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ノオト・ブク太郎
こんにちは。今回もあなたと一緒に、情報の中から本質を探っていきましょう。 今日手元にあるのは、北海道のITコミュニティを長年支えてきた一般社団法人LOCALの理事の方々、
菅井佑太朗さんと三谷小美さんへのインタビュー記録です。 これ読み込んでいくと単なる組織紹介じゃないんですよね。
地域と技術、そして人とのつながりについての、結構深い洞察が見えてくるなと感じました。
ノオト・ブク子
特に印象的なのは、この活動の根っこにある、北海道が大好きっていうこの強いパッション。
ノオト・ブク太郎
それすごく伝わってきますね。
ノオト・ブク子
これが単なるスローガンじゃなくて、具体的なアクションにつながっているんですよね。
特に学生支援とか、あといろいろなコミュニティとの連携とか。
なので今回の探究というか、この分析では、このLOCALっていう団体が、広大な北海道でどうやってITに関わる人々、
特に若い世代ですね、その成長とか所属意識を育んで、ユニークな地域支援のモデルを築き上げてきたのか、
その革新に迫れたらなと。
ノオト・ブク太郎
まさに北海道への愛が原動力と。
ではまず基本情報からいきましょうか。
一般社団法人LOCAL、法人としては16年目。
ノオト・ブク子
そうですね。インタビュー時点ですけど。
ノオト・ブク太郎
ですね。でもその前の任意団体時代も含めると、合計で20年以上。
ノオト・ブク子
そうなんですよ。実に20年以上、北海道の技術コミュニティを支え続けているっていう、これはなかなかの継続性ですよね。
ノオト・ブク太郎
いや本当に驚きます。
ノオト・ブク子
でそのミッションというのが、北海道の技術者が幸せになれるような団体を目指して、
そして人々を縦と横の糸で繋いでいくこと。
ノオト・ブク太郎
縦と横の糸ですか?それは具体的には?
ノオト・ブク子
ええ、これはですね、学生さんからベテランの方まで、世代を超えた繋がり、これが縦。
ノオト・ブク太郎
なるほど、世代間。
ノオト・ブク子
はい。それからいろいろな分野のコミュニティ同士の連携、これが横。そういう意味合いなんですね。
ノオト・ブク太郎
ふむふむ。
ノオト・ブク子
で今回の情報源であるインタビューのお二人、
まず三谷幸美さん、この方は桜インターネットにお勤めでありながら、
セキポロ、これは北海道情報セキュリティ勉強会ですね、とかハイスル、北海道地域情報セキュリティ連絡会とか、
本当に多くのセキュリティ関連団体で活動されていると。
ノオト・ブク太郎
ああ、そちらでのご活躍も幅広いんですね。でもう一方の菅井佑太朗さんは?
ノオト・ブク子
ええ、菅井さんはご自身が学生時代に、このLOCALの学生部を立ち上げたっていう経験を持ちで。
ノオト・ブク太郎
それはすごい。
ノオト・ブク子
はい、一度社会人になられてまた理事に戻ってこられた。
今子育て中でありながらもLOCALの運営とか、あと学生さんとの交流に比較関わっていらっしゃると。
ノオト・ブク太郎
なるほど、このお二人の経験があるからこそ、LOCALの多層的な活動が理解できる、そういう鍵になりそうですね。
ノオト・ブク子
ええ、そう思います。
ノオト・ブク太郎
その活動内容ですが、これ本当に多岐に渡りますよね。ちょっと整理してみましょうか。
ノオト・ブク子
