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2024-07-11 10:25

110 日記 | 『リッチランド』のパンフレットを読みました

7月11日木曜日の声日記。一昨日観てきた映画『リッチランド』のパンフレットを読み終わって感じたこと。

109 日記 | 映画『リッチランド』を観てきました

#声日記 #映画 #リッチランド #オッペンハイマー #レビュー

サマリー

『リッチランド』のパンフレットを読み終わり、アメリカ人の核に対する考えや対立が描かれた映画として、とても良い映画だと感じています。来年の原爆投下から80年の節目の年に、アメリカでどのような原爆投下の歴史が語られるのか気になっています。

『リッチランド』のパンフレットを読んで
7月11日木曜日の声日記です。 おととい見てきました映画『リッチランド』のパンフレットを今日読み終わりまして、今の感想をちょっと残しておきたいと思います。
この映画はリッチランドというアメリカの町の住人たちの今の姿を記録したドキュメンタリー映画ということで、
その核兵器の材料を作ったハンフォードというところで働いた人たちの町なので、核というものを肯定的に見る見方が一般的なわけですけれども、
しかしそれに対して否定的な見方と言いましょうか、それを全面肯定するわけではない見方をしている人たちもいまして、その様々な考えを紹介しているものなんですけれども、
ただこれはあくまでもアメリカの人たちが考えていることを描いたものということで、核というものを全面的にというか、さらに多面的に見る、そういう視点が描かれているわけではないんですね。
あくまでもアメリカ人の視点で描かれているということ、アメリカ人が核というものをどう考えているかということを知るためにとてもいい映画になっているということ、そのことを改めて感じました。
これはノーラン監督の映画『オッペンハイマー』とも共通したものですね。
あの映画はオッペンハイマーが見たり考えたりしたこと、それが描かれているということで、それ以外のことは描かないという方針ですが、『リッチランド』も基本的にそうなっています。
『オッペンハイマー』と『リッチランド』という二つの映画に共通しているのは、そこに日本で、つまり広島・長崎でどのようなことが起き、その被害者たちはその後どう生きてきたかという、そういうところは一切出てこないわけです。
このことを批判している方もいますけれども、それぞれの映画は核兵器を批判したり、あるいは被爆の実相をみんなに伝えるという意図で作られたわけではないので、
そういうものが描かれていないことが、それらの映画の欠点というわけではないと思います。
あくまでもそれぞれの作品は、そこに描かれているもの、描こうとしているもの、それをもとにして評価すべきだと思いますので、どちらもとても素晴らしい映画だと私は思います。
けれども、やはりアメリカ人が被爆の実相を、いまだに、原爆が落とされてから80年近く経っている今でも十分具体的にイメージできていないということ、
あるいはそれを避けているのかもしれませんけれども、そういう状況というのは、やはり残念な感じがしますね。
来年、2025年は原爆投下から80年がたった節目の年ですけれども、アメリカでどのような原爆投下の歴史が語られるのかなというのがちょっと気になりますね。
(2025年の)30年前、つまり戦後50年の年にアメリカのスミソニアン博物館で原爆展をやろうとして、当初の計画が中止されたということがありました。
爆撃機エノラゲイとともに広島・長崎の被爆者の遺品などを展示するということに対して非常に大きな反対が起こったわけですけれども、今度、来年どうなるんでしょうかね、気になるところですけれども。
どうしても被爆の実相というんでしょうか、被爆者の写真とか遺品とかそういうものをアメリカ人に見せると、それはアメリカ批判というか、そういう意味を持ってしまうんですね。
ですから、映画の中ではなかなかそれが描けない。『オッペンハイマー』『リッチランド』、ともにどちらの監督も、核に対して賛成とも反対とも言わないような立場で映画を作っているようですから。
被爆の被害を少しでも強調するような形になると、反対派というふうに見られてしまう。それを心配して出さないのかもしれません。
『リッチランド』に関して言えば、アメリカと日本というその対立以前に、リッチランドの住民の中で、つまりアメリカ人同士の中で、やはりまだ対立と言いましょうか、
十分対話ができていない人たちがいるので、まずはそこから柔らかく対話を始めるという、そのためにこの映画はあるのかなと思います。
そこはまだ被爆者というのはなかなか入りにくいし、また先住民もちょっと出てきたんですけどね。
先住民と、それからその土地を奪った人たちとの和解というのもなかなかまだまだ難しい状況にあるのかなという感じで。
そういったリッチランドの中でのわだかまりがなくなって初めて今度は、例えばリッチランドと長崎の間の和解などというところに進むのかなと。
そこまで行くにはまだまだ時間がかかるかなと。
世代が交代して、第二次大戦の記憶が相当薄れてからでないと難しいかもしれないなという感じがしますね。
ちょっともどかしい感じがしますけれども、なかなか時間がかかるような気がします。
ということで、映画2日前に観たんですけれども、映画の印象というか、観たばかりの時の気持ちとまたちょっと違った気持ちがこのパンフレットを見ながら感じられましたので、それを語ってみました。
それではまた。
10:25

このエピソードに言及しているエピソード

コメント

スミソニアンに被曝展示を反対が出るのは、退役軍人、現役軍人への気遣いをしなければ、米軍の士気が維持出来ない、という要因が大きいと考えてます。

たな たな

そうかもしれませんね。1995年の反対の中心は空軍関係者でした。今度の展示でも、被爆者の資料は展示されないかもしれませんね。去年のニュースですが、そんなことが書かれていました。焼け野原の写真だけかもしれません。アメリカ人にとって目新しさはないような。 https://www.japantimes.co.jp/news/2023/08/05/japan/history/atomic-bombing-aftermath-smithsonian/

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