メディアビジネスの基本概念
松浦シゲキの、それでもメディアは面白い。
この番組、それでもメディアは面白いは、メディアコンサルタントで
コミュニケーションプランナーの松浦シゲキが、ありとあらゆるメディアの器を
こねくり回しながら語り尽くします。
さて、今回のテーマは、松浦シゲキです。
はい、今週もよろしくお願いします。
さて、今回のテーマはですね、作り手と受け手のバランスです。
メディアビジネスを行うときに、私はまず、ユーザーファースト。
つまり、受け手の課題解決から考えるべきだと常々言っています。
ただし、その課題解決を担う作り手のコンテンツにもですね、
当然リスペクトを持たなければならない。
ここのバランスね、大事なんです。
音声配信サービスの問題提起
作りたいものばかりを作っていても、それが受け手に届かなければ意味がない。
逆に、受け手のニーズに過剰に合わせすぎると、もう作り手がね、否定してしまう。
そんな二項対立の中で、どうね、メディアの器を設計していくのか、
そのヒント、最近あった日本初の音声配信プラットフォームに関する出来事から、
考えてみたいと思います。
さて、その音声サービスですが、そうね、
2025年8月、音声配信サービス、ボイシーがですね、
ボイシープラスというサブスクリプション型の有料サービスを発表しました。
月額990円で配信される音声広告、動画広告が表示になる広告オフプランですね。
しかしですね、同時期にですね、広告配信の導入も宣言したわけですよ。
そうすると、ユーザーとね、パーソナリティ双方がですね、戸惑ってしまうというような事態が、
起きましたというか、私の目からは見えました。
全部が全部起きて、すごい大騒ぎになっているかというと、ちょっと分かんないですけど、
少なくとも私のタイムライン上では、それが出てきました。
具体的にはね、通常の放送の途中に別のパーソナリティが登場して、広告なしで楽しむには、
ボイシープラスに加入してね、という促す音声CMSが特選入ったりするようになったと。
これがまるでね、番組を途中で乗っ取られたかのように感じられるケースもあるようですね。
はい。
まあ、なんて言うんですかね、その広告を導入すること、音声広告を導入することもですね、
かつ広告標準の課金モデルというところも、どちらもメディア運営としてはね、
まっとうな手段という形でね、メディアのビジネスとしてはまっとうな手段、
よくある手段とも言えるかなと思うんですよ。
私的にはですね、ただ今回その両方を同時に打ち出したのはどうなんですかという話かなと思っています。
広告楽しんでね、でも邪魔だったら課金してね、
ね、これユーザーからすると広告ってウザいの?ウザくないの?という、やっぱり受け取り方のね、
混乱を招いてしまうと思うんですよね。はい。
なので伝える順番の設計かなと。
なのでまあそれ時代で言うとメディアビジネスのプロダクト設計以前のその語りの問題かな、ストーリーティリングの問題かなという話で、
別にこれメディアビジネス的に限らずですよ。
他のビジネスだって全部そうだと思うんですよ。まあマーケティングとかね、サービスデザインとかいろんな言い方あるかもしれませんけど、
選択肢を提示するんだったらまず一方の価値をきちんと伝えるっていうのは基本中の基本なんじゃないかなと。
私もまあ長らくいろんなビジネスやらせていただきましたし、メディアビジネスやってきた人間でもあるので、
メッセージの打ち出し方の順番とかその他諸々とかやっぱり気にする話なんですけど、なんかそこがね、ごっちゃになっているのが今回、
非常にユーザーさんから見てきたときのですね、大騒ぎになっているポイントかなというふうに思います。
あともう一個、私この点でですね重要なもう一つの論点がパーソナリティさん、コンテンツの作り手、
サインへのですね配慮かなというふうに思うんですよ。そもそもボイシー、私もですね初期作り手の一人、パーソナリティの一人として入りましたけど、
審査制でしたと、全員が全員配信できるユーザージェネレーションコンテンツ、UGCではなくですね、ある種まあ
