1. たべものラジオ 〜食を面白く学ぶ〜
  2. #71(s11-4)【日本酒の造り方】..
2022-04-02 39:12

#71(s11-4)【日本酒の造り方】オリゼーくんは日本代表の国菌!?山廃とは。(たべものラジオ)

今回はすごーく説明回です。2回ほど続きますが信じて聞き続けてください笑


YouTube
https://tabemonoradio.com/youtube

コメントはツイッター @tabemonoRADIO
またはハッシュタグ #たべものラジオ  
またはホームページへお願いします!!!
https://tabemonoradio.com

00:02
では前回からの続きです。今回は
日本酒の作り方
日本酒の作り方、やっと来たね。メインみたいなもんだよ
そうですね。わりと知らない人多いですよね
そうだね
実際、何冊か本読んでみてですね
お酒の作り方、日本酒の作り方を解説してるページってのは必ずついてるんですよ
めちゃくちゃ複雑でね
複雑だね
なので、よっぽど知ってる人、前提知識のある人だったら、なるほどねっていう工程なんですよ
ゼロベースで見ようとすると結構厳しいと思った
発酵何回かするしね
そうなんですよ。平行複発酵っていう言い方をするんですけど
世界の他のお酒と比べても若干複雑なんですよね
そうなんだ
これちょっと比較をしながらお伝えできればなというふうに思っています
まずですね、微生物、微生物は生き物ですね
酵母っていうのはビールであってもワインであっても仲間が動くわけですね
サッカロマイセスセレビシエっていうのが日本酒の酵母の菌の名前ですね
サッカロマイセスセレビシエ
小さくて読めねえよ
このサッカロマイセス族っていう族がいるんですけど
これ族の名前なんだ
セレビシエっていうのがこれは日本酒ですよとか
そういうことね
ちょっとうろ覚えなんですけどサッカロマイセスリュウキュウだったかなが淡森の酵母ですね確か
仲間なの
仲間仲間、ビールもサッカロマイセス族ですね
この子たちが糖を分解するとお酒ができます
糖を分解すると
糖を分解して排泄物としてアルコールエタノルですねと二酸化炭素この2つを出します
そうなんだ
なのでお酒も作ってる間はちゃんと二酸化炭素を出すんですよ
二酸化炭素出してんの
出してます
これを留め置かないで放出しちゃってるから我々が飲むときの清酒はシュワシュワしてないと
密閉して閉じ込めておくとシュワシュワするんですよ
ああそうなんだ
日本酒でも美発泡酒ってあるじゃないですかあれ炭酸を逃がしてないっていう
ああそういうことね
そういうことなんですよね
ああそうか炭酸水ってそもそも二酸化炭素を入れるんだもんね
そうなんですよ勝手に炭酸シュワシュワしますよっていうのがこれが酵母の働きなんですね
この酵母たちは食べられるものが決まっていて糖類だけなんですよ
糖類だけなんだ
糖類の中でも単糖類か二糖類
ああそこにも種類あるの
あるんですよ
糖っていうのは一番ちっちゃい塊になるとグルコースっていう単糖になるんですね
03:04
単糖
糖の分子1個だと思ってください一番シンプルなやつ
二糖類の2っていうのは数字の2なので2つくっついてるよっていう
ああそういうことなんだ
これに対して多糖類いっぱいくっついてるぞってやつですね
ああそんなのもあるの
あるんですいっぱい連なってるのはこの微生物サッカロマイセス君が食べられないんですよ
食べられないの
食べられないんですよ牛一頭焼肉しましたと
切ってないやつ被りつくのえげつない大変じゃないですか
切ってなきゃだめだね
だからこの子たちねお上品なのでサイコロステーキにしてよとか
その状態なら食べられるよ
人間でも一頭は食えんけどね逆に肉一頭ポーンみたいな
あれに被りつくのイメージですよ噛み切れんわ
あれ食べられるのは狼とかそべるけど
そんな感じイメージね
ああそうなんだね
だから初めから単糖類のものっていうのはほっといたら発酵するんですね
ああそうなの
うんワインぶどうじゃないぶどう糖ですわ要は
ああぶどう糖か
単体なんです単糖なんですあれ
ああぶどう糖は単糖なんだ
単糖類なんですよだからあれに酵母がくっつくと勝手に発酵するんですよ
じゃあ大体のフルーツが発酵しちゃうってこと
そうですよ
へえそういうことか
例えばメロンあれを買ってきて半分ぐらいパッと切ってさ
冷蔵庫にずっと置いとくじゃないですかなんかシュワシュワしてくる時ありません
あれね発酵するね
あれあのまんま行くとお酒になるっていうね
またピリピリするやつでしょ
