宮沢賢治にまつわる作品の解説をする停車駅のような回。ボードゲームづくりを行う通常回と交互にお届けします。
今回は、アニメ版『銀河鉄道の夜』を"やまぐち"が解説します。
杉井ギザブロ / ますむらひろしの猫 / アニメ化の葛藤 / 抽象度の高まり / 猫劇団 / ジョバンニの内面劇 / 映像言語 / 情感の演出 / ほんとうのさいわい / 細野晴臣の音楽 / 揺れる / 生命現象の揺らぎ / 感情の引き出し
📝出演 & 制作
Board Game Creator:山本龍之介
Direction & Planning :山口未来彦
📩 storyplay.boardgame@gmail.com
🎙️毎週水曜夜更新
ボードゲームクリエイターの"山本龍之介"とプランナーの"やまぐち"が、さまざまな名作を丁寧に読み解き、その本質をボードゲーム化するプロジェクト「STORY PLAY」。
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サマリー
このエピソードでは、1985年公開のアニメ映画『銀河鉄道の夜』に焦点を当て、その制作背景と表現技法について解説します。監督の杉井ギザブロは、原作の抽象性を映像化する難しさから一度アニメ化を断りましたが、増村博史の描く猫を「猫劇団」として捉え、ジョバンニの内面劇を描く手法で実現しました。また、細野晴臣による音楽や「揺れる」というキーワードを用いた演出は、登場人物の心の揺らぎや生命現象そのものを表現しており、ボードゲーム制作の参考にもなっています。
アニメ版『銀河鉄道の夜』の猫のルーツ
ジョバンニが歩いている映像から、観客が感じ取るであろうその情感というのを演出しているというふうに言うんですよね。
つまり寂しそうに歩いているのか、嬉しそうに歩いているのか。
この番組は、宮沢賢治の銀河鉄道の夜がボードゲームになるまでの物語です。
今夜は、アニメ版銀河鉄道の夜について語ります。
今回はですね、いつものボードゲーム制作はお休みして、銀河鉄道の夜にまつわる話について山口一人で喋っていければと思っています。
今回テーマとするのは、1985年に公開されたアニメ映画、銀河鉄道の夜になっています。
もともと我々のストーリープレイというプロジェクトがですね、あらゆる名作をボードゲームでカバーするということで、名作というかですね、そういった作品をカバーするオマージュというかですね、そういうことを目指している以上はですね、
もともと銀河鉄道の夜っていう小説をこのアニメ版にしているっていう本作は避けては通れないですし、我々が第1話かなとかでも話してたと思うんですけれども、
銀河鉄道の夜ってなんとなくこう、もちろん本のイメージもあるんですけど、どうしても猫のイメージが非常に強くあってですね、その猫のイメージの元になっているのがこの銀河鉄道の夜のアニメ版ということになっています。
で、この猫というのがですね、増村博史という方が描いている猫というのがですね、そもそもこの銀河鉄道の夜とはまた別でですね、増村博史の猫と書かれていて、それをですね、見つけた監督がこの猫を使おうという話になったということなんですけれども、
アニメ映画もあらすじは基本的に銀河鉄道の夜と同じというかですかね、にはなってくるので、そういったどうこの作品が出来上がってきたのかみたいなことをですね、いろいろ調べたりしてきましたので、そういうことも話していければと思っています。
アニメ化への葛藤と「猫劇団」という解釈
で、監督のですね、スギー・ギザブローがいろいろインタビューを読むとですね、一度この銀河鉄道の夜のアニメ化を断っているらしいんですよね。で、なぜ断ったかというと、銀河鉄道の夜っていうのが大きく4回開行を重ねられているんですよ。で、その初行、2行、3行、4行というふうにあってですね、監督の話によると初行が実は一番読みやすいんだと。
それは童話としてすごく具体的な描写もあるし、みんな生き生きしてるし読みやすいと。ただそれが1行、2行、3行、4行ってなるにつれて徐々にこう抽象度が上がってるみたいなことを監督は言ってるんですよね。