プロが作るようなコンテンツっていう構造を持ってたりとかしますと、今は結局開放してまた絞ったのかな、ちょっとそこら辺のところが定かではないですけど、
まあそんな中でやっぱり広告とはいえ自分の番組にですね、いきなりこう他社の声がですね入ってくるっていうのはパーソナリティにとってはやっぱり
何かしら大きな心理的な抵抗感があると思うんですけど、これがねなんて言うんですかね、ちゃんとボイシー、チャプターごとに分けて配信できる仕組みになってますから、
ちゃんとそのチャプターの間に質の高いコンテンツ、受け手にとってですね、すごく態度変容も叶えられるような素晴らしいコンテンツ、広告コンテンツが入ってくるんだったら何ら問題ないかなと思うんですけど、
これね、また広告コンテンツ始まるのまだちょっと先みたいな話、9月なのかな、
になるかと思うんですけど、自社広告ですよ、自社広告を入れていくんですけど、自社広告がその自社広告自体を否定して広告聞きたくないならプラスに入ってくださいっていうのは、
それもなんかメッセージ的にごちゃごちゃだなぁみたいな感じかなと思うんですよね、そうするとですよ、受けても混乱するわ、ユーザーに当たる受けても混乱するわ、
作りたたるパーソナリティも混乱するわっていう話、それをプラットフォーム側の判断ですよ、伝えてたるプラットフォーム側の判断として進めてしまったんですよね、これはですね、
ユーザーにもパーソナリティにも受け手にも作り手にも説明責任やら、合意形成という意味でもね、これはさすがに改善の余地があったというか、組み立ての、
なんていうんですかね、ちゃんと作り方の余地、うまくいかせる余地があったんじゃないかなというふうに思います、私は、
でもね、なんていうか、急ぎたくなったんだろうなぁというのもですね、一方で思ったりとかしまして、
何かしらやっぱり収益化への強いプレッシャーというのは存在したのかなというふうには思うんですよね、何せずっと赤字、
累計もう30億以上資金調達しちゃってるっていう話で、出口意識せられないステージにあると、スタートアップですからね、
この1年ほどで法人向けの限定配信機能やタブ構成の再設計とか、コラボ番組タブとか、あとポッドキャストとかも含めて入れるみたいな感じで、
やっすぎ早に機能リリースしてますけど、スピード感すごいと思うんですけど、何かその意味におけるそのユーザーさんとかパーソナリティーさんへのコミュニケーションが
荒くなってないかなと、そこが課題として表面化したのが今回の一件なんじゃないかなというふうに思います。
コミュニケーション設計の重要性
っていうのは、やっぱり今回の事例からするとですね、やっぱりユーザーとの向き合い方だってね、広い意味で言うと編集ですよ、それで言うと。
もちろんアンケートとかSNSを見ろ、みたいな話だけじゃなくて、そもそもアンケート取ったりとかSNS、今回SNS上でそういう声がたくさん出てるってことで言うんであればですよ、
そもそもそういうメッセージの整合性とか順序とかどう設計するかっていう編集の部分がうまくいってないんじゃないの?っていう話だと思うんですよね。
受け手にとってユーザーにとっての違和感とかノイズっていうのは、こういうコミュニケーション設計がですね、
うまくできませんでしたっていう結果でしかないですからね。改めてですけど、その広告、課金、AとB、両方やっていいんですよ。
全然メディアビジネスとして別に攻められる話でもなんでもないんですけど、ただごっちゃにした。
してしまったっていう話だと思うんですよね。別に先にだって広告リリースしてから課金の仕組み入れるとかっていうようなメディアビジネス
たくさんありますし、課金先で広告を書く後だって、ネットフリックスとかアーマープラとかあったりとかするんで全然いいんですよ。
ただ一緒にやるという話だと思います。
やっぱこういうプラットフォームの設計のところ、私もそういう意味では人生、事業者変えて3回プラットフォームの設計というか編集、編成みたいな形に
関わってきた人間ですと。ライブダーグリー、スマートニス3回やってきましたっていうところがあるんですけど、