そうそうそうあれは酵母が発酵させてる
ああそういうことか
ただいろんな菌が入っちゃうんで普通にやると
そこがサッカロマイセス君だけに働いてほしいよっていうので色々人間が工夫をするわけですよね
ああはいはい
でこの前提を踏まえてちょっと材料を変えてみます
フルーツとか例えばはちみつとかは単糖類なんでいいですよね
うん
じゃあ澱粉だったらどうなるのか
澱粉だったら
はい澱粉は多糖類なんですよ
澱粉も糖か
糖の一種ですね糖がいっぱいうわーって塊になってめちゃくちゃでかい塊になってるのが澱粉なんですよ
ああそうなんだ
はいこれこのまんまだと分解できないんですよね
はいはいはい
でちょっとビールのところでお話ししましたけどビールの回を聞いていただくとよくわかるんですけど
ムギはこの多糖類である澱粉の塊ですよねこれを二糖類にまで分解するのに発芽させたわけですよ
ああそういうことなんだ
発芽するためには澱粉そのまんまだとムギ自身も栄養として使えないんですね
うんうん
から自分が発芽するためにわざわざ自分の中の酵素でもって二糖類に分解して芽を出すんですよ
ああはいはいはい
でムギが二糖類になっているのでここに酵母がくっつきさえすればビールができる
06:04
うーん
こういう仕組みですね
はいはい
じゃあ日本酒の場合お米も澱粉ですね
うん
誰が分解するんですか
誰が分解する誰が
そう
日本酒の場合
日本酒の場合はまあ誰って自己実感しちゃいましたけど微生物ですね
微生物
微生物
微生物これがカビですね
ああカビね
麹カビ
麹カビ
麹カビが澱粉を分解して二糖類に変えてくれると
はいはいはい
この作業をしてくれるので糖になってそれをサッカロマイセスセレビシエ君がアルコールに変換するとこういう流れですね
ああ先にカビなんだ
カビなんです
で食べれる状態にしてからサッカロマイセスセレビシエまあいわゆる酵母か酵母がお酒に変えてくれる
そういうことです
でこの澱粉を糖に変えてくれるカビのことを麹カビこれ学名はアスペルギルスオリゼって言います
オリゼ
オリゼ
アスペルギルスなんだ
アスペルギルス族のカビですね
オリゼはよく聞くぞ
えっそうなの
ごめんもやしもんで
見てないからわかんないけどな
これが糖に変えてくれるからやっと発酵ができる状態になりますよっていうのが大まかな流れですね
ちなみにこのアスペルギルスオリゼかっこ麹カビ君黒菌です
黒菌
黒菌
黒菌
国家とか国旗ってあるじゃない国の花とか国庁とか国の菌です
国の菌とかあるの
これで多分日本だけだと思うこんなの設定してるの
知らんかった国菌を国の代表だみたいな感じでしょ
そうなんですよ
へえ
これ何でかっていうと日本にしかちゃんといないんですって
ああそうなんだ
例えばアジアでもこのアスペルギルス族のカビを使った発酵の投下ですね
分解をやる文化はあるんですけどそれはクモノスカビっていう違うカビなんですって
だから明治だったかな大正だったかな国の菌ということで黒菌を指定してますね
そんな指定あったんだ
この黒菌である国を代表するカビであるコウジカビ君が
多糖類でんぷんを二糖類に変えてくれる分解のことを投下と言います
投下
糖に変えるから投下ですね
でコウボであるサッカロマイセスセレビシエがお酒に変えることを発酵と
ここが発酵ね
そうですそうですここをちょっと整理していきますね
でんぷんが投下して糖になって糖が発酵してお酒になる
09:03
ざっくり言うとこういう感じですね
ちなみに人間の体の中もだいたい似たようなことやってるんですよね
そうなの
そうなんですよご飯食べますよね口の中に唾液です
唾液の中にアミラーゼという酵素があります
これが多糖類を分解して二糖類であるバクガ糖に変えます
だから長く噛んでるとご飯だんだん甘くなってくるでしょ
あれ二糖類に変わってるから
そうなんだ糖に変えてるんだね唾液が
それを飲み込むとまた体内の酵素マルターゼっていうのが
その二糖類をさらに細かくするんですねでグルコース
グルコース
単糖です
単糖になる
一番ちっちゃくなるこれをこのグルコースが血液に乗って流れることで
人間はエネルギーとして使える
そこの段階でやっとなんだ
そうなんですそういう状態だから人間の脳頭より上の部分ですね
ここは単糖類であるグルコースしか栄養にできない
そういうことなんだね
糖が足りなくなると頭ボーっとするのはそのせいですね
ということでございます
ちなみにこれ完全な余談なんですけど
単糖類と二糖類で味違うんですよ
味が違う
どっちも甘いんだけど
糖じゃないの?
