ということで、本編に行きたいと思います。
では前回からの続きです。
今回は。
とうとう蕎麦の植物本体に行きましょう。
植物本体?
はい。今までは蕎麦切りの話ばっかりしてきたじゃないですか。
なのでそもそも蕎麦という植物の話をしてないなと。
確かにね。
いつもだったら、他のシリーズだったら大体冒頭でやるんですけどね。
今回全く触れずにシート6枚目に来ております。
ということで、蕎麦の生まれ故郷ね。
蕎麦の生まれ故郷。
原産地とか、蕎麦という名前の由来とかね。
その辺の話をしながら、なぜこの蕎麦という植物が日本だけでなく各地で食べられているのか。
そのルーツに迫ってみたいと思います。
ということでですね、蕎麦という植物の原産地はどこでしょう。
原産地。
原産地、中国。
中国。そうなんですよ。
たぶん今台本見ちゃってるからね。
割とね、初回の方で言ってんだよ。
言ってましたっけ?
言ってた。しっかり言ってる。
雲南省と四川省の間の山間部。
ピンときます?全然来ないでしょ。
山間部。
すっげー山の中なんですよ。
なんか、瓦礫の山って言ってなかった?
そう、瓦礫。
瓦礫か。
これ登山やる人だったらピンとくると思うんですけど、
瓦礫ってどう説明したらいいんでしょうね。
仮面ライダーでドカーンって爆薬出るシーンあるじゃないですか。
悪役戦って。
ああいう感じのところが瓦礫と瓦礫の中間みたいなね。
もっともっとね、日本だと。
四国カルストとか。
行ったことないから知らん。
逆にわからんかった。
川を上流の方にずっと遡っていくと、
岩ばっかりでっかい石がゴツゴツしてるところあるじゃないですか。
ああいう感じのところね。
植物がもっと少なくて、
両サイドが急勾配の斜面になってるようなところ。
そんなイメージですね。
これGoogleマップお手元にあったらぜひ見てもらいたいんですけど、
おすすめはレイヤーを変更して地形っていうのを入れていただくと、
勾配が見えるんでね、ちょっと面白いんですよね。
すっごく引きで見ると、
中国の北西部あたりっていうのはチベット高原が広がってますよね。
その南の端っこがヒマラヤ山脈というか、
ネパールにつながるところですよね。
その高台になってるところの東の一番端っこみたいな感じ。
今見てないからなんとなくしかわかってないからううん言ってた。
地形で見るとインドは昔ユラシア大陸にぶつかったんだなっていうのが見えるぐらいシワが寄ってるところがあるんですよ。
そのシワのエクボみたいになってるギュってシワになってるような感じのところなんだけど。
表現が。
なんか表現ミスった感じするけど。
ミスったね。
でも地図見たらエクボねって感じするよ。
エクボ。
広角上げたら串の端っこギュってシワ寄るじゃないですか。
あのシワがものすごい深い渓谷になっていてそこに川が流れている。
で岩や石が剥き立ちになったようながればが蕎麦の生まれ故郷。
そうなんだ。
およそ植物が元気に生えられるようなところじゃないだろうなっていうね。
絶対土壌悪いでしょ。
土壌は良くなさそうだよね。
確実に悪いんですよ。
でこの蕎麦の原産地の特徴ですね。
土壌が痩せていて保水力が低い。
保水力が低い。
農業やってる人からするとどうですか。
まあだいぶ過酷よね。
しかも湿度がすごく高くてだいたい天気が悪い。
でも湿度はあるんだ。
ずっとじめっとしてる。
カラッカラではないんだ。
ずっとじめっとしてる。
で気温的には年がら年中春みたいな感じ。
なんか割と心地よさそうだね。
ただ1日の寒暖差はめっちゃある。
まあ三寒分だからね。
朝晩めっちゃ冷えるし昼はそこそこ春っぽい感じにはなる。
昼だけね。
ただ天気がいいわけじゃないので想像するのは春とは言っても天気の悪い日の春ね。
まあどんよりパッとしない日ね。
