1. たべものラジオ 〜食を面白く学ぶ〜
  2. #45(s7-8)【エールとスタウト..
2021-12-21 40:44

#45(s7-8)【エールとスタウト】「エール」のイギリスと「ギネス」のアイルランド物語(たべものラジオ)

ポップが使われるようになったことで追われるエール。そして産業革命でのポーター。最後はロンドンポーターからのギネスがスタウト開発!


00:03
前回からの続きです。今回は エイルの国イギリスがどうなっていたのか
戻ってきましたね 戻ってきました。おかえりなさい
おかえりなさい おかえりなさい
よくわかんないですけど、前々回ぐらいまでエイルがイギリスで生まれましたと
はい 前回ではドイツでホップが発明されましたということですね
イギリスのエイルはそれまでの間当然のことながら、グルート、ハーブを集めたものですね
ああ、あったあった
あれを使ったエイルをずっと作ってきていました
で、ヒルデガルト委員長が見つけ出したホップを使ったビールの醸造方法
これがイギリスに伝来したのは1470年
1470年というと
ヒルデガルト委員長がホップを使用したビールの醸造方法を編み出したのが
1130年前後というふうに言われてますから
そこから350年
350年かかりました
全然伝わってこない
この伝わった経緯というのをざっくり言いますとね
まず一番最初は輸入飲料として
輸入飲料?
まず製造方法ではなくてホップを使ったビールそのものを輸入します
その次になぜかこれは人口増加などがあって
大陸から移民がイギリスのブリテン島という島ですね
あの島に移民がやってきます
この移民がなんとケルンというところにホップ農園作っちゃうんですよ
ケルン大聖堂あるとこ
そうですそうですカンタベリーとかのあっちの辺ですね
あそこら辺に作っちゃいます
へえ
でこの時点でホップ手に入るようになるじゃないですか
そしてイギリスのエール醸造家の人たちもホップいいねってなるんですね
そうなんだ
要は輸入飲料でビール飲んじゃってるんで見本飲んでますよね
何これいけるやんって
ホップよっぽどよかったんだね
多分相当よかったんでしょう
これうちらも使いたいってなってモグリでやり始めるんですよ
モグリで
でドイツとかフランスで栽培されてるホップを輸入してきたりするんですけど
だいたいダメになっちゃうんですよね距離があったりするんで
幸いにも大陸からの移民軍がホップ農園をケルンに作ってくれますから
ホップ農園をケルンに作る
はい畑作っちゃうんですよ
畑ごと
畑ごと
これはいいわって
でそっからケルンからだったらね少し北に行ったらもうロンドンありますし
すぐにビールに使えるじゃないですか
これはいいわって言ってモグリでやり始めるんですね
でこの人たちがホップ使うのをオッケーにしてくれよと
03:00
ダメだったんだ
そうなんですよ
エールにホップを使うのはダメだということになってました
そうなんだ
これは国をあげてダメだということになってるんですよ
国をあげて
はいこれは権利がいくつか絡んでいて例えば領主であったりとか大司教
当時カトリックの時代なんかはね大司教が教会で土地を持っていて
その土地自体を治めるような地位にいたんですね
この人たちがとある権利を持っていてその権利を貸したり売ったりすることで
税金を徴収して利益を上げるとこういう構造になってるんですよ
その権利というのがグルートの取扱い権利であったりとか
あとはエールを醸造してもいいよという権利
これをグルートを使わないようにしてしまうと
グルート権意味なくなっちゃうじゃないですか
なくなるね
そうすると大司教や領主は収入なくなるんですよ
これも大反対
まあ今の既得権益を得てる人たちからは間違いなく反対だよね
そうなんですよ
そしてあとはねグルートを販売してる人たちも当然嫌ですよね
それは強いホップが来たら負けるじゃん
はい仕事にならないようですし
あとねやっぱり醸造家の中にもやっぱエールといえばグルートでしょ
ホップなんかふざけるなっていう人たちもやっぱ反対勢力に回っちゃうんですね
こういう反対派がたくさんいることでなかなか認めてもらえない
そのうちにあまりにも醸造家の方々からホップ使わせろっていう声が出てくるので
