ガリレオ・ガリレイの天体観測術について
いちです。おはようございます。このポッドキャストは、僕が毎週お送りしているニュースレター、
スティームニュースの音声版です。スティームニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
スティームニュースは、スティームボート乗組員のご協力でお送りしています。
このエピソードでは、天国を観察した科学者、ガリレオ・ガリレイについてお届けします。
改めまして、いちです。このエピソードは、2023年6月8日に収録しています。 毎月10日は、科学系ポッドキャストの日ということで、科学系ポッドキャスター有志による
連携企画の一環として、このエピソードもお届けしています。 今月のテーマは、観察ということで、僕たちはガリレオ・ガリレイについてお話をしていきます。
どうぞ25分間お付き合いください。 カリフォルニア州ロサンゼルスに、ゲッティセンターという美術館があります。
世界の美術品が集められていて、入ってみるとルパン三世になった気分になれる場所です。
僕も大好きな美術館で、なんと入場無料なんですね。 このエピソードでお届けするお話は、この美術館に収蔵されている
ある作品と関係があるんです。 その作品とは、
フランスの画家アントワーヌ・カーロンの1570年頃の作品。 異京都の哲学者を改心させたアレオパゴスのディオニシオという絵があるんですが、この作品
日食をモチーフにしているんですね。 で、この日食なのですが、絵の所有者ゲッティセンターは1571年1月25日
または同じ年の7月22日の日食をモデルにしたのではないかというふうに推定をしています。
確かに年代的にはあっているのですが、僕はですね、16世紀の日食リストを詳しく調べてみたんですね。
そうすると1571年の日食がフランスから見えた可能性はかなり低いんじゃないかという結論に至りまして、
で、これはですね、まあ僕の推測なのですが、おそらくは1567年、絵が描かれたもうおそらく3年から4年前の1567年4月9日の金刊怪奇日食をモデルにしたのではないかと
睨んでいます。こちらの日食はフランスでもそしておそらくイタリアからも見られたはずだと僕は認識をしています。
この日食の日、ガリレオ・ガリレイは3歳でした。
日本では習い事は数え7歳から、つまり満6歳からという通り、3歳ではまあ何も覚えてないとは思うんですが、
それでもガリレオの家族はガリレオに繰り返し日食の話を聞かせたのではないかと思います。
音楽理論家という時代的には数学者のような存在で、なおかつアーティストでもあったガリレオの父、
ビンチェンソーはガリレオに時に遠空の神秘を話して聞かせたのかもしれません。
ガリレオは晩年に視力を失うのですが、それまではいつも天体の観測をしていました。
実際ガリレオが視力を失った理由は彼が太陽を観測しすぎたせいだと言われています。
1609年ですから、ガリレオが45歳の時、彼はオランダで望遠鏡が発明されたという噂を聞きつけて望遠鏡を自作します。
オリジナルの望遠鏡はオランダの眼鏡職人ハンス・リッペルハイによるものと考えられていますが、
結局この望遠鏡はガリレオ式望遠鏡という名前で歴史に残りました。
ずるいとは思わないでください。ガリレオは望遠鏡デザインを創意工夫し、世界で初めて天体観測に耐える望遠鏡を独力で組み上げたんです。
そうなんです。ガリレオは自作の望遠鏡を天体へと向けました。いいですか。17世紀に望遠鏡を天へ向けたんですよ。
天国ですよ、天って。現代の日本の感覚で言えば、
僕男だからこういう例えをするんでしょうけれども、女優を望遠カメラで覗くようなものですよ。
友人のフランス人男性に、なぜ日本人は見るだけで満足するのか、我が国ではゴニョゴニョゴニョっていうふうに問い詰められたことを思い出したのですが、
それはさておきですね、17世紀という時代を考えると、天に向かって望遠鏡を向けるということはそれなりに
ハレンチなことではなかったのかというのが僕の想像なんですね。 ガリレオは初めて見た月の様子をスケッチしています。
宇宙人の目撃者に限って絵が下手という有名な法則、有名じゃないかもしれません。 これマーフィーの法則の中の一つなんですが、そんな法則があるんですね。
ただガリレオは絵も上手でした。 メールで送りしているニュースレター、スティームニュースではガリレオによる月のスケッチも掲載しています。
よかったらですね、スティームニュース第133号、そして第100号の方にも別のスケッチを載せています。
こちらを合わせてご覧いただければと思います。ほんとね、上手ですよ。 ガリレオが見た月には大地があり、海がありました。
少なくとも彼にはそのように見えました。 生命力にあふれているのは地球だけではなかったんです。
ガリレオ・ガリレイの発見:木星衛星、土星の輪