糖は糖
糖は糖だよね
単糖類の方は口に入れた瞬間にガツンって甘い
もう甘ってなるやつ白糖とかさあとフルーツもそうだよね
フルーツ
口に入れた瞬間にうわ甘ってなるじゃん
これは単糖だからですね
二糖類になるとじわっと甘い
じわっと甘い
ミリンとかね
あーはいはいはい
あと水飴とか
水飴も
水飴ってのは麦とか米から作ってるんで二糖類なんですね
じわっと甘いやつそこがちょっと差がありますかね
どうでもいいですけど
糖の甘さの違いは種類の違いなのかね
そうなんですよ
料理やっててもさいきなり甘みが強烈にパンチの効いた甘さが欲しい時は
単糖類を使うでじわっと奥の方から甘いのが欲しい時
あまり強烈に甘くしたくない時は二糖類を使う
だからかよくお菓子とか作る時って砂糖に水飴足すんだよね
甘さの奥行きを出すためとかうまみのバリエーションを増やすためなんだけど
そもそも糖の種類が違うんだ
そういうことですね
物よりかは
糖の種類が違う
例えば蕎麦粥なんかもそうですよね
市販のものでちょっと安いのになると思いっきり砂糖を使ってるじゃないですか
だから糖の高さがどっこいだとしても口に含んだ瞬間に
例えば蕎麦食べた瞬間に甘ってなるやつは単糖類
みりんとか酒をメインで使ってると二糖類が多いんでじわっと甘い
12:03
この辺のバランスですね
そういう違いがあるんだね
全然酒作り関係ないけど
勉強になる
はいじゃあざくっと酒作りの手順いきましょう
すさまじくざっくりいくと四段階です
四段階
一つ目が麹を作ります
麹カビと麹ちょっと名前がバッティングするんで分かりづらいんですけど
麹カビで糖化したもののことを麹と呼んでますね
麹カビを糖化したもの
お米に麹カビをくっつけて麹カビの塊になったお米
平たーくとカビの生えた米だわ
まあそういうことだね
あれを麹と言います
次にもととかしゅぼって言われてるものを作ります
これをもろみに変えます
で最後に絞ります
意味わかった?
名前は聞いたことあるのが並んでる
ねなんとなくきもととかしゅぼとか聞いたことあるでしょうし
もろみっていうのも多分聞いたことあると思うんですよね
これ一体なんやねんって
結構謎
謎ですよね僕も結構謎だったんですよ複雑すぎて
複雑なんだ
ただ今回だいぶシンプルにしてみたので
多分わかるようになると思いますね
まず第一段階麹作ります
麹を作る
何してるかっていうとお米を蒸してね
もちろん洗って吸水させて米を蒸すわけですよね
蒸したところにカビくっつけます
ほっとくんです
カビ入るじゃないですか
25度で40時間ほどっていうのが目安だそうです
むしろじゃないけどその保温室は入ったことあるわ
あるんだ
ある
あそこなかなか入れてくんないんだよね
他の菌が入ってると全部ダメになっちゃうって
そうなんですよ
言ってた
それはあれですよ今でも酒作りに携わる人たちはね
酒作り期間に入ったら納豆食べない
俺聞かれたもん納豆食べちゃダメ
そうそう納豆菌最強なの
ああそうなんだ
どんな状況でも例えば3日前1週間前に納豆食べましたとするじゃん
とか前の日に食べましたとするじゃん
もうねいっぺんに酒ダメになるらしいよ
へえそうなんだなんかチーズもダメっていうよね
口の中にあるとかそういうレベルじゃないんだって
ああそうなの
もう1日2日経ってもその菌がね繁殖しちゃうんだって
まあ当時は一人暮らしてね納豆はあまり食べてない時期だったから
全然入れてくれたけど
多分ねいつ行ってもダメだよ
ああダメなんだ
納豆大好きだから
今はダメだよこれ今はもう毎朝のように納豆食べてるから全然入れないけど
そうだね酒作りしてる人たちは納豆我慢です
そうなんだ
だいたいこれひねり餅って言ってこれ柔らかさを示す度合いらしいんですけどね
お米を蒸して手のひらでキュッとひねり潰してちょうどお餅になるぐらいの硬さまで蒸します
15:04
ああ基準があるんだね
基準があるんですってこれでカビが付けてカビが繁殖したカビだらけのご飯ができます
