今回は、Wikipedia「2024年シリア反政府勢力の攻勢」というページから引用して朗読してみるという試みをします。
それから、クロージングではNGOスタッフの紛争地での安全管理上の注意点なども加えてみました。紛争地での人道支援、NGO活動などに興味をもっている方なども聴いていただけたらいいなあという期待を込めて。
サマリー
このポッドキャストでは、2024年のシリア反政府勢力の攻勢について詳しく解説しています。シリア内戦の複雑な状況とそれに関連する背景、特にアサド政権の崩壊に至るまでの軍事的な動きについて考察しています。
2024年シリアの状況
シリアの希望- 2024年12月8日からの記録
こんにちは、AKIKOです。この番組は、シリアの現在の状況、特に2024年12月以降の変化とその影響を、私自身の情報収集をまとめながら感想を語っているポッドキャストです。
私はNGOスタッフとして、9年間、ヨルダン、イラク、トルコなどのお隣の国々でシリア難民支援に携わってきました。
平和なシリアの未来への願いを込めて、シリアの希望というタイトルでお送りしています。
今回、録音日が2025年11月30日です。
今日はですね、Wikipediaのページを読むという新しい試みをしてみたいと思っています。
読むのはこちらのページです。
2024年、シリア反政府勢力の構成
最近、シリアのNGOの安全管理情報網などを通して、
2024年11月27日に始まって12月8日の政権交代へと至った昨年の作戦を記念した集会が各地で行われるので安全に注意するようにといったポストを見ることが増えました。
私自身が鄰国のイラクのドホークにいて、昨年のこの報道に注意を払い始めたのは12月に入ってからだったと記憶しています。
もう1年前になる11月27日、2024年の11月27日にこの構成は開始されていたということを改めて認識しました。
その後、私自身も1年かけてシリアに関する知識が深まってきていますので、
現時点でこの1年前の構成の時の情報に改めて触れてみることで、自分の理解を確かにすることができるかと思い、この会を収録することにしました。
ただし、どうやらこのWikipediaページは現在編集中の暫定的なものとされていて、途中までしか出筆がされていないようです。
私と同じように、1年前のことをきちんと振り返っておこうと思った人々が、私よりずっと大きな時間と努力を払いながら、このWikipediaページを執筆していただいている最中なのかなと想像しています。
どうもありがとうございます。
編集中でもそれを紹介していくということは、みんなで作っていくというWikipediaの理念には合うのではないかと思いますので、紹介していきたいと思います。
特に概要と背景を読みたいと思います。
では読みます。
2024年11月27日、シリア反体制派の連合軍である軍事作戦司令部は、シャーム解放機構、HTSが率い、シリア国民軍、SNA内のトルコが支援する同盟グループの支援を受け、
シリアのイドリブ県、アレッポ県、ハマー県で、新政府派のシリア陸軍に対する攻撃を開始した。
この作戦は、HTSにより侵略抑止作戦というコードネームが付けられ、アレッポ西部郊外でのSAA、シリア陸軍による民間人への砲撃増加に対する報復として開始されたと発表された。
2020年3月のイドリブ停戦以来、初めての軍事構成となった。
2024年11月29日、新アサド政権勢力や政府軍が崩壊する中、HTSとその後のシリア民主軍、括弧SDFがアレッポに侵入し占領した。
翌日、反政府勢力は急速に進撃を開始し、政府軍や政府支持勢力が崩壊する中、数十の町や村を占領し続け、シリア中部のハマーに向かって進軍し、12月5日に同地を占領した。
12月6日までにSDFはユーフラテス川東方での攻勢でデリゾールを占領し、新たに結成された南部作戦室とアルジャバル旅団は南部での攻勢でダラーとスウェーダを占領した。
HTSはさらに南のホムスに向かって前進を試みた。
アメリカ合衆国の支援を受けたシリア自由軍SFAは同国南東部のパルミラを制圧した。
2024年12月7日、南部戦線軍は南からリーフディマシク圏に入り、首都ダマスカスから10km以内にまで到達した。
その後、反政府勢力が首都郊外に侵入したと報じられた。シリア自由軍は南東から首都に向かって移動した。