それがもうずっと続く感じ。
ちょっと嫌だな。
でその状況で土壌が痩せてるんだよ。
あー過酷よね。
雨が降っても水吸ってくんないからどんどんどんどん水は抜けてっちゃうような土。
こんなとこで育ってます。
だいぶだね。
だいぶ。
そばは山の中だと思ったけどもうちょっとねちょっと原っぱみたいなとこかと思ってた。
だいぶ過酷。
過酷だね。
他の植物ほとんどないみたいな感じですね。
そうだよね。
漢方とかはありそう。
そうかもね。
薬草みたいなやつ。
多分ですけどそういう感覚で見つかったのかもしれないですよ。
だいぶ過酷で、でもその過酷な環境でめっちゃ繁殖してるんですよ。
まあまあそういうことだね。
そばだけが。
そばだけなんだ。
他にもあるんでしょうけどそばがやたら強いらしくて。
それは自然選択の結果、自然淘汰の結果。
そばだから生き残れた。
いやむしろ生き残ったのがそばだったという感じなんですけどね。
分散しているといいよねっていうのと、
離れているからといって自家受粉しちゃうと
種の力が衰えやすくなるわけじゃないですか。
受花受粉。
要は同じ株の中同士で受粉をする。
献身交配みたいな。
犬なんかそうですよね。
自分の株のおしべとめしべで受粉できますよね。
あえて蕎麦は高受粉なんですよ。
高受粉。
他の株等じゃないと受粉できないようにできてる。
そうなの?
めしべの長さが違うタイプがあるらしくって、
めしべが長いタイプと短いタイプね。
これはめしべが長い方は、
おしべが短い方とじゃないと受粉しないし、
必ずクロスするようにしか受粉できないようになってるんですって。
へえ、そんな機能が。
これどっか別の本って読んだのかな。
生き残るための戦略の一つとして、
植物とか細菌類っていうのは、
遺伝によってどんどんどんどん体を変えていく。
それによって生き残り合戦を勝ち残っていくっていうのは、
ざっくりそういう仕組みですよ。
で、脳みそ持ってる人間とか哺乳類とか、
そういった動物ですよね。
遺伝子をどんどん組み替えて生き残るっていう戦略じゃなくて、
環境の変化に脳みそと知識で持って対応していくっていう、
そういう対応力ですよね。
大きく分けると、こういう2種類の対応力があって、
その前者の植物の方なんで、
なるべく交雑をしながら、
自分の体を改変して残っていくっていう。
まあ環境はね、結構シビアだから、
そうやって変化し続けないといけなかったもん。
そういうことらしいですね。
当然離れてるんで、ちょっと近くにいると強豪するし、
病気も伝染しちゃうじゃないですか。
離れてるんで必ず虫が間を媒介してくれないと、
受粉できませんっていう。
成長戦略的にも割と最強なのにさ、
ちゃんと病気対策もしてるんだね、自分で。
最後の最後、受粉のところが虫に頼ってるっていう綱渡りね。
確かに虫の媒介は、
虫の受粉って結構リスキーだよね。
虫がいなかったらアウトなんで。
自分はめちゃくちゃ強いのにね。
だから虫がいつ来るかわかんないじゃないですか。
だからダラダラ成長して、
いつでもどっかのフサが花咲いてるみたいなね。
いいのか悪いのか。
100分の100全部咲かしちゃうとさ、
タイミングずれるとアウトじゃないですか。
受粉ってタイミング的に虫が少ない時期だったりすると、
その花ただ落ちるだけだからね。
そうなんですよ。
だから100のフサがあったら、
常に5ぐらい咲いてますよみたいな状態を作って、
いつでも受粉体制を整えながら、
ダラダラ飲めるっていうね。
そうなんだ。
そうなんですよ。
これがまず植物としての蕎麦の特徴ですね。
次、もう今日はね、
パンパンといこうかと思ってるんですけど珍しく。
蕎麦という名前ですよ。
蕎麦という名前?
みなさん蕎麦という漢字書けますか?