改めてなんて言うんですかね、そこの一点においてで言うと、プラットフォーマーなんで場の演出でもありますし、流通の設計っていうところで
言うんであるんだったら、やっぱりユーザーさんにまず向き合った上で作り手とリスペクトするという、このちょっとした順番。
私はでもその一点においてまずはユーザーさん最優先。その次に作り手たる皆様っていうところがあるんですけど、ただここに大きな差があるわけじゃない。
すべては今回のテーマである作り手と受け手のバランスっていうところなので、そこのバランスをちゃんと気にして設計されているかどうかっていうところは非常に大事なポイントかなと思うんですよ。
なのでちょっとだけ突っ込んでいったりとかしますけど、例えばボイシーのアプリを開くと、今ボイシープラスの宣伝が一番頭に来るわけですよ。
それで言うと、広告なしで楽しみませんか?みたいな形で出てきます。再生したチャンネル、生放送、注目チャンネル、再生ランキングって並んでくるんですけど、これユーザーに向き合ってるんですかね。
今時のこの手のプラットフォームでいうのだったら、アルゴリズムで編成して受け手が欲しいと思っているコンテンツをきっちり打ち出すっていうのが正しいと思いますし、ボイシー始まったあたりぐらいからずっと続けてるんですけどね。
そういうところがちょっと受け手より作り手の方を見すぎてるんじゃないかなっていう気がするんですよね。
だから今回も一部の作り手さんの意見からすると、それほど混乱見えませんねみたいな話があったりとかするんですけど、なんとなくトップクリエイター、トップ作り手の皆様方の方にちょっと向き合いすぎて、
もちろん作り手さんの方に向き合っていると、そこに紐づいたコミュニティっていうところが形成されて、ある意味ボイシーの強い、これまで収益上げてきたところの石杖にはなっていると思います。
そこでプレミアムリスナーっていう仕組みっていうところがまさにそこだと思うので、それは強い作り手さんがいないと絶対発生しないような課金の仕組みだったりとかするので、それはいいと思うんですけど、
でもそこばっかし見てるんじゃないかな。そこで言うとですね、どれだけ強い作り手さんを抱え込むかっていう話になっちゃうので、そこにはおのぞとやっぱり限界がありますと何かしら。
何かしらって言うとあれですけど、ビジネス上のところで言うと運用コストと合うんだっけ合わないんだっけみたいな話がどうしても出てくると思うので。
で、なってきた時に今回このような形で広告も導入するわ、課金も導入するわっていう形で収益に強いプレッシャーというところでバッと出ちゃったっていうところがあると思うんですけど、
その一連の流れにおいてで言うとちょっと強い作り手さんに向き合いすぎてたんじゃないのかなっていうのがなんとなく思ったりとかした次第です。
別にプラットフォームに限らない話なんですけど、本当何かしらね場の演出、流通の設計っていうところにおいてで言うと、受け手と作り手っていうところのバランスっていうところはですね、
大事、当たり前の話なんですけどね、そこをちゃんとチューニングしていきましょう。チューニングして調整して編集して編成していかないとですね、
結局何か受け手の混乱招き、作り手が戸惑うみたいな話になるかなというふうに思った次第です。
作り手と受け手の関係
改めてですけどね、信頼関係の構築っていうのはこういう一貫した取りと順番設計っていうところが大事だと思いますし、
重ね重ねですけどその根底には作り手に対するリスペクトと受け手に対する誠実さっていうところが大事かなというふうに思う次第ですね。
こういうのがメディアの器をどう磨くかっていう話だと思います。
そんな感じでお送りしてまいりました。ご意見とかご感想とかですね、ぜひ概要欄にリンクがありますので、
ホームページのリンクがありますので、ここでぜひ入れていただければというふうに思います。
何かしらDMと思ったものでも全然構いませんので、リクエストとかですね、感想とかお寄せいただけるとありがたいです。
はい、来週頑張って喋っていくぞ。
はい、それではまた次回お会いしましょう。松浦秀樹でした。