でこれ麹の完成ですね
次元作り
元作り
この麹に水と冷やした蒸し米を混ぜます
元に冷やした蒸し米は冷やすんだね一回
そう米は冷やしますで混ぜておくんですよ
今はここにこうぼうという菌を別で培養したものを入れることが割と多いんですけど
昔はそういうこともせずにただただ混ぜるだけ
そうすると糖化が始まるのでドロドロになっていくんですね
水が吸収されてドロドロになってでそれをちょっと前まで昔は貝木のヘラですね
これでもってすりつぶすんですよ
これをもとずりとか山卸っていう言い方をします
多分山卸は麹と水と蒸し米混ぜたものを山上に積み上げてそれをヘラですりつぶしていくから
そうなんだ
それで山卸っていうらしい
ちなみになんですけど山肺ってあるじゃないですか
山肺
お酒の中で山肺仕込みとか聞いたことないですか
聞いたことあるかも
山は山川の山ですよね肺は肺糸の肺ですね
肺糸の肺
これ何かっていうと山卸肺糸元山卸すりつぶす作業をやってない種を元のことを言ってます
ああそういうことなんだなんかすごいなんか肺糸の肺使っちゃってるからさ
なんか山奥の二人ととこで作ってるようなイメージを得ていた
そうじゃないんですよ
このすりつぶす作業をやらない仕込みの仕方のことを山卸肺糸元略して山肺元と
あああったね思い出したわ見たことある
そういう言い方になってるんですよ
これは明治以降近代の研究で山卸をした場合としてない場合で
アジア西部に差が認められなかったと
別に山卸しなくていいんじゃねっていうことになって山卸肺糸元が登場してくる
ああそうなんだそれまでは全員やってたの基本的に
全員やってためちゃくちゃ大変だよね
大変だろうね
これタイミングを合わせたりとか給水時間とかね山卸の加減とかタイミングを合わせるために
技術者の人たちの歌よくほら昔の人って歌を歌いながら作業するじゃない
タタラ踏むときとかね
物の契機みたいな
物の契機みたいなもうあれしか出てこなかった
あんな感じあれをやってるとみんなで声を吸って歌うから
タイミングが合うしだいたい長さが決まるんだよ時間が
はいはい
これで調整してたみたい
ああそんなのも使ってたんだねちょっと
だから当時さんかどうか分かんない頭になる人がさ
18:01
リードして歌を歌っていくとそれでテンポが変わったりとかして
調整するみたいなことを昔はやってたみたいですね
あれ楽しそうだよねなんか歌ってる方が
なかなかねだいぶ重労働だから気も紛れていいんじゃない
だと思うよ
でこの擦りつぶした元ですね
これいっぺんにそんな大量作れないんで何回も何回もやるんですよ
ああそうなんだ
だいぶ大変だからねこれ
これを一個のでっかい樽に集める
でこれをちょっとずつ温度を上げていく
これすごいよ今だったらさ電気いじかけて温度上げられるけどさ
昔さでっかい木の桶なわけじゃん
そしたらねちっちゃい木桶にお湯入れて密閉してそれをでっかい桶の中に突っ込む
ああそうなんだ
湯たんぽ湯たんぽちょっとずつ上がっていくじゃん
それで温度を上げていく
へえすげえ大変
ねそうすると酵母菌がちょっとずつ元気になっていくんだよね
はいはいはい
いい感じにこれでだんだん甘酸っぱくなっていって
だんだん酵母菌が活動し始める
でこれね面白いことに酵母と乳酸菌が自然に入ってくるんだよね
そうなんだ
酵母とか乳酸菌とかカビだよねどこにいるんだって
どこにいるの
今はさ人工的に入れてるけど昔はそんなことしてないけど勝手に酵母と乳酸菌が働くんだよ
へえ
空中とかね
空中ね
壁とかね
はいはい
なんなら人の肌とかね
ああ人の肌も
どこにいるんだって床とか
だから蔵を例えば建て替えるとするじゃない
そうすると前の時に使ってた蔵の壁板とか床板を取っといて
わざわざ新しいとこにその壁板貼り付けるんだ
そこに菌がいるから
そういうことだよね
そうそうそう
ああそこまでやってたんだ
うんらしいよ
これね何の作業をしてるのか
酵母とは何なのかっていう一番大事なのが
これ酒作りじゃないんだよ本当は