だからこそ宮沢賢治が本当にやりたかったことっていうのは、そういう銀河鉄道の夜においてはそういう具体的な童話を描くことではなくて、もう少し抽象的なことをやりたかったんじゃないかっていうのをスギー・ギザブローは読み取ってですね。
で、今回映画化、アニメ化っていうのはですね、まさに文字で書いてあるものを映像にするわけですから、具体化するわけですよ。
その具体化っていうのはですね、宮沢賢治の意思に反するみたいなことをですね、思って1回断っているらしいですと。
本人はそういうふうに言っていて、そこからですね、もう1回映画化してくれないかっていうオファーをプロデューサーがしてですね、そこでしましょうっていうことになるんですけれども、そのきっかけがですね、この増村寛の猫なんですよね。
っていうのはですね、抽象度がどんどん上がってきたっていうお話を今したと思うんですけれども、どちらかというと銀河鉄道の夜っていうもの自体が、何かこう実際に列車に乗ってどうのっていうことよりも、序盤に自身の内面劇であるっていうのをすごく監督は言っていて、
じゃあその内面劇をどう表現するかっていう手法として、増村寛の猫をですね、その劇団員と見立てて、増村寛の猫劇団が演じる銀河鉄道の夜をアニメ化するっていう、そういうことであればアニメ化してもいいですよっていうことをしたっていうことなんですよね。
つまりこの猫劇団っていうのは何かっていうと、猫たちではなくて猫劇団なんですよね。これちょっと違っていて、猫劇団っていうのはこのアニメ見ていただければわかるんですけれども、100%猫ではなくて人も出てくるんですよ。
なのでそういう人も猫も含めた増村寛の猫劇団が演じる、そう解釈したであろう銀河鉄道の夜の上映をアニメにしているっていう結構入れ子構造というか、実はこの銀河鉄道の夜のアニメっていうのはそういう入れ子構造で成り立っているんですよね。
これはもちろんそういう監督の読み解きと宮沢賢治に対するリスペクトも含めて、ある種監督が自身を納得させるためのロジックでもあるとは思うんですけれども、結構この話面白いなと思っていて、確か銀河鉄道の夜ってすごくダイレクトにボードゲームに我々はしようと思うと、
映像言語と情感の演出
一回目か二回目かで話したかと思うんですけれども、本当に物語をなぞっていろんな人に会ってゴールするみたいな、そういうすごろく的なものというか簡単なそういうものになってしまう可能性があるなと思っていて、もちろんそれでもいいんですけれども、それって我々が本当にやる意味あるんだろうかっていうのは正直思っていてですね。
それよりもどちらかというと、もっとこの猫劇団が演じてジョバンニの内面劇であったように、今回の我々で言うと本当の幸いみたいなことをですね、やった人が考えてもらえるようになるといいなっていうのはすごく思ってます。
これに近いことをですね、この監督がまた別のインタビューで言ってるんですけれども、この監督実はですね、この銀河鉄道の夜だけではなくて、タッチだったりとか結構有名な作品をいろいろ演出していて、もともと手塚治虫プロにいた方でもあるんですけれども、彼がですね、その演出手法みたいな一つとして映像言語っていう言葉を使ってます。
この映像言語っていうのは、この彼ら監督、映画作家が作品を作る時に何をしているかというとですね、ジョバンニが歩いているっていう現象を伝えるために映像を作るんじゃないんだと。
ジョバンニが歩いている映像から、観客が感じ取るであろうその情感っていうのを演出してるっていうふうに言うんですよね。
つまり寂しそうに歩いているのか、嬉しそうに歩いているのか、何か悲しいことがあったのかなっていうのを予感させるように歩いているのかとかそういうことをですね、何かセリフで言うわけではなくて、歩いている映像、その姿形からこう情感を演出する。
つまりそれが彼の言う映像言語っていうことなんですよね。
それはその1シーンだけではなくて、いろんなシーンの積み重ね、シークエンスの積み重ねによって、それがこう情感として見た人の中で湧き上がってくるっていうのを言ってますと。
なんで彼がすごく言っているのは、映像言語として自分は映像作家としてそれを作るんだけれども、実はその読み取り手の方がそういう感情を持っていないと、そもそも読み取れないっていうことを言うんですよね。
