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Youtuberによる福島大学の研究内容巡る発言が波紋
2026-09-07 12:14

Youtuberによる福島大学の研究内容巡る発言が波紋

日替わりコメンテーターによる解説で、きょうのニュースを深く理解する『BRUSH UP』毎週月曜日は、法学者・谷口真由美さんです。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

人気YouTubeチャンネル「アカッテTV」が福島大学の動画で、放射能研究について「福島大には触らせたくない」と発言し、炎上した。大学側は声明を発表し、謝罪に追い込まれたが、その対応や吉村知事の発言も波紋を呼んでいる。本件は単なる笑いの問題ではなく、差別と責任の問題として、大学の復興への取り組みや、学歴偏重社会への警鐘を鳴らしている。

YouTubeチャンネル「アカッテTV」による福島大学への不適切発言
この時間は日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。 月曜日は、法学者の谷口真由美さんです。谷口さん、おはようございます。
おはようございます。
さて、今日はどんな話題でしょうか。
はい、先月28日に、学歴をネタにする人気YouTubeチャンネルのアカッテTVというのが、福島大学で撮影した動画を公開しました。
登録者が77万人を超える、もうすごい番組ですよね。
これ、学習塾の武田塾というところの社員の2人が、学歴史上主義のキャラクターを演じて全国の大学を回る企画なんですけれども、
その中で福島県の福島大学の学生さんが、放射能の研究は福島ならではというふうに話したのに対して、このアカッテTVの出演者が、放射能や原子力は超重要な問題なので福島大には触らせたくないという発言をした。
これがSNSで拡散されて大炎上し、福島大学は9月1日、なんと学長名で、学生教職員が尊厳を傷つけられることがあってはならないという声明を出しました。
福島市長といわき市長も声を上げて、番組側は謝罪に追い込まれたという経緯があるんですけれども、
さらに過去にこの番組に出演していた大阪府の吉村知事が、全否定はしませんよと、この企画に対して発言をして、これも波紋を呼んでいるというので、この騒動は笑いの問題ではなくて、差別と責任の問題と整理したいなと思っています。
「復興地」という言葉の重みと大学の発展経緯
まず一つ目は物差しの間違いだなと。復興地という言葉ですね。復興を知るという、復興の知識、復興地ですけれども、福島大には触らせたくないというのの、何が良くないかという点が色々と錯綜しているところがあると思うんですけれども、被災地への配慮がないというのはもちろん大きいです。
これ本当に許されへん話なんですけれども、それ以前に根本的に物差しの使い方が間違っていると思うんですね。実は福島大には知られざる経緯がありまして、2004年の国立大学法人科まで文系の学部しかなかった大学なんですね。
原発事故の後に地域からの要請に応える形で、理工系の学軍というのを新設して、環境放射能研究所とか、あと食農ですね。食べるの食農学類を作ってきたと。
つまり福島大学というのは、事故を経験した地域の求めに応じて、自らの姿を作り変えてきたという発展の経緯があるんです。なので佐野学長も声明を出した理由について、不愉快な気持ちはあるが、相手にしなくていいんじゃないかという気持ちもあったと。
だがこの間、皆さんと作り上げてきた復興地ですね。さっき言った復興地をバカにされたり、汚されたりしたんじゃないかという思いがあり、声明を出したというふうにおっしゃっています。
この復興地というのは耳慣れない言葉なんですけれども、いわゆる原発事故の後の環境で放射性物質がどう変化するのか、農業をどう復興させるのかという現場に目指して積み上げてきた知識のことを復興地というふうに呼んでいらっしゃいます。
黙ってやり過ごすこともできた大学が、あえて声を上げたというそれだけ重みのある復興地という言葉だと私は受け止めています。
偏差値偏重への批判と教育者の視点
あわせてその佐野学長が偏差値をネタにする番組の姿勢について、大学に入った後も学力はどんどん伸びるので、偏差値で学力や人間性まで図る考え方は教育者として全く同意できないということもおっしゃっています。
本当にその通りだと思います。偏差値というのは本来、受験生が合格の可能性を図るための受験産業の指標なんですね。だから研究の価値とか人間の尊厳を図るものさしでもなければ、その時に頑張ったという指標にはなるかもしれないですけれども、
