高校の友人社労士と語る、あるべき企業の組織作り論のお話です。将来的に活躍できる社労士はこんな感じなのではと思います!!
【ハイライト】
・自粛モードでの二人の活動状況
・人が楽しく、意欲高く働ける組織とは?
・職場風土が悪い会社が社内にもたらす影響とは?
・「P機能(Performance function:目標達成機能)」VS「M機能(Maintenance function:集団維持機能)」
・社労士は「職場風土の調整役」たれ
悪口が生む不信感と職場の分断
対談の冒頭では、職場での人間関係の悪化を引き起こす要因として「陰口・悪口」の存在が語られた。特にパフォーマンスに直接関係しないが、心理的に非常に大きな影響を与えるこの問題は、社員間の信頼を損ね、組織の健全な成長を妨げる。
東京駅の食品売り場での体験談では、裏方で悪口ばかり言っていたリーダー的存在の存在が、周囲のスタッフに常に不安を与え、職場環境を悪化させていたことが紹介された。自分が見ていない場で言われているかもしれないという恐怖感は、社員のモチベーションと定着率に大きな悪影響を与える。
パフォーマンスと組織維持能力──二軸で人を評価すべき理由
本質的な課題として取り上げられたのが「組織を維持する力(メンテナンス能力)」の軽視。食品加工会社の例では、20年以上勤める職人が新人をいじめ続け、結果として若手が定着しないという問題が発生していた。仕事のスキルが高い=良い社員、という一面的な評価基準がもたらす弊害だ。
このような状況に対し、オオタワさんは“PM理論”を紹介。P(Performance=目標達成力)だけでなく、M(Maintenance=集団維持力)という視点を持つことの重要性を語った。仕事ができるだけでなく、他人と協調して働ける力こそが、持続可能な組織を作る土台になる。
評価と採用のバランス感覚──体育会系組織の危うさ
日本の多くの企業では、体育会系出身者の“パフォーマンス重視”が評価されがちだが、それが行き過ぎるとM機能の弱い社員が残りにくくなるという弊害も生まれる。短期的には成果を出せても、長期的には組織の分裂や人材流出につながる可能性がある。
就職活動でも「何をやってきましたか?」というパフォーマンス重視の質問ばかりがされがちだが、「どうやって周囲と協調していきますか?」といったメンテナンス視点の質問が少ない現実も問題視された。採用時点でこのバランスが欠けていると、後に大きな人事リスクとなる。
学校現場が実践する「PM理論」から学ぶこと
実はこのPM理論、小中学校の教員がクラス運営(学級経営)で用いる考え方としても知られている。スポーツや成績だけで覇権を握る生徒が現れると、他の生徒が排除されてしまう傾向があるため、教員は意識的に「集団維持」の観点から介入しているのだ。
この考え方を企業でも活用すべきだという提案は、単なる人事評価制度の見直しにとどまらず、組織文化そのものの再設計に関わる視点を提示していた。
長く続く組織には「人間関係をメンテナンスする力」が不可欠
今回の対談では、雇用調整助成金などの実務的な話題とは一線を画し、「組織を支える目に見えない力」に光が当てられた。
仕事ができる人材は確かに必要だが、周囲と協力できない人材では組織は持続しない。企業がこれから生き残っていくためには、評価制度にも採用基準にも、PだけでなくMの視点を取り入れることが不可欠であるということが、実感を持って語られた回だった。
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サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
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パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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