1. シリアの希望- 2024年12月8日からの記録
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2024-12-13 25:21

Week 1 まとめとふりかえり( 2024/12/8-13 )

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2024年12月13日までの記録

人道支援情報ネットワークより

IOM(国際移住機関による2025年1期(2024/12-2025/3)の北西シリア支援予算アピールUSD 30mil.

https://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/iom-flash-appeal-northwest-syria-first-phase-humanitarian-response-december-2024-march-2025

一部引用:

2024年11月27日、反政府武装グループ(AOG)によるシリア軍に対する大規模な軍事攻勢が発生し、紛争は大きく変化し、空爆で、すでに脆弱な民間インフラと重要なサービスが壊滅的な打撃を受けた。
この動きは、イドレブ、アレッポ、ハマの各州とシリア中央部、南部を通
シリアの中部と南部と前進し、反政府武装グループは、首都ダマスカスを占領に至り、バッシャール・アル=アサド政権を覆した。
シリアにおいて、歴史的な変革となった。

これらの出来事は、人道的ニーズを増大させ大規模な国内避難と帰還をもたらし、被災者の脆弱性が高まり、新たな複雑なニーズを生み出している。
国内避難民タスクフォースが12月8日に発表した最新情報では、100万人以上が避難を余儀なくされている。今回の出来事以前にも、シリア北西部で350万人が避難生活を送り、200万人が避難民キャンプに居住していた状況の中で発生した状況である。

国際移住機関(IOM)のエイミー・ポープ事務局⻑は「今⽇は、世界中のシリア⼈が、⽣活を立て直し、⾃分と家族の明るい未来を⾒据えるために、ついに希望を持とうとする⽇です。しかし、10年以上にわたる戦争がこの国を荒廃させ、人々は貧困と傷みに喘ぎ、インフラは廃墟と化した。国内のほとんどのシリア人は人道援助に依存しており、厳しい冬の天候によってそのニーズは高まっています。私たちは緊急に人道的対応を強化し、この新たな希望とチャンスの時にシリアの人々を確実に支援する必要があります」

 

報道メディアより

BBC, Syria in maps: Who controls the country now Assad has gone?

(地図でみるシリア:アサド後の国を誰が統括するのか)

https://bbc.com/news/articles/c2ex7ek9pyeo

ウェブ魚拓

2024/12/9

https://megalodon.jp/2024-1211-2008-22/https://www.bbc.com:443/news/articles/c2ex7ek9pyeo

ウェブ魚拓

2024/12/11

https://megalodon.jp/2024-1213-1405-32/https://www.bbc.com:443/news/articles/c2ex7ek9pyeo

 

BBC 日本語

イスラエル、シリアの海軍艦隊を攻撃 全土で空爆を350回以上実施と発表

https://www.bbc.com/japanese/articles/cy7kxm4lrplo

 

The Telegraph

Turkish-backed fighters attack Kurds in Syria (トルコの支援を受けた武装勢力がシリアのクルド系地域を攻撃)

https://www.telegraph.co.uk/world-news/2024/12/10/turkish-backed-fighters-attack-kurds-in-syria/

 

CNN.co.jp

米支援のクルド勢力、シリア北部の都市から撤退 トルコ支援勢力が攻撃

https://www.cnn.co.jp/world/35227200.html

 

サマリー

2024年12月8日以降、シリアでは大規模な軍事攻勢が発生し、人道的ニーズが急増しています。特に北西シリアでは数百万人が避難を余儀なくされており、ドホークを拠点とするAKIKOが状況を報告し、支援の必要性について考察しています。シリアにおけるイスラエルとトルコの軍事行動は、内戦と人道支援の必要性を一層際立たせています。特に、米国が支援するクルド勢力の撤退や、トルコの攻撃による影響が懸念されています。

