1. 法学者・谷口真由美のBrush Up
  2. 非常時における性暴力について
非常時における性暴力について
2026-08-10 12:22

非常時における性暴力について

日替わりコメンテーターによる解説で、きょうのニュースを深く理解する『BRUSH UP』毎週月曜日は、法学者・谷口真由美さんです。

田畑竜介
Groooooow Up

メール ⁠gu@rkbr.jp⁠

公式ホームページ ⁠https://rkb.jp/radio/gu/⁠

公式X ⁠https://x.com/rkbgu⁠

公式Instagram ⁠https://www.instagram.com/rkb.rkbgu/⁠
Learn more about your ad choices. Visit megaphone.fm/adchoices

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

本放送では、戦争や災害といった非常時における性暴力被害が、恥の文化や「今更言わないで」という空気に押し潰され、声にならないまま埋もれてしまう構造を指摘。熊本地震や能登半島地震でも繰り返される被害に対し、内閣府のガイドラインや支援体制の整備、そして「話してくれてありがとう」という受け止めが重要だと訴えた。非常時だからこそ、普段からのジェンダーや差別への感度を高める必要性を強調し、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの連絡先も紹介した。

非常時における性暴力被害の構造
日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。 月曜日は、法学者の谷口真由美さんです。谷口さん、おはようございます。 おはようございます。
さて、今日はどんなテーマでしょうか。 はい、今日はですね、戦争と熊本地震の避難所の話で、非常時に被害が声にならないという話をしたいと思います。
はい。
はい、もうね、言うまでもなく、8月6日の広島、9日の長崎で、今週金曜日の15日は、終戦という言葉も。土曜日ですね、15日ね。
これやっぱ負けて、終わらされた戦争なんだっていうことを意識したいなと思っているので、戦争について深く考える時期かなというふうに思っています。
一方やっぱりあまり語られてこなかったことっていうので、戦争の時もですし、おそらくというか、もうすでに話が出ていますけど、
熊本地震ですね、今の熊本地震の避難所でも起きている性暴力の被害の話をしたいと思います。
やっぱ非常時ね、物が盗まれたりとか、いろんなことが起きますけれども、この被害が声にならないという点におくとですね、恥の文化が強い部分ですね、性暴力って。
なので本当に声が出せない、出しても表に出ないっていうことがあります。
例えば戦争の時期、日本の女性たちも性暴力の被害を受けてきました。
沖縄戦では避難生活とか収容所、満州の引き上げの混乱の中、空襲下でもありましたし、そんな時、命が助かっただけでもありがたいという空気の中で、被害は声にならないまま埋もれるんですね。
この戦時性暴力っていうのは、もちろん日本では慰安婦の問題もまだ残っています。
それが続いているというので言うとですね、世界で残っているっていうので言うと、国連のグテレス事務総長が、紛争下の性暴力というのの年次報告書を出していますが、
今回ですね、ロシアとイスラエルを性暴力の実行国リストに追加しました。
ロシアはウクライナ侵攻で310件、ガザではパレスセナ人の拘束者への性的被害が確認されています。
なので国際社会はですね、少しずつ見えるかというのを始めてきています。
ままだで途上ですね。
でも日本の女性たちの戦時被害っていうのは、今なお表にあんまり出てこないんですよね。
なのでさっき今日4択ありましたけれども、戦争の体験を聞いたというのは、被害の体験を聞いている方とかが多いんですね。
戦争中に鉄砲を持って行ったっていうおじさんの話とか。
だけど戦争中に性被害を受けたおばあさんの話ってほとんど聞いたことないんですよ。
これがすごく問題で、声が出せないっていう空気感っていうのはずっとあるってことなんですね。
災害時における性暴力の形態と事例
それを災害の観点から見ると、2011年の東日本大震災の後、女性支援ネットワーク調査チームっていうのが実態調査を行った日本で唯一の本格調査があります。
これが災害時の女性の性被害の話なんですけれども、災害時の性暴力を大きく分けて2つの形があると言われています。
1つが環境不備型というものですね。
このしきりのない避難所とか、暗いトイレでザコネの隣に男性が来るとか盗撮とか、着替えや授乳をじーっと見られるとか、それから街頭が壊れた場所でのレイプとかですね。
もう1つが対価型と言われるもので、例えば支援してあげるとか、物資をあげるとか、弱みにつけ込んで性行為を要求するものです。
いずれも当然犯罪で、女性だけでなく男の子も高齢者も被害に遭っています。