12月8日までに反政府勢力はダマスカスの北部に位置するホムスを占領し、事実上アサド軍をシリアの地中海沿岸から遮断し、ダマスカスへの進撃を可能とした。
2024年12月8日、反政府勢力は首都ダマスカスを占領し、アサド政権は崩壊。アサド大統領はロシアへ亡命した。
これにより、ハーフェズ・アル・アサドから親子2代に及ぶアサド家による53年にわたる統治は終了した。
反政府勢力の攻勢
背景
シリア内戦はアラブの春に影響されて2011年に始まり、アサド政権側はロシア連邦、イラン・イスラム共和国及びヒズボーラなど新イラン系武装勢力の支援を得て一時は優位を回復したが、シリア反体制派の支配地域が各所に残った。
同国北西部では、2020年3月のイドリブ停戦合意以来、反政府勢力とシリア政府軍の間の大規模戦闘は停止した。
しかし、反政府勢力は戦闘再開の準備を進めており、特にシャーム解放機構、HTSは組織を通常軍に改革し、訓練を強化し、襲撃や夜間戦闘に特化した特殊部隊を設立するなど軍事力を強化していた。
2022年末から、HTSの部隊は政府軍に対する一連の浸透や狙撃を開始し、抗戦を行った。
この抗戦への報復として、イドリブ圏への砲撃とロシアの空爆があった。
アレッポは、2016年のアレッポ攻撃以来、バシャルアルアサド政権とイランの支援を受けた新イラン民兵組織によって支配されていた。
2024年10月、シリア反政府勢力がアレッポ市内で政府軍に対する大規模攻撃の準備をしていると報告され、アレッポ郊外でHTSと政府軍による大規模な動員が開始された。
2024年11月27日には、政府軍の砲撃が反政府勢力が支配する村や町を攻撃し、民間人16人が死傷した。
ウィキペディアの引用・朗読は以上です。
次が感想です。
これを読んでみて、かなり多くの軍事勢力の名前が出てくることから、シリア内戦がいかに複雑なものだったかということを改めて、ため息をつくような思いと共に認識しています。
難しいですね。複雑です。
読むのも難しかったです。とても。
そして、それらの軍事勢力が現在に至るまで存在し活動していますから、朝戸政権は崩壊したけれども、シリア内戦は現時点ではまだ終結したとは言いにくいなということを感じています。
合意に向けた動きというのはあるものの、まだ合意に至れていないので。
しかし、平和的な対話による合意に向けた歩みということが見られていますので、希望は持っています。
クロージングです。
この番組では、NGOスタッフや人道支援者としての安全管理情報なども少しずつ出していきたいと思っています。
そういった情報の一つとして、基本的には私たちNGOスタッフは、それがどんな旗であっても、旗を見ると少し緊張します。
旗を持っている人が複数、たくさんいるようなところには近づかないようにしています。
理由は、まずは単純に人混み、特にメッセージ性を持ったり、高揚感を持った人たちが集まっている人混みは、治安が乱れるリスクが高いということです。
そして、もう一つ大事なのは、人道支援者というのは、独立性・中立性がとても重要なので、もし政治的なメッセージ性を持つ場だとしたら、そこに立つこと自体を慎重にしたい。
何かの旗の近くに立ったり、一緒に写真に写ったりするのはできる限り避けたい。
自分自身が写真を撮らなくても、他の人が撮った写真に写ってしまう可能性もあるからですね。
そういう意味で、12月8日が、ダマスカスがどのような雰囲気になるのか、私は非常に興味を持っているのですが、
今年の12月8日、一周年、アサド政権崩壊の一周年。
しかし、それはちょっとリスクが高いかなと思って、その前にシリアから出国する予定にしています。
なので、どうしてもこの件、12月8日の件は、これからは報道など、あと人伝てでしか実際には知るチャンスはないんですよね。
ただ、そこで人々がどのようにその場で反応しているか、ということを私はすごく興味を持っているので、
ウェブ上の情報、それから人との話などを通じて、これからちょっと数回ですね、このシリアの希望をできるだけ間隔を空けずに収録をしながら、
そのあたりの情報を集めてご紹介していきたいというふうに計画をしています。
では、今日はここまでにします。聞いていただいてどうもありがとうございました。
13:31
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