そうですね、本当に幅広いです。大きく分けると、まず一つ目が北海道内のITコミュニティとか勉強会の情報を集めて発信するっていう活動。
ノオト・ブク太郎
情報の集約と発信。
ノオト・ブク子
はい、これはLOCALのサイトでPDFとして公開されたり、あとオープンソースカンファレンス北海道OSCですね、ここでも配布されたりしてるみたいで、まさに地域の情報ハブみたいな役割ですよね。
ノオト・ブク太郎
まさにハブですね。で、次に大きいのが学生支援。これはLOCALの活動の中でも特に力が入っているように見えますけど。
ノオト・ブク子
おっしゃる通りです。LOCAL学生交通費支援っていうので、学生さんがITイベントに参加する際の交通費の負担を軽くしたり。
ノオト・ブク太郎
ああ、それは助かりますね、学生にとっては。
ノオト・ブク子
ええ、それから先ほど話に出た菅井さんが立ち上げたLOCAL学生部。これ自体の活動をサポートしたりとか。
ノオト・ブク太郎
学生部そのものの支援も。なるほど。
ノオト・ブク子
はい、さらにですね、次世代育成とセキュリティ啓発っていうのもすごく重要な柱になってます。
ノオト・ブク太郎
次世代育成とセキュリティ。
ノオト・ブク子
ええ、例えばハイシエールの次世代育成事業でSC4Y、セキュリティコレッジフォーユースっていうのがあるんですが、これとかそのサポーターズの運営支援。
ノオト・ブク太郎
SC4Y。
ノオト・ブク子
あとU16プログラミングコンテストの札幌大会、それから北海道大会ですね、これの教材。
ノオト・ブク太郎
U16プロコンも。
ノオト・ブク子
それから高校生ICTカンファレンスに札幌の運営とか、セキュリティミニキャンプin北海道。
昔はセキュリティキャンプミニって名前でしたけど、これの主催とか。
本当に若い世代への働きかけが手厚いんですよ。
ノオト・ブク太郎
いや本当に多方面ですね。
ノオト・ブク太郎
セキュリティ分野への貢献も具体的にいくつか上がっていましたね。
ノオト・ブク子
そうなんです。
あのセキポロと協力してSNR、セキュリティニュースリキャップっていう月例のオンラインイベントをやられていて。
ノオト・ブク太郎
SNR。
ノオト・ブク子
はい。前の月のセキュリティニュースを共有したり議論したりする場ですね。
それからもっと一般の方向けにインターネット安全教育を開いて、詐欺被害の防止とか、そういう啓発活動も行っている。
ノオト・ブク太郎
それは地域社会全体への貢献にもつながりますね。
ノオト・ブク子
まさに。そして忘れてはいけないのがLOCAL独自のイベント、LOCALデベロッパーデイ、通称LDD。
ノオト・ブク太郎
LDDですね。
ノオト・ブク子
はい。これ2025年には在札幌の米国総領事館の協力で、なんとFBIの関係者が登壇する予定だったなんて話もあって。
ノオト・ブク太郎
え?FBIですか?それはすごい。
ノオト・ブク子
ええ。残念ながら実現はしなかったようですが、そのイベントの質の高さとかネットワークの広さっていうのを示してますよね。
こういう特定の技術テーマに深く切り込む活動もやってるわけです。
ノオト・ブク太郎
しかし、これだけ多岐にわたる活動、そもそもどうやって始まったんでしょうか。
20年以上ってなるとその設立の経緯、ちょっと気になりますね。
ノオト・ブク子
その起源はですね、2004年の合同っていうイベントだそうです。
ノオト・ブク太郎
合同?