エールを作っていいよという醸造権とホップを使ったエール
ビールですねの醸造権を別々にします
別々にするんだね
でホップを使ったビールの醸造は別人家として税金を貸しますと
ああ
そういうスタイルになるんですね
はい
でここでねちょっと歴史的にとんでもないことが起きまして
時の王様ヘンリー8世これエリザベス1世のお父さんなんですけど
ああそうなんだ
この方がカトリックからイギリス聖教という別の教会組織を作るんですよ
カトリックの頂点っていうのはローマ法王じゃないですか
ローマ教皇か
でイギリス聖教会のトップは僕ですって
僕です
プロテスタントの一派なんですけどねイギリス聖教会っていうのは
イギリス聖教会のキリスト教のトップ
教会のトップは僕ですってヘンリー8世が決めるんですよ
自分で言ったんだ
でこれでカトリックから独立するんですけど
これ何が起こったかというと
カトリックの大司教だから土地を支配できてたんですね
06:01
はーん
でもこれは僕の土地なんで解放せよって言い出すんですよ
おお
要は大司教の権力がこれによって一気になくなるんですね
ああそういうことか
で修道院が持っていた土地
これは解放されて後々ジェントリーと呼ばれるいわゆる浮遊層に分配されていきます
分配するんだね
でこれがビジネスに活用されていくという流れなんですね
ここで一緒に朝税権もリリースされるんですよ
へえ
大司教かというか修道院がなくなっちゃうので
ああ
カンタヴェリ大聖堂の横にオーガスティン修道院って
一番最初にエイルの醸造を始めた修道院の話しましたよね
あれ解体されるんですよ
解体されるんですか
修道院自体が
ああ宗教が変わったから
なんなら建物ごと行っちゃいますから
建物なくなるんだ
もういらないっつって廃墟になっちゃうんですよ
ああ
だから現時点でも世界遺産になってますけどオーガスティン修道院は廃墟です
ああ言ってたね廃墟だってそういう理由
そうなんですここでぶっ飛ぶんですよ
ああそうなんだ
これが地味にエイルの醸造権のリリースに繋がるので
醸造家からすると縛りが一個消えるんですよね
ああ
これが段階的に少しずつ縛ってるものがリリースされていくことによって
エイル醸造家がもう法律とか縛りを無視してどんどんホップ使い始めるんですよ
ああ無視なんだ
もうこっちの方がいいんだもんだって
まあそりゃそうだよね
売れるし
それの勢力がどんどんどんどん増えていくわけですね
そうするとビールの醸造認可を持ってないエイル醸造家の人たちがホップを使うというのが
多数派を占めていってもう国としても抑えきかないんですね
そして1648年ついに公式にホップの使用を認められます
ここで公式なんだ
はい200年弱かかりました
えらい長い道のりだね
そうなんですよ
これホップのパワーほんとすごくて
1700年になった頃にはグルートを使ったエイルはほぼ消滅します
そんなに
そんなに
むしろグルートを使ったエイルって飲んでみたいけどね
今は復刻して古き良きエイルを復刻しようっていうことで作ってるメーカーさんもあるみたいですね
あるんだ
ちょっと並べて飲んでみたいね
ねえどんな味すんだろうね
今はもうホップだけじゃん
ほぼほぼ
だからホップ以外のビールっていうのはあまり知らない
そうですね
多分全く知らない
ちょっと飲んでみたいね
これがどんな味をするか
最終回のあたりで番外編かなんかで一回買ってきて飲み比べやってみましょうかね
やってみたいね
いいね
面白そう
これねこのホップの仕様に合わせて没効してくるエイルのタイプがあるんですね
09:05
エイルエイル
エイルエイル
聞いたことありますか
ない
これはね今のエイルの中でも主流派の一つですねペールエイル
そうなんだ
はいペールというのは色が淡い単色という意味です
色の淡いエイルだよっていうのでペールエイルって言うんですけど
これは僕たちが今想像してるのは黄金色
ああいう色をしてるわけではないです
違うんだ
はいブラウンですね
ブラウン
はい
茶色のちょっと薄いやつか
そういうことですね
黒ビールみたいなのを薄めた
そういうことです
つまりこれを薄いと言ってるということはそれまでのエイルはダークエイル
要は黒いんですよ
ああそっかエイルってもともと黒ビールみたいな色なんだっけ
