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AIと共に次の本を読み進めています。今回,その報告の2回目です。
岡野原大輔『大規模言語モデルは新たな知能か—— ChatGPTが変えた世界』岩波書店,2023.6,132p
AIを使った読書実験の進捗を報告します。現在、岡野原大輔さんの『大規模言語モデルは新たな知能か』を読んでおり、今回は第二章「巨大なリスクと課題」を取り上げました。この章では、AIのリスクとして「幻覚」や「過度な依存」に加え、「AIの独占」が挙げられていました。特に巨大企業による独占がもたらす透明性や情報の偏りの問題、また開発側への責任が議論されています。これを踏まえ、AIを活用した対策や議論の重要性を実感しました。
さらに、AIに大学講義案を依頼すると、目新しく学生がAIを活用する内容を提案され、新たな学びの可能性を感じました。AIとの対話は思考を広げる助けになり、今後もこの方法で読書を進め、知見を深めたいと思います。
今回は,AIと会話をする中で,講義計画案を作ってもらったことも話しています。その計画案も下に掲載します。
講義計画案: 「AIと共に学び、未来を創造する」
1. AIと対話するイントロダクション
- テーマ: AIとの初対面
- 内容: 学生が各自で対話型AI(例: ChatGPT)と対話し、自分の関心や疑問を引き出す。AIに感じた「違和感」や「可能性」を共有し、議論の土台を築く。
2. 自分のAIを育てる
- テーマ: カスタマイズ可能なAI
- 内容: 学生が特定のテーマ(例: 自然科学、歴史、アート)についてAIの知識をカスタマイズし、対話を通じて「自分だけのAIチューター」を育成するプロジェクトに挑戦。
3. 誤情報の見極めワークショップ
- テーマ: AIを使った批判的思考
- 内容: AIが生成した回答や検索結果を基に、真実と誤情報を見極めるスキルを学ぶ実践型演習【9】。
4. 「AIの声」を再構築する
- テーマ: AIの偏見を探る
- 内容: AIが持つ価値観や偏見を掘り下げる。学生が様々な視点で質問を投げかけ、AIの回答を比較・分析する【9】。
5. 社会問題に挑むAI
- テーマ: AIと共に考える社会課題
- 内容: 気候変動やジェンダー平等などの課題についてAIと共同で解決案を模索。学生がプロジェクト形式で発表する。
6. 学生主体のAIシステム設計
- テーマ: 理想のAIのデザイン
- 内容: 学生が理想的なAIを設計する演習を実施。どんな機能を持たせるべきか、どのような倫理的配慮が必要かを議論。
7. AIを活用した「未来の自分」
- テーマ: 10年後をデザインする
- 内容: AIに自身のキャリアプランや人生計画をシミュレーションさせ、それを基にディスカッション。
8. 学生作「未来の職業百科事典」
- テーマ: AIで未来を創る仕事
- 内容: AIを使って未来に登場する職業を予測し、職業百科事典を共同作成するプロジェクト。
9. 「AIとの共生」シナリオ分析
- テーマ: AIがもたらす未来のシナリオ
- 内容: 技術発展の可能性とリスクについて、AIと学生が共同で複数の未来シナリオを構築。
10. AIによる新しい学問分野の創出
- テーマ: 新しい知識を創造する
- 内容: 学生とAIが協力して全く新しい学問分野を定義し、その可能性や影響を発表する。
11. 創造的な共作
- テーマ: AIと共に作るアートや文学
- 内容: AIと共同で詩や絵画、短編小説を作成するクリエイティブセッション。
12. 学生チームによるAIハッカソン
- テーマ: AIの可能性を探る
- 内容: チームでAIを使ったプロジェクトを短時間で企画・実施し、結果を発表。
13. 「人間とAI」の哲学的考察
- テーマ: AIと人間の関係性を問う
- 内容: AIとの関わりを哲学的・倫理的に考察し、自身の意見を深めるディスカッション【7】【9】。
14. 最終発表会: AIと共に学んだ成果
- テーマ: 学生とAIが作った未来像
- 内容: 学生が全講義で得た知識と経験をまとめ、AIと共に描いた未来の可能性を発表。
(私がAIに関する講義をするかどうかは,まだ決めていませんが,こうしてAIと共に講義内容を考えるのも勉強になるなと思っています。)
岡野原大輔氏の『大規模言語モデルは新たな知能か』をAIと共に読む実験を通じて、AIのもたらすリスクや課題、特に企業による独占の危険性が議論されています。また、AIを活用した面白い講義計画案の作成が、さらなる知識の深化へとつながる期待を生んでいます。