俺は無理。
麦しか分からん。
麦がついてますよね。
これも一つ特徴なんですよ。
だいたいね、原産地そのものか原産地に近いところっていうのは、
大概固有名詞が与えられます。
固有名詞。
非常に重要な作物とかだと、
例えば日本だったら米とかね。
麦とか冷えとか泡とかキビっていうのはもう完全に単体で
表されてるわけじゃないですか。
これが就職語がついてるような名詞になる場合もあって、
小麦とかね、大麦とか塩箔とかありますよね。
小麦、大麦、塩箔。
麦の中のちっちゃいのだよ、大きいのだよとか、
後からやってきたやつとか、
原産地から遠いものほどそういう傾向にあるらしいんですね。
日本には幸い麦が早くから入ってたんでいいんですけど、
トウキビっていうのがありますね。
トウキビ。
トウキビか。
トウキビのトウキビとかね。
あとトウモロコシなんかもあれもともとキビですよね。
キビっていうね。
モロコシキビですよね。
日本にもともとキビという固有種があって、
モロコシという国からやってきたキビだよっていうふうに、
後からやってきたものは、
就職をつけて、もともと持ってるものの似たものだよっていうグルーピングをしていくわけですよ。
だから日本においては、もともと蕎麦の一文字で京と読むんですけど、
この京という麦だよっていう意味で、
麦の仲間という認識をしてるんですね。
意味わかんないでしょ。
ちょっと意味わかんなかった。
例えば塩箔だったら、これ説ですけど、
中国に塩という国がありました、地域がありましたとするじゃないですか。
そこからやってきた麦だから塩箔ですねとか。
そんな感じで、からしがもともとありました。
唐からやってきました唐辛子ですね。
そういうことね。
でももともとからしって赤いのを指してないですからね。
黄色いやつですからね。
黄色いやつ。
からし菜なんで。
けどとりあえず辛いから、唐からやってきたからしで唐辛子で赤いやつは唐辛子っていうジャンルをしてるんだけど、
実は種は違うよねみたいな。
そんなイメージで、もともと麦ありました。
小麦もあります。大麦もあります。
もち麦あります。
そこに蕎麦っていうのが来て、これも麦の仲間かなみたいな。
そんなジャンルを分けされてるんですよ。
で、本家本元の中国では麦という字がつかないらしいですね、もともとは。
蕎麦という名前に。
今は麦っていう文字がつかれてるのが当たり前になってるんですけど、もともとは漢字一文字らしいんですよ。
蕎だけ。
そもそもこれ蕎って甘いんだけどね。
日本語だと京って読むんですよ、音読みで。
京。
で、中国語読みだとチャオとかいう発音になるのかな。
チャオ。
で、なんかね、文献によるとチャオっていうので全然違う感じね。
もう日本人にはとても書けない読めない字があるんですよ。
このチャオっていう字が、もともとの語彙がね、盛んに茂るっていう意味らしいんです。
盛んに茂る。
遠目で見てるけど字読めんしょ、あの字。
ゴチャゴチャゴチャって書いてある。
角数オっていう字。
あそこに書いてあるのが元の京ってやつ?
