社会保険労務士の田村が様々な業種で活躍する人の働き方や信条・哲学をインタビューし、新しい働き方を学ぶラジオ番組『教えて、あなたの働き方!』今回のゲストは便利屋ミヤナミの宮南洋さんと対談します。
※このご時世ですのでソーシャルディスタンスに配慮して収録しております。
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【ハイライト】
・義理人情を大事にした事業について
・顧客と対等な立場や関係を維持する為には?
・損得勘定抜きの商売について
・理想的な個人事業主とは?
・便利屋ミヤナミ様の事業の野望や目標
・将来の日本の若者に向けてのメッセージ
・会社員経験は独立に必要か?
本エピソードの前編のリンクはこちらです。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1507714225?i=1000505798571
ゲストプロフィール:
宮南洋さん
明治学院大学卒業後、サラリーマンを経験した後、東京の駒込で義理人情をテーマにした便利屋業を独立開業されました。
目に見える範囲のお得意さんや、仕事仲間(同業者)を大切にしながら商売をする、こじんまりさをモットーとした便利屋業を営んでおり、大手の業者とは違い、「目先の数字」「損得勘定」にとらわれずに商売をすることを強く心がけており、格安引っ越しや不用品回収、草むしり、会社のカギ当番等幅広いニーズに応え、最近では新プロジェクトとして司会派遣や余興・プロフィール動画撮影等の結婚式に携わる事業も行っています。
◆ お客様は「上」でも「神」でもない。仕事は“対等”な関係で
「お客様」という言葉に少し違和感がある、と宮南さんは語る。自身の便利屋業では「お客さん」と呼び、あくまで対等な関係を大切にしているという。減り下るわけでもなく、傲慢になるわけでもない――そのバランス感覚が実は一番難しい。
ある時、引っ越しの見積りに対して「1万円でやってよ」と高圧的に交渉された経験があった。そんな時でもただ謝って受けるのではなく、必要なら毅然と断り、場合によっては強く言い返すこともある。仕事を受ける=下になる、という構図を壊す姿勢が、ミヤナミ流の流儀なのだ。
◆ 「ありがとう」と言い合える関係こそが、商売のゴール
理想的な仕事の終わり方は「お客さんも、自分も、どちらからも“ありがとう”が出ること」。お金を払ったから当然、という態度ではなく、しっかりと価値を提供することで「この人に頼んでよかった」という気持ちを引き出す。
そのために必要なのは、過剰な演出でもテクニックでもなく、ただ「払われた分、ちゃんとやる」こと。信頼はそこからしか生まれない。地味だけど、着実な姿勢が、リピーターを生む根っこになっている。
◆ “個人商売”のヒントは、商店街のおばちゃんと地元の車屋にあった
宮南さんが仕事のスタイルで参考にしてきたのは、実は世間で言う「成功者」や「インフルエンサー」ではない。むしろ、昔ながらの商店街でパンをおまけしてくれたおばちゃんや、「金もらっても怒る」地元の頑固親父のような人たち。
「消費税切ってくれるような人が本当の商売人だと思ってる」と語る彼の目には、義理と感情のやり取りが自然にある商売こそ、本来の姿に映っている。目の前の人をどう喜ばせるかを、マニュアルではなく、自分の感覚で判断していく。それが、便利屋という仕事の醍醐味でもある。
◆ 「ルールだからできません」は言わない。個人事業主の強みとは
ミヤナミ流の理想の個人事業主像とは、「ルールを超えられる人」。引っ越し、草むしり、不用品回収に加えて、「彼氏のふりをしてほしい」など変わった依頼にも柔軟に対応する姿勢は、個人ならではの強みだ。
「チェーン店だったら絶対やらないようなことを、やれるかどうか」。それを判断できるのが個人事業主の良さであり、お客さんとの距離が近いからこそ見えるニーズに応えられる。それは仕事の幅を広げるだけでなく、人としての魅力にも繋がっている。
◆ 「経営=自由」は幻想? 若者に伝えたい“最初の1歩”
最後に、これから個人事業主を目指す若者へ向けたメッセージもあった。「一度は会社に入ることを勧めたい」と宮南さん。というのも、最近は“個人で稼ぐ”ことがキラキラしたイメージで語られることが多いからだ。
会社員時代の経験で学んだ礼儀、怒られることの意味、共通言語――それらが、独立後の自信や信用につながっていると語る。
「会社員の経験をバカにせず、一度やってみて、自分に合わなければそこでやめたっていい」。それがあった上での独立なら、精神的にも事業的にもブレない軸が持てるという。
義理と信頼のある働き方を、次の世代へ
便利屋ミヤナミの仕事は、ただ荷物を運んだり草をむしることではない。人との“正しい距離感”を保ち、信頼と対話で生きることそのものだ。企業化せず、現状維持を志す姿には、静かだけれど確かな美しさがある。
便利屋という職業を通じて、今を丁寧に生きるというスタンスが、少しずつ次の世代に受け継がれていく――そんな希望すら感じさせる回となった。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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