ほらやっぱりハレンチでしょ。大発見です。 ガリレオはさらには木星を観察し、
木星を中心に回る4個の木星の月を発見します。 この木星の月は現代に至るまでガリレオ衛星と呼ばれ、
すべての天文学者たちに愛され続けています。 ガリレオ衛星は天が地球を中心に回っているのではないことを明確に示す
証拠なのです。 木星の月は木星の周りを回っているんです。
地球の周りではなく。 ガリレオは土星も観察しています。
彼の望遠鏡では土星の輪がきれいには分離して見えなかったので、 球体、まんまるの星にその横に取っ手がついているように見えたんですね。
これも彼にとっては衝撃で、 球体ではない星が
天空にあった。しかもそれが土星だった。 これも放じれるぐらいの驚きだったんじゃないかと僕は思います。
そしてガリレオは望遠鏡を太陽にも向けたんです。 これは絶対に絶対に真似してはいけないことです。
視力を失います。 事実、ガリレオはその結果視力を失いました。
ただガリレオ以前に望遠鏡がなかったことを考えると、 ガリレオに望遠鏡を太陽に向けてはいけないという知識がなかったことを責めるわけにはいきません。
フグを初めて食べた人に、ほらねとは言えないのと同じことです。 記録でわかっている範囲では望遠鏡を初めて太陽に向けたのはガリレオではなくイギリスの
天文学者トーマス・ハリオットで1610年だったようです。 ガリレオも太陽を見たに違いないのですが、
記録に残したのは1612年からでした。 実は月のスケッチもハリオットの方がガリレオよりも数ヶ月早かったことがわかっているのですが、
こちらはもう誤差の範囲と言えるかもしれません。 ガリレオによる太陽のスケッチ、こちらもですね現在に至るまで残されています。
テキサス州ヒューストにあるライス大学は ザ・ガリレオプロジェクトとしてガリレオのスケッチをインターネットで公開しています。
その中の1点をメールで送りしているニュースレタースティームニュースにも掲載しています。 こちらもですね非常に精緻なスケッチです。
このスケッチには太陽コクテン、通称コクテンが明確に非常に細かく描かれています。
太陽コクテンの存在は記録によればアジアでは紀元前800年以前から、 ヨーロッパでは紀元前300年頃から知られていたそうなのですが、
こういった詳細なスケッチはガリレオによるものが初めてです。 ガリレオが望遠鏡を天体へ向けたのは17世紀のことでした。
彼はすべての惑星に望遠鏡を向け、 金星の満ち欠けも見つけています。
これもまた当時知られていた天道説を否定する根拠になりました。 ガリレオのもう一つの発見は天の川の本当の姿でしょう。
天の川はガリレオの母語、イタリア語ではラ・ビア・ラッテア
父の道という意味です。 英語ではミルキーウェイですね。
ガリレオの時間の発見
この父というのは牛乳ではなく女神ヘラの母乳です。 これギリシャ神話から来ているわけですね。
ガリレオは天の川を観察して、 それが無数の星々からできていることを突き止めました。
ガリレオは一つ一つ当時の神話を地上の営み、 科学へと取り返していったんですね。
1994年にロサンゼルスを大規模な停電が襲いました。 人々は夜空に謎の光が見えたことを不思議がり、地元天文台へ問い合わせたそうです。
いつの時代も天体は神秘的なものです。 その神秘的な現象を僕たちの科学へとつなぐものが
観察なんです。 いかがでしたでしょうか。
2023年6月の科学系ポッドキャストの日、共通テーマ 観察を中心にガリレオガリレイのお話をお届けしました。
ガリレオガリレイは僕の生涯の目標で語り始めると実は止まらないんですね。
このsteam.fmでもエピソード100 科学者をリレーした時間のバトンでも取り上げていますし、
メールでお送りしているニュースレター、スティームニュースのこちらも第100号でガリレオガリレイを特集しています。
このsteam.fmエピソード100、そしてスティームニュース第100号では、時間の発見者としてのガリレオガリレイ焦点を当ててみたんですね。
時間の発見者ってどういうこと? ガリレオ以前から時間であったよね、時計もあったよねというふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
というか大半の方はそう思われたと思うのですが、物事を時間で測るということを最初に始めたのがガリレオガリレイだったんですね。
もちろんこの時代すでに日時計はありますし、それにsteam.fmの一つ前のエピソードでお話しした通り水時計もありました。
これはもう古代ギリシャから使われていたものがあります。 そうではなくてガリレオガリレイは今でいうストップウォッチという概念を発明したんですね。
もちろんガリレオガリレイの時代にストップウォッチはなかったわけで、彼は自分の脈で時間を測りました。