つまりこうすごく感動的なシーンで、すごいいいなと思って感動したっていうことは、映像がすごいっていうことだけではなくて、自分の中にそういう感動を引き出せる情感があるというかですかね。
ちょっとまあ抽象的な話なんですけど、そういうことがあるっていうのをすごく言ってますと。
なので今回のボードゲーム作りみたいなことにちょっと置き換えると、本当の幸いみたいなことですよね。
誰しもやる人はですね、楽しいこと、悲しいこと、辛いこと、嬉しいこととか苦しいこととかいろいろあると思うんですよ。
それをですね、ボードゲームみたいなメディアというかですかね、媒体を通してどうやった人に情感というかですかね、気持ちを湧き上がらせるかみたいなですね、そういうことが一つテーマになっていて。
インタビューを読むとなかなか難しいなと思うんですけど、言ってることは本当にもっともだなみたいなことを思うわけなんですよね。
細野晴臣の音楽と「揺れる」というテーマ
で、このアニメ版銀河鉄道の夜に欠かせないもののもう一つがですね、音楽だと思っています。
これはですね、細野晴海が手掛けていて、どこの国の音楽とも言えないような異国感があるものなんですよね。
で、非常にそれも意識して作られたっていうのもですね、CDのアルバムなんか買ってくるとついてくる解説に書いてあるりするんですけれども、一番大きいところはですね、キーワードとして揺れるというのを監督からのオファーで作ったっていうのを話しています。
で、まさに音楽的なものが、そもそもF分の1の揺らぎとかって言いますけれども、揺らぐみたいなことが一つテーマになっている中でもっと直接的に音楽がワンワン言うとかですね、空間的に響く揺れるみたいなことっていうのがすごくこの音楽っていうのは表されています。
で、それとですね、こうするように、特に今回のこのアニメの最初のシーン、上空から揺れるようにカメラが迫ってくるっていうことがすごくこう、象徴的に使われています。
で、そういった映像と音楽から揺れるということが非常に表現されているわけなんですよね。
じゃあ、そもそも何で揺れるなのかっていうことを考えていくと、この宮沢賢治の銀河鉄道の夜というものがジョバンニの心の揺れ動く様というものを描いているというふうに解釈されているからなんですよね。
で、揺れるっていうこと自体が、例えばですけれども、今回いうと銀河鉄道の夜は生と死みたいな話もそうだし、楽しいとか悲しいとかですね、そういうその感情の揺れ動きみたいなこともありますし、それ以外にもですね、いろんな揺れ動きが表されているんですよね。
で、まさにそういった揺れること、何か一つに決まる、一位に状態が決まるっていうことではなくて、揺れ動くこと自体がある意味生命現象であるみたいなことの捉え方をしていてですね。
だからこそこの宮沢賢治の銀河鉄道の夜というものは、そういう揺れる様っていうものを描くべきだっていうことで、まさに音楽だったり演出面では揺れるというのが一つ大きなキーワードとなっています。
ボードゲーム制作への応用と視聴推奨
ここまでですね、いろいろアニメ銀河鉄道の夜について喋ってきたわけなんですけれども、我々もボードゲームで銀河鉄道の夜をカバーするにあたって何ができそうかなみたいなことを考えていくと、
最後に話した、特に揺れるっていうことだったりとか、途中に話したですね、原作をそもそもそういったなぞっていくっていうことよりは、上巻をどう演出するかみたいなことがですね、すごく参考になるかなと思っていて。
今、制作をまさにリュウさんと進めているところですけれども、そういったところっていうのをですね、このボードゲームの中にも取り入れていければなっていうのは思っております。
ということで、アニメ銀河鉄道の夜ですね、興味を持った方はですね、ぜひ見ていただければと思いますし、たまにNHKなんかで再放送したりとかもしてはいるので、そういった機会だったりにも見ていただければなとは思っております。
ということで、今回は以上となります。ありがとうございました。
11:56
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