そう。
中国語読みだとチャオってやつね。
チャオ。
土となんか、なんだろう羽っぽいの何かが見えるけど、それ以外がわからん。
左側にね土書いてオが2つあって、下がカンという字があって、その右側に羽っていうね。
これが盛んに茂るという意味を表してるんですって。
盛んに茂るって意味わかんないけどね。
とにかくね、もうバンバン成長してめっちゃ茂るよって意味。
おーそういうことかね。
さっきほらダラダラ成長してもうもっさりするっていう感じだったじゃないですか。
はいはい、追い茂るみたいな。
そうそうそう。それを表した字なんだよね。
そういうことね。
だから見たまんまなのよ。
すごいね、追い茂るみたいな表現は1文字なんだね。
そう、1文字あるんだって。
でもさこれめっちゃむずいじゃん、字が。
さすがにね、当時の中国古代だけど、この漢字はちょっと使いづれえなってことになったらしくて。
気づいたんだね。
やっぱり盛り上がるとか、どんどん繁殖するみたいな意味で、なおかつ音も同じチャオっていう字があるんですって。
これが京という字です。
京。
草冠がないやつね。
草冠がないやつ。
蕎麦の一文字目の草冠がないものです。
あーはいはいはい。
柳屋京太郎さんの京の字ですわ。
そうなんだ。
これ京という字ね。
これが同じ意味を持ってるんです、大体ね。
大体ね。
大体同じ意味を持ってるんだけれども、ただこれは植物を表す字ではないと。
へー。
どう見たって蕎麦って読まない。
中国語由来なんで。
しかも勝手に麦くっつけちゃってるし。
ここに日本人はもともと蕎麦みたいな音で読んでたんで
ちゃんとくっつけて訓読みで蕎麦って読むことでいいんじゃないっていう風になってる。
だいぶ強引だね。
しばらくの間、江戸時代の書物でも蕎麦麦とか蕎麦麦、蕎麦麦、蕎麦麦って書いてある。
ちゃんと麦は読まれてたんだね。
読まれてた。
僕の想像ですけど、蕎麦がまともに食べられるようになって料理が発展してくる。
蕎麦がきだとか、蕎麦切りだとか、蕎麦飯だとか、そういった蕎麦の料理のバリエーションが出てきたときに、
蕎麦切り、蕎麦麦切りとか言いづらいじゃないですか。
蕎麦麦がきとかね。
蕎麦麦がきになっちゃうね。
ややこしいじゃないですか。
ややこしい。
そのうちに麦落っこちた。
まあそうか。
かなっていう気がしますけどね。
他に麦がついてるやつあるもんね。
これね、ちょっと比較してみると面白いなと思うのが、漢語として入ってきたもともとの中国語ですよね。
経っていうのはもう植物本体の特徴、成長が早くてめっちゃ茂るぜの方を表してるわけじゃないですか。
日本語の方は生えてる場所を示しますよね。
なんかちょっとこの辺の特徴の抽出の仕方が違ってて面白いなっていう話。
ただそれだけなんですけど。
近所で西のおじさんとか西側に住んでるおじさんとか東のおばさんとか、場所で言うやん。
山のなんとか山のおばさんとかなんとか山のおばあちゃんとか。
そのうちおばあちゃんとかおじいちゃん飛ばしてさ、なんとか山の、なんとか山行ってくるって言ったらたぶんおばあちゃんを指してるとか。
確かに確かに。
なんかそんな感じなのかね日本ね。
かもね。
なんかね、ヤゴもそうだよね。
そうだね、木下さんとかって木の下だしね。
そうね。
川上さんとかね、まんまやし。
そうそう、丸八とかね。
そっかね。
丸八さんとか行ってくるって苗字ではないけど言ってる。ヤゴよそれみたいな。苗字は?みたいな。名前は?っていう。
そういう地域まだたくさん残ってますからね。そうかもしらんですね。
他にもいろいろ日本の特徴なんだろうか。
その視点は面白いですね。
そうかもね。
そういう感じにとった。
なんかこう民族学的にとかね、その分析してる人がいたら聞いてみたいとこですけどね。
あるかもね。
まあね、麦っていうのがねもう総称すぎて、こう他の麦もいろいろ刺しちゃってるから別になくてもあかんじゃねっていう感じだもんね。
そうだね。
さて、ここまで名前はさておき、全体的に植物としての蕎麦を説明してきましたけど、これは人間から見るとどうなんだって話ね。
人間から見ると?
