前回の話の続きで、ベーシックインカムを導入した際の起こりうる日本の未来を考えてみます。安定した収入を国民に提供することよりももっと大事なもの、人々の承認欲求や成長欲求に対して適切な量、タイミング、方法で応えていくことも大事等社労士×社労士で語りました。
給料より「ひと言」が効く?人が辞める理由と職場の空気
今回のテーマは、前回に続き「ベーシックインカム」についての考察ですが、そこから話は「人が働き続ける動機」や「職場での人間関係」にまで広がっていきました。田村とオオタワさん、2人の社会保険労務士が語ったのは、「辞める理由は給料ではないことが多い」ということ。
実際、転職希望者の多くは「上司が変われば辞めなくてよかった」と感じているという事例もあり、給与や休日数だけでなく、日々の承認やコミュニケーションがどれだけ重要かが語られました。
1日1回の声かけ、挨拶、ちょっとした「ありがとう」。こうした“存在の承認”が、人の定着率やモチベーションに直結している現実は、社労士として現場を見てきた2人だからこそ説得力があります。
褒め方も設計が必要?「承認されたい人」が気持ち悪くなる瞬間
一方で、「承認欲求の強い人に褒める仕組みを会社全体で整備する」のは難しいという指摘も。なぜなら、やり方によっては「この人、褒められるように周囲が動いてるな」と感じてしまい、逆に気持ち悪さを生むからです。
だからこそ、「褒めてます」感を出さずに自然に承認される空気や雰囲気を作るには、挨拶や日常のさりげない声かけから始めるべきだと2人は提案します。
承認の本質は“気づき”であり、“共感”です。それを形式的にやっても逆効果。日々の小さなやりとりの中に、承認のヒントがあるという視点は、多くの職場にとって示唆に富んでいます。
成長したい。でも飽きる。変化を求める人が辞める理由
もう一つ大きな辞める理由として挙げられたのが「成長欲求」です。職場環境や給料は不満ではないけれど、「やることが毎年同じで飽きた」という感覚。これもまた、人が会社を離れる大きな動機です。
特に中小企業では、大手と違ってキャリアパスが見えづらく、自分の未来像を描きにくい。だからこそ、経営者や上司が「この人はどんな成長を求めているか」を理解し、そのビジョンを一緒に描く努力が必要だと語られました。
経営者の価値観が“組織の器”になる時代に
中小企業では、社長や部課長の価値観がそのまま会社の空気を決めてしまう傾向があります。そのため、従業員の新しい提案や価値観が「そんなのはおかしい」と一蹴されると、気持ちが折れてしまいかねません。
そうならないためには、経営者自身が自分の価値観を見直し、柔軟に他者を受け入れる器を持つことが大切です。「人は変えられないけど、自分は変えられる」という考え方(インサイドアウト)を実践し、自らが変化する姿勢を見せることで、関係性が変わっていくと2人は強調します。
ベーシックインカムが問うのは、「何に満たされたいのか」
ベーシックインカムの議論に戻ると、それは単なる金銭給付の仕組み以上に、「人は何によって生きるのか?」という本質的な問いに向き合う制度でもあります。
「最低限の生活を保障する」だけでなく、「承認されたい」「成長したい」というニーズにどう応えるか。田村は冗談交じりに「選択式ベーシックインカム」を提案。「お金」「承認」「成長の場」の3つから選べる制度があってもいいのでは、と話を締めくくりました。
もちろん実現は容易ではありませんが、こうした視点で制度設計や組織マネジメントを考えることが、今後ますます必要になる時代が来ているのかもしれません。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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