シリアの人道的危機
2024年12月8日からの記録。この番組では、
2018年からイラクのドホークを拠点にNGOを通したシリア支援、
クロスボーダーでの北東シリア支援に携わっているAKIKOが、
2024年12月8日以降にシリアで起こっていることに関する情報収集をまとめ、
所感を語ります。あくまで人道支援ワーカーとしての視点からの情報収集です。
現在はヨーロッパに本部を置くNGOに所属し、
シリア人の同僚たちは北東シリア在住のクルド系のスタッフが多いという立場で情報収集をするため、
人道支援ワーカーとして基本となる中立性を心がけますが、
どうしても自分自身の焦点またはリーチできる情報範囲が偏向する可能性が高いと自覚しています。
この番組を聞いていただける場合、その点はご了承ご注意をいただければと思います。
また、この番組より実施中の人道支援や現地の同僚に何か良くない影響が出る可能性が出た場合には、
人道支援を優先して番組を中断や消去することにしたいと思います。
12月8日以降の状況
さて、第1週目ということで、今回これを週1回ずつこの情報をまとめて振り返るというサイクルでしばらく続けてみたいと思っているんですけれども、
基本的には12月8日以降の記録を週ごとにまとめていきます。
今日金曜日、12月13日金曜日なので週ごとといっても今日までの情報収集になります。
まず、概要欄にも貼ってあるんですけれども、人道支援情報ネットワークからの情報。Relief Webという国連やNGOが情報発信をするウェブサイトがあるんですけれども、
IOM国際移住機関が12月10日に記事を出していましたので、その記事を少し抜粋して読みたいと思います。
こちらは2025年第1期、12月から開始して2025年3月までクォーターの第1期の北西シリア支援予算アピール。
USドル30ミリオン、これは日本円で約45億円ですね。IOMのアピール書類からの引用です。
引用と翻訳、私の方でしています。
「2024年11月27日、反政府武装グループによるシリア軍に対する大規模な軍事攻勢が発生し、
紛争は大きく変化し、空爆ですでに脆弱な民間インフラと重要なサービスが壊滅的な打撃を受けた。
この動きはイドリブ、アレッポ、ハマの各州とシリア中央部、南部と前進し、
反政府武装グループは首都ダマスカスを占領に至り、バシャルアルアサド政権を覆した。
シリアにおいて歴史的な変革となった。
これらの出来事は人道的ニーズを増大させ、大規模な国内避難と帰還をもたらし、
被災者の脆弱性が高まり、新たな複雑なニーズを生み出している。
国内避難民タスクフォースが12月8日に発表した最新情報では、100万人以上が避難を余儀なくされている。
今回の出来事以前からシリア北西部で350万人が避難生活を送り、
うち200万人は避難キャンプに居住していたという状況の中で発生した出来事である。
IOMのエイミー・ポープ事務局長は、
今日は世界中のシリア人が生活を立て直し、自分と家族の明るい未来を見据えるために、ついに希望を持とうとする日です。
しかし、10年以上にわたる戦争がこの国を荒廃させ、人々は貧困と痛みにあえぎ、インフラは廃墟と化しています。
国内のほとんどのシリア人は人道援助に依存しており、厳しい冬の天候によってそのニーズは高まっています。
私たちは緊急に人道的対応を強化し、この新たな希望とチャンスの時にシリアの人々を確実に支援する必要があります。」
このような情報をRelief Webで見つけました。
まず、今回の情報収集の中で、このRelief Webのような人道支援情報に関しては、まだほとんど出てきていないです。
まずは、報道のメディアから私も情報を収集しています。
NGOの支援を計画するにあたって、本当に緊急の第一段階なので、後々はもちろんこのリリーフウェブに発表される情報などに頼っていくことになるのですが、
現時点では、現地のローカルスタッフから集める状況と報道メディア、あとは治安系のNGOのネットワークの情報、セキュリティ情報を元に情報を把握しているというのが第一週時点での状態です。
報道メディアからの情報収集
報道メディアからの情報に関して、私は今週はずっとBBCを一番追っていて、それ以外にアルジャジーラやRUDAWというクルド系のメディアを追っています。
BBCからこれは本当に残しておきたいと思ったページを紹介します。
BBC、Syria in Maps, Who Controls the Country Now Assad Has Gone
地図で見るシリア、アサド語の国を誰が統括するのか、というページです。
リンクを貼りましたので、見てください。
これに関しては、私はウェブ魚拓も貼りました。
というのは、12月9日時点でそのページに掲載されていた地図と、今日確認した地図がすでに変化しているからです。
概要欄に両方画像で貼っています。
これを主に話したいというのが、今日のメインの内容になります。