そうなんですね
これがペールエイルに移り変わっていきます
これはもう発祥わかんないっす
何でこうなったかっていうことか
そうこれ誰がやったかそういうの全然どこにも載ってなかった
もっと調べたらあるかもしれないですけどちょっと見つけられませんでしたね
ただわかってるのが1638年だからホップの仕様が公式に認められる10年前には
すでにペールエイルがロンドンで売買されていたという記録があるそうですね
これ味薄いってこと
そんなことないですよ
じゃなくて色が単純に
色が
やっぱりまだ濃厚でコクのあるタイプのエイルであることは変わらないですね
そうなんだ
この中でペールエイルの業界を牽引する二つの勢力が出てきます
一つはバートンという街の醸造家たちですね
スノボーかと思ったわ
あれ関係あんのかな
どうなんだろうね
靴のメーカーでもバートンってあるんだけど
多分それはイギリスのブーツなんでバートン氏でしょうね
スノボーは関係ないか
どうだろうそれも関係あるかもしれないけど
よくわかんない
その中から生まれてきた有名醸造書これがバスとかオールソップという醸造書が出てきます
フロのシリーズみたいな
これバス車っていうのは今でもありますしエイルの世界ではもう巨大な企業ですね
そうなんだ
これが国内流通を中心にロンドンで販売をしたりとかパブに売ったりとか
それから輸出を結構頑張るんですよ
バルト諸国って言って北の方ですねドイツよりももう少し北の方のあたりに出荷をしていて
そこからロシアに伝わっていくとか
ロシアの方まで行ってるんだ
イギリスのエイルを飲むというのは当時バルト海近辺の国々の人たちにとってはもう憧れなんですよ
そうなの
ドイツの北部の人たちもエイルを作ってますけどアイベックみたいなところね
12:03
ただイギリスのエイルですから発祥地のエイルですからねやっぱ本家本元っていいなってなるんですねやっぱね
どこも第一人者は強いんだね
やっぱ強い本家は強いんですよ
強いんだ
これが意外とボロい儲けを出したらしくて結構いい儲けになってたらしいんですね
一方でエセックス州というところの某醸造所というところにジョージホジソンという人がいます
横文字並べてごめんなさい
某って某の某じゃなくて
醸造所の名前が某っていう会社です会社
会社の名前ね
これも今ないですねここにジョージホジソンという人がいたんですね
この人たちもペールエイルを作ってたんですけど一つ国内じゃないところに市場を見つけるんですよ
国内じゃないところ
つまり海外ですね
しかもバートンの人たちとは違うところに目をつけます
この時代1700年代というのは大英帝国って言ってイギリスが
政界権ですね海の制圧権みたいなシーパワーが強くて
世界中のあちこちに植民地を作ろうという動きをしていくんですよ
スペインとかポルトガルがあちこち植民地持ってるんですけど
その向こう側のインドを植民地化していったりだとか
あと北アメリカ大陸ですね
今のアメリカ合衆国を植民地化していったりとか
そんな遠くまで行ったんだ
はいこの時代なんです
つまりエリザベス1世が女王に即位してその次の世代あたりジョージのあたりかな
もうイギリスがぐっと勃興していく時代なんですよ
紅茶の時期と一緒になる
はいその通りです
出てきたよね紅茶の会で
はい出てきましたね
その時代に植民地に渡ったイギリス人たちビール飲めん
飲めない
ないじゃないですか植民地なので
確かに
でも飲みたいんですよ
そこは飲みたいんだ
これなぜか水が悪いからなんです
ああそうなの
これイギリス国内でも同じなんですけども
植民地である例えばインドで生水飲むわけにいかないんですね
インドの川汚いっていうね
当時のイギリス人たちも飲める水を手に入れることが難しい
だからビールを飲みたいのだが現地にビールはないし運んでくるわけですよ
運んでくる
はい
イギリスかな
そう気だるに詰めてね
遠いな
遠いなってことでこれ遠い上に赤道を渡るわけですね
だから北半球のイギリスが南半球に向かって
アフリカ大陸の最南端希望峰を回ってインドに行くわけですから
暑い寒い暑い寒いを繰り返し波に揺られ揺られ湿気と戦いながらインドに着くわけですよ
ただでさえ前の川でビール寒い時に作らないとダメになる
15:02
