前回までの退職代行サービスについての討論後の雑談の少しを編集してあげました。
■ 退職代行と“日雇いバイト”が象徴する、会社に属さない新しい働き方
近年話題に上る「退職代行サービス」は、単なる“辞め方”の話題にとどまらず、働き方そのものの価値観の変化を象徴しているのではないか――そんな問題提起から今回の対談はスタートしました。特に若年層の間で利用が増えている背景には、会社に対する帰属意識の低下や、職場での人間関係への過度なストレスがあるとされています。
また、それと並行して注目されているのが「日雇いバイトマッチングサービス」。アプリを通じて“今週火曜と木曜だけ働きたい”という個人の希望と、“この時間だけ人手がほしい”という企業側のニーズをつなぐ仕組みが急速に広がっているそうです。これは、ウーバーのように個人が自律的に稼ぐスタイルが一般化してきたことを示しており、従来の「就職してフルタイム勤務」というモデルからの脱却が進んでいるとも言えます。
話し手の一人は、「若者は会社に“属する”ことそのものを避けたがっている」と指摘。だからこそ、退職代行や短期マッチングサービスが受け入れられ、もはや一時的なトレンドではなく、働き方の一形態として定着しつつあるのではないかという見立てが出されました。
■ マスクで表情が見えない職場。雑談が消えることで起こる“コミュニケーションの空洞化”
もうひとつ今回の対談で深掘りされたのは、コロナ以降の“マスク文化”が職場コミュニケーションに与えている影響です。ある話し手は「マスクで相手の表情が読み取れないことで、話す側のやる気も落ちる」と実体験を共有。経営方針説明会で社長が話すも、社員が笑っているのかポカンとしているのか全くわからず、かなり戸惑っていたというエピソードが紹介されました。
笑いのリアクションが見えない、うなずきの頻度も減る、雑談も消える――これらは単なる“会話のしにくさ”ではなく、信頼関係やチームワークの基盤を揺るがしかねない問題です。
マスクによって最低限の業務連絡はできても、そこに“熱量”や“想い”が乗らない。結果として、「伝わってないかも」「もう話すのやめよう」と、コミュニケーション自体を諦める人が増えているのでは?という懸念も語られました。
■ “街の声”を拾ってみたい。素顔の労働感覚に耳を傾けるアイデア
対談の終盤では、「もっとリアルな声を知りたい」という熱が高まりました。「街頭インタビューで“働くこと”に関するリアルな悩みや価値観を聞いてみたい」「休日に街を歩いている人に話を聞けば、日々の仕事にどう向き合っているかが見えるかもしれない」といったアイデアが次々と飛び出します。
この発想の背景にあるのは、職場では本音が出にくい今だからこそ、もっと“顔の見える”形で人の感情や考えに触れたいという思い。日雇いマッチングや退職代行が増えている背景にも、きっと「顔を合わせることが重たい」「空気を読むのがしんどい」といった生の声があるはず。それを見えないままにしておくのは、もったいない――そんな問題意識が感じられました。
また、「過去に扱ったテーマをもう一度深堀りしてもいいかも」という話も。テーマをリストアップして再検討し、煮詰めきれなかった議題をもう一度掘り起こすことも、今後の企画として盛り上がりそうな気配です。
■ 属さない働き方と、顔の見えない職場。僕らはどこへ向かっているのか?
今回の対談では、一見バラバラに見える「退職代行」や「日雇いバイト」「マスク下の無表情」といったテーマが、実は一本の線でつながっていることに気づかされました。共通しているのは、「人との距離感」の変化にどう向き合うか、ということ。
“会社に属さない”という自由な選択肢が広がる一方で、“顔の見えない職場”が心の距離を広げる。この時代に働くことの意味や、人との関わり方をもう一度見つめ直すきっかけになりそうなエピソードが詰まった回でした。
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サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
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パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
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