要は作物として育てる、利用する側の人間の視点ですよ。
ああ、はいはいはい。農業従事者というか、農家さんから見るとね。
そう、農作物として蕎麦という植物はどうなんだって。
はいはい。
これもう端的に言うとめっちゃ優秀なんだけどクソーとめんどくさいっていうね。
ああ、そうか。
あのね、そもそもダラダラ成長するわけじゃないですか。
一本バコって抜いたら、うわあフタフサしか実がついてねえやみたいなね。
もうバラバラなんすよ。
確かに。
しかも、じゃあフタフサついてるからもうちょっと実がなったらにしようかなと思うと、初めのフタフサは脱流しちゃってね、地面に落っこちるわけですよ。
そうか。あの、実になるタイミングもずれちゃうのね。
そう、全部バラバラだから。
その、一本の苗でね。
うん。めっちゃ収穫しづらいのよ。
しづらいねそれは。
しかも、そのガレバみたいなところでダラダラダラダラ茂るように生えるわけじゃないですか。
茎がめっちゃ伸びるわけですよ。
はいはい。
でね、茎を太くしてるエネルギーよりもとにかく覆い尽くすことに命かけてますから彼ら。
うんうんうん。
茎細いんだよ。
風あると平気で倒れやんね。
そうか。
で、柔らかい。
ああ、まあ確かに。切った時柔らかかった気がする。
あの、最近は食べないようになっちゃいましたけどもともと蕎麦の葉っぱとか茎って食用だったんで、
まあそういう意味では細くてよかったんでしょうけど、収穫するときめっちゃめんどくさいっぽいですね。
ああ、それはめんどくさそう。
でね、しかもね、日照時間が長い場所、要は土壌が良くて日照時間が長いとこね。
あんまいいとこに置くと、あのね、どんどん茎と葉っぱ伸ばしようねあいつら。
早く花咲いて見つけてくれって言うんだけど、どんどん伸びていくよね。
ああ、さつまいもみたいだね。
ああ、そうかもね。
あれは栄養ありすぎるとね、草ばっか、葉っぱばっか伸びちゃってね、実がならんっていう。
まあ実って言わないけど。
うん、ある程度のとこでこう栄養あった方がいいんだけど、ほどほどにこうバランス取るっていうのが農家さんとしては大変らしいね。
うんうんうん。
自然に対してはね、強いんだけどね。
で、研究者の方がね、蕎麦という植物を研究するために世界各地に分散している蕎麦の亜種ね、これを日本に持ってきて実験的に栽培をしたと。
はいはい。
そしたらね、近在の蕎麦農家さんたち、長野とかでやっちゃったもんだからめちゃくちゃ怒られたらしいよ。
交雑しちゃったら戻んないから。
戻らないね。
そうか。
常に変化していかないといけないもんね、この場合だと。
外来種来ちゃったからさ、AとBしかなかったところにC持ってきちゃったからもう二度と戻りませんみたいになっちゃう。
そうだね。
そうね。
だってAから始まったとしても、Zまで行ってもまたAに戻ることはありえないからね。
遥か子孫だもんね、それ同じ人間ができますよって言ってるぐらい結構、
無茶話だよね。
AとBしかいない状態だったらずっとCができますみたいなことはね、閉ざされた環境か、
日本という国にはこの種類しかありませんってパターンこんなもんですよねってなるんですけど、
海外から違う種類持ってきた瞬間にもうむちゃくちゃ種類増えてしまう。
っていうのでめちゃくちゃ大変らしいんですよね。
確かに。
これをね、急行作物として育てて、江戸時代には夜泣き蕎麦、夜高蕎麦みたいなので、
もうみんな庶民が食べるようになるわけじゃないですか。
すげえよマジで。
これが江戸100万人の火袋を満たす、日本全国に広がるあの蕎麦切りの文化を支え続けてるわけですよね。
農家さん超頑張ってた。
いやマジ収穫っていまだにどうやってやってるんだろうね。
映像で見ましたけど、バサッとカットして、バサッと乾燥させて、
もう普通に脱穀器みたいので叩きつけて煮落とすっていう。