赤道はもう論外じゃん
はい
よく持ってったね
これどうなったと思います
え普通に腐敗するんじゃないの
そうなんです飲めたもんじゃないと
そりゃそうでしょ
えげつないことになってしまいますね
でこのさっき出てきたジョージ・ホジソンはこれを何とかすればこの市場を独占できるぞって考えたんですよ
確かにね
はいで生み出されたのがインディアペールエール通称IPAと言います
生み出した
生み出したんですよペールエールを改良するんですね
これはまず薪酎の濃度を相当濃くします
でアルコール度数をどんどん高くしていきます
腐らないように
腐らないようにでこれアルコールをどんどん高くしていくと糖度が下がりますよね
要は糖を分解してアルコールにするんでそうすると美味しさが抜けてしまうので
だから薪酎の濃度を上げてアルコール高いのに旨味も残すということなんですよ
そしてヒルデガルト委員長がホップは抗菌作用があるということを発見しましたよね
だからホップをめちゃくちゃいっぱい入れるんですよ
保存量代わりか
そうなんです
これね通常のエールのなんと6倍から8倍
8倍
8倍
想像の2倍ぐらい多かったけど3倍ぐらいかと思ったから
いやもう6倍から8倍なんですって
えめちゃくちゃ濃いね
これどうなるかというとめちゃくちゃ苦いんですよ
そりゃそうでしょ
で10タル運んだらもう半分ぐらいやっぱダメになっちゃうらしいんですよ
木だるなんで雑菌も入っちゃうからね
これがなんとバカ当たりします
多分ね現代人飲んだらもう口曲がりますよ
そんなに苦いんだ
それでもインドやアメリカ大陸に移ったイギリス人たちには喜ばれますね
やっぱあれかな厚い国は苦味好むみたいな
どうなんだろうね
そもそもビール手に入ってなかったんで
届いたというだけで大喜び
まあ海外製だしね
自分の本国から届いてるわけですね
これが大ヒットをしてこのジョージ・ホージソンは一気に資本を集めていくことになります
ところがですよ
先ほど出てきたバートンの醸造家たち
バスやオールソップですね
これがなんとバルト諸国やロシアから追い出されます
追い出されちゃうんだ
これは1820年にフランス革命が終わった後ですね
ナポレオン
ナポレオン
ナポレオン・ボナパルト
ボナパルトは分からん
フランスの皇帝ナポレオン
私の辞書に不可能という文字はないんだあの人ですよ
そうなんだ
あの人がロシアとバチバチするんですね
イギリス邪魔なんですよ
フランスから見たら敵なんですね
そうなんだ
18:00
フランスバリバリのカトリックですよね
イギリスはバチバチのプロテスタントじゃないですか
ああ出てきたね
いろいろとバチバチしてるんですね
なんならイギリスとフランスって結構長い間ライバル関係だったりするので
ああそうなんだ
でいろいろと妨害を受けて
バルト諸国やロシアへの輸出ができなくなっちゃうんですよ
でこのバス車オールソップ車困りますよね
なんとジョージホジソンのインドアジア新大陸方面に
マーケットをスライドします
ああそっか下回るから
北行けないんで南に行くことにするんですよ
ここでバチバチのバトルが始まりますね
さあどっちが勝ったでしょうかと
どっちが勝ったんだ
バートンのバス車とオールソップ車が
今でも大企業として残っているということは
バートンが負けた
バートンが圧勝です
バートンが圧勝か
そうそうジョージホジソンの某醸造所は
もう今ないのでもう完全に駆逐されます
これはねバートンという土地の高度の高い水とか
あと作り方ですね高温発酵だったりとか
副原料を入れるとかそういう工夫がすごく良くて
あの口の曲がりそうだったIPAじゃなくて
美味しいIPAを作って瓶詰めして送るという
へえ瓶詰めしたんだ
そうなんですよこの頃からね徐々にビール瓶が登場し始めますね
へえこの頃1840年
はいこの時代です
これでバートンが地元以外でペールをバシバシに売っていくことで
そしてこのペールエールがイギリス国中を駆け巡って
イギリスといえばペールエールという状態ができてきますね
はあ今イギリス行ったらペールエールなの
はい今でももちろんありますよ
あるんだ
今ねちょっと情勢変わってしまってるんですけど
それはまた次回以降でお話しします
引っ張るなよお前
引っ張るというか多いな