酒じゃないんだ
ポイントはもちろん発酵してね
アルコールもできるんだけど
一番のポイントはまず健康で元気な酵母を多量に発生させること
要は元だよ本当の元
酵母の塊作りたい
これを伸ばせばいいわけじゃん
単純に考えるとね
っていうのと乳酸菌も一緒に育てたい
ここがね俺すごいとこだなって
技術的に感動したポイントなんだよね
これね酵母って自然界にうじゃうじゃいますよ
その代わり他の菌もうじゃうじゃいますよ
こういう状態の中で酵母だけに働いてほしい
そのためには雑菌を殺菌したいわけだよ
21:01
ここにねすさまじい自然の動きが入ってるの
そうなんだ
基本的に菌は糖を好むものあるんだけど苦手なものは入ってきません
糖を食べるくせにあんまり糖度高いと
活動ができない奴らがいるわけ
脱水しちゃったりとかしてさ
深糖圧でね
酵母ってかなりの高糖度でも活動ができる
それからさっきほら
虫ごめ冷ますんだよって話したじゃん
低温で活動できない菌も結構いるわけ
食中毒が起きるような菌ってさ
最低26度ぐらいからピッ上がっていくとか
いう感じじゃない
あるね
酵母ってもっと低い温度でいけるんだよ
もう10度ぐらいでも全然働ける
遅いけどね
これが15度になってくるとだんだん元気になってくる
みたいな活動の範囲なのね
あとすごいのが酵母って乳酸に耐えられるんだよ
そうなんだ
他の菌は乳酸で大体やられちゃう
乳酸ってそんな働きあるの
酢で殺菌するって言うじゃん
まさにこれ
ああそうか
酢を食べて分解していく消化だよね
これは乳酸菌よりも酵母くんの方がちょっと早い
じゃあこの乳酸菌くんはどういう存在かっていうと
酵母と同じようにやっぱり糖度が高い
高糖度甘い中でも生きていけるし
低温でも活動ができると
そしてほとんどの菌を殺菌することができる
残念ながらだけど高濃度の乳酸と高濃度のアルコールには弱い
アルコールにも弱いんだ
そうなの
何をしてるかというとまず乳酸のおかげで
雑菌全部倒して生き残ってるのが乳酸菌と
酵母しかいないぐらいの状態作っちゃう
もうこれだけで発酵の条件整うわけじゃん
消化消毒というか死滅させちゃうってこと
そう薬物入れなくても乳酸菌が全部やってくれるわけ
でも乳酸菌がずっといるとどんどん酸っぱくなっていくでしょ
まあ確かにね
そしたらサッカロマイセスセレビシエくんがアルコールバンバン出すじゃん
アルコールとさあるでしょ
で乳酸菌くんは自分で乳酸出してるじゃん
この乳酸とアルコールで自分自身が弱っていくんだよ
そうなんだ
からちゃんとしたお酒に変わっていくっていう
これがすごい
温度の調整だけで殺菌していくんだね
そう俺もう全部空中にあるものだけでやってるんだから
なんかすごいね想像みたいな話だね
多分数字知らないけど何十種類とか何百種類空中にいるんでしょ
その中から2種類だけに働いてもらう工夫がこれに詰まってるってこと
はあすごいね
今言ったのが昔からある木元って言って
空中とか壁とかにいる菌を活用した元の作り方
だいたい元が完成するのに1ヶ月くらい時間かかるってことかな
24:02
結構かかるんだね
現代は即常元早いかもす元だね
即常元っていうのが主に使われることが多くて
この場合は乳酸菌と酵母を人工的に入れる
教会工房7号とかあるじゃんああいうのを入れる
今入れるんだね 入れるっていうところが結構多い
ただ瓶に木元とかヤマハイ元って書いてあったりするやつは
もうだいたいクラツキの菌だよね
これで作ったこの元を伸ばしていくとお酒ができるそんなイメージかな
そうなんだ
ちなみにこれ元だからさお米を使う量が全体の7%ぐらい
そんなもんなんだね そうなんですよ
だからこれが酒米とかけ米っていう関係だよね
酒米とかけ米
この元を作るために使われるお米
冷やした蒸し米入れるって言ったじゃないこれが酒米
この後追加投入される蒸し米がかけ米ということで諸身作りきます
そうなんだ
ほとんどのお米はこっちで使います
およそ全体の93%ですね
