをね、大切にしてほしいなって思います。
はい、いかがでしたでしょうか。今回は小野茂樹さんの、あの夏の数限りなきそしてまたたった一つの表情をせよをご紹介しました。
短歌の世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています。また来週金曜夜にお会いしましょう。それではおやすみなさい。
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