多いんだよこの入れ替わりすごいんだわ
すごいなビール
これねちょっと本に書いてて面白いなと思ったのが
ちょうどこの時代にねグラスに変わるんですって
だからね蒸気がそれまでは糖だったりとか糖製
糖製
糖っていうのは瀬戸物ですよ日本で言ったらね
マグカップのようなののビール蒸気見たことありますかね
あのいろんな絵が彫られてるような
ああいうのだったりとかあと木だるのちっちゃいやつに取っ手がついたの
ああ
ああいうので飲んでたのであんまり色気にしてなかったんですよ
はい
ところがガラスの蒸気が登場するんで
へえ
そしたら色見えるじゃないですか
澄んでて綺麗ねっていう方が売れていくっていう現象も起きますね
ああ見た目の良さ
はいこれがペールエールをさらに後押ししていくと
はあ
そういう状態になっていきます
そうなんだ
〜エンディング〜
さあこのまま一気に行ってしまいますよ
はい
ペールエールが世界を接近していく少し前に
ポーターというエールが登場します
21:00
おお
はい1722年ポーターが誕生します
ポーター
はいこれはねもともと1700年代初頭のパブで
とある流行があったんですって
はい
でこの流行というのがお店の中でですよ
3種類のエールをブレンドして販売するというのが
巷でブームになるんです
へえ混ぜたんだ
混ぜた
たまにいますよね現代でもコーラとジンジャエール混ぜるとか
なんかよくわかんないことする人いるじゃないですか
ああでもなんかこれも黒ビールエビスとプレモロとか混ぜて
マジかやるんだ
ああ結構メジャーだと思ってたけどね
ああそうなの
うん
なんかバーとか行くとやってくれるのよ
へえ
で家でもやってたりとか
うん
ああそうなんだ
じゃあその感覚ですね
えっとねこれねそういうポジティブな理由ももちろんあったと思うんですけどね
はい
一方でもうちょっとねネガティブな理由があってですね
エールって酸化腐敗するじゃないですか
ちょっと劣化しますよね置いておくと
ちょっと酸っぱくなりますよね
で思いっきり酸化しちゃうと飲めたもんじゃないんですけど
ちょっと酸化したぐらいだったら微妙に飲めるじゃないですか
でこれと新しいエールを混ぜるんです
ああそういう混ぜる
そうするとなんか飲めちゃう
本当にネガティブだわ
うんで香ばしくてコクがあってちょっと酸味が効いててスッキリした感じでいいよねみたいな
うん
で流行って
でこれ流行るんですけど
PAVのマスターからすると面倒くさいんですよ毎回毎回
割るのがね
割るのがね
でロンドンのショアデッチというところにあったベル浄蔵所というところで
ハーフウッドブレンドという銘柄のポーターを販売するんですけど
これはあらかじめ3種類混ぜてあるぜっていう
先に混ぜたんだ
だからもうPAVのオーナーからしたらめっちゃ楽
これ売っとけばいいみたいになってこれが大爆発的にヒットするんですよね
へえひと工夫だね
はいでほどなくしてもう混ぜるのも大変なんですよ要は浄蔵所からしても混ぜるの大変なので
そういう味のエールを開発しようぜということになってポーターが作られるようになっていきます
へえじゃあ腐敗しかけのビールは捨てられるだけじゃん
そうなんですよ
混ぜてごまかしてたんでしょう
もうその役割なくなっちゃう
まあ似たものは作れるかもしれないけどな
これはザクッと特徴だけ言っとくと爆瓦を火入れして乾燥させるんですけどもともとエールの浄蔵工程で
その時に火入れをしてほんのり乾燥させるんじゃなくて思いっきり火入れをして香ばしくしちゃうんですよ
こんがりときつね色にしてでこれを使って浄蔵するとその香ばしさがあってコクがあって美味しいんですよ
へえ火入れしてんだね
そうなんですねでこれでダークビールになってくんですけど
でこれがまたロンドンの水とすごく相性が良くって
はい
これでバカ当たりします
へえ
24:00
でこのねバカ当たりした理由が面白くてですね
このポーターの味が受けたというのももちろんあるんですけど
実はちょうどこの時代産業革命による技術的な進歩が目覚ましい時代なんですね
そこにたまたまドンピシャでマッチングした
ああそうなんだ
はい産業革命わかります
名前だけは知ってるよもちろん
知ってますよね工場製種工業が工場製機械工業に移行していった頃