元はほんと少ないんだね
そうなんですよこの元を膨らめるために次のものを投入します
麹、蒸し米、水さっきと同じだよね原料ね
一緒だね
これ入れると元で生まれた公母君たちが
うわぁご飯いっぱい来たぜオラ食うぜってなるわけ
そういうことね
しかもこれね賢いなと思うのが3回に分けるんですよ
こっからまた3回分けるんだ
3回分けてそれをね初添え中添え止め添えってやるんですって
ちょっとずつ入れることでこれ何やってるかっていうと
公母君もね実はアルコールに弱いっすよ
そうなんだ
アルコール度数上がってくると自分弱ってくる
自分の排泄物で
そうそうなんですよビールの回でも少し触れましたけど
ビールの公母君もアルコール度数が上がってくると止まっちゃう
だからビールって8パーか9パーぐらいが限度で止まるわけですよね
やっぱりお米であっても日本酒であっても止まっちゃうんですよね
だからうわぁもう餌なくなった食べるもんないわーって言ってるところに
水と虫米と麹が追加投入されるじゃん
うわなんか生きれるかも俺ってまた頑張るわけですよね
これ3回やると止め添えが終わった後ぐらいになるとめちゃくちゃ発酵するんですよ
で泡ボコボコボコボコってなってすっごい泡出る
大体ねでっかい樽の中の例えば高さ半分くらいまでもろみが入ってたとします
泡の高さはまあ樽から溢れるかどうかギリギリぐらい
失敗するとマジで溢れるらしい
27:02
すげー量の泡がブワーって出てこれ高泡っていうらしいんですけどね
これがだんだん引いていって薄い膜になったらこれで発酵完了
そうなんだだからか樽いつ見に行ってもさ見学しに行った時に樽ここまで入ってるよって教えてもらえるんだけど
ちょうど結露してるんだよ表側に温度差で
そのシミで大体この辺入ってるよってのわかるんだよ
寒い蔵だから結露するのよ表面と樽の間で
だいたい半分くらい半分からちょっと上ぐらいこんなもんしか入ってないんだなと思ったけど
単純発酵して上が溢れちゃうから半分なんだね
そういうことですね
そういうことか
めちゃめちゃ出るのはねこれねグルコースいわゆる二糖だよね
これを一個分解して発生するエタノールの量が1に対して二酸化炭素の発生量は2
そうなんだ
グルコースが10あったら二酸化炭素20出るってことだよね
相当出るね
めちゃめちゃ泡出るだから今でも坂ぐらい行くと酸欠注意の張り紙貼ってあるらしい
それは見たことないぞ
普通に発酵中の樽に顔突っ込んでどれどれとかやるでしょマジ危ないらしいよ
そうなんだ
二酸化炭素の塊だから酸素が追いやられて酸欠の可能性があるから気をつけてね
確かに
危ないらしいよ
混ぜてるとこ付き合わさせてもらったことあるけどそこまで言われんかった
でも確かにブツブツはしてるでしょ
言われてみると若干ゼーゼーはする
酸欠酸欠
いや登るからさ階段も高さがあるからあれですねしかも朝も早いしあれかなと思ってたんだけど
二酸化炭素だあれは
二酸化炭素です
酸欠だな
そんなに標高高い樽使ってないでしょ
使ってない使ってない
富士山の上とかじゃない
じゃないじゃないせいぜい2mぐらい上がって
この諸身作りが他のビールとかワイとかそういうのにないわけですよ
発酵させ始めたらビールっていうのは発酵しかしないわけじゃん
今ある材料を発酵させるだけなんだよね
これをさらに追加追加するのがこれがすごいところでさ
しかも入れてるのが元を追加するとかじゃないわけだよね
麹と蒸し米入れてるわけじゃん
ということはこの諸身の中で糖化も起こってるんだよ
糖化と発酵が諸身の中で同時に起こってる
追加したらさらに糖化するのか
だって米そのままじゃねえコウボー君食べらんないから
追加投入された麹君がアスペルギルス君が分解してくれる
分解した蕎麦から新鮮な糖をバカバカバカバカ食べてエタノールにしていくっていう
これを同時にやるんでだから並行複発酵っていう名前が
そんな名前なんだ そうなんですよ
30:02
ワインなんかは単発酵とか単純発酵という
