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始まりました。佐々木亮の宇宙話。
普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします。こちらのポッドキャスト。
本日はですね、星は一人では生まれずに、兄弟たくさんと一緒に生まれるというような最新の研究結果が出ていたので、こちら紹介させていただきたいと思います。
これですね、本当に今日、国立天文台のプレスリリースから出ていた内容で、簡単に言えば、私たちの天の川銀河とかも含めですね、宇宙の中ではガス同士、ガスとかチリとかそういうのの塊の衝突がめちゃめちゃ起きていると。
それによってたくさんの星が狭い箇所で一気に作られるみたいな現象が起きている。そんな宇宙の描像が新しく見えてきたというお話らしいので、今回はこちらの論文の内容を紹介させていただきたいと思います。
ということで、本題に入る前に、今日の活動報告というか、緊急報告になりますが、今日はですね、昼間ずっと学会の資料を作っていたんですね。
この学会は日本天文学会と呼ばれる、日本中の天文をやっている人たちが一挙に集う学会での発表になるんですが、この発表資料を作るのに結果はもう出てるんですよね。
研究というのは何か課題があって、それに対して私の場合は実験とか観測データっていうのをいろいろいじって結果が出て、それが宇宙に対してどういう新しい理解を与えるのかっていう考察をするっていうような流れになってて、その作業は白紙論文の時点でしっかり終わっていると。
ただ何に苦労するかっていうと、結果の層が厚すぎて発表時間にまとめられないっていうところにめちゃめちゃ悩みます。
白紙論文、この1ヶ月で大きい発表5個とかあるわけなんですよ。
ただ時系列を追っていくと、白紙論文の発表が40分。
この間の白紙論文の業界内での審査会みたいなやつが発表時間が25分。
今回、天文学会で発表する時間は9分という形になるんですね。
時間の収縮度合いというか、こんなに一気に時間が縮まってくると、
もうすごい量の取捨選択をしていかないといけないっていう状況に陥るわけですよ。
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ただ、この間の25分発表は相当な労力を使って40分の資料を縮めたんですけど、
これを9分にしなければいけないっていうところは、もう至難の技ですよね。
本当にここの山がなかなか厳しくて、何とかギリギリ収まりそうな量まではいってるんですが、
十分削ぎ落としきれてないっていうのをやっぱり指摘されまして、
協調者の方に、そこはまた詰めていかなきゃなーなんて思ってるところで、
一つの資料にどれだけ時間かけるんだっていう状況で今戦っております。
そんな作業をしながら、結構ポッドキャストを今日はたくさん聞いて、
いろんな面白い番組見つけられたなーなんて思ってるところでございます。
そんな感じで、今日もですね、うちのお話ししていきたいと思います。
今日は、星は一人で生まれずに兄弟たくさんを一気に作るっていうようなお話をしていきたいと思います。
こちらのポッドキャストで過去に何度かお話しさせていただいているかと思いますが、
星ができる状況っていうのがどういう場所なのかっていうと、
これは宇宙空間に漂っているガスとかチリとか、そういったものがお互いの重力で引き寄せあって、
そいつらがだんだん大きい塊を作って星を形成していくっていうのが星ができる簡単な説明になるんですね。
ただそんな中で、単純な太陽みたいな星だけではなくて、
本当にそれの10倍とか大きさの星っていうのも存在するんですよ。
これが大質量星とか言われたりするんですけど、
そういったもっと巨大な星であったりとか、小さい星がたくさんある領域、星団と呼ばれる領域ですね。
こういうのがどういうふうにできているのかっていうのは、実はまだ宇宙の研究の中では明らかになっていなかった。
シンプルなお話なんだけど、実際に計算と観測両方から解明しきれていないっていうような、そんな状況が続いていたらしいですね。
これちょっと前に話したみたいに、天文学っていうのは、実験屋さんと理論屋さんっていう両方の人がいて、
実験屋さんは観測的に宇宙を見る人たち、理論屋さんは数式的に宇宙を見る人たち。
この2つが競い合いながら、宇宙の発展っていうのは、理解の発展は進んでいっていて、
なので、これは逆に言えば両方からきれいに説明されると、これは確かな結果であろうというような感じで、ある程度の一見落着感は出るんですよね。
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今回はその両方からついに決着がついたと。
星の塊、星団と呼ばれる領域であったりとか、大きいサイズの星っていうのがどうやってできるかっていうとこに、
ある意味一つ終止符が打たれたというような研究ですね。
どういうふうにやったのかっていうと、宇宙空間に漂うガス同士の衝突っていうのが、ちらほら発見されていたところをですね、
