前回の続きで、今年社労士試験を受験される方に向けた学習のコツや勉強ポイントを若手実務家社労士同士で熱く語りました。
「一般常識」を“覚えるだけ”にしない工夫とは?
社労士試験における「一般常識」は、多くの受験生にとって鬼門のひとつ。しかし対談では、これを“単体で丸暗記”するのではなく、「関連づけて覚える」というスタンスが重要だと語られました。たとえば、有給休暇の取得率といったデータは老基法の有給休暇の項目に組み込んで学ぶ。男女雇用機会均等法の中ではM字カーブを絡めて覚える。こうした「科目内のついで学習」によって、記憶の定着率が大きく変わるとのことです。
キーワードを軸に「横断まとめノート」を作ろう
試験対策においては、「短時間労働者」などのキーワードを軸にした“横断的なまとめ”が非常に有効です。雇用保険、社会保険、労基法など、それぞれの法律で同じキーワードがどう使われているかを俯瞰してまとめることで、理解が深まり、記憶にも定着しやすくなります。世界史の「縦の歴史」と「横の歴史」になぞらえ、時系列と国ごとの流れを併せて理解する手法に似ています。知識の「整理の仕方」が、暗記力以上に試験突破の鍵となるのです。
実務でも活きる「フック」と「整理」―まとめ資料の価値
オオタワさんは試験対策として作成したExcelまとめ資料を、今でも実務で活用しているそうです。特に有用なのが「家族の範囲まとめ」と「端数処理まとめ」。たとえば、老齢厚生年金や遺族年金における「家族の範囲」、また各種給付金における「どこまでの円未満を切り捨てるか」といったルールは、法律ごとに異なります。そうした細かい論点を“縦割り”ではなく“横断的”に整理しておくことが、実務対応力にも直結していくのです。
法改正は「出る・出ない」より「使える・使えない」
社労士試験において、法改正は「出題されるから勉強する」のではなく、「実務で必要になるから覚える」という意識が大切だと語られました。受験予備校などでは「法改正は出やすい」と言われますが、実際には基礎的な論点の出題が多く、法改正に偏った勉強だけでは点数には結びつきません。逆に実務においては、改正内容を把握していないと即対応ミスに繋がるため、法改正のキャッチアップは“試験対策以上に”重要なのです。
合格後も続く「知識の再構築」。受験勉強の本当の価値
今回の対談を通じて、社労士試験の勉強は「知識を覚える」こと以上に、「知識を整理し、関連づけて、実務に活かせる形にする」ことが本質だと見えてきました。試験に合格するための学びが、そのまま実務力につながること。そしてその土台があれば、どれだけ法改正や制度変更があっても、自分でアップデートしていける。受験を機に得た“知識の構造化”こそが、社労士としての成長を支える軸になるのです。
社労士試験は、ただの暗記勝負ではありません。知識の「関連づけ方」「まとめ方」「活かし方」を自分なりに築いていくことで、合格の先にある“社労士としての未来”にもつながります。これから試験を控える皆さんにとって、本記事が少しでも学習のヒントとなれば幸いです。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
サニーデーフライデーはTwitterをやっております。
アカウントは@sunnydayfridayと検索して頂ければ出てきますのでフォローしてください!
またおたよりフォームを設けておりますので、是非ともサニーデーフライデーにおたよりをください!
↓↓↓↓↓
bit.ly/3gbygo1
各ポッドキャストのプラットフォームで聞けますが、是非とも購読ボタンを押していただき、Apple Podcastsで聴いている方は是非とも評価とレビューを書いてください!