一番原始的なお酒の作り方なんだよね
めちゃくちゃ大変なことをやっているわけですよ
並行複発酵ね
この並行複発酵をすることによって
アルコール度数が20%前後までいけるんですね
そんなにいくんだ そう
ワインって10%ちょっとくらいだよね
ビールって8%から10%くらいの間が限度だよね
複発酵をすることで醸造酒系の中では最高のアルコール度数を確保することができると
それでアルコール度数高いんだ 高いんですよ
発酵させれば発酵させるほどアルコール度数上がるのかと思ったけど
止まっちゃうから勝手に まあ要はアルコールで死滅しちゃうから
止まっちゃうんだ 自分のしっこにまみれて息できんみたいな
きたねえな 急になんか嫌な話になっちゃったよ
エタノルってそういうことですからね まあね
そうなんですよ それでワインは10%前後止まりなんだ
自動的に止まるみたいな ああそういうことね
らしいですよ あれは誰かが決めたわけじゃないんだね
工房の特徴ですね うん
でもこれでほぼ終わりですよお酒作りなんか
ああそうなんだ でこれで箱終わるじゃないですか
あとは絞るだけ 酒かすと精酒に分けるっていう作業ですね
一番伝統的なやり方は布の袋の中に入れてこす
なんか聞いたことある 袋に入れてそれを酒船っていうでっかい
バスタブみたいなとこに入れて置くだけ
なんかすごい巾着みたいにして釣ってたよね 釣るのもあるし
やり方があるらしいんですけどそれでこしていきます
このこしたときの一番最初に出てくるのが荒走りとかいって
いわゆる一番絞りっすよね荒走りでその荒走りが出終わった後に
安定してじわーっと出てくるのが中組で中組が終わると
もうほぼ出てこなくなるんですよねちょろちょろちょろ
もう終わったかなっていうときに圧をかけてぎゅーっと絞り出したのがセメ
これ同じ酒でも酒蔵行くと特に出てるのかな荒走りとか中とかセメとか
いろんな名前つけて売ってるんですよね最近荒走りとか売ってますけどね
できたてに飲ませてもらったことあるけどあれ荒走りだもんね
本当に炭酸だった そうだねあれほぼほぼピリッとか
シュワシュワじゃなくて普通に本当に炭酸のシュワシュワだった結構だよ
強炭酸まではいかないけどね 微炭酸から炭酸入ってますくらいだった
モノリティはちょっと白っぽく濁ってたりとかね 濁ってるやつもあったね
それがいわゆる荒走りっすよ味はちょっと荒々しくてさ
そうだね割となんかまだまとまってないというか落ち着いてないやつだね
中組になるとちょっと落ち着いた味わいになってくる
33:01
ちょっとコクが増えてくる感じ で攻めになるともうだって酒カスの度合い大きいじゃん
めちゃくちゃ濃厚になるんだよね そこ飲んでないんだな
なかなか出回らない いやでも新鮮だったよ
クンデルそばからさ管から出てくるのをねグラスでピッてそれを飲ませてもらった
それはええねえ体験しとるね
横で圧作機が絞り機が機械なんだけどそこは油圧式のやつでウィーンって動いてるんだけど
それが動き出すとさそこから酒がドバーって出てくる
なんだろうなんて言ったらいいんだろうな
池とかでさ水上から落としてくると水亀みたいなのダバーって入れてるところとかあるじゃん
山水に近いかな山水が亀に落とされるじゃん
タキツボダバーってなってるじゃん山行ったりするとあそこのこのダバーっていう感じでお酒が出てくる
タキツボの撹拌されてる感じ そうそうそうなんかこうね結構な勢いでさバー出てくるんだよ
いいなあ言ったことないんだよな俺 こっちじゃないとね知ってるところはそこしかないから
確かにね今いいこと言っといたけど一つ圧作機って言われてきましたよね
やっぱりね現代は圧作機使ってたりとかあと延伸分離機っての結構多いみたい
延伸分離機もあるんだ うんらしいらしいこれでさ一回絞るじゃんもう一工程やるんだよね
まだあんだ これね絞っただけの状態だと比較的米の研ぎ汁みたいな色してるんだよね
これ白く濁っちゃってるから雑味も多いじゃないもう一回ろ過する