大学の教育関係者としては本当にみんな学生さんというのは入ってから伸びるというのを知っているので、一つの指標かもしれないけれども全ての指標じゃないということを思っています。
だから相対的なんですね。募集団の中で変化しますよね。その学年によったりとか、誰といているかという偏差値というのは変化するので、それが市場主義というか、全部ですみたいな言い方をされると、あなたは何を見ているんだというのはすごく思います。
「設計されたネタ」としての差別発言と学習塾の役割
ただ、なぜこんな番組がはっきり言って77万人にも支持されるかというところもあると思うんですね。やっぱりこれ学歴社会をブラックに皮肉っているとか、キャラだからとかいうふうに説明がされるんですけれども、リスナーさんにも考えていただきたいのは、演じてるつもりであっても差別っていうのは発生するんですね。
だから受け取り手側が差別だというふうに感じた時点で差別なんです。動画の作りも見てみたんですけれども、一人が学生の学歴をいじる。もう一人がやめろみたいな感じで突っ込んでいくというのの繰り返しなんです。
つまり、福島大学に原発放射能を触らせたくないといった発言は、その場で出た出言ではなくて、役割分担された設計済みのネタだということなんですね。
だからやめろという突っ込みが免罪符になると。だからほらちゃんと受け止めるやつもいてるでしょうみたいな構造なので、逃げ道を最初から組み込んでるっていうことなんですね。
この番組を動かしているのが、教育を生業としているとか、商売にしている学習塾だということも大きな問題だと思っています。
教育を提供する側が学歴で差別して笑うということを収却の手段にしてきたということも自己矛盾ですよね。
なので、それもちょっと許容できないということ。最後に謝罪の中身なんです。
謝罪の形式と責任の曖昧さ
経緯が炎上して、竹田塾のお二人の話が炎上して批判が起きて、一度配信を停止したという経緯があります。
だけど、やゆする意図は一切ございませんというテロップをつけて再配信したんですね。
そうすると批判が止まらずに、9月1日の夕方に問題の部分だけをカットした上で動画は残して、コメント欄に謝罪文を上げたということがありました。
だから、謝罪は動画の顔ではなくてコメント欄というところがミソで、畳み込まれていくコメント欄に置かれた。
しかも名義が演者スタッフ一同というふうに書かれていて、責任の輪郭もぼやけたということがあります。
意図とは異なる形で伝わってしまったという表現は、伝え方の問題であって考え方の問題ではないですよね、というのを言っているのと同じなんです。
だから本当の意図は何だったんですか、ということについては説明されていませんし、運営元の学習塾の創業者が悪質に切り取られた、かわいそうだという用語をしていると。
反省しているというふうには私は見えない。
吉村知事の発言と差別の構造
吉村知事もですね、大阪の、今回の件は間違っている、ただ彼らは若い世代に意義ある発信もしている。
何か一つあれば全否定するのは違うというふうに言ったのが一見もっともらしいんですけれども、吉村知事自身もこの番組に出演したことがあって、
高校紹介という広報上の利益を得ていた当事者だったということ。
もう一つハラスメントとか差別の問題で、他に良いことをしているからという論法が通じるかという話なんですよね。
ハラスメントの現場で加害者が守られる時に必ずと言っていいほど出てくる表現なんですけど、
あの人は仕事ができるからとか、普段は良い人だからとか、でも問うべきは良いこともしているかではなくて、間違いを生んだ構造を直す気があるかと。
ここなんですね。なので本当に今回大学教育に関わる一人として言わせてもらったら、
大学の価値と社会の差別許容度
今回汚されたは福島大学の学生の皆さんたちの志と佐野学長のいう復興地というもので、
大学の価値というのはそこで何を学べるかとか、どんな研究ができるかということであって、問われているのは私たちの社会が、
笑いという名前で差別をどう許容してきたかということじゃないかなというふうに思っています。
本当に偏差値とか学歴とかで大学が一生懸命やっている研究のことを測ることはできませんからね。
本当に残念ですよね。谷口さんに解説していただきました。谷口さんありがとうございました。ありがとうございました。
谷口真由美のブラッシュアップをお送りしました。
12:14

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