じゃあある程度ピークっぽいなっていうところで刈り取るんだね。
みたい。
全部じゃないけど、大体ピーク今回このぐらいかみたいな大まかな。
そういう感じらしいです。
大変やね。お米みたいにここは今だって言って全部が一緒ってわけじゃないもんね。
ないんですよね。
絶対ずれるもんね。
これ逆にねメリットちょっと言っておきましょうか。
めちゃくちゃ早い。
早い。
成長くっそ早いんで、
芽が出ました、植えました、芽が出ましたっていうところから収穫まで
大体75日程度。
2月半ですよね。
めっちゃ早いね。
めっちゃ早い。だから裏作もってこいなんですよ。
そうだね。
だって茄子とかでも結構かかるよなんだかんだ。
これが主食級の穀物になるわけですからね。
なかなか優秀な休耕作物ですよね。
確かにね。これ穀物だもんね。
しかも土壌選ばないんで。
まあまあ。
山の中全然オッケーなんですよ。
崖っ端とか。
大体元ががればなんで。
そうね。
これ書いてあったらすげえと思ったのが土壌の土の質としては
ダメなのは10年土はさすがに無理。
10年土。
重い粘土質の土ね。
さすがにこれは根っこ入っていかないじゃない。
まあそれ以外は大体問題ないらしいよ。
まじで。
あとなんでもいけるっぽい。
すごいね。
しかも野菜とかだとさ
こっちは弱酸性がいいとか弱アルカリ性がいいとか中性がいいとかあるじゃないですか。
これ幅広くて弱アルカリ性から強酸性までオッケー。
まあ強酸性ってことはだから山で育つの。
なんでもいいよみたいな感じ。
雨じゃんじゃん降ってる場所でも全然平気なんだ。
余裕。
酸性だもんねがっつりね。
じゃあ道路場と育てられるよそばは。
全然いける。
おいしいかどうかかね。
うまいかどうかは大きい。
とりあえず育てるだけいけるけど。
余裕。
へえ。
しかも寒いとこいける。
寒いもんね確かに。
平均気温大体ね17度くらいまで下行っちゃっても全然平気。
へえ17度以下まで全然いける。
すごいねそれね。
日本で言ったら例えば長野県の標高1500メートル級とかね。
結構寒いよそれ。
ひまらや山脈で言ったらね2400メートルから4300メートル級とかね。
余裕で生えます。
ひまらやって思ったより寒くないんだねその下の方って。
結構ね寒いんだけどまあ井戸とかね日照時間の問題でそこそこいける。
井戸が高いもんね。
井戸が低い。
別にそんなに高くはないですよ。
日本よりちょっとちょっと南にあるかなーくらいですね。
そんな変わんないです。
行ったことないからさ。
無理行けない。
行けないかな。
ちょっと行ってみたいけど。
行ってみたいけどね。
高山病とかになってみたいけど。
寒いとこだと北緯58度なんでだいぶ北の方まで行けますね。
北緯58ってどこなんだ?
だいぶ北。
だいぶ北?
北海道か上。
だいぶ上だね。
だいぶ上。
そんな行けんのね。
全然行けます。
へえ。
北欧とかポーランドとかあっちの方でも栽培されてるわけですし。
ロシアでも栽培されてますんで。
ロシア料理で蕎麦使った料理ありますからね普通に。
北欧にうってつけなんですよこれ。
そうだね。
あんだけ過酷な状況なのに育てられるってのは結構少ないもんね。
農作物としては。
面倒くさいんだけど育つだけ。
おいしいとかたくさん摂るとか考えない。
後の落穀とか考えなければほっといても育つんで。
めちゃくちゃ強いんですよ。
さっきも言ったけど雑草に負けない成長力があるじゃないですか。
病害とか虫にも強いんで虫害のリスクも低いし。
とりあえずほっとったらとりあえずできるだけはできるよみたいな。
ああそうか。
じゃがいものを買いのときにねちょっと高野町での二仏講って話しましたけど。
休耕作物として最強クラスっていうのが蕎麦なんですよ。
はあそうなんだ。
畑切りられたらとりあえず蕎麦まいとけばなんとかなりそうだよね。