職人さんたちがいっぱい集まって工場で手作業でいろいろやってたんですけど
ここに大型の機械が入って人間の仕事は自分で作業するのではなくて
機械をコントロールするという時代に移っていきます
でこれを裏で支えたのが自然エネルギーの変化ですね
エネルギーの変化
それまで使っていたエネルギーっていうのは基本的に自然エネルギー風力とかね
風車で回転力得るとか水力とかあと人力あと馬力馬ですね
こういうのを使ってたんですけど石炭が登場するんですよ
ここで石炭ね
この石炭のおかげで蒸気機関ジェームズワットって言いますよね蒸気機関発明した人
この人が蒸気機関を発明することで爆発的にいろんなものが変わっていきます
蒸気機関の話だけは知ってる
あなたこういうの好きですよね
めっちゃ読んでた
めっちゃ好きそうで
ちなみにこれなんでイギリスで石炭をたくさん使うスタート地点になったのか
他の土地で取れないわけないじゃないですか
何なら大陸の方が多そうでしょ
これねイギリスって島国の中でどんどんどんどん人口増加していくんですよ
これは農業改革があったおかげなんですけど
そうすると人口が増えるから森林を伐採してそこを宅地に変えていくじゃないですか
森林どんどん減少していくから木がなくて木炭作れなくなっちゃうんですよ
そういう理由なんだ
だからもう石炭に移行せざるを得ないみたいな
そんな状況だったらしいですね
蒸気機関が発達するとここから蒸気機関車とか蒸気船っていうのが出てくるので
輸送がめっちゃ便利になるんですよねまず
原料の模擬もイギリス国内だけではなくてヨーロッパ大陸とか
新大陸から容易に運び込むことができるようになりますし
これ船ですねで蒸気機関車によって国内の輸送が非常に便利になる
仕入れだけじゃなくて今度販売網も一気に広がりますね
販売網もかまあそりゃそうで輸送が全般が良くなるってことだもんね
そうなんですよそれまで馬車に積んで木の太郎ですよ
馬車に積んで舗装なんかされてませんからがったんこっとんがったんこっとんするわけですよ
木だるですよなんか炭酸ですよどうなります
壊れちゃうね大体ね で時速30キロぐらいですよ
遅いなやっぱり 大変ですよねこれが線路の上を走る蒸気機関車は
27:02
このガタゴトが限りなくフラットになってくわけじゃないですか
しかもスピードも60キロとかまで上がるのでかなり高域まで物を届けられるので
これは商権が広がるということにもなりますね
だから工場の中も当然機械化されていくので人件費も削減できるし
大量生産ができるようになっていきます
ここですごいのがさらなる技術発展がかぶってくるんですよ
ルイパスツールという人物フランス人ですね覚えてますか
ルイパスツールどこで出てきたんだ
これコショウの貝で出てきました
出てきたお肉を守るためにコショウが殺菌効果があるという細菌学
はい近代細菌学の解剖と呼ばれるルイパスツールですね
この時ルイパスツールが低温殺菌法を編み出します
この時なんだ
なんならパスツールはビールの研究という書物まで書き記してますからね
これでビールの中の雑菌を極端に減らすことができるよという状態を作ることができるんですね
効率アップしますよね
そしたら冷凍機器今の冷蔵庫とか冷凍庫の元素が発明されます
この時にはもうできたんだね
この冷凍保存冷蔵保存ができるようになるとこれは工房を保存できるようになるんですね
工房保存
工房っていうのはもともとこの時代木だるに直接積みついてるものを利用してたんですよ
これが工房を別で取り出して保存しておけるから何が起こるかっていうと金属製の樽でも醸造できるようになるんですよ
そういうことか
めっちゃ衛生的になるんですね
これで容器が一つ変わりますよね
そしてここに先ほども出てきましたガラス瓶の登場です
ガラス瓶自体はなんとメソポタビア文明時代からあったらしいんですけど
蓋がない
蓋か
密閉する蓋がなかったんですよ
これはヨーロッパ大陸ですけどもコルクの栓が登場するんですよ
ここでなんだ
もともとはワインにも使われてたどっちが先か分かんないですけどね
ワインのコルク栓と同じようにビールもコルク栓だったらしいですね
ちょうどこの間動画でコルク栓の作ってるところの動画見たよ
へえ
あれって何でできてるか知ってる?