ノオト・ブク子
はい。北海道中のいろんなITコミュニティの主催者が一等に愛してセッションを行うっていう、当時としてはかなり画期的な試みだったみたいですね。
ノオト・ブク太郎
へえ、それは面白いですね。なんかコミュニティの垣根を超えた交流がその頃からあったんですね。
ノオト・ブク子
そうなんです。さらに面白いのが、この合同イベントからOSC、オープンソースカンファレンスの宮原さんがヒントを得てOSCが始まったなんていう話もあるそうです。
ノオト・ブク太郎
へえ、そうなんですか。OSCのルーツにもつながっているとは。つまりLOCALの源流っていうのは本当にコミュニティ間の連携を促す草の根の動きにあったと。
ノオト・ブク子
ええ、まさに。で、その活動を一家制のものにしたくない、継続的に支援していきたいって考えたときに、やっぱり任意団体のままだと資金面とかあと信頼性とかで限界が見えていたと。
ノオト・ブク太郎
まあそうですよね。継続のためには基盤がいりますもんね。
ノオト・ブク子
はい。そこで三谷さんのお話によれば、半場強制的にでも活動を続ける仕組みとして法人化しようということになったそうです。
ノオト・ブク太郎
強制的にでも続けるんですか。なるほど。
ノオト・ブク子
ええ、それがだいたい2007年とか2008年頃に法人化のプロジェクトが始まって、2009年で一般社団法人として設立された。目的はもう明確で、北海道の技術者が幸せになれる縦横のつながりをつくる団体にしようと。
ノオト・ブク太郎
うーん、続けるための法人化っていう決断が今のLOCALの基盤を築いたわけですね。
ノオト・ブク子
そういうことですね。
ノオト・ブク太郎
しかもその法人化直後に菅井さんたちが学生部を立ち上げたと。
ノオト・ブク子
そうなんです。これがまたすごく良い流れを生んだみたいで、組織に新しいエネルギーが入ってきたと。
ノオト・ブク太郎
いやー、それは非常に良いタイミングというか良い流れですね。
ノオト・ブク子
えー、ではそのLOCALは具体的に誰のための団体なのか。まあエンジニアとか学生さんが中心なのは明らかですけど、それだけじゃないっていう感じですかね。
ノオト・ブク太郎
インタビューではっきり少しでもITに興味がある人は全て対象ですっていう言葉がありました。これは結構重要なポイントかなと思います。
ノオト・ブク子
あー、それは広いですね。
ノオト・ブク太郎
はい。専門家を目指す人だけじゃなくて、例えばさっきも名前が出た高校生ICTカンファレンス。あれなんかは広く一般の高校生が参加して、ICTについて討論する場を提供しているわけですよね。
ノオト・ブク子
なるほど。ITを専門職としてだけじゃなく、もっと広く社会とか生活の一部として関わる人々にも文句は開いているっていうことですね。
ノオト・ブク太郎
そうですね。これはもしかしたら後で触れるITとの向き合い方みたいなメッセージにもつながってきそうだなと感じました。
ノオト・ブク子
確かに。そして活動エリアの話。北海道は本当に広大ですよね。
いや、本当に。
インタビューでもやっぱり活動が札幌に集中しがちなのは避けられない現実だとは語られていましたけど、それに対してLOCALはどう向き合っているんでしょうか。広さゆえの課題っていうのはかなり大きそうですけど。
札幌だけでいいんだろうかっていう問題意識は常に持っているみたいですね。特に学生部、これは函館とか札幌、城南、九州郎、朝日川とか、
道内各地に点在している大学とか高専の学生さんをつなぐネットワークとして機能させたいっていう思いが強いようです。
ノオト・ブク太郎
全道をつなぐ役割を意識していると。
ノオト・ブク子
はい。とはいえ、やっぱり現実問題として、例えば九州郎から札幌に学生さんが集まるってなると、交通費も時間も大変ですよね。
ノオト・ブク太郎
そうですよね。止まりがけになっちゃいますもんね。
ノオト・ブク子
その地理的な障壁をどう乗り越えるかっていうのが鍵になるわけで。
ノオト・ブク太郎
具体的には何か工夫を?
ノオト・ブク子
そのために、例えば学生部同士の学宿を開いたり、そういうのを支援しているそうです。物理的な距離を何とか埋めようっていう工夫ですよね。
ノオト・ブク太郎
なるほど。学宿ですか。
ノオト・ブク子
北海道の広さっていうのは、インタビューでは岩手県とか他の広大な地域とも比較されてましたけど、地域コミュニティを運営する上でのある種普遍的な課題とも言えるのかもしれないですね。
ノオト・ブク太郎
では、少し話題を技術そのものに移しましょうか。理事の方々の個人的な技術的な関心と、LOCALとしての技術への向き合い方、この辺りはどうなっているんでしょう?