一時期医師、ドクターを目指していたこともあって、脈の知識というものもあったんでしょうね。
その脈を使ってキサの車頭に揺れるシャンデリアの往復の周期を測ったそうです。
これはどこまでが本当なのか今となっては少し疑問なところもあるのですが、
振り子の振れ幅が振り子の重さによらず一定であることを発見したのはおそらくガリレオガリレイです。
ストップウォッチがないから自分の脈で測りました。 その結果彼はですね振り子の原理を利用して振り子時計を発明したりもしています。
ちなみにですね振り子の揺れ時間なのですが、1メートルの長さの振り子の揺れ時間が1秒になります。
これは偶然ではなくて、もともと1メートルの長さというものを1秒の揺れで動く振り子から決めようとしたんですね。
結局その振り子の揺れ時間というのは振り子の重さには影響を受けないのですが、地球のどこでやるかというね
ガリレオの著作とイタリア語
この位置に影響を受けることが分かって、振り子によるメートルの定義というのは見送られたのですが、そのぐらいガリレオガリレイの発見というのは現代でも生きているということなんです。
ガリレオの業績はまだまだあります。彼は僕に言わせると世界初の科学ジャーナリストなんですね。
当時学問の言葉はラテン語というふうに決められていました。それが常識でした。学術というのはラテン語で語られなければならないというふうに言われていました。
江戸時代の日本で言うと正式な文章は漢文でなきゃねみたいなのと似ているんじゃないかなと思います。
母語ですね。ガリレオガリレイにとってはイタリア語、日本人にとっては日本語というのが母語、誰もが喋ることができる庶民の言葉だっただけですが、
当時学問というのは学問の言葉で語られなければならないという決まりがありました。これはガリレオガリレイ以降もニュートンも例えば書籍をラテン語で書いたりしています。
ところがガリレオはイタリア語で書いたんですね。有名なものが天文対話という本、日本語で訳すと天文対話というふうになっているダイアロゴという本ですね。こちらイタリア語で書いたんです。
そこでは指導説を説明するためにすごくわかりやすく書いているんです。
対話調で、天文対話というのは3人の登場人物の対話形式で書いているんですね。これ今のホットキャスト、対話式のホットキャストに通ずるものがあるんじゃないでしょうか。
僕はガリレオガリレイに憧れて、こうして科学コミュニケーションをしているんですが、その割には一人でやってるっていうのはちょっと矛盾ですね。
対話しないといけないですよね。 ホットキャストはやっぱり対話がいいですよね。
はい、考えます。 一方ですね、この天文対話を出版したことで、実際これはベストセラーになったのですが、
この天文対話に登場する人物シンプリチオ、
語感としては、僕はこれ日本語に訳すとバカボンという風になるんじゃないかと言ってるんですが、
シンプルな頭の人ですよね。シンプリチオ。これが誰かが告げ口をしたんでしょうね。ローマ教皇に、これは
教皇陛下のことでございますという風に、告げ口をしたんだと思います。もともとローマ教皇とガリレオは良好な関係を持っていたのですが、この後
急速に関係が冷え込んでいって、 ついにガリレオは有罪判決を受けてしまいます。
そしてフィレンツェ郊外の別荘に 軟禁されてしまいます。
しかも太陽を直接見たことがたたって、おそらくですね、おそらくそれがたたって 失明してしまいます。
それでもですね、好奇心が衰えなかったのか、 弟子たちと一緒に何でしょうが、振子時計を発明して図面なんかも書いています。
これ本当に勇気づけられる話ですよね。 ガリレオの弟子の一人、エヴァンジェリスター・トリチェリー。彼もですね、偉大な物理学者になりました。
トリチェリーは水銀を使った気圧計を発明していまして、 その副作用で世界で初めて真空を作り出した物理学者にもなりました。
まだまだ話足りないのですが、お時間が来てしまいました。 このエピソードも最後まで聞いてくださってありがとうございます。
それからコーヒーの差し入れも本当にありがとうございます。 よかったら概要欄から見てみてくださいね。
エレクトリックなポッドキャスト
概要欄に2023年6月、科学系ポッドキャストのまとめページへのリンクも置いておきます。
よかったら他のポッドキャストもチェックしてみてください。 steam.fmの一でした。
私たちはこのような夢を作りました。 私たちはこのような光の速さで動いています。
それはとてもエレクトリックに感じます。私たちはタイトルウェイのように動いています。 何もかもが私たちの方向へ移動することはできません。
私たちはそれをブレークウェイに移動します。 私の心は火のように燃えています。私たちは上に行きます。
私たちは上に行きます。私たちは上に行きます。
私たちはこのような光の速さで動いています。 私たちは空の中で星を撮影します。