実際に望遠鏡を使って、10年間にわたってガスとかチリとかの動き、ないしは衝突していくような10年間の膨大なデータっていうのを解析してあげたと。
そうすると、ガスの塊同士がどうやって動くのか。
その塊同士がまたさらに衝突したときに、どういうふうな星を作る工場みたいな形に変化していくのかっていうところが観測でいろいろ見ていったと。
それにプラスして、それを説明する計算っていうのも同時に進められたらしいんですね。
そうすると、今回の研究によってガスの雲同士が衝突して、そうすると私たちがいるこの天の川銀河だけでなく、他の銀河とかにおいてもそういったガスの塊同士の衝突が発見されたと。
こういったのが珍しい現象ではない。
この衝突していくことによって、一気に新しい星が作られるような、結局はガスとか塵とか、星を作る材料がたくさんあって、
そいつらが近くにいると簡単にくっついて、簡単に星を作り出すというような感じなので、
そういった感じで、ガス雲同士の衝突によって、星がたくさんある星団と呼ばれる領域がポンポンポンポン誕生したというのが、またはしているという状況が、
宇宙全体でまんべんなく起こっていることが明らかになる。
特に私たちのいる天の川銀河に注目すると、この銀河の中心にはブラックホールがあって、
その周りに私たちは回っている状況なんですが、その中での銀河ができて、他の銀河が近くに来て、
お互いが衝突するような形をとったことによって、天の川銀河の中に一気に星が生成されたと。
星が一気に作られたことで、この綺麗な円盤というのを作り出している。
そんなようなことが今回の研究からさらに見えてきたということらしいんですね。
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こんなガス同士の塊が衝突するというような現象が起きれば、それだけ材料がたくさんある。
その宇宙空間の中で、より大きな星というのも一気に作られるといったところで、
今回の研究では、昔の天の川の姿、ないしはその中でどうやって星がたくさん作られてきたのか。
そしてその中でも巨大な星というのがどうやって作られたのかというような、かなりスケールの大きいところまで研究結果が伸びていったというようなところで、
すごく天文学を発展させた偉大な研究だったんじゃないかなと個人的に思っています。
なので、こういうふうにどんどん実はシンプルなように見えて、実はなかなか理解が進んでいなかった、
なんていうところの研究は面白いので、今後もどんどん紹介していけたらなと思っているところです。
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コメントをいくつか読み上げさせていただきます。
ツイッターネーム、ばやしさんからいただきました。
来月から博士課程に進学する自分にとってすごく身近な話だった。
圧倒的かつ論理的な思考ってどの分野でも必要だし重宝されるよね。
GoogleがPhDを持った人材を好んで取っていたのもその辺の理由が絡んどるっぽいねという話ですね。
そうですね、この150回放送で博士号を持ってるやつがどんだけ偉いんだみたいな話をさせていただいたところの話が
来年から博士課程に進学する方にちょっとでも心構えじゃないですけど、なんか響いたものがあったんだったらすごい嬉しいなと思って今回のコメント紹介させていただきましたね。
このエピソードを上げてちょっとした時にある研究してる方からコメントいただいて、博士号っていうのは一般的によく言われるらしいんですね。
初めて知ったんですけど、博士号っていうのは足の裏についた米粒って言われるらしいです。
これどういうことかっていうと取っても食えないと。
つまり博士号を取っても別に生活で食っていける保障はないっていうのを足の裏についた米粒ってもう1回食えないよねみたいなそんなところに例えてるみたいですね。
これすごいうまいなと思ったのでちょっと紹介させてもらいました。
もう1つコメント紹介させていただきます。
Twitterネームカラフルさんからいただきました。
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昨日の放送についてですね。
NIOV原素記号NBって見ても周期表にこんなのいたっけってなるくらい学生の頃に話題にならなかった元素だけど太陽系の謎を解き明かす重要な手がかりだったとはついついNIOVについて調べてしまった。
これですね、自分も同じなんですね。
NIOV、NBなんて正直マジでピンとかなかったです。
けどこういう新しい研究をきっかけにすごい基礎的な科学の部分っていうところを勉強し直すっていうきっかけがもらえるのも論文の面白いところかなと思ってるんで皆さんと一緒に自分もどんどん勉強してるので疑問点だったりっていうのはぶつけてくれると嬉しいです。
といった感じですね。
今日はこの辺りにしたいと思います。
ポッドキャストランキングですね。
なんと科学ポッドキャスト1位に続き全体のランキングが53位まで上がっていたのでこれからもどんどん頑張っていきたいと思います。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。