ああろ過するんだ その雑味になる部分をね取りたい
で今はそれこそろ過機とか使うんだけどもともとはねこれ活性炭入れるんだよね
活性炭 炭の粉かな確かな
これを例えば何リッターに対してみんかき一杯分とか入れるとその活性炭が雑味になる分を全部吸着してくれて
それをろ過すると綺麗に透き通ったお酒が出てくる
まあ吸着するからあれだよねでかくなるんだよね
そうそう 粉の大きさがでかくなるから濾したときに綺麗になる
これもねかなりの職人技らしいよ そうなんだ
ほんの何ミリグラム余分に入れると今度旨味も取っちゃうからおいしくなくなっちゃう
だって母数が何千リッターとかでしょそれに対して何ミリだ
なんかそういう微妙な差を加減してたらしいねこれ今でもやってるところはやってます
そうなんだそれは知らないな
ほらねほら例えばむろ過ってこれやってないってことですよ
ああそうか
一番原酒で粗走りでむろ過って言ったら一番粗々しい
タコが飲んだのと同じのが止めるってこと
むろ過だとすごいきついよねお酒のアルコール感がすごい強いんだよね
確かに なんでかは知らんけど
まあできたてってのもあるんだけどさ落ち着く前なんだよね
一旦ここまでが大雑把にお酒ができる流れですよ
36:04
本当はこの後に売るための商品として安定させるための工夫の技術がいくつもあるんですねここから
じゃあ次回からそこら辺とあとは銀杏とはなんぞやってのちょっと話をしていこうかなというふうに思ってます
どうここまでで酒作りなんとなく理解できたかしら
序盤が若干名前がバーって出てきてるから怪しいとこはあるけど
なんとなく流れはわかったかなカビを作って頑張らせるっていう
さあさあさあさあ
名前かっこいいから言いたいだけなんでアスペルギルスオリゼってなんかかっこよくない
アスペルギルスなんか星の名前みたいだね
サッカロマイセスセレビシェとかなんかかっこいいじゃん頭良さそうじゃんこいつ
サッカロマイセスなんだろうねサッカロマイセスだと札幌ポットとしか出てこなかったな
地面の中から始まる地面の中から
いやいやサッカロマイセスは他のお酒も作ってますからね
そうなんだね
いっぱい作ってる仲間がいますね
サッカロマイセスはすごいってことだよ
そうそしてアスペルギルスオリゼは日本の黒金ですごいと
なんで横文字なんだろうね黒金なのにね
もともと工事カビです要は
工事カビが和名みたいなもん
和名でも長いこと工事カビって言われてきたんですけど
近代化して明治以降になって学者さんたちがこういうのだっていうのを見つけて
何人か忘れたけどドイツ人かな
親問い外国人の学者さんが海外から来ますよね約何十人
その中の科学者がこれはアスペルギルスオリゼであると命名すると言ったからそうなってる
そういうことか
そういうことですねちゃんと二名法に基づいてできてますね
出た二名法ちょいちょい出てくるね二名法はね
大事ですよ輪廻の二名法はすごく大事です
分からない人ビールのおかげで聞いてください
いずれ輪廻のことちょっと触れようかなまた
そこ分かるのかな
やめとくか
ちょっと気にはなるよ
輪廻という人が何者か
なんかすごいのはよく分かったから
いかにすごいかを知りたい
いずれ偉人編やりたいね一話完結ぐらいで
偉人編ね一話完結ぐらいだったらいいかな
パスツールとかさ
ちょっと好きな人をやろうよ今まで聞いてきた中でさ
今まで聞いたシリーズの中でこの人めっちゃ好きよっていう
偉人の人をちょっとピックアップで
じゃあ凛でもやろう冷凍庫の凛でも
ちょっといやもうちょっとメジャーでもないけど
セノリ級あたり
すごいメジャーいったね
セノリ級でもいいけど
ちょっとお茶とかお米とかいろんなとこからピックアップして
どうでもいい話になっちゃうんだけど
まあ次回は楽しみに聞いていただければと思います
はい
ということでいいか
そうですね
今回はこの辺で終わりたいと思いますありがとうございました
ありがとうございました
39:12

コメント

スクロール