1. シリアの希望- 2024年12月8日からの記録
  2. 特別編:本の紹介「罪深きシリ..
2025-09-22 16:09

特別編:本の紹介「罪深きシリア観光旅行」桐島滋さん著

2024年12月前と後のシリアに興味をもっている方、中東の独裁政権が内戦から立ち直って民主的な国づくりをどう進めていくのかに興味がある方に、ぜひ読んでいただきたい本をご紹介します。

 

「罪深きシリア観光旅行」

著者:桐島滋

出版:産業編集センター

https://amzn.to/46f9dgi

サマリー

今回の特別編では、桐島滋氏の著書『罪深きシリア観光旅行』が紹介され、彼の誠実な取材姿勢が称賛されています。この本はシリアの複雑な現状を理解するための重要な情報源であるとされています。『罪深きシリア観光旅行』では、シリア旅行の危険性や政府の支配について深く考察されています。著者の桐島滋氏は、アサド政権下での人々の暮らしや、シリアに足を運ぶことの意義を探っています。

桐島滋の取材と本の紹介
シリアの希望、今日は特別編ということでお届けします。
前回予告をしたように、今日は一冊の本をご紹介したいと思います。
「罪深きシリア観光旅行」という本で、桐島滋さん、著者紹介によればフリーライター、中東を中心に紛争などを抱えた地域のことを映像や文章にし、発表している。
発行されたのが、2023年11月15日です。
こちらの本ですが、第3回私の旅ブックス新人賞受賞作品ということで賞を取っていて、この作家さんの発行された本としては、第1冊目なんじゃないかな。
たくさんウェブの記事なども発表したりなさっている方で、それから映像作品も作られている方です。
ドキュメンタリーの取材をしたり。
こちらは私、友達の友達というような形でお知り合いになったんですけれども、改めてシリアの希望の中で紹介しようと思って、昨日読み直したんです。
改めて本当にこの本はぜひ皆さんに紹介したい本だし、この桐島滋さん、すごく誠実な取材と書き方をなさっているので、それが本当に心に残りました。
そのあり方、なんていうのかな、もの静かな取材なんです。
とても注意深くて、もの静かなあり方でその場にいて、いろいろなことを感じて、自分の感じたことも丁寧に書いていきながら、すごく誠実に今見ているもの、話している相手の人と向かい合おうとしている。
本当にそういう人だなというふうに、その人柄を感じていたんですが、いつもこの本を改めて、今回読んだ時に改めてそのように思いました。
そのあり方が、私のこのシリアの希望というポッドキャストを伝えていきたいあり方にすごく共通する、共感する、見習いたいと思うようなものを感じたので、
私がこのポッドキャストを通して伝えたいという気持ちと本当に全く同じ気持ちで、この本をぜひ読んでいただきたいというふうに思っています。
ぜひこのポッドキャストを聞いた後に、ぜひ本を買って読んでみようと思っていただけるような形で紹介していきたいというふうに思っています。
本当にお勧めなので、読んでみてください。
どうしてお勧めかというと、やはりシリアの今の状況があまりにも複雑すぎるんですよね。
例えばスウェーダー県でドルーズ教徒がベドウィンと衝突して、そこにイスラエル軍が空爆でドルーズ教徒側に味方するような形で参戦していると聞いたときに、
それは一体どういうことなんだかということって背景を理解していないとよくわからないと思うんですけども、その背景を理解するときに、
じゃあ学術論文とか学者さんの出している記事とか、もしくは英語のメディアが出している詳しい分析とか、何とか研究所の出している記事とかってなってくると、なかなか気軽な気持ちで背景を理解するというのが難しくなってしまうと思うんです。
この本はコンパクトな本ですけれども、この本を読むだけで、そういう背景の情報もそこそこに散りばめられてあるんですよ。
なのでそういった意味で、シリアで今起こっていることに関する背景を理解するためにとても助けになる本だと思っています。
それからもう一つ、私が心からこの作家の桐島さんに敬意を表したいと思っているのは、この本を発行しているのは2023年の11月です。
つまりこれは独裁政権であったアサド政権が2024年の12月に崩壊する新政権に変わるのの約1年ちょっと前です。
本の元となる旅をしているのがおそらく2022年のことです。
2022年にシリアに入った勇気だけではなくて、これペンネームを使ったとしても、シリアに関することを2023年に発表するというのは本当に本当に勇気がいることだということが私は分かります。
シリアの現状と本の価値
というのは私がこのポッドキャストを始めることができたのは2024年の12月以降のことです。
その前はシリアという国名を公共の場で言うことさえ躊躇していました。
それにメディアの記事などを中立的な立場で紹介しますというものだとしても、
例えば私は自分の団体の名前は言わないようにしているというのは何かあって、今自分の団体がやっている活動を止めなければならないような状況になるのは本当に困るからです。
というふうにやはりシリアに関することの背景には複雑な国際的な政治の思惑などが絡んでくるので、シリアに関する内容をインターネットなどに載せて発表するというのは、実際にリスクがあるというだけではなくて、恐怖が伴うことなんですね。
何が起こってしまうか分からないという恐怖です。
でもやっぱりその恐怖って怖がりすぎているという面ももちろんあって、何か恐怖が、つまり大きな権力によって何かの邪魔が入るのではないかという恐怖というのは、その恐怖を認めてしまったら、その恐怖を与えてくる権力に対して屈したということにもなりますよね。
だから恐怖があったとしても、伝えなければならないと思ったことは伝える、言おうと思ったことは言うという在り方というのはとても大切なことだと思うのです。
特に彼女はジャーナリストという立場でもあるので、そういった姿勢を大切にしてきた人だと思います。
私も怖がりすぎないで、どこまでであれば発信をしても大丈夫ということを手探りながらも練習をしていっているというのが、このポッドキャストでもあります。
2024年の11月の段階で、つまりまだアサド政権が続いているときに、日本語での本の中でペンネームを使って、だとしてもサイドナイア刑務所のことをここまで書いているというのは、本当に勇気のある行動だと思います。
2024年12月以降に、報道などでもサイドナイア刑務所における市民への迫害、虐待、平和的なデモに参加しただけの人たちがどのようにテロリストとして扱われて、どんな悲惨な虐待を受けたか、拷問などを受けたかということが報道などでも取り上げられています。
その中の多くは、アサド政権が崩壊して新しい政権になったからこそ、やっとそういった報道ができるというスタンスのものでした。
その前から、このサイドナイア刑務所などのアサド政権による市民の迫害について声を上げていたのは、一部の力のあるメディアや人権団体でした。みんながそれをできていたわけではありませんでした。
そういった意味で、このフリーランスの立場で、著書としてこの問題に踏み込んだという勇気に、本当に心からの敬意を表したいと思っています。
では本題に入って、こちらの本から一部抜粋して朗読したいと思います。
<朗読> はじめに6ページより
シリア観光旅行の体験と考察
第1章 シリアへ
1.レバノンでの心構えの伝授
14ページ
今日は罪深きシリア観光旅行の中から初めにと第1章の一部をご紹介しました。
この部分だけでもこの本を読むとシリアの背景が理解できるというふうに私が感じていることが分かっていただけるのではないかなと思います。
それからアサド政権下で暮らしていた人々がどのような不安の中で暮らしていたかということも垣間見ることができる部分だというふうに感じています。
この本を私は大体3回ぐらいに分けてご紹介していく予定です。
今日のところはここまでにしたいと思います。聞いていただいてどうもありがとうございました。
16:09

コメント

スクロール