より弱い人が被害に遭うってことですね。
声にならない構造の典型というのが認定NPO法人のレスキューストックヤードというところの方がお話ししているんですけど、過去の事例としてですね。
例えば30代の女性が避難所で寝ていたら、隣に男性が立ってじっと寝顔を見てた。
パーテーションが欲しいと申し出たら、パーテーションなしで仲良くやってる避難所なんだから今更そんなこと言わないでよと取り合ってもらえなかったと。
この今更言わないでっていう、こういう被害を声にできなくさせる構造そのものがありますよね。
よく言われるんですけど、避難所なんかも今みんな大変やんとか。
もうこのちっちゃいところでみんなでやってるから輪を乱すなよみたいなことを言われます。
これって戦争の時に女性たちを黙らせた空気と全く同じ構造なんですね。
そのNPOが夜外の仮設トイレで後ろから抱きつかれるということも報告されたりしています。
こういう事例っていうのは、実はその後の10年前の熊本地震でも、それから2024年の野党反党の地震でも、今も同じ構造の被害が繰り返されているということですね。
被害を声にできない構造と防止策
なので、この同じ構造を今の熊本の避難所に持ち込まないために、今から支援に入ろうとされている方にもお伝えしたいことがあります。
内閣府が男女共同参画の視点からの防災復興ガイドラインというものを出していて、避難所のチェックシートがあります。
例えば男女別の後椅子があるかとか、男女別の休養スペースがあるかとか、女性トイレと男性トイレを離れた場所に設置しましょうとか、
それから整理用品とか下着は女性の担当者が配布しましょうであるとか、避難所の管理責任者には必ず男女両方を配置しましょうとか、
巡回警備は男女ペアでやってくださいとか、そういうことを出しています。
なので、皆さんにもそこを頭に入れていただいて、ここの避難所危ないなと思ったらお声掛けいただきたいと思います、管理責任者の方に。
あとやっぱり自助努力を押し付けないとか、一人で行動しないっていう、こういうことだけではですね、被害者に責任を押し付けることになりますね。
自助努力を押し付けてしまうことになると。例えばだから、不審者に注意というふうなことをよく書かれるんですけども、地域なんかでも。
不審者って誰っていうのがありますよね。見かけの問題なのか、見かけが不審者っぽくなかったら不審者じゃないのかっていう問題があるので。
こういった、例えばこういう時、言説としては、普段から差別されがちな方が排除の対象になります。不審をあおられる対象になるので。
例えば、外国人に気をつけろとか、そういう言説がまかり通ったりとか。
例えば阪神大震災の時は、非差別部落の人たちが作ったおにぎりを食べなかったっていう事例があったりとか、そういうこともあるんですね。
なので、もっと昔に戻ると関東大震災の時、私たちデマで朝鮮人虐殺という過ちを犯しているんですよね。
なので、非常時のデマというのは命を奪うので、不安を煽るのではなくて、過去の事例がどんなものだったか。
それから防止策、相談窓口っていうのをセットで伝えないとダメですね。
声にならない構造への対抗と支援
やっぱり終戦から81年を迎える今年ですね、被害は濃いにならないっていうことを再度皆さんと確認したいと思います。
戦争でも災害でも日本社会は今更言うなとか、みんな大変だとか、輪を乱すなということで口を封じられてきた歴史があります。
やっぱり何度も言いますけど、同じ構造を今の熊本の避難所に持ち込まないっていうことが重要で、
声を上げた人に今更言わないでではなくて、もしくは今は言わないでではなくて、話してくれてありがとうという受け止めが非常に大事です。
これって非常時は平時の差別とか普通の時に起こる排除とかがより輪郭がくっきり出てくる話なんですね。
なのでやっぱり普段からジェンダーであったりとか差別であったりとかそういうものに敏感になっておかないと、
こういう時に一気に口を封じられつつ、声を封じられつつ、表面化してくるというか、もっともっとひどい状況になっていくことがあります。
今の性暴力の話なんかは、ちょっと皆さんにも覚えておいていただきたいんですけど、
内閣府が性犯罪性暴力被害者のためのワンストップ支援センターというところにつながるダイヤルの番号を持っています。
シャープの8891です。
これ早くワンストップ8891、早くワンストップシャープ8891ということをちょっと頭に入れておいていただいたり、メモしておいていただいたらいいかなと思います。
とにかく一人で抱え込まないで、声を上げることはわがままなことでも何でもなく大切なことなので、支援に入られる方もそういう方がいないかなという目も持って入っていただきたいなと思います。
今日はちょっと、地続きの問題としてお話ししました。
谷口さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は谷口真由美のブラッシュアップでした。
12:22

コメント

スクロール