ノオト・ブク子
はい。個人の関心としては、三谷さんはAIとかGPUの分野、菅井さんはコンテナ技術とかネットワーク、あとご自身の経験から医療DXにも興味を持たれているとのことでした。皆さんちゃんと最先端の動向にもアンテナを張られているなという印象です。
ノオト・ブク太郎
ただ、LOCAL自身の運営にそういった最先端技術を積極的に導入しているかっていうと、まあリソースの問題もあってそこは限定的なんだと。
ノオト・ブク子
そうですね。でもここが面白い点なんですけど、LOCALが主催するイベント、例えばさっき話に出たLDDの内容っていうのは、必ずしもLOCAL内部の技術レベルに限定されないんですよ。
え、そうなんですか?
え、時にはすごく高度で専門的な、例えばセキュリティの話題なんかも扱われるんです。
それはどうして可能なんですか?内部にその専門家が常にいるわけでもないのに。
それはですね、企画の出発点が運営メンバー自身がまず聞きたいこととか、このテーマだったらきっと北海道に面白がってくれる人がいるはずだっていう純粋な知的好奇心とか課題意識に基づいているからだそうです。
ノオト・ブク太郎
あー、自分たちが聞きたい、知りたいというところから。
ノオト・ブク子
そうなんです。だから、例えば今のLDDがセキュリティ寄りのテーマが多いのは、たまたま今その分野に強い関心を持つメンバーが活発だからであって、別にテーマを固定してるわけではないと。
ノオト・ブク太郎
なるほど。メンバー次第でテーマも変わっていく。
ノオト・ブク子
つまり技術っていうのは、上からこれをやろうって決めるんじゃなくて、メンバーのこれをやりたいっていう内側から出てくる動機が活動をドライブしている。だからこそ熱量も高いし、継続にもつながるんじゃないかなと。
ノオト・ブク太郎
なるほどな。組織としての明確な技術戦略というよりは、メンバーの知的好奇心の集合体が活動を形作っているっていう感じなんですね。
これはある意味、コミュニティ運営の一の理想形かもしれないですね。
ノオト・ブク子
そう思います。
ノオト・ブク太郎
さて、ここまでLOCALの活動や理念についてかなり深く見てきましたけど、これを聞いている、特にITの専門家ではないというあなたに向けて、何か心に留めておくべきメッセージのようなものはありましたか?
ノオト・ブク子
はい、これは非常に重要なメッセージだと感じました。それは、ITっていうのはあくまでツールなんだと、そしてそれを使うのはあなた自身なんだっていう意識を持つことがすごく重要だということです。
ノオト・ブク太郎
あなたが使うものですというフレーズ、力強いですね。流行に振り回される必要はないし、使う義務もないんだとも言っていましたね。
ノオト・ブク子
そして、もし使うのであれば、なんでその技術が存在していて、どう使うのが適切なのかっていうのをちょっと立ち止まって、自分で調べて理解しようとすることが望ましいと。
例えば、スマホはただの電話じゃなくて、電話機能がついた高性能な小型コンピューターなんだって理解した上で使う。
そうすることで、なんとなく使って損しちゃったとか、よくわからないまま言われるがままに導入してしまったみたいな事態を防げるんじゃないかと。
知識っていうのは、ご用とか不利益から自分を守る盾にもなるっていうことですよね。
ノオト・ブク太郎
なるほど。地域活動なんかでITツールを導入するような場面でも、業者さんとか詳しい人の言いなりになるんじゃなくて、自分たちの目的にとって本当にこれが必要なのかなとか、どう使うのがベストなんだろうっていうのを主体的に考えて選択する姿勢が大切だということですね。
これは本当に私たち自身の日常にも当てはまる視点ですね。
ノオト・ブク子
まさにそう思います。では最後に、LOCALのこれからの展望について少し触れておきましょうか。
ノオト・ブク太郎
インタビュー時点では、コロナ禍を経てまた活動が活発化してきた学生部の支援により一層力を入れていきたいと語られていましたね。
ノオト・ブク子
はい。学生部の総会をまた再開するための支援とか、OBOGとの交流イベントの企画とか、ここでも口は出さずにお金を出すっていう基本姿勢は変わらないみたいです。
ノオト・ブク太郎
ブレないですね。
ノオト・ブク子
それから既存の年次イベント、例えばLDDなんかは継続しつつ、常に新しいメンバーが参加しやすい雰囲気作りも意識していくと。
ノオト・ブク太郎
新しい風も入れつつ。