概要欄に2つカラフルになっているシリアの地図が貼ってあります。
12月9日が上で、11日が下なので、最新情報としては下の方を見ていただければと思います。
下の方は、ソースがISW、11 December 2024となっている方ですね。
ISWというのは、戦争研究所、Institute for the Study of Warですね。
この団体は、アメリカ合衆国を拠点とするシンクタンクということらしいです。
ここが発表した情報を、おそらくBBCが見やすくまとめ直したりしたものなのでしょうか。
下の2024年12月11日時点での地図に私は着目をしています。
まず、今回一番重要なのは、この濃い赤の部分が、今回主に報道されている大きな動きですね。
濃い赤の部分、シリアの反政府軍、HTSが主導するシリア反政府軍、グループですね。
このグループを今までだったら反政府武装グループというふうに呼ぶところですが、
今やこれを反政府武装グループと訳すと違和感があると思いますので、
反乱軍という訳だと、もしかしたら現時点での日本語訳としては、
英語でRebelというのが反乱軍とか反政府軍というような意味になるのですが、
HTSがもともと北西のシリアの一部、イドリブ県というところだけに赤の色が小さく一部だったところが、
ダマスカスまで到達している様子というのが今回の主に大きな動きになります。
その中に主要な都市、アレッポ、ハマ、ホムス、ダマスカス、そしてラタキア。
上の地図ではラタキアが入っていませんが、12月9日時点でラタキアが入っていませんが、
11日の地図にはラタキアまで赤く塗られている点がわかります。
ラタキアというのは元政権バシャールアルアサドのふるさとになりますので、
そこも抑えたということ。進んできているということなのでしょう。
私にとって重要な情報というか焦点を当てているのは、
上の地図、この2つの地図、12月9日時点での地図と12月11日時点での地図で、
もう一個結構大きな違いに気付かれると思うのです。
アレッポというシリア北部の街のちょっと右上、右斜め上ぐらいの部分ですね。
黄色と薄紫の色が塗られていて、その間にこの水、
これユーフラテス川のダムなんですけれども、
ユーフラテス川に沿って上の地図では濃い紫の部分がある。
下の地図ではそこの部分は黄色に塗り替えられています。
今週私が心配をしている状況、もしくは私の同僚たちが心配をしている状況というのは、
主にここの動きによるものです。
これは何かというと、上の地図でその濃い紫の説明は、
Contested by Turkish backed rebels and Kurdish Red Force。
トルコのバックアップ支援を受けた反乱軍と、
クルド系の勢力の間で対立中、闘争中という状況に書かれています。
12月9日の時点では、戦闘が行われていたような状況で、
12月11日の時点ではそこが黄色に塗り替えられました。
Turkish backed Syrian rebels and Turkish military。
トルコのバックアップ支援を受けたシリア反乱軍及びトルコ軍。
それが大きな今週の動きです。
北東シリア支援をしている立場としては、これは大きな動きで、
北東シリアとして、これも言い方が難しいけど、
北東シリア地域というふうに認知されつつあった自治政府の境界線が、
今そこの部分変わりました。
このユーフラテス川、ここの薄紫色のラインというのがうねうねしている理由は、
ユーフラテス川の東岸、西岸、川でこの国境というか地域の境、
もしくは勢力の境目が川によって分けられているような状況なので、
この川沿いでもいくつか衝突が起こっているというようなセキュリティ情報も見ています。
次に、BBC日本語訳がありましたので、こちらは日本語で記事を読むことができます。
イスラエルとシリアの空爆
次に、BBC日本語訳がありましたので、こちらは日本語で記事を読むことができます。「イスラエル、シリアの海軍艦隊を攻撃、全土で空爆を350回以上実施と発表。」
これも日本でもニュースなどでも取り上げられているのではないでしょうか。
今週イスラエル軍がシリア中の軍事拠点、武器庫、海軍艦隊などに空爆を実施しています。
このBBCの日本語の記事を見ていただくと、まずはイスラエルがシリアの多数の箇所で空爆をしたという情報が載っているのですが、
後半、下の方、ゴラン高原の干渉地帯付近ではという情報があります。
これですね、ここを読みましょう。英語です。読みます。
So, Israel also has temporarily seized control of a demilitarized buffer zone in the Golan Heights, saying the 1974 disengagement agreement with Syria had collapsed with the revel takeover of the country.