コルクって木の種類ですよね
そうそうそうあれポールみたいな棒を機械がこうゴショゴショ出てきて
そこに人がコルクの木を当てて普通にくり抜くように
あら抜きだ
そう人参の芯を抜くとかさああいう機械あるじゃん
あれと一緒あれでガッチョンガッチョンこう人の手でこうやってちょっとずつずらしてやってそれがポコポコできてるって
ああそうなんだ
そんな感じなんだってくり抜いたからあんな形なんだねと思って
なんか俺コルクの木とかをこうバラして成形してるのかと思ったらただくり抜いてるだけだった
30:02
うんうんうん
すごい光景だよ
そうなんだ知らなかったこれが出てきたんですよこの時代
へえだからできたんだねくり抜いただけだから
多分そういうことですね
ちょうどいい木を見つけたんだね
うんこれが全部噛み合わさるんですよ
うん
これが全部噛み合わさったからこそポーターの後の時代ですけどね
先ほど出てきたペールエールが爆発的に売れるようになっていくんですよね
あれだけの遠くのインドまで運べるようになっていくわけですよ
そういうことか
ちょうど同じ時代なので
ポーターは同じ理由でどんどんどんどん発展していきますが
このポーターはわずか150年ほどで消滅します
へえ消滅しちゃうんだ
この消滅するきっかけになったのはもちろん先ほど出てきたペールエールです
ペールの勝ちが一つの要因です
もう一つはこのポーターを打ち倒す勢力が別のところからポンと出てきます
そうなの
このポーターというエールはですね
ほとんどロンドンでしか作れなかったんですって
他の地域でもチャレンジはしたようなんですけど
ほとんどの地域では失敗
失敗
なぜなら水が合わないから
ああそういうことか
ロンドンポーターが最強すぎて
作れるんだけど味で勝てないみたいな
今でもビターエールとかいう名前でね
苦いエールっていう意味で
ビターエールっていうのがポーターのロンドン以外のポーターとして
名前が残っているし飲むことはできるそうですけど
ロンドンポーターのように大発展はしなかったそうです
ビターエールっていうのがあるんだね
あるみたいですね
僕も初めて知りました
知らないよね
知らないです
このロンドンポーターの一大市場が
実はすぐ隣にあったんですよ
一大市場
この当時今便宜的にイギリスって言っちゃってますけど
イギリスって四つの王国がくっついて
一つの国になってますよね
イングランド
これが中心のロンドンのあるところですね
イングランド スコットランド
ウェールズ アイルランド
現在はアイルランドの
北部だけですけど
この1700年代というのは
アイルランドは
支配される側の
植民地みたいな国なんですよ
残りの3国が
グレートブリテン王国という
一つの国にまとまっている状態
グレートブリテン王国が
アイルランドに対して
圧をかけながら植民地
圧をかけながら植民地じゃないけど
支配をしてるような状態ですね
この
ロンドンポーターに対抗する
勢力というのが
アイルランドのダブリンから
ドンと出てきます
33:00
アイルランドから出てくるんだ そうなんです
これはロンドンポーターが
アイルランドにどんどん
輸出されてくる
そうするとこれドイツの時に
ミュンヘンでもありましたけど
海外勢がガンガン入ってくると
地元企業大変なんで
地元側でもよし俺たちも作ろうぜ
っていう
なりましたよね
同じことが起きてダブリンに
ギネスという会社が出てくるんです
ギネス
知ってる名前きた
1759年ダブリンにて
ギネス発足です
そもそもギネスって
アイルランドなんだね
アイルランドですよ
これねただね
大変めんどくさいことに
圧縮が続いてる状態なので
すごく差別されるんですよ
差別
ギネスが作ったポーターを
ロンドンイングランドに送る時は
高い関税がかけられます
ロンドンポーターがアイルランドに
行く時は一応関税かかるんですけど
全額完付されるんですよ
全額完付されるってことは
かかってない 実績なし
へえ じゃ売り値どうなりますか
とりあえず当然
ロンドンポーターが安く販売されることになる
わけじゃないですか
ギネス勝てないですよね
値段でね ここに
切れるんですよ
切れるんだ切れるよね
どうなっとるんじゃいと
面白かったのが
税制直せよっていうのを
議会に圧力かけるんですけど
この脅しのかけ方が
公正化してくんないんだったら
いいいいわかったギネスの工場
レールズに移すわって言い出すんですよ
すごい圧力かけたね
どういうことって感じですけどね
引っ越すわって
そうすると今度税金の徴収できなくなるんで
苦しいですって
あとロンドンポーター
作ってるロンドンの醸造家守りたいし
分かったよって言って
緩和していきます
なんだそれって
要は金か
要は金 金だよね
あと
圧倒な戦いもちゃんとやってますよ
製品開発
ちゃんとやります