実際今平成くらいからそういう蕎麦畑というかね。
宮殿とか使ってない田んぼとか畑なんかにとりあえず蕎麦まいとけみたいな風にやっちゃってるんで。
手を入れなさすぎて収穫量落ちてるとか品質下がってるとかいう問題はあるらしいんですけど。
まあまあまあ確かに。
わりとその田んぼの近くって土壌いいからさあんまり高野にしちゃうと肥料多すぎるんだよね。
日本だとね。
そうですね。
割とこう肥料の少ない山を探すのがまず意外と難しいのでは。
ただね日本全国の例えば蕎麦の有名な地域全部じゃないですけどね蕎麦の有名な地域特に産地として有名な地域っていうのは
だいたいほぼイコールで米があんまり取れない地域が多いですね。
米が取れないか。
長野なんだけど山勝ちなところとか新潟なんだけどすげえ山の方とかね。
まあまあ新潟が穀倉地帯になったのはだいぶ後の時代なんであれですけど結構古い時代だとすごい山の中でも蕎麦がみんなの胃袋を満たしてくれた。
で冷え泡麦蕎麦みたいな感じで固めしにして食ってた。
固めしね。
そう混ぜてね。
そうね。
飯か。
飯として食べてるもんね。
脱穀めっちゃ大変らしいですよ当時ね。
原麦、玄米みたいな感じで原麦つって要はもみ殻ついてるじゃないですか。
あれ下手にこうバンバンついたりとか叩いたりすると中の身が割れるんだって。
割れるんだ。
割れやすい。
そこは麦と一緒なんだね。
そうなんですよ。
麦ほどじゃないけどちょっと割れやすい。
だから叩きつけて取り外してで割ってそこから風で飛ばして重さで粉っぽい部分、粒の部分、ゴミの部分って分けるっていうのはもうかなり古い時代からされてるし。
だいぶ新しい時代になってくると一回塩茹でするんだって。
その原麦のまま。
原麦のまま塩茹で。
原蕎麦か原蕎麦のまま一回茹でると。
そうすると周りの蕎麦殻、枕のやつに使う蕎麦殻がパカッて口開くんだって。
そのタイミングでザーッとあげて一回乾燥させると。
そうすると殻割りやすい状態になってるじゃん。
これでパキパキパキパキって頑張って割るらしい。
ピスタチオ状態。
そうそうそうそう。
いった時のパカッて先端空いてるけどめっちゃ硬いやつ。
あれを片っ端からパキパキパキパキ取っていくらしい。
手でやるの?
今商品化されてるもので蕎麦米とか言ってさ、蕎麦の実だけ売ってたりするじゃないですか。
しかもすげえ綺麗な形になってるの。
あれ割とね、今は機械なんでしょうけど、元は手作業で綺麗に剥いちゃったらしい。
すごいね。
すげえよね。
蕎麦、今回蕎麦切りの話中心でしたけど、これ今回ずっと読んでて、
人間ってさ、現代人はめんどくさいと思っちゃうけど、
一日のうちの大半を食べ物の獲得に頑張ってたんだなと思う。
すげえ手間かかってるもんこれ。
確かにね。
冬を越すためにね、冬の前から秋はほぼ収穫と貯蓄で冬自宅で終わるわけじゃん。
昔の人って。
冬を越したらやっと春だけど、今度夏の作物やってまた冬が来るから、
また秋に向けて収穫を蓄えていくみたいな。
ずっと食のために生きてるみたいな。
そんな感じ。
まあまあそもそもあれですけどね、人口のほとんどは農民ですけどね。
近代以前までは。
近代以前というかつい最近までですね。
つい最近まで。
つい1世紀くらい前まではほとんど農業従事者。
1世紀前ってまだ100年だもんね。
100年とか150年前では明治の工業化みたいなのがバーっていくくらいまでは
普通に農民の方が多いですからね。
そうなんだ。
日本って。
世界中そうなんですけど基本的に。
そうなんだ。
元々ね。
産業革命以降ですよ。
先進国が偏ってたのは。
それで食料危機に陥ってるってなんかね。
そう。他国に作ってもらって買うっていうスタイルですね。
でも他国が裕福になれば同じように先進国になると農業従事者減るっていう。
そうそうそうそう。
このサイクルをずっと人類は繰り返してる。
そう。なかなかだね。