ゴラン高原の干渉地帯を設けるとか、その一時的な国境の合意というのは1974年だったんですね。
シリア政権が覆ったことで、1974年の合意に関してはすでに崩壊したとみなし、イスラエル軍がゴラン高原の実験を握ったという記事がこちらBBCの
BBC英語版Syria in maps, Who controls the country now Assad has goneの後半の方にイスラエル軍の動きについての情報が載っています。
イスラエルが空爆を加えた地点のマッピングとともに、さらに下の方にいるとイスラエル軍がUNのバッファーゾーン、非干渉地域に部隊を侵攻させていますということに関する地図が載っていて、
私が現時点で一番いきどおりを感じているのはこれらの動きです。
シリア国内の反政府武装勢力というのも非常に多数いて、それらが名前を変えたり合併したり分かれたり分裂したりという形でシリア内戦を繰り広げていて、
それだから内戦というふうに呼ばれてきたんですが、当然それらの各武装勢力は大きな国からのバックアップを受けるということになります。
そしてそのバックアップをしている国というのはそれぞれの利害を持った上でバックアップをするということですね。
反政府武装勢力がどう動くかということに関して私は今何も言う気はないんですけれども、
国連に名を連ねているような大国、今回に関してはイスラエルとトルコのことを言っていますが、
それらの国がこのシリアの国境、すでにここがシリアであるというふうに合意されていた国境を侵犯するような攻撃を、
もう本当にこういう言葉を使いますが。
そういった国連に名を連ねているような大国が国内の混乱に生じて、シリア国内に侵攻してきていると。
それぞれテロリストの台頭を防ぐためだとか、きれいな言い訳をするんですけれども、
実際にシリアが現在近隣国からの侵攻を受けているということが起こっていて、
それも一つ私がこの番組を立ち上げてきちんと記録を残さなければなと思った理由の一つです。
クルド勢力の撤退
さらにこの番組のサムネにシリアの地図の輪郭を使ってシリアという風にアラビア語で真ん中に書いた気持ちがそこにあります。
内戦としてどのようになっていくか、人道支援者として見守っていくということだけでも人道支援のニーズは生じるんですけれども、
実際にはシリアという国が大国から侵攻を受けているという現実も現時点でも起こっています。
実際に私の同僚たちが恐れているのはそのことです。
私の支援地域は北東シリアなので、当然北からの隣国からの侵攻というのが一番のリスクとして認識されています。
そのことも多分もう少しはっきり言っておいた方がいいんだろうなというふうに思ったので、それも付け加えます。
CNNの日本語の記事もありますね。
「米支援のクルド勢力、シリア北部の都市から撤退、トルコ支援勢力が攻撃。」
「米国が支援するクルド人主体の反対性武装組織シリア民主軍SDFがシリア北部にあるトルコとの国境に近い都市マンビジュから撤退した。
SDFのマゾルム・アブディー司令官によれば同士で抵抗を続けていたものの、米国の仲介により停戦合意に達し撤退に同意した。
これより前、マンビジュに近いティシュリーンダムの責任者はCNNの取材に対し、トルコが10日ダムへの攻撃を開始して停電を引き起こしダム崩壊の可能性があると懸念していた。
シリア北東部の自治政府のエネルギー当局によればトルコのドローンがティシュリーンダムを攻撃しダムが使用不能となった。
アブディー司令官はSDFが引き続きユーフラテス川に位置する重要なテシュリンダムの保護にあたると述べた。
SDFによればトルコが支援する自由シリア軍のドローンが集落を攻撃した。
この集落はSDFの支配下にあるトルコ国境に近いシリア北部都市コバニの西に位置する。
シリアでは数多くの武装勢力が領土を支配下に置き管理している。
そうした勢力の中にはトルコが支援するシリア国民軍SNAなどがある。
トルコはFSAも支援している。」
これらがシリアでの人道支援者としては一番心配な動きとなります。
ではどういう風になるのか一度まずやってみないとわからないと思ったので
今日はこんな感じとなりました。
どういう風に続けていくかは考えながら
少なくとも自分で情報収集をした報道メディアのリンクというのが
どんどん古くなって情報が失われていって私の記憶からも消えていってしまうので
それを大事だと思った情報を残していく場として
まずは第一には自分のための記録として
この番組を週に一回のペースで続けていきたいと現時点では考えています。
以上にします。どうもありがとうございました。
25:21

コメント

この第一回からずっと聴いてみますね。知らなかった中東のこと、知りたいので。

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