ギネスの人たちと初期の人たち
ほんとすごいですね
ロンドンポーターをめちゃくちゃ研究するんですよ
へえ
この人たちが研究したおかげで
なぜロンドンポーターが
流行ったのかっていうその水だとか
環境だっていうのが判明するんですよね
ギネス側の
努力で
そう要は相対化できるんで
比較できますからねギネスの人たちは
ロンドンポーターの
弱点は
爆銃の使い方が
すごくぶどまりが悪くて
効率悪かったんですって
へえそうなんだ
爆が焦がしてますよね焦がしてると
透過作用が落ちるんですよ
そうすると
爆銃のエキスがたくさん
残ることでコクが生まれる代わりに
アルコールの生成が
36:00
少ないので薄まっちゃうじゃないですか
焦がしてるってことは
糖とか有機物が焦げてる
っていうことだよね
そうなんですよ他糖類を二糖化しなきゃいけないのに
分解しなきゃいけないのにその分解の
能力が低いからなかなか
甘くなってくれない
甘いお粥が作れないというとこで
効率が悪いと
ということを見つけ出します
強みは焦がしたことによる
香りとコクが強みだ
ということですねこれをちゃんと
見つけ出してそして
マーケット調査もちゃんとします
ちゃんとするんだね
この時ほらペールエールが
勃起し始めてる時ですから
ちょっとスッキリ系いいよね
っていうことになってきてるんですよ
ポーターもだいぶ
コクタイプなのでペールエールの
ちょっとキレのあるスッキリ系も
取り入れたいよねということで
開発されたのが
スタウト
スタウト聞いたことあるぞ
ドライスタウトとかインペリアルスタウトとか
いろんな名前のスタウトありますけど
これはギネスが開発したビールですね
そうなんだ
これも製法すごいですよ
まず最初にペールエール作ります
で醸造の過程で
焦がした大麦バクが
突っ込みます
後から入れるんだ
そうすることでペールのスッキリ感に
香ばしさとコクを追加すると
これが
めちゃくちゃ当たるんですよ
手間はかかるけど量は
分からないのか
これによって大逆転
ギネスにとってロンドンは
美味しいマーケットになってしまいます
まさかの逆転だね
ギネスの圧勝ですね
研究勝ちだね
これがなされることで
ここからしばらくの間
イギリスはペールエールと
スタウトエールが中心になっていくと
これギネス
気持ちいいだろうねここまで勝てると
ねえ
完全のところからの
まさかの逆転でしょ
絶対気持ちいいでしょ
絶対気持ちいいと思う
この時代このギネスと
先ほど出てきたバートンのバス社が
世界最大のビール工場を
競い合う状態になりますね
そして当然ですけど
世界最先端の技術もこの2社が
持っているという
確かにそうなるのか
こういう状態になっていくんですね
これ支えてたのはね
人口増加もありますよ
どんどん人口が増加していく
時代ですので
飲む人が増えるし
労働者も増えるし企業が
ちっちゃいのがいっぱい集まったのではなくて
巨大コングロマリットみたいのが登場していくことになるので
ギネスやバスや
オールソップがそうなっていくという話ですね
やっぱ市場規模っていうのは大事なんだね
はい
ただ
いつまでもエールの転嫁が
続くわけではないのです
へえここまで膨れ上がったという
ここまで流行ったのに
なんならイギリスの外もエール化してきましたよね
ちなみに
39:01
現在のイギリス
エールは市場の
約50%から60%
程度です
本場でも 本場でも
実は残りはラガー
です ラガー
イギリスがラガー化されていってます
へえ浸食されていくんだ
最近だったら半々くらいらしいですよ
へえ半々か
それでも他の国からしたらエール率高いですけどね
ああそうなんだ
他の国はほとんどラガーになっちゃってますから
日本でラガー以外はあまり
知らないわ はいもうエールの方が
少数派ですもんね
あのイギリスですらラガー化されていくと
ああ
そのきっかけが
ラガーのタイプピルスナーですね
ああピルスナー
このピルスナーが
どのようにして誕生してどのように
世界を設見していくのかというのが
次回です
ああ次回か
まあやっと知ってるような名前が出てきて
だいぶ楽しくなってきて
じゃあ今日もね
もう0時を回ってそろそろ1時になりますんで
はい
今回勘だなあ
言い直し多いな
年末間今年はあるね
多少なりとも
そうね
なので
だいぶ収録がギリギリになってきていますけど
まあスタート
11時半スタートってのはおかしいんだって
いや去年12時回ってた
ああそうか12時スタートね
うん12時スタートでしたね
それまで店の仕事してますからね
そうだね
もう忘年会とかねあるからね
はい
じゃあ次回お楽しみにということでありがとうございました
ありがとうございました
40:44

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